海の底、森の奥

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20160729

慈雨、降りそそぐ 13
そんなジョンインは、だんだんと、兄さんてまだ俺のこと好きなのかな?と、日に1回は考えるようになった。
踊っているときだけそんなことはなかったが、それ以外だとふっと突然、その問いかけが浮かぶのだった。
チャニョルと向き合いその妖精みたいな顔を見つめている最中ですら、頭をよぎった。
いや、だからこそなおと言うべきか。
くりくりとした漫画のような目の玉に相対しながら、心の中で尋ねていた。
そうなの?と。
まず、ジョンインの中で、チャニョルが自分に対して憧憬の念を抱いていたということ、それが恋心の深く大きな位置を占めていたということが、自分で思う以上に気にかかる事柄だったためと言えた。
好きでない、つまり、もう自分は兄さんの賞賛を浴びられるような姿を舞踏において見せていない、という思考の流れに、ジョンインは陥っていた。
また、普段の姿にとうとう愛想が尽きたのでは、それで好きでなくなったのでは、という別の思考の流れもあった。
このふたつの思考経路はまったく違う道を通っているが、結局辿り着くのは‘好きでいてもらえなかったら俺はどうなるんだろう’というちょっとした不安だった。
これはチャニョルの気持ちへの何かというよりも、ジョンイン自身の自らへの駄目出しに近かった。
好きでいて欲しいと願うわけではないのに、結果的にそう望んでしまうというジレンマがジョンインを襲った。
チャニョルに好かれる自分で在りたいという気持ち、それはジョンインの中で確実に育っていった。
ここまで書いてきたことを、やはりジョンインはそこまで明確に把握できていなかった。
ジョンインの頭では、兄さんて俺のこと好き?まだ?呆れてない?ダンス大丈夫?いまいちかな。どうかな。と、こんな調子だ。びゅんびゅんと言葉が飛び交う。気まぐれな流れ星のように。
そんなことになっているとはつゆ知らず、チャニョルは目の前にいるジョンインが心持ち自分の顔を食い入るように見てくるのを不思議に思って見返していた。少し顔や耳を赤く色付けたりしながら。
兄さんに好かれ続けたい(実際ジョンインはそうはっきり思っているわけではなかった、繰り返すと)、まだ俺のこと好き?と続けているうち、今度は兄さんは自分と本当はどうなりたいんだろう、という問いが、こちらは明らかな言語化がされ、ジョンインを訪れた。
会話の間なぜかチャニョルがほのかに頬や耳を赤らめることがあると、自分の質問への答えを得たように、ジョンインは心中こっそり安堵し、そのあと、こんな兄さんはいったい何を望んでいるんだろう?という流星が飛んでいくのを、徐々にではあるが意識していった。
そこから、そう言えばキスされたんだった、と、そうだそうだと思い出したりした。
そして今頃、途端に恥ずかしくなった。
もう絶対しない、という言葉を呪文のように浴びたジョンインは、催眠術よろしく唇を合わせられたという事実に対して自分の感情をほとんど持たぬまま今に至っていた。
端的に言うと忘れてしまっていた。
ジョンインにとってキスなどそのあとの告白に比べたらなんということもなかった。
目を開けなければなかったことになると激しく後悔したほどだった。
しかし、チャニョルの気持ちを聞き、それに慣れ、そうであっても構わない、むしろ好かれていたい、チャニョルの望むこととは?という段階を経た現在、キスというのは重大な意味をジョンインにとって持つようになった。
好きというのは、恋愛として好きというのは、そういうことだ。
誰に呆れられてもしかたのない話だが、ジョンインはチャニョルが自分にキスしたりしたいのだということをようやくしっかり、認識した。
その後困惑し、照れた。
キス、キスだけじゃないだろう、キスから先。
………どうやってやるんだろう。
ジョンインはその方面の知識に無頓着な方だった。
なんとなく、自分たちのそういう漫画や小説が書かれていたりするのは知っているし、周りから話を聞いたことはあった。ゲイの知人もいる。
あれってまじなのか?と、耳に挟んだ男同士の営みの方法について改めて懐疑的な気持ちをジョンインは持った。
当時、半信半疑だった。ちょっと嘘だろと思っていた。
だけど、兄さんはそれを望んでいる?
ジョンインは苦悩した。
受け入れるつもりがあるわけでも、今別に付き合っているわけでもないのに、勝手にひとりもんもんとした。
端から見たら、チャニョルはとっくにふられているし、その後ふたりの関係はそんなにもめることもなく平穏無事で万事本当にめでたい、というようなものだったろう(実際知る者は読者のみであるわけだ)が、ジョンインは人知れずかなり悩んだ。
だからと言ってどうなるというものでもないことだが、新たな質問たちはジョンインの仕事の隙間を縫って、彼の心を支配する時間を着実に増やしていったのだった。



つづく



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