海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160717

人さらいの条件 26
洗面所に入ると、誰かが浴室を使っていた。
参ったな、と思ったそのとき、バスルームの扉ががらっと開いた。
頭から濡れ切った、カイがいた。
体を隠すようすもなく、仁王立ちで、ギョンスを凝視した。
「…悪い」
部屋から立ち去ろうとすると、「待って」と声が追って来る。
脱衣カゴの上に放られた、携帯電話を手に取り、かざして、カイはギョンスを見る。
「………こないだの約束」
鎖骨のあたりで携帯電話を見せ付け、カイはギョンスに迫る。
「見なくていいの?」
ここで逃げたら駄目だ、とギョンスは思った。
ずっと、このことが引っ掛かり続けていた。
いつこの話題を持ち出されるかと、カイと顔を合わせるたび、どこか怯える自分がいた。あのときは勢いで自分から行為に及んだ。それを改めてふたりの間で持ち出すのが、なんだかひどく苦痛だった。だが、カイが自分に執着する限り、避けては通れないことだった。
ギョンスは扉の鍵を下ろした。
何も身に付けず、ただ手に自分の切り札の、小さな精密機器だけ持って、ギョンスの一挙手一投足をカイは見守っている。
すたすたとギョンスは浴室に向かった。
荷物を床に置き、カイを見上げる。
「見せろよ」
後ずさりながら、カイは言う。
「…こっち、来なよ」
ギョンスはなるたけカイの体を見ないよう、その顔のみに意識を集中させた。
「なんでだよ」
「風呂、入りに来たんでしょ。………昨日、帰って来なかったね」
含みを持たせた言葉が、ギョンスの神経に障る。
「夜、やったの?それとも…さっき?」
まったく何も表さない顔で、カイはギョンスに言葉を浴びせる。
「…汚れて気持ち悪いんでしょ。…ほら、服脱いで、…入って来なよ」
時間がなかった。
誰か、起きてきて勘付く可能性も、あった。
ギョンスは服を剥ぐように脱ぎ始めた。
ショーを眺めるように、微動だにせずカイはそのようすを目に映す。
一糸まとわぬ体になると、湿気の漂う小さな部屋に、足を踏み出した。
その体の真ん中は、先程の行為のせいで、まだ若干膨らみを保っていた。縮れ毛が泡立つように、濡れ光っている。棒の部分も、つやつやと照っていた。
ギョンスは当然、それを自覚していた。
見られることは辛かった。だが、カイにそれを見せていることの方が辛かった。カイが望んで望んでしかたないだろうものを、ただ、見せるだけしかできないということが。
すべての思いをポーカーフェイスの下に隠し、なんてことないように扉を背後で閉めた。少しでも、物音のしないよう。
カイは視線を床に落としている。しかし必ず、局部は目の中に入っているはずだった。
「ほら、見せろ」
手を差し出し、カイに詰め寄る。
携帯電話の画面に視線を移し、しばらく操作すると、カイは表示されたものをギョンスの目の前にかざした。
ギョンスは目を凝らして覗き込む。
————確かに、自分と、チェンだった。
半裸のギョンスが、半裸のチェンの腕を引っ張って、笑いながら部屋に戻ろうとしている。何故か、多少不鮮明だったが、それでもはっきりふたりと、分かった。誰が見ても、分かるだろう。
ぱ、と自分の方に液晶を戻すと、それを見下ろして、カイは告白する。
「…………あの日帰ったら、ふたりがちょうど出てくるところだったんだ。キッチンのドアの向こうから、ガラス越しに、隠れて………撮った」
それはガラスの曇りなのか。
だから、音が聞こえなかったのか。
確かにキッチンの灯りがほのかについていた記憶はあった。
疑問が解決していくのに並行して、証拠が実在したことがギョンスにじわじわと襲ってくる。なんと馬鹿だったんだろう。
ただふざけていただけだ、としらを切り通せなくはないかもしれない。
しかし、カイが強硬に主張しながら、この写真を見せられたら。
————真実はおのずと伝わるのではないだろうか。
ギョンスはわずかに顔を俯け、奥歯を噛んだ。
下を向いたまま、要求が口から飛び出す。
「消せ。今すぐ」
カイが顔を上げないギョンスの頭を見る。
「約束だ」
そう言ってギョンスはカイを見た。黒目と白目の色を濃くしたような相手の双眸に魅せられたように、カイは頷く。
削除ボタンを表示させ、目の前で、押させる。完了表示が出る。
ふーっと、長く細いため息をつき、ギョンスは途端に寒さを感じる。
しようがない。
このままシャワーを浴びてしまえ。
「シャワー出せよ」
手に携帯をぶら下げたまま立ち尽くすカイに、ぶっきらぼうにギョンスは言う。
言われた通りカイは蛇口を開ける。
すぐ湯に変わり、カイにどけるよう言おうとすると、上から声が降ってきた。
「……バックアップあるからね」
口を尖らせた顔を、ギョンスは横目で見る。シャワーのしぶきが体に当たる。
時間がない、とギョンスはどこか冷静に、また思う。
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (0) | 人さらいの条件(カイ × D.O.)
人さらいの条件 27 | 人さらいの条件 25

comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback

この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
  • ミス・レモン
ようこそお越しくださいました。
EXOのメンバーを登場人物にした二次創作BL小説や、オリジナルのBL小説、好き勝手なことを綴った雑記などを置くブログでございます。
内容を読んでのコメント、メッセージなど、いつでも心よりお待ちしております。
よろしくお願い致します。

最新記事

人気投票 1

人気投票 2

人気投票 3

人気投票 4

人気投票 5

ブログ村

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 韓流二次BL小説へ

人気ブログランキング

アクセスカウンター

有料アダルト動画月額アダルト動画裏DVD美人フェラポルノ動画フェラ動画美人フェラ無修正アダルト動画フェラチオ動画無修正フェラ
アクセスカウンター高画質アダルト動画無修正フェラ動画アダルト動画無修正アニメ動画海外アダルト動画
無料カウンター無修正DVDクレジットカード
無料アクセスカウンターウォーターサーバーアダルトグッズランジェリー無修正盗撮動画AV女優名教えて
ブログカウンター