海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160823

ボナペティ 2
ベッドの上から足を下ろすと、ギョンスはぼこぼこ煮立つ鍋に目を向けた。
「あ、やべーやべー」
慌てたようすでチャニョルはキッチンへ戻って行く。
火を弱めると、ビニール袋から豆腐を取り出し、手の上で4つに切り分け、鍋の中にそっと落とした。
その上から蓋をすると、手を洗い、またこちらをくるりとチャニョルは振り向く。
「スンドゥブだよ。食べるだろ?」
キムチが多分少なめで、あさりが大量に入っているのだろう、と、ギョンスは匂いから見当をつけた。
海岸にいるような香りは依然、ギョンスの脳を占拠していた。
母や、父や、兄弟、友人。
彼らが海を背景にしてギョンスを見つめているようだった。
突然ホームシックに近い感情が、ギョンスの中に沸き起こった。
目の前にいるのが、ほとんどまったくの他人ということが、それに拍車をかけていた。
しかしそれは甘酸っぱいが本当の痛みを伴う何かではなく、ギョンスはごく冷静に、チャニョルに向かって、言葉を返した。
「食べる。好きだよ。………買い物、行ってきたの」
「ご飯も、もうすぐ炊けるから。あ、勝手に台所使って悪い。うん、そこのスーパー行ってきたよ。近くていいな」
「お買い徳?」
「うん、結構安かったよ。ギョンスいいとこ住んでんな」
お買い徳というのはスーパーの名前だった。
耳で聞くだけでは違いがないのでしかたないわけだ、とギョンスは思い、そしてまた、呼び捨てられたな、とも同時に思った。
「駅から結構あるから、家賃は安いんだよ」
なんでこんなにごく普通に会話をしてるんだろう、と、自分でも不思議になりながら、ギョンスは立ち上がった。
チャニョルはその大きな体をばらばらとあたりに振りまくように動かしながらこちらに来た。
「なるほどな。夜歩いてるとき確かに長く感じたかも」
ふたりでてくてく夜道を歩いているさまが、ギョンスの頭に突如浮かんだ。
生えている丈の高い雑草を指先に当て、夜露を感じたり、深夜だからと声を潜めて話すことで、何もかもがやたらとおかしく感じたりしたことも。
「顔、洗ってくる」
何年も付き合いのある友人に言うように、ギョンスは背後に声を掛けた。
「うん。もう炊けるから、めしにしよう」
かちゃかちゃと音を立て、見つけ出した食器類をチャニョルが準備するのが分かった。
トイレと洗面所と浴室が一室になっている部屋へとギョンスは入る。
鏡に映る自分の顔を見つめながら、蛇口をひねった。
ピーピーピー、と、炊飯器が完了を告げる。
ほぼ初対面の相手にこんな顔見せてたなんてな。
目やにとよだれと布団の跡の付いた、ぐしゃぐしゃの髪の毛の自分を見るのをやめ、ギョンスは勢いよく顔に水を浴びせ掛けた。



つづく



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