海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160721

心中の道連れ 番外編 「有効な質問」
自室のベッドのヘッドに寄り掛かったギョンスは、相も変わらず台本を読んでいた。
その同じベッドの足元にはあぐらをかいたベッキョンが、ポータブルのゲーム機で遊んでいる。
ぽっかりできた昼間の空き時間に、ふたりはなんとなく一緒にいた。
他の部屋にも何人かメンバーがいるため、これ以上距離を縮めるのは難しかった。
ギョンスの足と、ベッキョンの腰が、触れるか触れないか。
はっきり言ってふたりとも、台本もゲームもどうだってよかった。
満足感と欠乏感が部屋中に満ちていた。
「なあ」
ベッキョンが口を開いた。ゲーム機から顔を上げ、台本に目を落としたままのギョンスを見る。
「ん?」
「俺のさー」
ギョンスがころっと目だけでベッキョンに向かう。
それに対して少し目を伏せたベッキョンは、心持ち口を尖らせ、もごもご繰り返す。
「俺のさー」
「なんだよ」
とうとう顔を上げ、ギョンスは爪先でベッキョンの腰を小突く。
肩をすくめたベッキョンは言いにくそうに、だがなんとか言葉を発した。
「…どこが……好きなの?」
もともと無駄な動きの少ない、じっとしていろと言われたらいつまでもじっとしていられるギョンスが、目をわずかに見開いただけでぴくりともせず自分を見つめるのを、ベッキョンは顔周りの血の巡りが良くなるのを自覚しながら、なんとか逃げずに受け止めた。
「……どこ?」
「…うん」
眉間にかすかなしわを寄せ、こちらを注視するギョンスのようすがなんだかおかしいやら怖いやらで、ベッキョンはこらえきれず視線を逸らし、口元にふにゃふにゃした笑みを浮かべた。かっこわりーな、と思いながら。なんでこんなこと聞いたんだ?と自問自答すらして。
「……陽気なとこ?」
頭を下げたまま、横目で声の主であり、自身の恋人(であるはず)の方を、ベッキョンは見た。
「…プロ意識が高いとこ?」
ギョンスは眉と眉を更に寄せて、いつも通り瞬きもせず淡々とその低い、響きのある声で相手の好むところを挙げていく。
「気配りできるとこ?」
「努力家なとこ?」
「優しいとこ?」
さすがに恥ずかしく、隠せない大きめな自分の耳が色を持っているのも恥ずかしく、ベッキョンは先程以上に首を落として、もういいよ、と言おうとした。まっすぐなギョンスにかかると、自分のおふざけなどそのままど直球で跳ね返ってきてしまう。友人としてならともかく、恋愛関係において、ギョンスを相手にするとどこまでもあたふたして無様になると、ベッキョンは思う。今だってこんな馬鹿な質問をなぜかしてしまって、自分が困惑して照れている。数分前までそんなつもりこれっぽっちもなかったのに。
「…手がきれいなとこ?」
自分の手を見下ろしていたベッキョンは、その声色と言葉に体が勝手にほんのわずかに、跳ねた。
「色が白いとこ?」
「垂れ目なとこ?」
「首が長いとこ?」
ぎし、と音がした。
ベッキョンの目の端に、ギョンスの手の指先が映った。
ベッドの上の体重が一箇所に集まるのを、どちらもが感じた。
長いと言われた首は、その肌すべてを白から赤に変え、おそるおそる上げられた目は力なく常以上に垂れているのを、ギョンスの目はあますところなく捉えた。ぞくぞくと全身をなにかが走る。俺のものだ、と思う。
ゆっくりと顔をベッキョンに近付けながら、唇の端を挑発的にほのかに上げて、ギョンスは続ける。
「……唇を舐める癖があるとこ?」
息が、かかる。今まさに言われたその癖を、ベッキョンは真っ赤になりながら実演していた。無意識に。
「そっちの番」
唇の前で喋られ、ベッキョンは身動きできずにきょときょとと目の前の大きな瞳を見返した。
「俺のどこが好きなの」
もはやギョンスは笑みを抑えることができなかった。
ベッキョンはわけのわからない感情に飲み込まれ、肌が泡立つのが止まらない。
「言えよ」
もう、これ以上喋ると隙間などなくなってしまう。
空気を含んだ媚薬のようなその声で、ベッキョンは最後の理性が飛んだ。
開いた唇から舌の色を見たギョンスも、同じだった。
隙間は消えた。
まずこのキスが好きだ、とベッキョンは思い、あと唇が甘いとこ、とギョンスは思った。




おわり




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20160721

心中の道連れ 番外編 「再度、有効な質問」
巨大なクレーンカメラとスタッフがあちこちを動く。
ひとつひとつが強い光を放つ照明が、ギョンスを照らしたり、また他のメンバーを照らしたりと、向きや表情を刻々と変える。
ギョンスはペットボトルの水をひとくち、含んだ。
先刻からひとりパイプ椅子に座って休むギョンスの右斜め方向で、ベッキョンとチャニョルが組んず解れつしながら騒いでいる。そこにセフンやジョンデも加わり、大わらわだ。通常運転。牧歌的な光景だった。
ペットボトルの蓋をぎゅっと締めるギョンスと、ヘッドロックをかまされたベッキョンの目が合った。
無理矢理自分に被さる長い腕を引き剥がし、大きな足音を立ててベッキョンはギョンスを小走りで訪れた。口にまだお遊びの余韻の笑みをたたえて。
はあはあ言うベッキョンは、どすっと隣のパイプ椅子に腰を下ろすと、「水、ちょーだい」と手を出した。
無表情のギョンスは手に持ったペットボトルをもう一方の手にぱこぱこと打ち付ける。じゃぶ、じゃぶ、と水が跳ねる。
「ちょーだい」
虚をつかれたベッキョンは、それでも多少崩れてはいるが笑顔で、更に手を差し出した。
すると今度は自分の首にボトルをぱこぱこと当て、無言でギョンスは片頰を上げた。
「……何」
さすがのベッキョンも笑みを消し、口を引き結ぶ。
ギョンスの黒目は、白の中で浮き上がってベッキョンの目に映る。
「………ちょっと、やられすぎじゃない」
「……へ?」
言葉を続けず、顔を前に向けたギョンスの量の多い白目を見て、ベッキョンは回転の早い頭で、なんとなくだが、事態を察する。
「………今更?」
呆れるのと嬉しいのとで顔がほころぶのをなんとか抑え、ベッキョンが思わず言うと、ギョンスはぱっと相手を向く。
「なんだよ」
心持ちしかめられた顔と不機嫌そうな尖った声が、素直な心境を饒舌に物語り、ベッキョンはますます相好を崩しそうになる。
「お前さ」
もうほとんど笑っているベッキョンを見据え、殺しそうな視線でギョンスは言う。
「俺のどこが好きなの」
思いもしなかった質問に、記憶が蘇る。同じ質問を投げかけたこと。それに付随するもろもろ。
勢いづいた血液の流れを意識しながら、ベッキョンはギョンスと見合ったまま考える。
濃い眉?
白目?
下唇より厚い上唇?
肩幅の狭さ?
尻の小ささ?
脚のかたち?
実は巻き爪の足?
さらさらした肌?
……真面目なとこ?
優しいとこ?
面白いとこ?
いつでもなんか、………新鮮なとこ?
表情の、感じ……。
仕草…………。
リズム感…………。
音楽と、一緒なとこ…………。
……………………声?
一瞬の間に、ベッキョンは小さな瞳を揺らしていくつもいくつも並べていった。頭の中だけで。
そして、ちょいちょい、と手をこまねき、ギョンスを近寄らせ、その耳に口を寄せた。
「…………やきもちやくとこ」
そう、かすれた声で底なしに甘く、囁いた。そのまま皆にばれぬよう、すばやく耳の端に、くちづける。
驚きと刺激でギョンスの全身に鳥肌が走る。目を見開いてベッキョンを捉える。
当のベッキョンはしてやったりという顔でにやにや笑いながらも、位置の安定しない、薄暗がりの照明の中でも分かるほど白い肌を染めている。
ギョンスは恋人の腕をぐっと引っ張り、その耳元に顔をやる。
「………覚えてろよ」
その声だけで。
それなのにギョンスは耳の端をかりっと噛んだ。それは甘く。
なんとか声を出さずに済んだベッキョンを見もせず、ギョンスはさっと立ち上がり、ペットボトルを腿の上にぼこんと放り、歩き去る。
無意識のうちに左耳に触れながら、ベッキョンは、ギョンスがチャニョルの脇腹にパンチを食らわすのを目で追う。
忘れられるわけなんか、ない。
熱くなった体を冷まそうと、ギョンスの置き土産をベッキョンはごくごくと飲む。
どこまでも甘い、水だった。



おわり



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20160722

心中の道連れ 番外編 「petite mort」
名前を呼ぶな。
そう思うほどにこの状況と、自分を見つめ、声を出す相手の男に、ベッキョンは支配され、侵食される。
鍵を掛けた部屋。
初めて唇を合わせたクローゼット。
膝が自分のものではないように小刻みに揺れる。
背中をクローゼットの扉に押し付けられ、逃げ場などない。
同じ高さにある、こちらを貫く目線は、知っているはずのものでありながら、全く知らぬもののように見える恋人の、それである。 力の抜けたふたえのまぶたの甘やかさ。
ギョンスは体全体をベッキョンの体のすみずみに合わせるように、隙間なく覆い被さる。
両頬を掌で包まれ、ベッキョンは顔を傾げる。そうされたのか、自分でしたのか、分からない。
「ベッキョン」
また。
針でどこかをつつかれたように、ベッキョンは唇の前の唇から受ける息の温度、湿度、鼓膜に届く音の振動の、その癖に飽きずに体が反応し、下半身に血が溜まる。
硬度を増した体の中心に、同様の状態のお仲間はぴったりとくっつき、離れる気配はない。お互いが硬さに痛みを覚えるほどに。その甘美な痛み。
知らぬうちにしかめた眉は、ギョンスの目には誘いに映る。少し開いた口の間も。小さな三角を描く自分とは正反対のこの唇が動くたび、ギョンスの目は釘付けになる。ひそやかな扉の向こう。白い歯の行列や、色の濃い舌は、自分を待っているとしか思えない。舌や、指や、それ以外のもの。そこに入れたくて入れたくてたまらない。
ベッキョンは立たなくなりそうな腰を懸命に保持し、体の後ろのひんやりした感触と、対照的に熱く、これからもっと熱くなるだろう人肌のぬくみを両方感じながら、口を少し、大きく開いた。ゆっくりと、瞬きをして。
もちろん、ギョンスはそれを食べた。
それぞれの舌を突き出し、目を閉じて、お互いにとっての生きる糧を貪った。
くちゃ、ぺちゃと、音は鳴る。
ギョンスの、ベッキョンの顔に置かれた手に力がこもり、指が首の後ろまで伸びる。押さえつけ、逃すまいと。
ベッキョンはギョンスの背中に腕を回す。その広いとは言い難い背の、柔らかな部屋着の生地の下の、求める素肌をまだ、触れない。上から好きなだけまさぐるにとどめる。ふいに腰の皮膚に触れるだけで、指先は喜びに震える。
「…あっ、ベッキョン…」
キスの波間に吐息とともに自分の名が漂う。
ベッキョンは眉間にしわを寄せ、苦痛に耐えるかのようにその余韻に悶絶する。しっかり立っていられない。その細い腰を、相手の、こちらも負けずに細い腰に、擦り付けるように動いてしまう。
「ベッキョン…………っは、」
だから。
息を抜くように自分を呼ぶな。
舌を舌で巻き込みながら、とめどなく唾液を送り込みながら、唇を赤くするのに精を出しながら、俺を呼ぶな。ベッキョンは気が狂いそうな心地になる。
ギョンスは触れた指先から伝わる首筋の熱にさえ欲情した。
自分にはサイズの小さいベッキョンの唇はしかしどこまでも美味だった。
時折瞼を上げて相手を盗み見ると、考えの被った向こうの瞳と瞳が出会った。揺らめく小さな儚いそれは、自分しか映さない。そう、こいつは自分のものだ。ずっと、そうだった。俺がただ、俺のものにしてさらっていくだけ。どこまでも一緒に。
首。
この、あられもなく人をその気にさせる、長く、繊細な首。
ベッキョンの顎から首の道を、幾度しゃぶり尽くしたいと願ったか。
あちこちに花びらを散らし、筋という筋を舐め尽くし、その色が桃の色へと変わるのを見たいと、どれだけ切望したか。
今ギョンスは果たして、その願望を叶えられるようになった。
「ふわ……っ」
のけ反って、惜しげもなくその鉱脈を自分にさらすベッキョンに、恍惚となりながらギョンスは舌と唇を這わせる。それはもう、這わせる。通らぬ道などない。耳の後ろを執拗に襲い、ベッキョンは声をたまらず漏らす。
「ぅわ、あ、ああ」
力の入らなくなった腕が、ギョンスの腰に引っかかっている。
ギョンスは両手でベッキョンの頭を好きに、しかし優しく動かし、噛んだり、吸ったり、味を堪能し尽くしていく。
鎖骨、それはなんと魅惑的なものなのか。
ベッキョンは細い首と広い肩の流れが両性具有的に見る者をそそる。
その間をつなぐ鎖骨は、性別関わらず、相手にアピールをし続ける。
ギョンスは目にするたびやるせなかった。
今日だって皆に存在を絶えず主張していた。
その誘惑を、完全に受け止めてよいときが来た。己れだけが。
首を落とし、その線に沿って舌を動かす。のけ反らせた顔の上、唇と唇の間に、ギョンスは指を持っていく。割り込み、弾力のある部分にぐにぐにと押し付ける。粘液をからませる。戸惑いを感じながらもベッキョンの口は来訪者を拒まない。目を閉じ、首の下の骨の刺激に翻弄されながら、与えられたおやつを頬張り、舐める。
指先が求める。ようやく脇腹のあたりから直に隠された部分に触れる。ギョンスが一瞬ぴくりとするのをベッキョンは知る。だが動きは、欲求は止まらない。するすると滑らかに、その美しい手は饒舌に語る。肌の感触から得る感動を。そのすべらかさに陶然とする。骨のかたちを確かめる。掌全体で背を覆う。動きは終わりを知らない。口を犯され、肩をしゃぶられながら、ベッキョンはギョンスの腹から胸をまさぐった。
突起部分に到達し、両手の指先で繊細に摘み上げる。
「…ぅあっ」
小さくだが、確実にギョンスから反応の声が上がる。
ベッキョンは耳のすぐ近くで聞こえるその音を、もっともっとと思う。
くっと、強めに今度は摘む。
「あっ」
先程より大きな声。
我慢できない。
それはギョンスも同様で、指を抜き、顔をベッキョンから離すと、トップスの裾に手を掛け有無を言わさず無言で頭から覆いを取り去る。
全体がほのかに色付いた、やはり線の美しい肩を誇るベッキョンの裸体が、ギョンスの目に飛び込む。
荒い息が、その口から絶えず漏れる。興奮が収まらない。上気した肌はギョンスとて同じだった。風邪をひいた子供のように、熱に浮かされた目付きでベッキョンの顔と上半身を交互に、ぶしつけに見た。
ほの暗いクローゼットの中は、充満した生と性の匂いで息苦しいほどだ。
ギョンスは自分の服もさっさと脱ぎ捨て、ベッキョンに向き直る。
さっき刺激した色のついたふたつの部分は、変わらず硬く締まっている。ベッキョンは味見したくてしかたない。癖が出る。舌で唇を潤わせてしまう。
当然ギョンスはそんなベッキョンを見て我慢などできるはずもない。
すべてに触りたいのに、いっぺんには叶わない。
動いたのはベッキョンだった。
躊躇せずに胸の小さく膨らんだ片方を口に含んだ。もう一方は指先で押す。
ふわふわしたベッキョンの髪の感触と匂いに顔が包まれ、与えられた二箇所からの快感に、ギョンスは息を吐く。
「……は……あっ」
かろうじて声になる。
ベッキョンは自身のものの先からゆるゆると液がとめどなく溢れているのが先刻から分かっている。
歯を軽く立てて指先もくっと力を入れると、ギョンスの体はびくびく跳ねる。
たまらずベッキョンはギョンスの腰に添えた片手を前の膨らみへ持っていく。
湿り切ったそこはがちがちに硬直し、ベッキョンの手は経験のない愉悦に思わず力が入る。服の上から、ギョンス自身をつかんだ。
「あっ」
予測していなかった行動にギョンスははっきり、声を上げた。
首ががくりと下がり、体全体がかすかに震えている。
その手が道に惑うようにベッキョンの腰から、下へ移動する。ゴムのパンツの中にすべての指先が侵入する。ギョンスのものをしごき始めていたベッキョンは、直接触れられた敏感な箇所から、悦びが全身に広がり、また元へと戻ってくるのを時間が引き延ばされたかのように濃密に、長く、感じた。
そしてそれぞれの主張する部分を、それぞれの手が直に、捕らえた。
押し込められていたそれらは液をまとわせ肉であるなどとはにわかに信じられぬほど硬く大きく育っていた。
ギョンスもベッキョンも、その状態にそれまで以上に興奮した。
考えるより先にぬめりを活かして動きは開始された。
「くっ……あ、あ。ああ」
「は、は、は、は」
お互いの肩によりかかりながら手を上下させ続けた。
耳にかかる吐息の温度に導かれるように、ふたりはまた、口をつけ合った。
ぐちゃぐちゃと、上からも下からも音は響き、それが燃料のように熱はどんどん上がっていく。
気持ちよさにぐらぐらとしているのはどちらもで、口や性器が溶け出しているのではというほどふたりはひとつになっていた。
「はあ、ベッキョ……ベッキョン…」
そんな声で呼ばれたら。
ベッキョンは昂りを抑えきれなくなっていた。
「ぎょん…す……っ、あ、あ、もう」
ギョンスもベッキョンの口から発される自分の名で耳の奥がぼわあとし、手の速度が増した。
「あっ、ああ!」
ぷはっ、と口を相手から離すと、息を詰めてベッキョンは射精した。
ギョンスは両手でベッキョンの棒の先を押さえた。掌ですべて受け取れるよう。白く濁った、どろどろのそれはギョンスの手を満遍なく汚す。
ベッキョンは肩で息をしながらその上に向けられた掌を見つめ、ごめん、と零す。
上目でベッキョンを見たギョンスは、にや、とおかしな具合に笑う。気まずそうにその目を見返すベッキョンは、視線を逸らしながら笑いの意味を考える。
「ベッキョン」
ギョンスを見直すと、真顔に戻った相手は退けられぬ雰囲気でもって、告げる。
「脱げよ」
膨らんだ部分はまだまったくかたちを変えていなかった。
ひっかかる下半身の衣類を、言われるままのそのそとベッキョンは脱ぐ。
さすがに羞恥がベッキョンを襲う。
てらてら光る出っ張った部分とそれを囲む硬い毛を、ギョンスに見られるのを見ることができず、ベッキョンは斜め下を向く。
「俺のも脱がして」
顔を上げると、そこにはまた、真顔のギョンスがいるだけだ。
当然のことを言っているとばかりに、何の抑揚もなくベッキョンに促してくる。
ためらいながらも、その腰から注意深く、下着と一緒にパンツを引き下ろす。
ぶるぶる、と跳ねながらさっきまで掴んでいた棒が顔を出す。そのさまだけでベッキョンは脳みそが溶けそうになる。
素っ裸になったふたりは、ギョンスの方から、ベッキョンに近寄った。
「四つん這いになって」
床はカーペットが敷かれていた。
ゆっくりとベッキョンは両腕と両膝をつく。
心臓から血が送られる速さが尋常でなくなってくる。
恐怖と期待で膨らみきった心と、性器が、ベッキョンの姿態を更に妖しくさせた。腰はひねられ、美しいカーブを描く。
「すごいな」
考える間もなく、ギョンスはただ口にしていた。
「お前やばいよ」
そう言ってギョンスは膝をつき、手に受けた精液を伸ばし、こちらに向いた尻の間の一部分にそっと、塗り込め始めた。
「んっ」
感じたことのない温度と感触に、ベッキョンは全身が泡立った。
玉の方に向けて、割れ目全体をぬるぬるしたものがまとわりつき、快感に肘が震える。
そしてギョンスは相手の棒を掴んで、再びしごきを始めながら、ずず、と人差し指を穴へと入れた。
「えっ、あっ」
驚きと違和感でベッキョンは顔を振り向けようとする。
するとギョンスが自分を見て、意地悪そうな笑みを、一方の口の端だけ上げる笑みを、こしらえ、すぐにまた視線を落とすのが目に映る。
笑顔の意味にびくびくと股の間は反応し、先走りがまた自身を濡らす。恥ずかしいほどに。
そんな間も待つことなくどんどんギョンスは押し入ってくる。
どんどん、どんどん。
もちろん、痛い。
ベッキョンはしかし性器のしごきと、ギョンスの表情と、射精した直後であることで、痛みよりも、それに近くはあるが違う、気持ちよさが勝っていた。
ギョンスが指を3本にして自分の中を抜き差しするのを、ベッキョンはよだれを垂らしながら遠い意識で感じた。
「っあ、っあ、っあ」
断続的に、動きに合わせて声も出た。
「……そんな声、出すなよ……」
蜜壺から溢れ出たような、匂い立つ声でギョンスが囁く。
そんな声、なのはお前だ。
朦朧としながらベッキョンは反駁する。心の中だけで。
「我慢できなくなる」
溜息をつくように息を漏らすと、ギョンスは指をそろそろと抜いた。そして穴の付近をしつこく親指でほぐす。
「んんっ、やだ、それ」
ベッキョンの反発など聞く耳を持つギョンスではない。
声の色から、言わんとすることが逆なのは明白だった。
ぐにぐにと液を更に塗りつけながら、ギョンスはベッキョンにのしかかる。
肩のあたりにその顔がやってくる。
穴の周囲では柔らかななにかがひっきりなしに触れている。
ギョンスの吐く息を耳の後ろで感じ、腫れ上がった体の中心は侵され続け、ベッキョンは気が触れそうだ。
ぴと、と、穴にキスをするように触るなにかが、ある。
「……ベッキョン」
ああ。
やめろ。
「ベッキョン……ベッキョン」
やめてくれ。
とろとろと中身は出続ける。
背中に感じる温度と、皮膚と、汗。乳首の盛り上がり。
精液と香水の混じった、むせるような匂い。
おかしくなる。
もう、おかしいのか?
「ああ……」
言葉にならない声しか、もう出ない。
早く。
早く。
早く。
「……ベッキョン……」
そうギョンスは言いながら、腰を進めた。
「うう」
「っああ」
圧迫の強さにふたりの顔は歪む。
「あ、ああ、ああ」
ベッキョンは声が抑えられない。
その手に立ち上がり続けるものを捉え、ギョンスは背中から首にキスを降らせる。
「黙って……聞こえるぞ……」
そう、優しく脅す。
それにベッキョンはこの上ないほどの情動を得る。
音の低さ、何重にも含みがあるような、その声の重み。
しかし自身の声は、なかなか抑えが効かない。
ギョンスは進行を止めるはずもない。
「あ、あ、あー、ああ」
舌で背中から肩を舐め回し、両腕と顎をカーペットにくっ付けたベッキョンに、耳の裏から、しー、しー、と言い続ける。無情に。
「……っ、ぜんぶ、…はいった」
囁きが。
ベッキョンはぎちぎちになった穴の中と、掴まれたままの自身の一部の熱が、ギョンスの声によって発火するのではないかと危ぶんだ。
「…きつい……。ベッキョン……苦しいか?」
苦しい?
当たり前だ。
もう、ずっと、苦しい。
一緒にいると、殺されるんだ。
そして、それを、望んでる。
「ベッキョン……」
ギョンスは自身をくるむベッキョンへの愛しさで爆発しそうな心境だった。
汗をかいた髪の毛も、かっちりとした肩の幅も、大きな赤い耳の端も、何もかもが愛しかった。めちゃくちゃにしたかった。
ベッキョン、と呼ぶたびかすかに震えることを、ギョンスはこっそり、知っていた。
けれどギョンスは、意識的にそう零していたわけではなかった。
自分のものであるということを、言葉にしている感覚だった。
渡さない。
どこにも行かさない。
手の中のものは一度放出したとは思えぬほどの硬さを誇り、ギョンスの手をひっきりなしに汚し続けた。
「ベッキョン…」
そう呟くと、ギョンスは腰を動かした。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ」
突くたびに声は漏れ、ギョンスは自身の体を張り付けた相手の乳首をそっと摘んだ。
「ああっ」
くーっと、引っ張ると、中がひくひくと動く。
もう片方に移動し、同じようにする。
「くうっ」
ギョンスはベッキョンの中を楽しむ。
すさまじい締め付けに顔をしかめながら、それでも楽しくてたまらない。
体を起こし、繋がっている箇所を見下ろしながら、ギョンスは大きく腰を突く。
「はあっ、はっ、あっ、んあっ」
ず、ず、と運動に合わせ体がずるベッキョンは、だんだんと、中の摩擦でのほんのわずかな灯火が、感じられるようになってきていた。
痛気持ちいいような、それは不思議な感覚だった。
「あ……」
ギョンスの低音が上から降ってくる。
ベッキョンは犯される悦びに全身が浸っていくようだった。
「ベッキョン……顔、見たい……」
頭がくらくらしながらその言葉を全身で受け入れると、惚けた顔でベッキョンは、棒を抜くギョンスを振り向く。
「……あっ」
抜かれた衝撃で声が漏れる。
ギョンスが座り、ベッキョンに上に乗るよう腕を掴んで促す。
慣れない動きながら、なんとかそろそろと、腰を落としていく。
「うあ、あ、うっ、い、た、ああ」
ぎゅーっと顔に力の入ったベッキョンを、薄ら笑いで見つめながら、ギョンスは自身で貫いていく。
楔は根元まで穿たれ、ベッキョンは浅い呼吸を繰り返す。
「……動いて」
ほら、と、ギョンスはベッキョンを見上げる。その黒い目玉の中心。
ベッキョンは目尻の垂れた、壮絶な色気を放つ双眸で見返す。
「ベッキョン……」
ギョンスは唇を重ねる。
舌を舌で跳ねさせながら、ベッキョンはようやく動く。
「んっ、あ、ギョンスっ……」
「ん、ベッキョン、ベッキョン」
ぐち、ぐち、と、腰を落とすたび繋がっている証拠が鳴り響く。
ギョンスはベッキョンのでろでろのいちもつを握り、滑りのよすぎるそれを勢いよく擦っていた。
奥深いところまで侵食されたことと、ギョンスの手の動きで、ベッキョンはまたしても達しそうだった。
「ぎょん……すっ……、いき、そ」
蕩けた目で、涙の薄く張った目で、ベッキョンはギョンスをキスの合間に見つめ、懇願するように言葉を発した。
そのさまにギョンスも、自身のものが最大限に大きさを増した。
手を止め、ベッキョンに立つよう促す。
「横になって」
また解放された脱力感に満たされながら、ベッキョンは指示通りに仰向けになる。
髪が広がり、額がむき出しになる。
ギョンスが両脚を持ち上げベッキョンの顔の上にその顔を持って来る。
そして股間には、蓋がされた。
だいぶ滑りのよくなったそこは、ギョンスの来訪を拒むつもりがほとんどなかった。
脚を広げたベッキョンは、完全に快楽へと移行したこの行為を、体中、頭のてっぺんからつまさきまでで味わった。
ギョンスの顔は自分のすぐ上にある。
虚ろな目をして、口を開け、ベッキョンを見下ろしている。
舌を唇で湿すベッキョンに、ギョンスはにやりと笑みを作る。
「わざと?」
はあはあという呼吸の合間にそんなことを言う。
「ちが……」
するとギョンスは動きを速める。
腹と腹に挟まった棒が擦られ、めくるめくような電流がベッキョンの全身を巡る。
「ベッキョン」
言うか言わないかのうちに、また、口で口を塞ぐ。
ベッキョンは肩に手を回して、ギョンスを離すまいとした。
息が、うまく、できない。
卑猥な、聞いたこともないような音があたりに満ちている。
「ベッキョン」
「ああっ、いい、あっ」
気持ちよさに負け、無意識にそれを伝えてしまう。
「やめんな」
もう泣きそうな顔で、眉を寄せ、ギョンスを見据えて歌うようにベッキョンは言う。
「あっ、名前呼んで、ギョンス、ん」
「……ああ、ベッキョンっ」
「あっあああっ」
「ベッキョン、すき、だ。ベッキョン」
「んあっ、やばい、ギョンス、ああっ、おれ、も」
再びキスに陥ると、間を空けず、ふたりは体を痙攣させた。
どこまでも終わらないような、それだった。
ふたりならどこまでだっていけた。



おわり



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20160723

心中の道連れ 番外編 「楽園にて」
ずるい、とベッキョンは思った。
俺だって入れたい。
ギョンスの中がどんななのか知りたい。
そう思った。ずっと、思っていた。
だがギョンスは首を縦に振らない。
いつも、ベッキョンがギョンスを迎え入れていた。
ベッキョンはギョンスに求められてそれを拒否できるわけがなかった。
前から、後ろから、横から、立って、座って。
どんな格好だとしても、ベッキョンはギョンスの前では脚の間を開かないわけにいかなかった。
常よりずっと据わった目で、ベッキョン、と呼ばれて、体に触れられてその息を掛けられると、理性的な意思や羞恥心やプライドなどはどこかに追いやられた。元から存在しなかったように。
それとなく、もしくは勇気を持って割とはっきりと、「俺も」とギョンスの体に触れて要望を伝えようとすると、そのまま結局また自分が穴の中にみちみちに性器を入れ込まれ、自らのものは相手の手か口の中にあるのだった。
とめどない気持ちよさの中で必死に息をしながら、ベッキョンは理不尽さを感じていた。
俺だって。
ギョンスにあんなことやこんなことやそんなことまでしたい。
俺のものを体の真ん中でくわえながらどんな顔をするのか見たい。
どんな声で、どんな動きで、どんなふうにいくのか。
考えるだけでベッキョンはペニスがしようもないと自分で嘆息するほど膨れたし、それを叶えられないなんてことあるかと多少腹も立った。
どうしても駄目なのか。
どーーしても?
ベッキョンは心に決めた。
次会うときは、懇願しよう。
できる限り食い下がろう。
負けずに、粘るのだ。
そして、その、次が来た。

「どうしても?」
「うん」
今日は時間を合わせて取れた珍しいオフだった。
同居人は全て出払っている。
こんなパラダイスのようなことは滅多にない。もうむしろ二度とないかもしれないとすらふたりには思えた。どこまでも気分は浮き立った。どんなことでもできる。何も我慢の必要はない。
ベッキョンの決意は更に固くなった。
今日ならば機嫌よく受け入れてくれるかもしれない。
そんな可能性に心は踊った。
カーテンだけは閉め、ふたりは真昼間、ベッキョンの部屋のベッドの上で、キスを交わした。
ギョンスのキスは、ベッキョンが今までしてきたどのキスよりも彼の性感帯を刺激した。
唇のかたちのせいだろうか。
舌を懸命に動かしながら、ベッキョンは回転の鈍った頭で思う。
自分の薄い唇ではまかないきれない、厚く膨れた丸い唇は、ついばんでもついばんでも納得いくくちづけが叶わない。
その満たされなさが執拗さを生み、口の先から自分が吸い取られるように、体中がかたちをとどめられなくなる。
そんなさなか、初志貫徹、と己を奮い立たせ、ベッキョンは火照った顔でギョンスを優しく押し返し、眉と目を垂らした弱り切った顔を向けて、自分の望みを告げたのだった。
やはりギョンスは乗り気とは言えなかった。
いやだとすぐ言いそうでさえあった。
だがベッキョンの真剣さと、その日の運のよさからくる上機嫌と、言われたことのある種のまっとうさから、ギョンスは即座の拒否に尻込んだ。
なんと言っても自分が好きで、相手も自分を好きで、自分を抱きたいというのを死に物狂いで避け続けるなど至難の技と言ってもよかった。
目の前にあるベッキョンの殊勝なようすも、ギョンスの彼への恋情をくすぐるものが多分にあった。
ギョンスはベッキョンをいじめたいような、好きにいじり倒したいような、わがままで困らせたくなるような、そんな心境によくなった。それがギョンスにとっての、ベッキョンへの恋だった。
「お願い。一回だけ……とは約束できないけど、次はずーっと、先でいいから」
両手を想い人の両手につないだまま唇を噛み締め、眉を寄せるベッキョンを見て、ギョンスは思わず笑い出した。
「笑うなよ」
そう言うベッキョン自身、こらえきれずに吹き出した。
取った手を振って、「駄目?」と畳み掛ける。
「…………分かった」
まだ口を閉じて、ふふふふふ、と鼻で笑いながら、ギョンスはベッキョンの目を見つめて言った。
ベッキョンは目を見開く。え、と口から漏れる。
「いーよ。今日だけな」
反発しようとベッキョンが口を開きかけるとさっと人指し指をそこに当て、
「……次の話は、またそのときにな」
と告げ、得意げな笑みを、ギョンスは浮かべた。

なんていやらしい光景なんだろう。
ベッキョンはベッドに膝を立てて寝そべり、股間を広げている裸のギョンスを、カーテンから漏れる薄明かりの中で見下ろし、既に濡れるだけ濡れた自分の一部がまた先を濡らすのを感じた。
対してギョンスは恥ずかしさと未知への恐れと想像以上の体験だという実感で、その頭と体はいっぱいだった。
既にローションを用い、ギョンスはベッキョンの指を穴に迎えていた。
1、2、3、と、本数を増やしながらベッキョン自身の興奮の度合いも増していくのを、ギョンスは吐息や言葉の色合いから感じ取った。それはなかなか、思ったよりもよいものだった。痛み以外。
幸いなことに今日はどれだけ声を出しても大丈夫だった。
ギョンスは日頃行為の間大きな声を出すということはあまりなく、むしろもちろんベッキョンの方がその傾向がずっとあったが、何が起こるか分からない初めての経験には、やはりちょうどいいとは言えるのであった。
ある部分を擦られると、むずむずするような快感を得るのをギョンスは先刻、気付いた。
気付いたことをベッキョンも気付いた。
足をもぞもぞ動かし、腰を浮かせ、声を出してしまったから。
そこを執拗に攻めるのをギョンスはなんともいえない気持ちで受け入れた。
立ち上がり、上を向いた棒が振れ、そこの割れたてっぺんからとろりとした液が、あとからあとから溢れ出た。
ベッキョンは自分への行為を思い出し、効果的にギョンスを追い詰めた。
ぐちゃぐちゃとたっぷり濡らした指を中で搔き回し、ペニスの挿入にこれでもかと備えた。
そして今、ぐったりと横たわり、ベッキョンの到来を待つギョンスの濡れた目から全身を脳に焼き付け、文字通り体が震えた。
脚を持ち上げ、腰を付ける。
「……入れるぞー」
答えを待つ間もなく、手を添えたものをむにむにと柔らかくなった部分に、進ませた。

なんだ、これ。
やばい。
ベッキョンはギョンスを両腕の下に見ながら、腰をゆっくり、動かしていた。
見下ろす顔のその甘さ。
半分隠された、くっきりとした二重の中身は、水分が揺らめいてまるで遠くを見るようだ。
眉の力はいつになく抜け、口は丸く小さく開き、鼻から激しく呼吸している。
頬から耳まで、紅をはいたような色を持ち、顎を上げ、抑えかねた声をときたま漏らす。
その体の中のひだ。締め付ける力。
ベッキョン自身のすべてに絡みつき、動いても動いても離してくれない。
誰かに入れるって、こんなだったか?
記憶を辿る。
しかしこれほどだった気はしない。
自分が狂気に駆られる予感がするような、そんなものだったとは思えない。

「……ぁ、ベッキョン」
ギョンスが助けを請うようにベッキョンを呼ぶ。
実際助けは必要だった。
際限がない。
突き上げられるたび、そして擦られるたび、もう声を我慢できる気がしない。
「…ギョンス、…気持ちいい?」
髪の毛の先に汗の粒を揺らしながら、ベッキョンは惚けた顔のギョンスに問う。
もちろんベッキョンは気持ちよかった。
信じられないくらいだった。
一回だけとかとんでもない。
約束しなくてよかった。
そんなことまで思った。
「……ぅん」
「…ほんとに?」
「…ん、あぁっ」
ベッキョンはギョンスにキスする。
体はぴったりとくっつき、ベッドのきしみはすさまじい。
やばい。
やばいってこれ。
ベッキョンは意識のきれぎれにいっそ恐怖が襲う。
肌が吸い付いてくる。
ギョンスの中も。
舌も。
薄目を開けて俺を見てる。
快感から俺の名を呼ぶ。
「…ぅあっ、あっ、も、あっ」
「…いきそ?」
きゅううと締め付けは強まり、離した口からは大きな声が上がる。
「ギョンス、いきそ?」
応じられぬ問い、しかし本当は分かっている。
ギョンスはふりなどできない。ぱんぱんに固まった、赤く輝く性器は、漏らし続けた先走りで滑り、お互いの腹はべたべただ。
「あっ、あぁ、あ、あ、あ、」
「せま……、くるし…、…ギョンス…」
「そん……あ、あ、」
「…いいよ、たまんね……、ギョンス」
「……んなこと、…ぅな、あっ、あ、……ベッキョンっ、あっ!」
両の手の親指でベッキョンはギョンスのふたつの乳首を押しながら、舌を下ろして相手の耳を舐め回す。
「ぅあっ、やめ、あ……あ……あああ……」
こうしているうちに俺が溶けてギョンスの体になればいい。
ベッキョンはそんな幻想に耽る。
だって本当に消えてしまいそうだ。
自らの熱、そしてギョンスの熱で、溶けて溶けて、存在しなくなってしまう。
つながったところから、この体の中に取り込まれる。
そしてずっと、ギョンスと一緒だ。
「あ、ああ、だめ、い、く」
つう、と、ギョンスの目の横から一筋何かがこぼれるのに、ベッキョンは気付いた。
「ああああっ、あああっ、あーーっ」
全身を硬直と振動に任せてギョンスは叫んだ。豊かな声で、限りなく。
ベッキョンは無意識のうちに、押し出されまい、と最高潮に達した圧迫の中、ものすごいスピードで突き続けた。
「ベッキョン、だめだ、やめ、あっあっ」
いったあとのペニスを握って上下に擦る。
「やめろ、やめ、ろ、や、やだ、あ、やだって」
全身をがくがくと震わせて訴えるギョンスはベッキョンを見上げている。
「ああっ、あっ、あ」
黒く潤んだ瞳を瞳で受けながら、ベッキョンはギョンスの中をめちゃくちゃに汚した。
変になる。
ふたりはそう思いながら、全力で体の中身を吐き出していた。
次、どうやってお願いしようか。
唇を奪いながら、頭の片隅でベッキョンは思う。
次、覚えてろ。
舌で応酬しながら、ギョンスは仕返しを誓った。
思惑は交錯しながら、ひとつになったふたりは幸福には違いなかった。




おわり



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20160730

受容について 番外編「真夏の夜の夢」
セミが鳴いている。
空を見上げて入道雲を認めると、シウミンは無意識の内に、かすかに笑った。
シウミンは夏が好きだった。
蜃気楼が見えそうな街中を、セフンと連れ立って歩いていた。
ふたりとも、サングラスと眼鏡、マスク、帽子で身を守りながら。
しかし、特に背の高いセフンは、すれ違う女性をたびたび振り返らせていた。
振り返る女性をシウミンは振り返った。
そして胸のうずきを覚え、また前を見る。
「きれいな人だったな」
ぽつりとそう言ってみる。
人を避けつつ歩きながら、セフンは左下を向く。
「え?誰が?」
「今の人」
シウミンは見上げたりしない。今している表情を見られるのはごめんだった。たとえ大部分、顔が隠れているにしても。
「そう?」
「うん」
「へー」
まったく気のないようすでセフンは言う。
その声音を聞き、シウミンは肺の中の息を吐き出す。
そうこうするうち、ふたりは今日の目的地に着く。
ショッピングセンター内の、シネマコンプレックス。
中に入った瞬間、空調の効いた冷たく尖った空間が、ふたりを迎える。
夏休み中の学生で、どこもごった返していた。
女子高生の嬌声、大学生の馬鹿騒ぎが鼓膜を揺らし、シウミンとセフンはいっとき足を止めた。
「…大丈夫かな」
思わず、シウミンは漏らす。
「大丈夫でしょ」
あっけらかんとセフンは答え、すたすた前を歩いて行く。
「ちょ、待て」
慌ててシウミンは後を追う。歩幅の違いから小走って。
こめかみから滴る汗を手の甲で拭いながら、シウミンはセフンの後ろを歩いた。
エスカレーターで映画館へ。
ほとんど汗もかいていない、涼しげなセフンの細長い後ろ姿を常以上に見上げながら、シウミンは感じなくともよい、何度感じたか分からない引け目をまた、感じていた。
映画館の階に到着し、チケットの受付の行列に並ぶ。
時間をスマートフォンで確認しながら、思い出したようにセフンが口を開く。
「あ、そうだそうだ」
「ん」
財布を尻ポケットから抜きつつ、言う。
「合コン来いって言われてるんだよ」
キャップのツバの下の、眼鏡の中の見えにくい目を見上げながら、シウミンは大きなひとえの目をわずかに広げ、黙った。 マスクの奥の喉が、乾燥する。
「……誰に?」
「リーダー」
ああ、とシウミンは思う。ジュンミョン。
「………行くのか?」
ごわごわした声が出た。冷えた空気で汗が冷たい。セフンの顔が見ていられない。
「えー?」
そう言いながらはは、と笑ったとき、受付が空いた。
セフンが先に立ち、担当の女性と話す。
「はい、大人2枚」
金額を言われ支払いをするセフンに、我に返った背後に立ったままのシウミンが「あ、俺が」と声を掛ける。
セフンは振り向きもせず片手を挙げ、制し、札と小銭を渡し、釣りを受け取った。
突っ立ったシウミンに向き直ってチケットをはい、と渡す。
「………さんきゅ……」
列を抜け、目的の映画を上映する場所を探しながら、思い付いたセフンが尋ねる。
「あ、ポップコーンとか食べる?」
「……いや、いい……」
「そ?じゃ、俺買ってくるー」
そう言い残し、明るい光を放つ売り場へとセフンは向かう。
シウミンはチケットを指先で掴んだまま、サングラスを外し、そのようすを端から眺めた。
さまざまなことを身内で処理できず、なんだかひたすら意識が散漫になることに戸惑っていた。
まもなくカップをふたつと、ポップコーンを持ったセフンが、機嫌よさげににこにこと、シウミンに微笑みながら戻って来た。
「はい。コーヒーでいいでしょ」
ひんやりとしたカップを受け取り、シウミンは再び慌てる。
「あ、うん。ありがと、ごめん、また……」
「いーよこれくらい。いこ」
ずんずん前を歩くセフンは、シウミンを見もせず告げる。
「行かないよ」
「え?」
「合コン」
上映館Bに入り、ぼんやりとした照明の劇場の中、チケットの番号を一瞥したセフンは言う。
「こっちだよ」
セフンの後ろをついていきながら、セフンといっしょにいるんじゃないみたいだ、とシウミンは夢見心地になる。
「いちばん後ろにしたよ」
そう言って最後列の真ん中の席ふたつに陣取る。
人気の作品だったが、今日の入りは今のところそこそこで、ちょうどいいくらいの混み方とも言えた。
だんだんと人は増えた。ざわざわとした雰囲気の中、それでもふたりのそばに客は来ない。角の席が取られただけだ。
セフンがシウミンを向く。
「いい感じだね」
そう囁く。目をくにゃっ、と歪めて。
「……行かねーの、合コン」
何も考えずそう、口をついて出た。セフンの笑みを浮かべた目を見ながら。
「行かないよ」またははは、と笑ってセフンは言う。「行くわけないじゃん」
目をぱちくりさせ、シウミンはセフンを見つめる。
「兄さんがジュンミョン兄さんにあんなお願いするから」
意地悪そうにセフンは言う。
そのときのことを思い出し、シウミンはだんだんと熱が顔にこもる。すっかり汗の引いた体も、またぽかぽかと温かくなる。
予告が始まり、一段ライトの落とされた周りを見回し、ふたりは変装道具をこそこそと取る。
顔を晒したシウミンは、セフンの言葉や行動に対し、あれやこれやと考えすぎて、混乱しながら大画面に相対した。
次々とカミングスーンの文字は流れていき、ようやく気持ちの落ち着き始めたシウミンの横で、セフンはむしゃむしゃとポップコーンを食べている。
また、あたりは更に暗くなる。映画館は常に夜だ。
「兄さん」
本編が始まる。
「ん?」
目をスクリーンに最後まで残しつつ、セフンに顔を向け、ちらとシウミンは隣を見た。
その一瞬で唇を、奪われる。
「楽しみだね」
キャラメルとコーラの匂いが鼻を抜ける。
またセフンはもぐもぐと食べ始める。
シウミンは口を開けたまま、顔をゆっくり前へ戻す。
空いた方の手で、きゅっと手を握られると、シウミンはもう、内容が頭に入っては来なかった。




おわり



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20160810

慈雨、降りそそぐ 番外編 「killing me softly」
草木も眠る時間。
足音を忍ばせ、俺は玄関を渡ってリビングの入り口に立っていた。
ドアの向こうは明るい。
灯りがついたままだった。
少しだけ、期待する。
そっと、ノブをひねった。
果たして、そこには、期待通りのものがあった。
ソファの上に長くなったジョンインが、すやすやと眠っている。
曲線を描くまぶたの上や、鼻の頭、唇の上下は照明を浴びて光っている。
その少し浅黒い肌。
俺は目を離さずに、持っているものや身に付けたものを静かに体から取っていく。
胸がゆっくり膨らんだりしぼんだりするさますら、俺の何かを柔らかくつねる。
片腕は上にあげ、もう片腕は腹に置いてある。
最初に、勝手に、唇を奪ったときを、思い出す。
よくもあんなこと。
今でも思う。
そのときも、そのあとも、ずっと、なんであんなことしたんだ、と思い続けた。
二度と元には、戻れなくなってしまった。
俺の可愛い弟が、俺から去って行ってしまう。
なのに。
ジョンインは、俺に好きでいていいと、そう、言った。
にわかには信じられなかった。
夢を、ひどく自分の希望に沿った、都合のよい夢を見ているのかと疑った。
しかし違った。
目の前のジョンインは本物で、俺に少し、近付いた。
立っていられない。
シンクを掴んで、耐えきれず、尋ねた。
‘いいの?’
‘うん’
‘好きでも’
‘うん’
‘なんで?’
‘………わかんないの?’
‘……………うん’
ジョンインは少しはにかんだ。
見たことのない、顔だった。
俺はもう、膝がぐらぐらしてしまい、体じゅう発汗していた。
‘……キスしていいって、言ったじゃん’
すねるようにそう言うジョンインの瞳は、俺を一直線に指している。
‘…………そういう、意味だよ’
そして黒目を横にずらした。唇を突き出して。
聞かずにはいられなかった。
‘……俺を……………、好きって、こと?’
馬鹿なことを言っている。
俺は最高潮に頬を染めた。
こめかみで脈がありえないほど主張している。
するとジョンインは俺を見上げ、きょとんとした顔をしたあと、にこっと笑った。
‘…うん’
えへへ、と言った。
そのあと、俺は、へなへなとその場にしゃがみこんだ。
キスどころか。
同じ部屋で寝ていながら、それから、俺からは触れもしていなかった。
本当のこととは思えず、俺は朝起きるたび、自分自身に疑惑の目を向けた。
しかしねぼすけのジョンインが、ようやくベッドから体を起こすと、真っ先に俺に顔を向け、溶けるような笑みを広げて、おはよお、というのは、間違いようもなく、現実だった。
そんなこと、前はなかった。
朝っぱらから、俺は幸福で、死ぬんじゃないかとすら思う。
朝だけではない。
ことあるごとに、走って飛んできては俺に乗っかっていろいろと聞いてきたり、じぃっと俺を仰ぎ見て、顔の隅々までを観察したり、手を取って、指を絡めてぎゅっと握ってきたりした。
じわじわと、殺されていくようだった。
俺は気持ちが溢れそうで、何かしたら歯止めがきかなくなりそうで、怖くて何もできなかった。
自分を律していないと、人に勘付かれるような態度を取ってしまいかねない。
今、ようやく、許された初めてのキスを、心置きなく、できる。
また、足音を忍ばせ、ソファに近寄ると、俺はジョンインの上に覆い被さった。
体が小刻みに揺れる。
彫像のような顔が、南国の少年のような肌が、漏れてくる息が、俺の全身を捉えて揺さぶる。
ソファに手を付き、徐々に顔を、近付ける。
なんてきれいなんだろう。
目にかかった前髪も、唇に走る縦の線も。
少し生えかけた髭すら、愛しい。
見とれながら、俺は自分の鼓動の音を聞いた。
顔のすぐ上まで来たとき、ぱちり、と見つめる先のまぶたが開いた。
既視感に襲われながら、ジョンインの唇が動くのを見た。
「……まだ?」
そう、声がしたかと思うと、首の後ろに掌を感じ、ぐっと力が込められた。
ジョンインの唇は前と同様、ゼリーみたいに俺を弾いた。
気付くと俺の背中には、その美しい多弁な腕が、饒舌に絡み付いていた。
せっつくように舌先が歯を突つく。
俺は目を閉じ、口を開け、自分の舌を恋する男の口に入れた。
甘い毒を盛られている、と遠い意識で思いながら。




おわり




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20160811

心中の道連れ+慈雨、降りそそぐ 番外編「くちびるの友達」
「やっぱりチャニョルに告られたな、あれは」
そう、ベッキョンは訳知り顏でギョンスに言った。
半日できたオフ。
ギョンスが気に入っているというカフェに、ふたりは連れ立って来ていた。
デートだ、とベッキョンは浮き立ち、ちょっといい格好とかしたいけど、目立っても、と思い、いたって地味な服装だった。ものはいいものではあったが。
ギョンスはいつも通りだった。
常よりもっときちんとしているかな、とは言えるふうだった。
アイスコーヒーを前にした、眼鏡をかけたふたりは、目立たぬ席で、こそこそと会話していた。
ギョンスが好きだというだけあって、落ち着いた、非常に静かな場所だった。
カフェというより喫茶店のようだった。
異世界に迷い込んだような気分になりながら、ベッキョンは斜め横に座る黒縁眼鏡の恋人を見た。
学生のような研究者のような風情をして、めくれた唇でストローを咥えている。
何故だかむらむらとそういう欲求が沸き起こりそうになり、目を逸らして自分もアイスコーヒーを吸った。
口を離したギョンスは、眼鏡の上から上目でベッキョンを見、問うた。
「なんで分かるんだよ」
ストローをその華奢な指先でいじり、ベッキョンはギョンスの視線を口ごもりながら受け止める。
「だからあ……、ちょっとかまかけてみたんだよ。ジョンインに」
途端に平手が飛んでくる。
頭の上をばしっと叩かれ、ベッキョンはそこを押さえていてーと唸る。
「何してんだよ」
呆れと怒りを含んでギョンスは詰め寄る。
「…だってギョンスが言ったんだろ。ジョンインのようすが変だって。男に好かれてるっぽくて、多分相手はチャニョルだって」
「そうだけど」
「そりゃ気になるじゃん。心配だし」
「だからって何言ったんだよ」
「チャニョルが失恋したみたいって」
「……お前なー」
「だってギョンスそう思ったんだろ」
しかめた眉の下の見開いた目をこわごわと見返しながら、ベッキョンは攻撃に備え体を後ろに傾けていた。
「……そうだけど」
気が抜けたようにギョンスは顔のシワを消した。
そのようすに安心し、ベッキョンは言葉を続ける。
「たぶん、ジョンインもまんざらじゃないよ」
「………うん」
伏目になって、再びストローを咥えるギョンスをまじまじと見て、ベッキョンは聞く。
「知ってたの?」
ごくり、と喉を鳴らすと、ギョンスはストローを回してからからと氷を揺らす。
「……なんとなく」
ベッキョンはそのようすから、胸がどきどきし始める。
「……な、んで、そんな、ちょっと、…………いやそうなの?」
降って湧いた疑惑、考えたくもない想像が、頭を駆け巡る。
聞いたはいいが、答えを聞きたくない、とベッキョンは思った。怖かった。
変わらずストローを弄びながら、視線を落としたギョンスは呟く。
「……なんか……あんなジョンインに…………チャニョルがなあ……」
はあ、と大きく息を吐く。
「そ、れ、どういう、意味?」
目をぱちぱち瞬き、更に問い掛ける。
「……子供みたいじゃん、ジョンインて。そんで、相手が、お前と馬鹿ばっかやってるチャニョルって……」
ぷしゅー、と、穴の空いた空気人形のようにベッキョンから緊張が解ける。口がおかしな具合に開く。
「……なんかすごい、背徳感」
眼鏡の下から顔を覆って、また、はあーとギョンスは息を抜く。
「……なんだよー、そんな、気にしすぎだって」
気の緩んだベッキョンは、にこにこしながらギョンスの背中をぽんと叩いた。
両手で頬杖をつき、睨むようにベッキョンを見上げ、ギョンスは言う。
「…お前は、どうなの」
「へ?何が?」
「…気に、なんないの」
「へ?なんないよ。うまくいった方がいろいろといいだろうけど、そんなの本人達次第だし。なるようにしかなんないよ」
「……ふーん」
ギョンスは唇を突き出し、ベッキョンから目を外した。
そのさまがなんだかとてもチャーミングだなと、ベッキョンは話題と全然違うことに気を取られる。
「……なら、ま、いいかな」
コーヒーをすするベッキョンは、ギョンスの言葉に目を向ける。
「チャニョル、お前にあんま時間割かなくなるだろうし」
ずこ、と音が鳴り、ベッキョンはすぼめた唇のまま、ギョンスが自分を見るのを受け止める。
ふふ、とギョンスは笑う。
ああ、今、ふたりきりならキスをするのに。
強烈に胸を疼かせながら、ベッキョンは思い、そっとストローに歯を立てた。




おわり




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20160814

砂糖壺に落ちる 番外編「壺の中にてー塩ひとつまみー」
匂いがした。
俺は無我夢中だった。
鼻息を鳴らしそうなほど、兄さんの首を嗅いでいた。
嗅ぐだけでなく、勝手に舌が這っていた。
そうしながら、俺は相手の脚の間の一部を、ぎゅっと握り締めていた。
気を抜くとぬめりに手を取られ、外れてしまいそうだった。
だからますます力が入った。
俺の下の兄さんから、苦しそうな声ばかり、溢れた。
両脚を俺に絡めて、その爪先には力が入っているらしかった。
びくりびくりと痙攣するたび、膝が浮くように動いていた。
俺はゆっくり腰を使った。
急ぐな、と自分に言った。
できるだけ、長く。
久しぶりの、一度目を、心ゆくまで味わいたかった。
それなのに、首の骨を伝うたび、兄さんの声が俺の鼓膜を揺さぶった。
時折俺の名前を零す。
たまらず顔に顔をずらした。
髪の先から汗の粒が、雫となって落ちそうな先に、兄さんの瞳があった。
ゆらゆらと表面が、石を投げた水面のように、俺を映して揺れていた。
いつも半ば閉じたようなまぶたが、黒目をすべて隠そうとする。
唇の隙間から、熱い息が、短く俺に向けて吐かれる。
前髪から覗いた額と眉の皺が、俺の胸をくっと掴んだ。
「イーシン」
食い付くように、唇を塞いだ。
舌を出し、兄さんのそれを捕まえる。
運動の速さを抑えるのが、難しくなっていく。
手の中に包んだものを、無意識の内に擦っていた。
叫ぶような声が、口と口の隙間から上がる。
断続的に、ソプラノに近い歌声が、俺の脳天でこだまする。
ごぼごぼという音を喉から立てて、兄さんはついに果てた。
前よりもっと、液が出た。
俺の手と、胸を汚して。
兄さんは泣いていた。
「ああ、イーシン」
なんてきれいな涙なのか。
俺は思わずそれを舐め取る。
塩辛さが舌を刺激する。
ひゅーひゅーという呼吸を繰り返し、兄さんの目の端からは、次から次へと涙が流れた。
兄さんの腕が、俺の首にまとわりついた。
鼻に兄さんの香水と、俺が付けた唾液の匂いが抜けていく。
首に顔を落として、俺は目を強く閉じ、猛スピードで腰を振った。
スコールのように、突然、それは訪れる。
俺は急いで兄さんから出る。
すると兄さんは起き上がり、慌てながらも、中にいたそこに唇を被せた。
目を見開いた俺を尻目に、波は変わらず襲ってきて、そのまま兄さんの口の中に、俺はすべてを吐き出した。
ふにふにとした唇の感触に、大波の衝撃が重なって、俺は気が違いそうになる。
喉を動かし、兄さんは全部、飲んだ。
肩をそっと押し返すと、兄さんはとろりとした目で俺を見上げた。
扇情的なその表情。
今悲願を果たしたばかりで、俺は全然満たされきっていないことに、自分自身で驚愕する。
足りない。
もっと。
もっともっと。
「イーシン」
二の腕を両手で掴み、兄さんの体を起こし、汗で湿った髪の中に手を入れる。
浅い吐息を生み出す口、茹だった顔、濡れた首。
すべてに目を走らせて、俺はつい、言ってしまう。
「もっと」
苦しい。
禁断症状が出ているみたいだ。
ずっと、取っていなかったから。
我慢して。
ずっとずっと我慢して。
だから今は我慢しない。
好きなだけ、食べるんだ。
承諾を伝える声がした。
それとともにえくぼも浮かんだ。
俺はその、頬のささやかな穴を含み、そのすぐ横の、蜜の溢れる穴も含んだ。



おわり



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20160814

砂糖壺に落ちる 番外編「壺の中にてーおかわりはあるー」
どうしてだろう。
どうして俺は、こんなに首が駄目なんだろう。
もう、セフンがここに触れるたびに、セフンの手を汚してしまうし、俺は声が我慢できない。
「あ…………ぁっ、ふあ、あぁ、はああ……」
すぐにもその瞬間が訪れそうなのに、セフンの手が、それを阻む。
腰の周りに熱が溜まって、俺は体が爆弾みたいだ。
ひっきりなしに、それもごく、穏やかに、俺の中でセフンが行ったり来たりしていた。
そこはほんとに、いっぱいで、すり合わされる肌と肌が、お互いをただ、高めたりなだめたり、する。
パイプを物が流れるような、耳慣れない音がしていた。
それは俺の管が立てている音なのだ、と、俺は喉の奥から声の混じった息を吐き、恥ずかしさに身をよじる。
「……セフッ………」
限界だ。
握られるのも、こすられるのも。
どうにか、なってしまう。
喉仏を食われると、セフンの顔が目に入った。
まっすぐな眉の下、憧れてしまうようなその目のかたちに見とれていると、名前を呼ばれた。
俺は肌が泡立って、液がごぼりと漏れ出し、セフン自身を中で締めた。
すぐ、食事のようにキスされた。
それはまさしくおやつの時間だ。
なんて柔らかく、甘いんだろう。
舌をまとわせ、感極まっているさなか、セフンの体は動きを速めた。
そして、手の内に収まった部分も。
ようやく得た運動に、歓喜の悲鳴がほとばしり出る。
いけない。
なのに。
「っあーっ、ああっあーー、んんっ、んあっ、あぁっ、あーーっ」
自分で赤面するような、生まれて初めて聴くような、そんな声ばかりが飛び出た。
ああ、いきたくない。
だってセフンはまだなのに。
俺だけ。
「あああっ」
だけどあっけなく、俺は達した。
お預け状態だった俺は、どこまでも、あたりに自分をぶちまけた。
恥ずかしい。
悲しい。
悔しい。
…………気持ちがいい。
ああ。
どうしてこんなに。
訳が分からなくなりながら、抑えていた、まぶたの下に溜まったものが溢れ出た。
止めたいと願うのに、それは叶わず、どんどんと枕を濡らした。
また、名前が降ってきた。
耳を溶かすような、声色で。
そうして目尻を舐められた。
くすぐったさと愛しさで、俺は心臓が痛くなる。
それにまだ、セフンは俺を揺さぶっている。
だらりと垂れていた腕を、組み合わされていた指を、セフンの細く、長い首にくるりと回した。
俺にぴたりと、その体をくっつける。
それを汗が邪魔をする。
でも構わない。
ぎしぎしと、ベッドも、俺も、セフンも揺れる。
喉から直接抜くような、唸るような声が、耳の隣で吐き出された。
セフンはずずっと俺から抜け出た。
早く。
俺はぐっと体を起こし、セフンが手を添えたそこを、素早く口に咥え込んだ。
どくどくと脈打っていた。
口蓋めがけて飛び込んでくる。
びくつくさまが、俺に満足をじわりともたらす。
セフンは俺の一部になった。
一滴残らず飲み下すと、セフンは俺に手を添えて、目の高さを同じにさせた。
両手で俺の顔を包み、切なそうに眉を歪めて、そっと続きを求めてきた。
こんなに心と体が一緒になった、正直な欲求を、俺は聞いたことがなかった。
それがどんなに自分を喜ばせるかも、知らずに俺は生きてきた。
自動的に俺は微笑む。
微笑まずにはいられない。
セフンが俺のへこみというへこみに、楔を打ち込む。
俺だって。
もっとセフンを飲み込みたい。
全部、俺のものにしたい。
このままここで、こうしていたい。




おわり



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20160814

慈雨、降りそそぐ 番外編 「game over」
肩の片側に力が掛かって、俺は体が傾いていた。
引っ切りなしに両腕を動かしてもいたため、だんだんと上半身が重だるくなっていた。
「ねえ」
顎の下から声がする。
顔をかすかに動かすと、まだほのかに濡れた髪の感触と、シャンプーの匂いを得た。
「なんだよ」
俺の目は液晶画面に集中していた。
やっと、この場面まで進んだ。
あえて電子的な音で作られたBGMを背景に、俺は全然ゲームをやめるつもりはなかった。はずだった。
風呂上がりのジョンインがベッド上の俺の隣にやって来て、肩に頭を乗っけるまでは。
俺の視線の先を一緒に眺めて、おお、とか、へたくそー、とか、ジョンインは呟いていた。
重みを感じ始めると同時に、どうも調子が出なくなった。
今は、夜。
部屋にはふたりきり。
当分、ふたりきりだ。
勝手に心臓が存在を主張する。
手は少し汗ばんで、ゲームをまたとちってしまう。
「あのさあ」
くそ。
もう全然駄目だ。
俺はようやく声の方に視線を向ける。と言ってもまつげくらいしか見えなかったが。
「しないの?」
ドキューン。
テロレロレーン。
GAME OVER。
音と同時に目を戻し、その表示を食い入るように眺めると、俺は指が止まってしまった。
喉のあたりが詰まったみたいになったまま、目を泳がせて、言葉を探した。
ジョンインが俺を見上げた。
その気配を受け、なんとか俺も、ジョンインを見た。
目だけ、それが俺を映し、その下から声がやって来た。
「何を?って、聞くの?」
俺は力の抜けた口が開く。
体を起こしたジョンインが、こちらを向いて、更に問う。
「したくないの?」
目をぱちくりと見開くジョンインに、俺はなんと言っていいやら分からない。
タンクトップ1枚のその露わな肩に目が行って、したくないわけないだろと、俺の中の俺が叫ぶ。
「………いいの?」
なんだよこの言い草。
かっこわりい。
耳が熱い。
ああ、ますますかっこわりい。
また、何言ってるんだろう、という顔で、ジョンインが軽い頷きとともに言う。
「うん」
「…………まじで?」
「うん」
「……………ほんとに、やじゃないか?」
「うん」そう言うと、思い出したように付け足した。「だって俺、勉強だってしたんだよ」
今度こそ何を言っているんだか理解できず、俺はぽかんとジョンインを見た。
「………勉強?」
「うん」
「……何を?」
「えー」そこで初めてジョンインは、少し照れ臭そうにした。「……男同士の、そーゆーの」
俺の頭はあらゆるはれんちな映像が一瞬にして飛び交った。
勉強?
勉強って?
どうやって?
…………誰と?
赤くなっているのにもかかわらず俺は青くもなっていた。
ただでさえ速い鼓動が、リズムを変なふうに刻む。
「………勉強って、……何、したんだ?」
声を、喉の奥から、絞り出す。
えーへへへへ、と言って、ジョンインは斜め下を向く。
「そーゆーのを見たんだよー」
ああ。
俺は自分を叱り付ける。
いったい何考えてんだ。
知らぬうちに頬が緩む。
「……なーにやってんだよー、わざわざ」
そしてその言葉が示すことに、じわじわ喜びが湧いてくる。
俺は再び顔がただ、赤くなる。
唇の端は、まるで口が避けたみたいに上を向く。
意味のない笑いが溢れる。
「だって、こうなる前から、見てたんだよ」
「は?」
ジョンインは俺のおかしいだろう顔を見ながら、当然のことだと言わんばかりのようすで言う。
「いっかい、布団被った俺に触って、振り払われたでしょ」
ずきずきと、古傷の痛む思い出が蘇る。
しかしジョンインの言葉は、その傷に、突然たっぷり薬を塗り出す。
「あんときもそうだったんだよ」
また、ちょっとだけ恥ずかしそうにジョンインは言う。
「よく、そうしてた」
あの頃。
帰って部屋を覗くと、俺を見たくないと言うかのように、布団を頭から被った蓑虫みたいなジョンインがいて、そのたび俺は、胸が潰れていた。
それなのに。
「…………なんで?」
それこそもう、声がよくは出せなかった。
ジョンインは考える顔をして、俺に言った。
「んー、俺と兄さんなら、どうなんだろって、想像して」
へへ、と笑うと、更に言う。
「やっぱ兄さんよりかっこいいのなんて、いなかったよ」
こいつ。
いつも思うけど、殺す気か。
気付くと俺は、ジョンインを抱き締めていた。
美しい肩甲骨が、俺の顎を迎えてくれる。
「やっと来た」
ジョンインが嬉しそうに言う声が、体の振動と一緒に届く。
どうしよう。
俺は途方に暮れてしまう。
ジョンインを、初めて、抱く。
その幸福に耐えられるのか、俺は自信が持てなかった。これっぽっちも。





おわり




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  • ミス・レモン
ようこそお越しくださいました。
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