海の底、森の奥

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20160806

彼は知らない(D.O. × スホ)
ある飲みの席で、酔っ払った勢いからジュンミョンが、俺セックスってちょっと苦手、と笑いながら言ったら、ギョンスに真顔で、ばっかじゃないの、と言われた。
他のメンバーもほぼ全員いた会だったが、その会話を聞いた者はいなかった。
言い放ったあとギョンスはぐびぐびビールを干した。
珍しく赤い顔をして、ぷはー、と息をつくその顔を眺め、ジュンミョンはまた笑った。
「よく飲むなあ」
ジュンミョンとギョンスは斜向かいに座っていた。
いわゆるお誕生日席にリーダーだからと肩を上から押されて座り、その右手にギョンスが陣取っていた。
「何へらへらしてんですか」
睨むように横目でギョンスはジュンミョンを見た。
多少充血した白目が貴重で、ジュンミョンはギョンスの言葉そっちのけで、ほのかに唇を笑みのかたちにしたまま、まじまじとその目玉を見返した。
焦点が合ってるんだか合ってないんだかよく分からないリーダーのまなこを、ギョンスは軽蔑したように眉をひそめて更に見た。
「なんですか」
ん?と、老人のような風情で反応を示すと、
「目、赤いなって」
と、ほうけたようすでジュンミョンは言う。
はあ、と嘆息し、ギョンスは視線を落とす。
みずからの杯に目をやり、ジュンミョンの手の中のものも確認すると、
「兄さん次、何飲むんですか。もう、やめときます?」
と問うた。
指で掴んだままのグラスの中が空になっていたことを、ジュンミョンは忘れていた。
何も入っていないその中を見下ろし、あ、と呟いてジュンミョンはギョンスを見る。
「お前、まだ飲むんだろ?」
何もかも見透かしてくるようなギョンスの目線を受けながら、ジュンミョンはまた微笑んだ。
「飲みますよ」
まったく抑揚なく、低く深い声でギョンスは答える。
「じゃあ、俺もそれ」
えへへ、と付け足してジュンミョンは言う。
瞬きもせずギョンスは視線を外し、すいません、と大きな声で手を挙げた。
「ビールふたつ」
店員が応答すると、ギョンスはサラダの残骸に手を伸ばし、皿の上をきれいに食べ始めた。
ジュンミョンはそばにある漬物を口に入れ、ぽり、ぽり、と噛んでいる。
目も上げずに、ギョンスがジュンミョンに尋ねた。
「なんで苦手なんですか」
何を言われたか分からないジュンミョンは、へ、とおかしな声を出し、ギョンスを見上げる。酔いからどんどん体をテーブルに近付け、屈み込むような姿勢になっていた。
「……セックスですよ」
少しだけ声を落として、ギョンスはまだジュンミョンを見ずに続ける。
記憶の戻ってきたジュンミョンは、ああ、と目を若干開く。
はは、と笑って、そうだなあ、と言ったあと、少しの間、んー、と眉を寄せ、唇を引き結んでから、開いた。
「なんか、緊張する」
そう言うとまた、はは、と笑った。
お待たせしましたーという声とともに、ふたりのもとにグラスがふたつやって来た。
どうも、と言って軽く頷き、ギョンスがどちらも受け取ると、片方をジュンミョンの前に置く。
白い泡がちょうどよいところでその下を黄色く染めている。
ギョンスはためらいなくその美しいうたかたを唇の間に滑り込ませ、喉仏を上下させた。
4分の1ほど減らして口を離すと、上唇の上の白い髭を、舌で舐めとる。
目の前で展開される動きをスローモーションのように感じながら、ぎこちなく、ジュンミョンもグラスの下を指で挟む。
黄金色の液体の中を小さな気泡が昇っていくのが、とてもきれいだ、とジュンミョンは思う。
ジュンミョンが口元までグラスを運んだとき、ギョンスが声を発した。
「セックスって」
泡が唇を包む。どこまでも優しいキスのように。
上目遣いで、ジュンミョンはギョンスを見た。
ギョンスは横目でその視線を受け、唇の片端を上げた笑みをこしらえ、言う。
「すっごく、いいのに」
くぴ、とひとくち、喉に落ちて行ったのをジュンミョンが感じたのとその言葉は同時だった。
ギョンスの目は変わらず色付き、その端は心持ち下に垂れ、ジュンミョンの目には一瞬、まったく知らぬ者のように、見知った弟分は映った。
グラスを口から解放すると、ギョンスが「ああ」と言いながらジュンミョンに手を伸ばす。
顔に近付く指にジュンミョンはびくりとするが、酔いで緩慢になった動きは、反射としては遅いにもほどがあった。
鼻の下を彩る白を、ギョンスは親指を横に動かし、ていねいに拭き取った。
ぷる、と動く口の上を意識しながら、ジュンミョンはギョンスを見ていた。
ギョンスはジュンミョンの口だけを見ている。
手を離すと、ギョンスはそれを自分の口に持って行き、そのまま含んだ。
音を立てて指を舐めると、再びグラスに口を付け、気持ちよさそうにビールを飲む。
ジュンミョンは手の甲で口を拭う。
は、と息を抜いたギョンスの方を、なかなか見ることはできなかった。




おわり




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