海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160814

慈雨、降りそそぐ 番外編 「game over」
肩の片側に力が掛かって、俺は体が傾いていた。
引っ切りなしに両腕を動かしてもいたため、だんだんと上半身が重だるくなっていた。
「ねえ」
顎の下から声がする。
顔をかすかに動かすと、まだほのかに濡れた髪の感触と、シャンプーの匂いを得た。
「なんだよ」
俺の目は液晶画面に集中していた。
やっと、この場面まで進んだ。
あえて電子的な音で作られたBGMを背景に、俺は全然ゲームをやめるつもりはなかった。はずだった。
風呂上がりのジョンインがベッド上の俺の隣にやって来て、肩に頭を乗っけるまでは。
俺の視線の先を一緒に眺めて、おお、とか、へたくそー、とか、ジョンインは呟いていた。
重みを感じ始めると同時に、どうも調子が出なくなった。
今は、夜。
部屋にはふたりきり。
当分、ふたりきりだ。
勝手に心臓が存在を主張する。
手は少し汗ばんで、ゲームをまたとちってしまう。
「あのさあ」
くそ。
もう全然駄目だ。
俺はようやく声の方に視線を向ける。と言ってもまつげくらいしか見えなかったが。
「しないの?」
ドキューン。
テロレロレーン。
GAME OVER。
音と同時に目を戻し、その表示を食い入るように眺めると、俺は指が止まってしまった。
喉のあたりが詰まったみたいになったまま、目を泳がせて、言葉を探した。
ジョンインが俺を見上げた。
その気配を受け、なんとか俺も、ジョンインを見た。
目だけ、それが俺を映し、その下から声がやって来た。
「何を?って、聞くの?」
俺は力の抜けた口が開く。
体を起こしたジョンインが、こちらを向いて、更に問う。
「したくないの?」
目をぱちくりと見開くジョンインに、俺はなんと言っていいやら分からない。
タンクトップ1枚のその露わな肩に目が行って、したくないわけないだろと、俺の中の俺が叫ぶ。
「………いいの?」
なんだよこの言い草。
かっこわりい。
耳が熱い。
ああ、ますますかっこわりい。
また、何言ってるんだろう、という顔で、ジョンインが軽い頷きとともに言う。
「うん」
「…………まじで?」
「うん」
「……………ほんとに、やじゃないか?」
「うん」そう言うと、思い出したように付け足した。「だって俺、勉強だってしたんだよ」
今度こそ何を言っているんだか理解できず、俺はぽかんとジョンインを見た。
「………勉強?」
「うん」
「……何を?」
「えー」そこで初めてジョンインは、少し照れ臭そうにした。「……男同士の、そーゆーの」
俺の頭はあらゆるはれんちな映像が一瞬にして飛び交った。
勉強?
勉強って?
どうやって?
…………誰と?
赤くなっているのにもかかわらず俺は青くもなっていた。
ただでさえ速い鼓動が、リズムを変なふうに刻む。
「………勉強って、……何、したんだ?」
声を、喉の奥から、絞り出す。
えーへへへへ、と言って、ジョンインは斜め下を向く。
「そーゆーのを見たんだよー」
ああ。
俺は自分を叱り付ける。
いったい何考えてんだ。
知らぬうちに頬が緩む。
「……なーにやってんだよー、わざわざ」
そしてその言葉が示すことに、じわじわ喜びが湧いてくる。
俺は再び顔がただ、赤くなる。
唇の端は、まるで口が避けたみたいに上を向く。
意味のない笑いが溢れる。
「だって、こうなる前から、見てたんだよ」
「は?」
ジョンインは俺のおかしいだろう顔を見ながら、当然のことだと言わんばかりのようすで言う。
「いっかい、布団被った俺に触って、振り払われたでしょ」
ずきずきと、古傷の痛む思い出が蘇る。
しかしジョンインの言葉は、その傷に、突然たっぷり薬を塗り出す。
「あんときもそうだったんだよ」
また、ちょっとだけ恥ずかしそうにジョンインは言う。
「よく、そうしてた」
あの頃。
帰って部屋を覗くと、俺を見たくないと言うかのように、布団を頭から被った蓑虫みたいなジョンインがいて、そのたび俺は、胸が潰れていた。
それなのに。
「…………なんで?」
それこそもう、声がよくは出せなかった。
ジョンインは考える顔をして、俺に言った。
「んー、俺と兄さんなら、どうなんだろって、想像して」
へへ、と笑うと、更に言う。
「やっぱ兄さんよりかっこいいのなんて、いなかったよ」
こいつ。
いつも思うけど、殺す気か。
気付くと俺は、ジョンインを抱き締めていた。
美しい肩甲骨が、俺の顎を迎えてくれる。
「やっと来た」
ジョンインが嬉しそうに言う声が、体の振動と一緒に届く。
どうしよう。
俺は途方に暮れてしまう。
ジョンインを、初めて、抱く。
その幸福に耐えられるのか、俺は自信が持てなかった。これっぽっちも。





おわり




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