海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160718

受容について 10
目の下に真っ黒なクマのできたシウミンが、口をぽっかり開け、枕を抱きかかえてベッドに倒れ込んでいる。いびきに近い寝息を立てて、真昼間、彼は気を失ったように眠っていた。
ようやく帰ることのできる段になった時間は早朝と呼べる頃を過ぎていた。
やはり。俳優という仕事はシウミンの何もかもを疲弊させた。やれるだけのことはやっているつもりだが、それがまったく足りたものではないということも感じていた。重い体をなんとか自分の部屋まで持って来て、朝日の中シーツの上に投げ出した。
口の端からよだれを垂らし、シウミンはそうして休息の中にいた。
自分の背中に何かが乗ったような気がした。手か?大きい、温かい。
「兄さん」
軽く体を揺すられる。シウミンは、ああ、夢ではないのだ、と、青白い顔を枕に付けてない方へ動かした。
セフンの顔があった。
眠りながらも予感を拭えなかったシウミンは、睡眠不足と疲れとストレスで目の奥がじんじんと痺れた。
「……お前……仕事は…」
目をほぼ閉じてシウミンは問い掛けた。くるりと体を仰向け、目の上に片腕を乗せる。
「昼から。ねえ」
セフンは片眉を心持ち歪めてシウミンを再度揺らした。
「…頼むから……寝かせてくれ……」
目を隠したままシウミンは呻く。
「なあ。…スホ兄さんに俺に女の子紹介しろって、言った?」
半分眠っていたシウミンは急に脳にスイッチが入ったようになった。
腕をずらし、セフンを見ると、いつになく不機嫌そうと言っていいような表情を浮かべている。ベッドに腰掛け、顔を少し俯けて横目でシウミンを見つめる。
「…スホ、なんか言ってたのか?」
「なんかって?」
シウミンはのっそり起き上がって、ベッドヘッドに体を預けた。
「……友達と会うとか、そういうのに誘ってきたのか?」
「そうだよ。明後日とか言ってたよ。なんでいきなりそんなこと言い出したんだか分かんないよ」
セフンは角ばった体をシウミンに向かって乗り出した。
「兄さんが言ったんでしょ。俺に紹介してやれって」
眉根を寄せ、大人びた顔に更に陰を持たせて赤ん坊のようにむずがる年下の大男を、シウミンはまっすぐ見た。
「…うん。言った」
セフンは舌打ちをし、視線をそらした。
再び斜にシウミンを見る。
「なんで」
「……彼女、欲しいだろ?」
シウミンは自分の手のささくれを引っ張った。ああ、血が出たりしたら絆創膏を貼らなければならなくなる。撮影があるから駄目だ。シウミンは指先の力を加減する。
「何言ってんだよ」
「欲しくないのか?」
視線を合わせる。
「…兄さんがいるじゃん」
「……何度も言ってるけど、お前のこれは恋愛感情じゃないんだよ。…俺たちは全寮制の男子校にいるみたいなもんで、ほとんど何も自由にはできないから、近くにいる人間に、…そういう衝動や感情をしかたなく抱いちゃうんだよ。まったく嘘の気持ちじゃないかもしれないけど、でも本当の女の子とちゃんとプライベートでたくさん会ったら、お前も変わるよ」
「そ」
「そんなことあるって。な、会ってみろよ。…俺が悪かったと思ってる。お前をきちんと突き放せばよかったのに、…なんか、できなくて、ずるずる」
「悪かったって」
「うん、俺が、悪かったんだよ。夏で、なんかすげー暑くて、お前がアイスを俺にふざけて………。それを強く止めればよかったのに」
あのときも、チョコレート味だった。シウミンはふと思い出す。
「お前によくないよ、こんなの。……俺も忙しくて、それこそ、お前に付き合う時間もないよ。今日だって、今寝てたけど、もうしばらくしたらまた撮影だし。…な、もう、やめよう。みんなにばれるのだって、やだろ?」
シウミンはそっと、ベッドに置かれたセフンの手に自分のそれを重ねた。
猫背になっていた体をわずかに起こし、セフンはシウミンの顔をじっと見た。
そして、視線を外して前を向いたかと思うと、何も言わずに立ち上がり、そのまま振り向きもせず、部屋を出て行った。
ドアが静かに閉まると、シウミンはベッドの上に放り出された左手を見た。
日が高く昇り、カーテンなどひいている意味がないかのように、シウミンをさんさんと照らす。ベッドに胡座をかいて、痛みを感じる心臓のあたりを、握り返されることのなかったその手でさすった。




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