海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20170424

暗黙の 1(東方神起・リアル長編)
打ち上げの帰りほど幸せな帰路があるだろうか。
タクシーの座席に深く埋まりながら、チャンミンは酒臭い息を吐き出した。
隣では口を開け、たまにいびきを漏らしながら寝入ってしまっている酒に弱い酔っ払いが、チャンミンと逆の方を向いて座っている。
ネオンが光る場所はとうに過ぎ、今はもう、すぐチャンミンのマンションが見えて来るはずだった。
チャンミンは見知った泥酔客から目を離し、暗い窓の外に視線を持って行く。
自分でもおかしかった。
充実感に満たされ、このままずっとこの夜が続き、タクシーでいつまでもどこかへ運ばれてみたいという気持ちと、早く家に着いて、ぐっすりと眠り、−この飲酒量ではきっとそんなことは不可能だったが−さっぱりと気持ちよく起き出して、休日をぐだぐだ過ごしたいという気持ち。それらがふわふわとチャンミンの頭を色違いの風船のように浮かんでいた。
だが現実は。
そのどちらでもない。チャンミンはよく分かっている。そしてそのどちらでもないことを、そんなに悪くない、とも思っている。
マンションが見えた。
「兄さん」
ユノの肩を掴んで強めに揺らす。んあ、という声を上げ、よだれを垂らし熟睡しているその顔を、チャンミンは躊躇いなくぱんぱん叩く。
「や、めろ」
節の張った細長い指を出して、ユノは暴力にささやかな抵抗を示す。
「ほら、起きて。着くよ」
その言葉の通り、タクシーは停車する。
チャンミンは支払いを済ませ、サングラスを掛けた自分と張るほどの大男を、ドアからリュックサックのように引っ張り出す。


「ほら、水」
ソファに横になったユノに、チャンミンは500mlのペットボトルを手渡した。
薄目を開けたユノは、チャンミンから受け取った冷たい水の口を開ける。パキッ。そのまま勢いよくごくりごくりと喉の奥へと中身を流し落とした。ひと息で半分ほど減らし、ぷは、と呼吸を再開するユノを、チャンミンは目の前に立ってずっと、見下ろしている。
「…ごちそうさま」
ユノは唇を手の甲で拭う。
着ている上着を脱ぎ、床に放るさまを見て、チャンミンは尋ねる。
「服、着替える?」
自らもすでに上着は脱ぎ、トップスの上も取り払おうとしていた。暖房は充分だった。あと、アルコールも。ふたりとも赤い顔をし、特にチャンミンは汗もかいていた。
虚ろな目で半分座り、半分横になったユノは、チャンミンが汗を吸った服を脱ぎ捨てるようすを見つめながら、言う。
「…暑い」
「そうですね。だから、着替えるかって聞いたんだけど」
「…めんどくさい」
「じゃあそのままで」
「…アイス食べたい」
「ないですよ」
「…うそだ」
「そうですよ」
けろりとしてチャンミンは言い、「何味?」と問いながらキッチンへ向かう。
「…チョコレートー」
冷凍庫を開けて、チャンミンは動きを止める。
「…チョコレートはないですよ」
そう言って、ユノを振り向く。
「分かってるよ。苺しかないんだろー」
してやったりという顔でユノはチャンミンににやりと笑い掛ける。
「…あげないよ、もう」
チャンミンは冷ややかな目でユノを見返す。
「怒んなよー。お願いしますーアイスー」
バン、冷凍庫を閉め、手にカップのストロベリーアイスクリームとスプーンを持ち、仏頂面のチャンミンはユノの元へ向かう。
ユノの前に仁王立ちして、チャンミンは警告する。
「そんな態度ばかり取るなら今度から金を取る」
見下ろすチャンミンにへらへらと笑いを浮かべ、わーい、と言いながらユノは腕を伸ばす。チャンミンは馬鹿馬鹿しくなりその手に素直に氷菓と匙を差し出す。
ユノは半ば寝転んだまま、いそいそと蓋を開けその薄ピンク色の冷たい中身をスプーンで掬い、唇の間の奥へと押し込んだ。口を閉じるたび、上下の密着した部分に桜色の線が出来た。チャンミンはユノの隣のソファの上に腰を下ろし、ユノが食べ続けるさまを眺めている。
「うまい?」
「うまい」
「甘い?」
「甘い」
「いっつもひとりで食べますよね」
「いっしょに食べないのはお前だろ」
「太るから」
「少しくらいへーきだって」
「兄さんのは全然少しじゃない」
「お前はちょっとくらい食べてもいーって」
ほら、と言ってユノはチャンミンの腕を引っ張った。
ユノは胸の上にアイスとそこに刺したスプーンを置き、チャンミンの顔を片手で押さえ、その口に自分の口を出会わせた。
チャンミンはユノが目を閉じて自分にくちづけるのをこっそりと見た。ユノはキスのとき、いつも目を閉じる。そういうものだと思っている。
「…な、甘くてうまいだろ」
口を離し、目を開け、ユノはチャンミンに何故か得意そうに言う。自分の手柄であるかのように。
「…そうだね」
ユノがチャンミンの後頭部に回した手でまた彼を自分に引き寄せようとすると、チャンミンは相手の胸を押し返した。
「……汗臭いから。シャワー浴びてくる」
その細い目を剥いてユノは言う。
「なに女の子みたいなこと言ってんだよ」
「そういうこと言うのやめろって。聞かなかったことにします」
立ち上がろうとするチャンミンの腕を引っ張り、ユノは微笑む。
「ごめんって。な、いいから」
「自分が嫌なんです」
「俺お前の匂い好きだよ」
「自分が嫌って言っただろ」
「俺は好きなんだもん」
「…うるさい」
そう言ってチャンミンはユノにのしかかった。
ユノの上のアイスが落ちぬよう、その口を封じながら、テーブルに乗せた。


つづく


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