海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20170705

明星によせて 49(東方神起・パラレル長編)
ふたりの帰宅時刻はそれほどずれてはいなかった。
粛々と仕事をこなし、夜を待った。
ユンホは今日は落ち着いてなどと言っていられないと思った。
業務を終えると一服も、身繕いもせず、ただ香りだけ改めてまとって、紙袋をロッカーから取ってお疲れ様ですとその場を去った。
駅で待ち合わせていた。おそらくユンホの方が先に着く。それでも絶対待たせたくなかった。だから走った。
日は落ちても気温の高い日だった。額や背中、脇から汗が流れたが、構わず駅の階段を飛ばして上がった。
やはりまだチャンミンの姿はなかった。肩を揺らして呼吸をし、改札を見守る。時計に目を走らせる。もうすぐ、やって来るだろう。
手の甲であちこちの汗を拭った。ハンカチを忘れたことに舌打ちする。仕事のときには必ず持っているのだが、プライベートだとしょっちゅう忘れた。
息がある程度落ち着いても、心拍はずっと速いままだった。これから、チャンミンが来る。顔を合わせても、どう話をしたらいいのかユンホには分からなかった。話さなければならない。それだけは揺るぎない。だが、どう?弱りきったユンホは、針が進むのを望んでいるのかいないのか混乱した。
ざあっと人が階段を上りやって来た。水の流れるように集まって改札を通り、また別れていく。
ひときわ背の高い青年が、皆の頭ひとつ分上からユンホを見ていた。
 それに気付き、少ない白目をそれでも増やした。
 互いを呆けたように見合う。そんなふうにふたりが見つめ合ったのは、初めてのことだった。
チャンミンの顔はかすかに悲しげに見え、ユンホは戸惑った。唇は引き結ばれ、眉の間はほのかに上に上がっている。視線をほぼ外すことのないまま、ユンホの前に彼は立った。
「…チャンミン」
「どうも。待たせちゃいましたか」
「少しだけ」
「そうですか。ごめんなさい」
「ううん」
 やっとそれぞれが下を向き、絡んだ目は解かれた。横をすり抜けていく人々が、ほんとうに影のようにしかユンホには映らなかった。
「これ」
 手に持った袋を前に出した。
「ああ」
「うん。服」
「持って来てくれたんですか」
「うん。ほんとにありがとう」
「いえ」袋を開いて中を覗く。「何か買いました?」
「あ、うん。パンツと靴下」
「よかったのに」
「そういうわけにいかねーよ」
「そうですか。ならありがたくいただきます。お気遣いすみません」
 腕を下ろすと、小首をかしげるようにしてチャンミンは尋ねた。
「用って、これですか?」
 自分への目線からユンホは逃げた。チャンミンの顔を見てなどとても言えないと思った。
「それもあるけど、違う」
 ざわめきがいっそう強く感じられるほどチャンミンはしばし黙った。しかしやはりユンホは顔を上げなかった。駅員のアナウンスや客たちの談笑の声が、ラジオからの音のように感じられる。チャンミンの部屋がひどく恋しかった。



つづく


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