海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160802

砂糖壺に落ちる 8
あの日、キス、されたとき、想像よりもセフンが、……うまくて、俺はほんとに腰が抜けたみたいになった。
やっぱり年下で、子供みたいな雰囲気の頃から知っているから、そういうことがどれくらい……できるのか、全然、分からなかった。
なんだか、ふわふわとした、独特なやり方だった。
唇や舌の、その粘膜らしさみたいなものが希薄な、キスだった。
ソフトな、マシュマロみたいなもので撫ぜられているようだった。
気持ちよくて、思わず変な声が出た。
それが本当に恥ずかしく、俺はぎゅっと目を閉じた。
するとまた、おもむろにセフンが離れた。
かすかに息を上げ、目を逸らして向こうを向いたセフンを、俺は火照った顔の中のまぶたを半分ほど上げて、見た。
唇を手の甲で拭いながら、ご飯、冷めちゃうね、と、セフンはまだこちらを見ないまま、言った。
細い脚を組んで、広い肩を内向きにして、顔は少しだけ反対を向いて、目は料理を見下ろしていた。
俺は、自分が何かおかしかったかと、思った。
声が、気持ち悪かったかな?
やっぱりスウプが、ムードなかった?
……俺、キス、下手だった?
こちらを向かない鋭角な顎を見ながら、俺はとにかく、具合が悪くなっちゃったんじゃないといい、と思って、それを尋ねた。
大丈夫だ、と言うけれど、結局ずうっと、家に着くまで、元気がないようなようすのままだった。
どきどきした。
おやすみを言い合って、部屋に戻ってから携帯を見ると、セフンからメッセージが来ていて、心底ほっとしたのを何よりも強く覚えている。
ああよかった、そう思って、でもそのあとは全然ふたりで会えなかった。
俺は撮影のときの、ボルドーに塗られたセフンの唇をよく、思い描いた。
アメリカンチェリーみたいな、それだった。
食べたいな、とひたすら、俺は思った。
仕事中にふっとそれが頭をよぎると、いけないいけないと顔をこすった。
考えるだけならいいけれど、考えたら必然的に、全身が連動してしまう。
公衆の面前でそんなことになってしまったら、変態だ。
ああ、あの甘い果実を、自分の口に押し込みたい。
そんなことを思うだけでも充分変態だって、ほんとは自分でも、よく分かってはいるんだけれど。


12時過ぎくらいには行けるだろうと思っていたのに、短い針が指しているのは4という数字だった。
急いではいたけれど、深夜の家の中、大きな音を立てるわけにもいかない。
周囲の安全を確認してから、そっとセフンの部屋のドアを開いた。
眠っているかと思ったのに、セフンはベッドの上に座って、雑誌を広げていた。
「ごめん」
ドアを慎重に閉めて、足音も立てないようにして、セフンに小走りで近寄った。
セフンは心から嬉しそうに、その目を半月みたいにした。
「お疲れ様」
さすがにちょっとは怒られるかと思ったのに、全然そんなことはなくて、むしろ全身から喜びが伝わってきて、俺は逆にいたたまれないくらいだった。
「携帯見た?」
一応、遅くなってしまうことは送っておいた。それにしたってという時間だけれど。
ためらいがちにベッドの端に腰を下ろすと、セフンは雑誌を横に放ってうん、と言った。
「ほんとに、ごめんね。お詫びじゃないんだけど、これ」
手に持っていたビニールでできた袋を、俺はセフンに差し出した。
くしゃ、という音を立ててセフンがその手に受け取ると、まじまじそれを見下ろして、そして俺の目を見上げて、言う。
「……マシュマロ?」
不思議そうにこちらを見るセフンの端正な顔を見返して、俺は勝手に顔に血が上ってくる。
「……昼間、買ったんだ」
あはは、と、意味のない笑いを漏らして、俺は答える。
コンビニで見掛けて、気付いたら買っていた。
「………チョコ味は、なくて」
俺を見ていたセフンが、ゆっくり、目の中の色を変えた。
ベッドの上に置かれた俺の手首を掴む。
ぐい、と俺を、ベッドへと引っ張り込む。
「セフ」
「兄さん」
そう言って、セフンは俺をぎゅうっと抱きしめた。
首の付け根あたりにセフンの鼻と口が当たる。息がかかる。
「あ」
くすぐったい、駄目だ。
思ったときには、そこに弾力を感じた。
びくりと体が跳ね、俺は声が絶えず出る。
全身が震え、気持ちがいいのか悪いのか、自分でも分からない。
はあ、と吐息が俺の首を温める。
「イーシン」
耳の中に唇がある。
びりびりと体中の毛が総立ちになり、俺は瞼を下ろしてセフンの背中に腕を回す。その薄い体。骨という骨。
指を這わせていると、俺の耳たぶに硬い何かが当たった。歯だ。
首筋を指でなぞられ、舌と歯で耳を侵食され始めると、俺はもう声の抑えが効かなかった。
「あ、セフン、あ」
ぼそぼそ、と耳の奥で音がした。
言葉なのか吐いた息なのか分からぬまま、俺は後ろに倒された。



つづく



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