海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160822

ボナペティ 1
潮の香りを吸うと思い出すのは故郷だった。
今、目を開いて見えた天井と、その記憶にある実家の天井との違いから、ギョンスは一瞬混乱した。
そして鼻から息を吸い込んで、再びもっと混乱した。
本当に、海のものとしか思えない匂いがした。
ベッドから起き上がると、つんつんと逆立った頭を、ささやかなキッチンの方へ振り向けた。
そこには大きな図体があった。
少しO脚気味の脚と、飛び出た耳を見て、ギョンスは昨夜のことが少しずつ脳裏に蘇ってきた。
上半身を屈み込ませるようにして、背を向けたその男は、一心に料理に耽っている。
ギョンスは茹だった鍋を見、貝の匂いか、と、ようやく得心がいった。
そしていつ、この男はそれを準備したんだろう、と訝しく思った。
掛け時計を見上げると、もう昼前になっていた。
束の間慌てるが、今日が休みだと気が付くと、ほうとひとり、溜め息をついた。
そのかすかな音を聞きつけ、男がギョンスを振り向いた。
「お、おはよ」
そう言って、唇の両端を上げ、信じられぬほど大きくて光る目を、まっすぐにギョンスに向けた。
「よく寝てたなあ」
手を洗い、拭くと、話し掛けながらギョンスへと近付いてきた。
微動だにせず、ギョンスは向かい合った男の顔をこれでもかと凝視した。
さっき徐々に鮮明になってきた夜のできごとから、相手の名前を引っ張り出そうと努力していた。
何か、ぴったりだなと思う名前だった。
そうだ、名前の意味まで聞いたのだ。
熟れきった果実。
「……チャニョルくん」
呟くように、ギョンスはチャニョルを見上げ、瞬きもせず、そう言って見つめ続けた。
いっとききょとんとした顔をして、すぐにぱっと破顔し、チャニョルはおかしそうに笑って言った。
そうだ、この声。
どこから響いてくるのか分からないような、深くて低くて幾重にも重なった声。
「そうだよ、ギョンス」
名前を呼び捨てられるのは、これが初めてなのだろうか。
ギョンスはまだよく分からなかった。
しかし慣れぬこの行為に、違和感や少しの嫌悪感も感じなかったのは、生まれて初めてではないかと、ギョンスはまだ、彼の顔を見ながら思った。



つづく




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