海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160719

束の間から 4
こういうことを始めたのは、だいぶ昔の話だ。
俺たちはその日、大きな公演を成功させて、夜打ち上げをしたあと帰ってからも、宴会を続けていた。
リビングに集まり、それぞれ好き勝手に飲んでいた。
学生ノリだった。
疲れと酔いで、そのままそこに倒れて眠る者、部屋へふらふらと帰って行く者、深夜もその深さを極めた頃にはほとんど皆眠ってしまっていた。
俺とチャニョルだけは、いつものごとくしゃべり続けていた。
あらゆることを話し、歌い、ふざけ合った。
ふと見ると、周りは潰れてしまっており、泥酔した俺たちも、体を前後にふわふわさせながら、赤い顔を見合わせた。
高揚と興奮はまったく収まっていなかった。
俺は立ち上がり、トイレ、と呟いて、部屋を出た。
用を足すと、洗面所に向かい、したままの化粧を落とそうかと考えた。
化粧を落としたいというより、気持ちを落ち着かせたかった。
酒と、仕事を終えた昂りで、俺はとにかくむらむらしていた。
ここしばらく、そういうこととは無縁の生活だった。
自分で抜いてばかりで、女の体に触れさえしていない。
やりたくてやりたくてたまらなかった。
女友達を誰か召喚しようかとすら考えた。どうしたって不可能だったが。
抜くか…携帯持ってきてないな、と俺はまったく回らない頭で洗面台に手を付いて、自分の紫がかった目の周り、ワインに染まった唇を見つめていた。
ジャー、という音に我に返ると、鏡の奥の、俺の背後のドアが開いた。
こちらもトイレに立ったチャニョルが、ぬぼーとそこに、突っ立っていた。
鏡越しに目が合った。
「………なにしてんだよー」
チャニョルはごぼごぼと口の中を鳴らしながら聞いてきた。
けほ、と咳をひとつすると、壁に寄りかかって俺を見る。
いつもよりその目を細く、頬から耳を赤く、唇をへの字にして。
「……化粧したままだったからさあ」
俺は蛇口を開けて水を出し、その冷たさを手で感じる。
「……そういやそうだな」
はあー、と俺は、でかいため息をついた。
「……なんだよ」
鏡の中のチャニョルが、薄く目を開け、目ざとく聞く。
アルコールで常以上に開けっぴろげになった俺は、ストレートに口に出す。
「…やりてーんだよー」
濡れたままの手で頬を触る。
水を止め、手を拭くと、チャニョルのように壁にもたれた。
前を向いたまま、続ける。
「ずっとしてねーからさあ。もう今すげーしたくて、きつい」
ぼりぼり後頭部を掻き、頭を壁に付けてころ、と首をチャニョルに向ける。
上目で見たチャニョルは、俺と同じような格好で俺を見下ろし、言う。
「…俺も」
そして、俺以上に大きい息を漏らす。
壁にくっつけた頭をごろりと動かし、額を壁に預けて、また俺を見た。
「……抜くか?」
「…画像見て?」
「うん」
「…まあなー。それしかないよな。でも今はそうするのもやだよ。飽きた」
思わず吐き捨てるように口にする。
「…まあ、分かるよ」
「だろ?」
「並んで一緒にかきっこもなあ」
「いやだよ。ひとりでするよ。するなら」
「冷てーやつだな。まあ、俺もしたくねーよ、別に」
「……ああー、やりてー」
心底から呟いた。
チャニョルも同じ気持ちだったと思う。
俺たちはお互いをまた、見た。
「……化粧落とさねーの」
「落とすよ」
「……お前ほんと化粧すると顔変わんな」
「…まーな」
お前は化粧要らないからな、俺はコンプレックスが胸の中で小さく疼く。
「………なあ」
「あ?」
「……お前の触ってやったら、俺の触るか?」
さっき話していた映画の話と同じテンションで、チャニョルは提案を口にした。
でも俺はそのとき提案が提案だと分からなかった。
触るってなんのことだ。
馬鹿になった脳みそは素早い判断などできない。
口をぽかんと開け、俺ははあ?と言った。
「…だから、触られるだけでも違うだろ。自分で触るんじゃなくて」
瞼のあたりに漂うアルコールが邪魔をしていたが、俺はようやくチャニョルの言わんとするところを飲み込み始めた。
眉間を寄せて、小馬鹿にしたように口を歪めた。
「……お前その顔、ぶっさいく」
チャニョルはああー、と言いながら額を壁に左右になすりつけている。
「お前が変なこと言うからだろうが」
「だってしてーんだもん。そしてここにはお前しかいねー」
動きを止め、再度俺を見下ろす。口を尖らせた駄々っ子のような顔をしている。
「……お前馬鹿なの?」
「お前だって同じだろー。助け合いの精神だよ」
「…お前に触られたってよくないだろーがよ」
「分かんねーじゃん。ちゅーとかしながらならだいぶ違うぞ、ひとりのとは」
再び断っておくと、そのとき俺たちはまさにべろっべろの阿呆な酔っ払いだった。そしてなんといっても若かった。体力もあった。欲も強かった。それが男だけで生活していた。長いこと。
チャニョルが腕を壁に付けて、いわゆる壁ドン体勢を取った。
今でこそこの名前は定着したが、その頃俺にこれはそれだ、と思わせるほどの浸透がしていたかは、定かでない。そんなことはどうだっていいが。
俺は斜め上にあるその顔を、メイクアップしたままの顔で見上げた。
さっき鏡で見ていた、上気した、色のついた、頬と唇で。
チャニョルの目の中になにかが見えた気がした。
口を開けたその隙間から舌が覗いたのを覚えている。
気付くと、俺はチャニョルに、唇を取られていた。




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