海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160826

ボナペティ 5
このあとの予定はと聞くと、チャニョルはなんもない、と黒目をギョンスに向けて言った。
ギョンスも今日は何もなかった。
それで、チャニョルが朝買って来たお菓子を広げ、ギョンスは昨晩のことを尋ねてみることにした。
もうすぐ夏休みになる時期だった。
だいぶ気温が高くなり、部屋の中はかなり暑く、息苦しくなっていた。さっきの熱く辛いスンドゥブもよく効いた。
ギョンスは窓を全開にしたのち、扇風機を最強にした。
「ごめん」
扇風機から顔を上げながら、ギョンスは謝った。
「エアコンもう少しつけたくないんだ。いいか?」
チャニョルは当然というようにあっけらかんと答えた。
「いいよ。俺これくらいならまだいける。アイスも買ったしな」
そう言って親指で背後の冷蔵庫を指した。
「悪いな。て言うか、払うよ、半分」
はっと気付き、ギョンスは財布をどこにやったっけ、とあたりを見回した。
「財布なら、机の上。寝るとき尻のポケット邪魔そうだったから」
ポテトチップスを口に入れながら、チャニョルは今度は人差し指でギョンスの書き物机を指した。
「あ、携帯もな」
俺は今日相当ぼーっとしてるなと、ギョンスは机に向かいながら思った。
「それに、いいよ、勝手に買ってきたんだし。さっきも言ったけど、そもそも泊めてもらったわけだし。まじで助かったよ。終電逃すとはなあ」
ばり、ばり、と咀嚼する合間に、チャニョルは財布を開けようとするギョンスを見上げて言った。
カーテンがふわりと大きくその身を広げた。
ふたりの間を抜けるように部屋に風が満ち満ちた。
ギョンスはチャニョルをほとんど真上から見下ろして、あ、やっぱり髭が生えてきてるなと、再び思いながら財布を置いた。
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
そうして一瞬だけ携帯の中を確認した。特別誰からも連絡はなかった。
机の上にもとのようにそのふたつは置かれ、ギョンスはチャニョルの隣に腰を下ろした。
さっき洗われたグラスにはまた、先程の烏龍茶が満たされていた。
チャニョルはチョコのお菓子の封も開けた。
「これ結構うまいよ。前食ったけど」
「チャニョルくん」
ギョンスは差し出されたその小さいスナックのようなチョコのひとつを摘んで、声を掛けた。
「くんて」
あはは、とチャニョルは照れ臭そうに笑って言った。
「やめろよ。チャニョルでいいよ」
そう言われるかな、とギョンスは少し思っていた。それと同時に彼を自分がそう呼ぶのは、なんだかしっくりこない気もギョンスはしていた。
「そっか。じゃあ、チャニョル」
「はい」
またくすくす笑いを含んでチャニョルはお菓子に手を伸ばした。
「髭剃りたかったら、髭剃り使ってないのあるから」
目をぱちくりさせてぱりんと芋の揚げたものを齧ると、チャニョルはああ、と何を言われたかを認識し、答えた。
「ありがと」
言いながら手で顎に触れた。
「んー、ま、いっかな。誰に会うわけでもないし。あ、お前には会ってるけど」
精魂込めて誰かが作ったみたいな顔を向けられて、ギョンスはその言葉を受けた。
お前、という響きと、その言われた内容が、ギョンスをなぜか不思議なほど喜ばせた。
自分でもどうしてだろうと訝った。常なら喜ぶだろうかと、自問自答をそっとしてもみた。結局答えは判然としなかった。
よく分からない感情を持て余し、普段あまり食べないお菓子を、ギョンスはほぼ夢中で食べた。
久しぶりに食べるそのジャンクな味は、驚くほど美味しく感じた。
「終電、なくなったんだっけか」
「覚えてないか」
なくなった烏龍茶をグラスに足しながら、チャニョルは言った。
「いつの間にか俺お前の隣に座ってたんだよ。ごちゃごちゃ動いてるうちにそうなってて。そしたら好きな小説の話になってさ。気付いたら最終出てたんじゃん」
とぷぷぷぷ、というBGMとともに、チャニョルはすらすらと経緯を語った。
「げー!とか言ってたら、お前が、じゃ、うち来ればいーよ、って、にっこにこしながら言ったんだよ。お前笑うとあれな。なんか赤ん坊みたいな」
ギョンスはチャニョルが注ぎ足したグラスを持って口に付け、少し視線をずらして耳から頬が赤くなるのをなんとか誤魔化そうとした。
当たり前だが、そんなことは不可能だった。
「照れんなよ。褒めてんだよ。そう聞こえないか」
笑ってぽん、とチャニョルはギョンスの腕を叩いた。
ごくり、と喉をお茶が落ちると、心持ち睨むようにギョンスはチャニョルを横目で見た。
自分がされたときより少し強めに、ギョンスはチャニョルに同じようにした。
いてー、と笑うチャニョルを見て、ギョンスは今、得難い時間を過ごしていることを心の底で感じていた。



つづく



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