海の底、森の奥

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20170711

星間旅行記 中編(「明星によせて」番外編・東方神起・パラレル短編)
ラジオを薄く流しながら、インスタントラーメンをチャンミンは用意した。
 すみません、とチャンミンは謝った。
「でも、急いでるんで」
 と言うので、なんでだろうと、ユンホは不思議に思った。
そう言いながらも、チャンミンはその上に卵と小松菜とハムと葱を乗せた。
「ふた玉ずつにしました」
 盆にどんぶりふたつとグラスふたつを乗せて、チャンミンはユンホの待つテーブルへとやって来た。ふたりとも、とりあえずまず手を洗い、タオルで体を拭いていた。
エアコンが稼動したことで汗はさっと引いていた。湿り気だけを除くため、ユンホは首をまだタオルで拭いつつ、置かれたどんぶりの中身を見てうまそう、と心底から呟いた。
「食べましょう」
 湯気の勢いたるやであった。だがふたりは意に介さず、箸を取ってどんどんと口に入れた。水を間に何度も挟み、腹が膨れ、ユンホは先程とはまったく質の違う熱で体が温まり、またこうしてチャンミンの家で彼と共に彼の準備したものを食べられていることへの感謝で全身が満ちた。
ほとんど時間を掛けることなくすべてを双方が食べ終えると、チャンミンはてきぱきと使い終えた食器をキッチンに運んだ。水の入ったグラスふたつは残して。
 シンクにそれらを軽く水を掛けて置いた音と同時に、チャンミンの声がユンホにもたらされた。
「俺これからシャワー浴びますけど」
 言いつつチャンミンはクローゼットを開けて小さな引き出しを漁った。
「その間、これしておいてください」
 ユンホは座ったまま、チャンミンが差し出した小さなビニールの包みをぽかんとして受け取った。
見た瞬間、何か分かった。ホームでも常備してある、これは。
「うちで作ってる浣腸薬です」
 さーっと血の気が引いたユンホは、見下ろしてくるなんの表情も浮かべていないチャンミンを仰いだ。
「…これを?」
「はい。すぐしてください」
「な、んで……」
「男同士のセックスのしかた、知りませんか?」
 ごくごく自然な質問といった雰囲気でチャンミンは尋ねた。だがユンホはこういったことを話題にするのが得手ではなかった。
「…噂には、聞いてる…」
「俺入れたいんで。なのでしてもらわないといけないんですよ」
 ずけずけと言うチャンミンに対し、見上げたユンホは口をぱくつかせて言葉を失った。
「できますよね?そういうこと、仕事でもされるでしょう?」
 当然といった口調に、どうしてかプライドがもたげた。
「当たり前だろ」
「何よりです。じゃあ、すぐ浴びちゃうんで、トイレ入ってください。終えたらシャワー使ってください」
 立ち去ろうとするチャンミンをユンホが目で追うだけになっていると、ベッドの脚のひとつに寄せて置いた紙袋をチャンミンが目に留めた。
「あ、そうだ」
「…なに」
「この、買ってくれたパンツと靴下、チョンさん使ってください。返します」
「え、いーよ」
「だって明日の分ないですし、そうしてください」
 ね、といつもよりもっと断固とした声音でチャンミンが告げるので、ユンホは分かった、と言うほかなかった。
「でもシャワー浴びたあとすぐは着なくていいですから、そのまま来てください」
「え」
「じゃあ、風呂入ります」
 そう言ってチャンミンは消えた。
まごまごしているときっと叱られるとユンホは悟った。立ち上がり、与えられた薬を握り締める。
しかし、なんとなく、もしかして、とはうすうす感じていたが、やはりみずからが入れられる側になるのかと、ユンホは愕然とした。
チャンミンを抱きたいかどうかと問われると、確かによく分からなかった。抱きたくないわけではない。だが、抱く想像をしたことがなかった。
あの視線にさらされたときの、自分の体がうちから崩れていくような感覚。それはこの人間を自分のもので貫きたいということとは違うような気がした。だからと言って抱かれたいと願っていたわけでもなかった。生まれてこのかた、そういう願望を持ったことはない。
けれどチャンミンが望むのなら。
ユンホはチャンミンがそれを切望しているのだけはほんとうにこれ以上ないというほど感じ取っていた。目の中にずっと、おかしな光を宿し、ほとんど笑うことがなかった。自分が性欲が高まったとき、誰かを抱きたいと欲しているときを考えると、ああいった表情になっているかもしれないと思った。
意を決した。
トイレに入り、鍵を閉めた。


げっそりしたユンホが、チャンミンの入ったあとの浴室に足を踏み入れたのは数十分後のことだった。
 トイレを出たとき、チャンミンは素っ裸でベッドに腰掛けていた。それが視界をよぎったが、何も言わずにユンホは脱衣所のドアを開けた。大丈夫ですかー?と言う呼びかけが聴こえたが、あー、という力ない声を出すだけに終わった。
熱い湯を長く浴びた。洗濯機の上に出してあった髭剃りをいつものように、だが丁寧に、慎重に使う。常は泡をさっと乗せるだけのようにどこも洗うのだが、今日は念入りに擦り上げた。
そして出ると歯を磨いた。こざっぱりとした男の顔が鏡に映っていた。それがこれから初めて男と交わろうとしている、男の顔であった。
腰にタオルを巻いて湿気のこもった部屋から出ると、チャンミンが水を飲みながら脚を組んでラジオに耳を傾けていた。テーブルに、いくつかさっきまでなかったものが置かれている。
「お疲れさまです。水どうぞ」
 氷の浮いた水を出され、ありがとと言うと舌の上に乗せた。喉を冷やし、落ちていく。
 かろかろと鳴るグラスをテーブルに乗せると、そこにあるものが何か分かった。それらも、仕事中世話になるものだった。
 また汗を噴きそうになりながらユンホがそれに目を落としていると、手に手が触れた。
「座って」
 有無を言わさぬ口調。
蛍光灯があたりをきっちりと照らし、すべてが丸見えだ。
自分が裸なのがいやだった。チャンミンの体は鍛えているのがよく分かる筋肉の張りがあった。きっとジムに行っているのだろうとユンホは思う。それなのに自分は今、痩せたとは言え完全に中年体型を示す体になりつつある。気後れで俯きながら、ユンホは静かにベッドの隣に腰掛けた。
「チョンさん」
「ん」
「明るいのがいやなんでしょう」
 また。
舌打ちが漏れそうになった。そして赤面するのを止められない。
「でもよく見たいんで」
 我慢して、と言われ、チャンミンの方を向かせられた。



つづく



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