海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20170625

スマッシュ 4・終(リアル短編)
木々が鳴いた。窓を抜ける風がふたりを型抜くかのように過ぎていく。
汗臭いな俺、と思いミンソクは途端顔を赤らめた。それほどイーシンとの距離は近く、彼のようすは真摯だった。
「…俺も卓球してーな」
 座り直して正面を向きながらミンソクは言った。太腿を両手で擦る。
「兄さん卓球したことあるの?」
 イーシンの声音が、きっとおそらく目の中も、いつものそれらに戻っていることにミンソクは安堵した。
「あるよそりゃ。学校でやったよ」
「そうなんですねえ。韓国もやるんだね」
「上手くないけど、練習すればお前と少しぐらいはやり合えるよ、多分」
「俺だって別に上手くないですよー」
「お前はそういうこと言いながらめちゃくちゃえぐいスマッシュ打つタイプだ」
 ふにゃふにゃ笑ってイーシンは返す。
「なんですかそれえ」
「そーなんだよ。おまえはそーゆーやつだ」
「やめてよー」
 体を前屈みにして広い肩を縮込めるようにしながらイーシンはくすくす笑った。ミンソクは自分とまったく違う、もう正反対と言っていいようなその顔の中身や表情の感じ、声や話し方、体つきと性格を全身に浴びた。こんなに違うのに、育った国すら異なるのに、同じことを同じように苦心して行っている。ミンソクは自分でも持て余すほどの親愛の情が身内に溢れた。
「…行けるといーなー、いつか。そういうとこ」
 風に溶けるような、囁きに似た声でミンソクは言った。
ぴぴぴぴ、という鳥の囀りに重ねてイーシンは答えた。
「行けるよー。十年位あとかもしんないですけどー」
 やはり笑っている。でもまったく冗談なんかではなく、ただそうだろうという単なる予想を言っているだけなのだ。それがミンソクにはよく分かる。
「十年できくのか?」
 ミンソクはからかいを混ぜて言った。
「うーん。どうだろう。でも」
 風は凪ぎ、少しだけ日が傾いた。もうすぐ練習が始まる。イーシンが時折見せる射るような視線を再びミンソクに投げた。
「温泉とかすぐには行けなくても、それまでずっと、俺は兄さんといっしょにいたいですよ。それだけで今は十分」
 音が消えた。
目をしばたく。イーシンと見つめ合いながらミンソクは、カン、と、あの硬く小さな球が板の上で跳ね返る音が体のうちからした。角を、絶対取れないスピードで打ち抜かれる。なすすべなどない。
「…お前はほんとに」
 少し声が震えているかもしれない。こめかみや頬の熱さをまた感じて、ミンソクは風を乞うた。すいと顔を前に戻し、俯く。
「え、兄さんは違うの?」
 ほやほやとした発音でそんなことを言うイーシンに、ミンソクはうるせー、ほら行くぞと言い、立ち上がった。



おわり




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