海の底、森の奥

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20160830

ことの共犯 12
少しの間、ふたりはただ黙って、お互いを見合っていた。
ほのかにジュンミョンの顔は青いように、ジョンデの目に映った。
だが表情に変化はなかった。
うろたえているといった雰囲気も、なかった。
予想していたんだろうな、とジョンデは思った。
勘のいいジュンミョンが顔を出したのだろう、と。
かたちのいい小さな唇が、ゆるゆると開こうとした。
ジョンデは体を強張らせた。
「………お前、そんなこと考えてたの?」
口の両端がほんのわずかに上を向いていた。
はー、と小さく息を吐き、ジュンミョンは視線を逸らした。
「馬鹿だな。そんなことあるわけないだろ」
そして息を漏らすように少し笑った。
ジュンミョンはこちらの気が抜けるほど、嘘をつくのが下手だった。
彼の嘘に騙されたメンバーは、過去の面子も含めおそらくひとりもいなかった。
タオですら、「あははー、嘘でしょ、兄さん」と言って、取り合うこともなかった。
そんなジュンミョンが、全身で嘘をついていた。
思わず騙されてあげたいと、ジョンデは、そうだよね、と言って笑ってあげたいと、願った。
ごめん、忘れて、と言って、なかったことにしたかった。
しかしそんなわけには、いかなった。
先程我慢した涙が、再びジョンデの目の端あたりに、溜まり始めた。
片手を強く握り締め、ジョンデは言った。
「……無理、しないでよ」
声が震えないよう、必要以上にくっきりとした声で、ジュンミョンを諭した。
小さな部屋の中は、そのジョンデのメンバー随一と言っていい通りのよい声の余韻で満たされた。
そしてその声の真実味が、ふたりに、この押し問答の無意味さを痛いほど思い知らせた。
つまり、ジュンミョンはこれ以上否定してもしかたがないことを、この瞬間、悟った。
それが如実に表情に出た。
顔の力が抜けた。
眉尻、目尻、口角、すべてが下を向いた。
背中をそっと、壁に付けた。
かすかに頭を俯けると、今度は大きく嘆息した。
胃の中のもの全部を出そうとするかのような、溜め息だった。
ジョンデは潤んだ瞳を離さず、ジュンミョンに向け続けた。
「……なんだよ」
かすれた、風邪をひいたような声が、ジョンデの前から聞こえて来た。
「…………なんで、知ってんだよ…………」
消え入るような言葉を漏らすと、ジュンミョンは片手で顔を覆った。
我慢できなかった。
ジョンデはジュンミョンに近付いた。
その、華奢に見えて全身に筋肉が張った体の背中に、手を這わせた。
ジュンミョンは、何も言わず、拒みもしなかった。
両腕を肩に回し、手で顔を隠したままの彼を、ジョンデは優しく抱き締めた。
青ざめた顔をしていても、ジュンミョンは温かかった。
彼の体温を全身で受けながら、ジョンデは目の際からひとつぶだけ、涙を零した。



つづく



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