海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20170626

call my name 1(リアル短編)
クリスはサングラスを好んだ。
顔を隠すためや日光を遮るためというよりも、そのファッション性から、そうだった。曇っていたり、雨が降っていたりしてもよく掛けた。
今、彼はフェイクファーのロングコートを買うか否かで悩んでいた。サングラスを外し、唇の間に柄の先を持って行きながら。グレーとパープルを淡く混ぜた色合いのそれは、毛足が長く、たいていの人間に着ることを尻込みさせる代物だった。だがクリスにとってそれはただの魅惑的なコートでしかない。
「どう思うこれ」
 連れ立っていた女性に尋ねた。付き合っているわけではない。寝てもいない。だがそうなってもいいという最低限の条件はクリアしている。クリスは性的な関係を持つことに焦るタイプではまったくなかった。そうしたことに焦ったのは今までたったの一度だけだ。
 小首をかしげ、ショートパンツから出た脚の右を左に絡めるようにして彼女は言った。
「どうかな」
「似合わないか?」
「ちょっとあれっぽい。あの、アニメの」
「アニメ?」
「モンスターの」
 クリスの頭にはすぐその像は浮かばなかった。monster?その語感は少し前にテレビやラジオや街中のあらゆる場所で耳にした記憶があった。慣れ親しんだ顔が複雑で至難な振り付けを縦横無尽に行っているのを時折目にもした。衣装の感じは割と好みだと思いながら、曲をすべて聴くことはいつもなかった。
「これだよ」
 液晶に出した画像を女が見せた。ペパーミントグリーンにラベンダーのぶち模様の入った怪物。
 思わずクリスは笑った。小さい口から歯茎と並んだ白い歯が露出する。
「あー、なるほどな」
「ね」
 くすくす赤い唇を揺らすさまを見て、やっぱり今日この娘とセックスしてもいいかもなと一瞬クリスは思う。その光景を想像する。あまりに簡単に頭に描かれ、そのせいで逆に妙にその気が失せる。
「確かにそれっぽさはあるな」
 目を元のハンガーラックへと戻す。だが俺ならこういうぼってりしたラインにはならないから、全然印象が違うだろうなと考えながら、購入についてまだ迷った。
「さすがに今買うって早過ぎない?」
「何言ってんだ」
 意味が分からないという顔で連れを振り返る。ぽかんとした表情の相手。唇の端が力なくだらりと下がっているのをクリスの黒い目が捉える。突如悟る。ああ、駄目だな。寝ないでおこう。付き合うのなんて話にならない。
触れていた毛の感触を少しだけ名残惜しく感じながら、クリスは行こう、と乾いた声で言った。サングラスを掛け、女の方を見もせずに。



つづく


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