海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160924

準備は万端(セフン、シウミン)
お前さ、もう少し態度気を付けろよ。
そう、ミンソク先輩はベッドの上から起き上がって、パンツを履こうとしながら言った。
煙草に伸ばしかけた手を俺は一瞬止めたが、それはほんとうに一瞬で、すぐベッド脇に置いた煙草を掴み、態度?と聞き返した。
ぼ、とライターの先に火が灯るのを先輩は振り返って目に映した。
「会社でだよ。ばれんだろ」
いらだちを含んだ声でそう告げると、どんどんとさっき脱ぎ捨てた服を身に付けていった。
脱ぐときはあんなだったくせに。
俺は煙草と唇の間から煙をたなびかせながら、筋肉の盛り上がった、その決して大きくはない背中を焦がさんばかりの視線で指した。
すでにシャツで隠された白い背中を見通すように、俺は黙ってそうしていた。
先輩が服を着ている姿を見ると、無条件ですぐさま剥ぎ取りたくなった。
びりびりに破いてもう、二度と着られなくさせたい、と思った。
実際そこまではしなかったが、脱がせるときにボタンが飛んだことはあった。
初めてこう、なったときのことだ。
がむしゃらで、無我夢中で、先輩の口を大口を開けて吸いながら、ワイシャツを脱がそうと試み、へそあたりに手が触れ、たまらなくなってボタンのはまったまま上から脱がしたためだった。
逃してたまるか、と思っていた。
触れた肌は想像よりもなめらかで、俺は立っていられず先輩をベッドに倒した。
こんなの反則だ、と俺は内心舌打ちをした。
過去に抱いたどの女よりもきめの細かい、色のない肌だった。
それを先輩にのちのち言うと、お前もだよ、と言って笑った。
笑った顔が、なにか俺にはいつもいじらしいものとして映った。
お互いに男とするのが初めてで、最後までうまくはできなかった。
だがそれでもよかった。
俺は何度もいったし、先輩を何度もいかせた。
もうやめろと怒鳴られて、ようやく手をペニスから離したくらいだった。
ずっと握っていたかった。
用を足すのだって俺がやってあげたかった。
それを言うのはさすがにやめた。
本気で怒られたり、暴力を振るわれるかもしれないとさえ思った。
先輩は力が強い。
俺の方がずっと背は高いが、けんかになったら確実にこちらが負ける。
だからただ、妄想するだけにとどめた。
先輩の背後に回った俺が、彼のものに手を添えるようすを目に浮かべるだけで、俺は自慰ができた。
狂ってるな、とよく思った。
でも、しかたなかった。
それが恋というものだ。


俺も先輩もひとり暮らしをしているから、セックスする場所に困るということはなかった。
会社帰りに、たいてい俺が先輩の部屋に上がり込んだ。
先輩はいつも少しいやそうな顔をした。
最初から、今まで、この関係を望んでいるというさまを見せたことはない。
早くやめたい、とまで言われることもあった。
だけど俺は聞こえなかったふりをする。
俺が先輩のその言葉を鵜呑みにし、離れていくことなどありえなかった。
実際は先輩も分かっていた。
常に彼は俺を試した。
どこまで許せるのか?
どれほど自分が好きなのか?
そんなこと。
俺はひとりほくそ笑んでしまう。
先輩のテストなど、柔らかい鳥の羽で頬を撫でられているようなものだ。
俺が頭の中で先輩にどんなことをしているのか、先輩は知る由もない。
そして現実として週に3日は、先輩のベッドの上、いや、いたるところで、俺は先輩の股を開いていた。
脚を高く掲げ、四つん這いにさせ、体の上に乗せた。
ハスキーで鼻にかかった声が、犬の悲しげに鳴くような音になるのを俺は腰を振りながら味わい尽くす。
彼はよく汗をかいた。
俺は蜜のようにことあるごとにそれを舌で舐め取った。
先輩を抱いているさなか、俺は虫か動物になったと完全に思い込むときがある。
原始的な快楽のみしかそこにはなく、太古の祭りの夜のように、俺は一心不乱に先輩を貪るだけだった。


新入社員として配属された俺の教育係が、ミンソク先輩だった。
先輩は俺からするとかなり小柄に思えた。
顔のあちこちが立体的で、目と口がひどく印象に残った。
「背、たけーなあ」
先輩ははじめましてのあと、俺を見上げて呟くように言った。
そうですか、と応じると、そうだよ、と言って笑った顔が、なんとも子供っぽいなと思ったのを強烈に覚えている。
思えばあのときもう、そうだったのかもしれない。
歯茎がおいしそうなピンク色だな、などと思っていたのだから。


「もう、帰るよ」
今日は珍しく俺の部屋に先輩は来ていた。
俺が料理するから来てよ、と招いたためだった。
ほんとうだった。
前日から準備していた。
ワインを冷やし、スウプを煮込んで、マリネを漬けておいた。
ケーキだけは帰りに買った。
先輩はシックな内装のケーキ屋の中を見渡しながら、所在なさげに隣にいた。
生チョコレートのケーキをホールで買うと、その値段に小声で、「まじか」と言ったのが聞こえた。
俺は唇だけで微笑んだ。
部屋に帰り、準備を整える横で、先輩は上着を脱いでハンガーにかけ、ネクタイの首を緩めた。
何はともあれいたしたい、という衝動を抑え、俺はいそいそとテーブルをセッティングした。
小さなふたり用テーブルは、にわかに料理と食器で埋め尽くされた。
椅子に腰を落ち着けながら、先輩は言った。
「すげーな」
それはひとりごとに等しかった。
どうしたんだよこれ、などの質問攻めに合わないんだなと、俺は向かいに腰を下ろしながら先輩の顔を窺った。
「食べましょうよ」
冷えた白のワインをグラスに注ぐ。
グラスも冷たく、曇っていた。
ボトルの口から澄んだ液体が流れ出るさまを先輩は少し口を開け、目を瞬かせて凝視した。
だが何も言わなかった。
グラスを合わせて食事を始めても、いつも通り仕事や職場の人間たちの話、サッカーの話、世間のニュースなどが話題にのぼり、常と違うのは食べているものだけのようなありさまだった。
しかし俺は構わなかった。
俺の自己満足で結構だった。
先輩が俺の作った料理を食べ、唇の上を濡らすのを見ると、血が沸き立つような感じがした。
食事のあとケーキを食べようと思っていたのに、我慢できずに油の付いた唇に俺は唇を被せた。
ケーキには冷蔵庫の中でしばし待ってもらおう。
先にこのデザートを。
そうして今、先輩はことを終えて帰ろうとしている。ケーキも食べずに。
「ケーキ、あるんですよ」
「知ってるよ。俺はいいよ」
「ホールなんですよ」
「知ってるって。お前食べれるだろ」
先輩は、俺がチョコレートに目がないのをよく知っていた。
俺は灰皿に長くなった灰を落とした。
「いいじゃないですか。ひとくちだけ」
ベッドに上半身だけ起こし、かろうじて股間に布団をかけたかっこうで俺は食い下がってみた。
先輩はハンガーから上着を取り、腕を通した。
「あ」
胸の内ポケットを先輩はおもむろに漁った。
こちらを振り向き、ほら、と言って、ベッドの上にリボンのついた小さな箱を置いた。
俺は煙草を灰皿に押し付け、そのささやかな包みをじっと見た。
そして視線を上げた。
先輩の目と、出会った。
「これ」
「おめでとう、誕生日」
先輩はスーツのボタンを留めている。
「知って」
「営業なめんなよ、お前」
開けてみろよ、と声が掛かり、俺は魅入られたようにその包みを手に取った。
包装を開けると、深い色の革でできた名刺入れが中にはあった。
「営業だからな」
両手で鈍く光るそれを持ち、俺は言葉を失っていた。
ありがとうさえ言えなかった。
「気に入ったか?」
つむじを見せた俺は、そのまま何も返さなかった。
「セフン?」
素っ裸のまま俺は立って冷蔵庫に向かった。
狭いそこに収まった黒く光るデザートを俺は引っ張り出し、テーブルに置いた。
人差し指を端に突っ込む。
なるたけ大きく掬い取ると、先輩の前に立った。
「なんにもいらないって、言うから」
俺はひどくすねたような顔をしているのが自分で分かった。
「これくらいは、したくて」
指の周りは濃い茶色や黒の柔かいものに包まれている。
それを顔のあたりにまで掲げながら、俺は続けた。
「だからふたり分、お祝いしようと思って」
ほとんど唇を尖らせた俺を見て、先輩は呆れた表情で息を抜き、口元をひしゃげるようにして笑った。
「分かってたよ。こっぱずかしくて言わなかっただけだよ」
俺を見上げて、目尻が上を向いた大きな瞳をきゅっと細める。
「…これ、食べて」
甘味に汚れた俺の指に先輩は視線を移した。
先輩を指すようにすると、ためらいながらも口を開いて、先輩は俺の指を食べた。
ぬるぬる、と、舌と生地とクリームが俺の指を包んだ。
ちゅぽ、と唇を離すと、その上には焦げ茶のカスが付いていた。
「食ったぞ」
上目で俺を見、先輩は言う。
もちろん、俺は、舌で彼の唇を掃除した。




おわり





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (2) | 短編〈パラレル〉
匂い立つ何か | 再び皆様の前に

comment

管理人のみ閲覧できます : @
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016/09/24 Sat 10:48:46
Re: ツンデレミンソク先輩(*´Д`)σ ツンツンツン : ミス・レモン @-
鍵コメY様


こんにちは!

コメントありがとうございます(*^^*)


お忙しい日々を過ごされていたのですね〜。
飲み会も合わせて、お体大丈夫でらっしゃいますか?

私も牛肉はあまり好んで食べませんし、焼酎も同様です。
Y様と同じ状況になったら、私もへばってしまいそうです(´Д` )

このお休みに少しでもご気分と体調が回復されることをお祈りしております。


短編祭りに関して温かいお言葉をかけてくださりありがとうございます!☆彡

今日も含めてようやく祭りがすべて終わったような気がいたします。

実際お休み中にはお話を書けなかったのですが、皆様が読んでくださって拍手やコメントをしてくださることで、ずっと皆様とつながっているような感覚がありました。
ほんとうにありがたいことだなあと思います。

そうなんですね、地元にずっと。
「おもひでぽろぽろ」のたえこちゃんなんですね〜^ ^

私はずっと実家を出たかったので、なんのためらいもなく出、ホームシックにかかったこともございません。
家族に会いたいなあ、と強烈に思うこともないような感じです。
犬や幼馴染にはありますが。
実家の風景にすごく思い入れがある、ということがないのです。

でも帰って、新しくできたお店などを見に街に散策に出るのは好きです。
平野の田んぼの上に広がる雲の色を見るのも。
やはり全然違うのです。

かと言って都会に憧れがあるということもなく、東京にいるからなんだか小さくなってしまう、ということもあまりありませんでした。
関東にいても地元にいても、心持ち自体は変わりがないと言えます。


本日の「準備は万端」を読んでいただき、ありがとうございます*・゜゚・*:.。..。.:*・’(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・゜゚・*

昨日必死こいて書いた作品でございます。

まず今連載に出ておらず、今回の祭りに参加できなかったセフンと、あまり登場の印象の強くなかったであろうシウミンの話にしようと思い、書き始めました。
私のブログでは人気のカップルでございますので、皆様にどう受け取られるのかな、と思いましたが、Y様には楽しんでいただけたとお聞きし、すごく嬉しく感じました。

私もこのお話、自分でいいなと思っているところがあります。
独特の危うさでしょうか。
それこそ、Y様のその、過去の方への気持ちのような、人間が根源的に持っているぎりぎりな部分、それを少し掬えているような気がするからです。
このセフンはちょっと危ないな、と思うのです(笑)
シウミンがひるむというか、牽制するのも分かるというか。
でも、シウミンみたいな態度を取られてまったく引かないのは、セフンの自分への自信の表れだろうな、とも思います。

あ、Y様のお話を聞いて引いたりなどいたしませんでしたよ!
それこそ、このお話を書いているわたくしでございますから^ ^

私こそ、このお話の中で、読まれた方がちょっと引くんじゃないかな、という描写がちょいちょいあって、自分をセーヴしつつ書いたようなところがありました(笑)
自分がセフンのような趣味があるということではないのです。
ただお話の要求としてそういうことを書くわけですが、そういうこと自体に拒否反応を示される方もいるかな、と思ったのです。

そんなわけで、明日のあとがきにもありますが、祭りとはまた一味違ったものをご提供できたかな、とちょっと、考えております。

Y様にお言葉いただけて嬉しかったです(*^^*)

また、わたくしもお伺いいたします!

ありがとうございました♫



フェリシティ檸檬


2016/09/24 Sat 15:58:15 URL

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback

この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
  • ミス・レモン
ようこそお越しくださいました。
EXOのメンバーを登場人物にした二次創作BL小説や、オリジナルのBL小説、好き勝手なことを綴った雑記などを置くブログでございます。
内容を読んでのコメント、メッセージなど、いつでも心よりお待ちしております。
よろしくお願い致します。

最新記事

人気投票 1

人気投票 2

人気投票 3

人気投票 4

人気投票 5

ブログ村

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 韓流二次BL小説へ

人気ブログランキング

アクセスカウンター

有料アダルト動画月額アダルト動画裏DVD美人フェラポルノ動画フェラ動画美人フェラ無修正アダルト動画フェラチオ動画無修正フェラ
アクセスカウンター高画質アダルト動画無修正フェラ動画アダルト動画無修正アニメ動画海外アダルト動画
無料カウンター無修正DVDクレジットカード
無料アクセスカウンターウォーターサーバーアダルトグッズランジェリー無修正盗撮動画AV女優名教えて
ブログカウンター