海の底、森の奥

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20160726

慈雨、降りそそぐ 10
さすがに翌朝早く仕事の入っているメンバーはごく限られていた。
昼近くになるまで、残る面々は誰も起きられず、おおかた二日酔いをベッドの中で持て余していた。
もちろんジョンインはそんな中でも症状はひどく、夕方からスケジュールが入っていたが、行けるかどうか自信がなかった。行きはしても、使いものになるかどうか。枕の上で口を半開きにしながら、ジョンインはそっと目を開けて中心から外に向かって痛みの走る頭を意識した。幸い吐き気はそれほどでもなかった。
寝返りを打って仰向けになると、頭痛は強さを増し、思わずジョンインはいてー、と口走った。
額に手をやり、意味はないがこすってみる。
細く開けた目の中に、カーテンから零れる日光が入ってくる。その明るさと色は天気のよさを示していたが、特段ジョンインの気を和らげたりはしなかった。
「…ジョンイン?」
衣擦れの音とともに声が向こうからやって来た。
喉に何か引っかかったような、だがそれでもしっかりと個性ある低音の声の主は、見なくともジョンインには分かった。
声の方へ顔を向けると、チャニョルがこちらを見ていた。ジョンインと同様額に手を乗せて。
「…大丈夫か?」
相変わらずくぐもった声で尋ねるチャニョルと目が合い、ジョンインはなんだか泣きたいように感じ、小さくうん、とだけ答えた。
チャニョルは体を起こして部屋の中を見渡した。そして目をしばたかせながら髪の毛を両手で梳かしつける。
「……俺たちだけかあ。11時半だよ。…ジョンイン、起きるか?お前」
ふわー、と、特大のあくびをしてチャニョルは問う。
ジョンインはもぞもぞとチャニョルの方を体ごと向くが、風邪をひいたような色の悪い顔で何も言いはしなかった。
そんなようすを見たチャニョルは、首の後ろを掻きながら、「まじでへーきか?」と更に問う。「水、飲むか?」
眉を寄せ、口を開けた切なげな顔で首を縦に振るジョンインを見て、チャニョルは長い手足を大きく動かし、ベッドを降りた。
「待ってな」
そう言い残して部屋を出て行くと、ほとんど間を空けずにもうジョンインの前に立っていた。
手には水滴の浮いたグラスを持って、チャニョルはほら、とジョンインを促した。
ジョンインは肘をついて上半身を起こし、受け取ったグラスの中身を喉を鳴らして飲んだ。唇の横から一筋垂らしながら。
「ああ、ああ」
無意識に声を漏らしてチャニョルは人差し指と中指で相手の顔の水の流れをせき止めた。
グラスから口を離すのと、チャニョルが自分の行為に気付いて動きを硬くしたのは同時だった。
申し訳程度にささ、と指先で撫でると手を離し、近くのティッシュを引き抜いてジョンインの顔にほら、と言って当てる。
ジョンインはグラスをナイトテーブルに置き、ティッシュを自ら手で押さえた。
目の前に立つチャニョルの少し気まずそうな姿から、ジョンインは昨夜のことがぼわぼわと蘇ってきた。
ディテールは抜けていたが、自分がまずい質問をしたことはなぜか覚えていた。
トイレに連れて行かれたことも。
そしてそのときもこんなふうに困ったチャニョルが目の前に立っていたことも。
で。
結局、なんで俺が好きなんだっけ?
ひっきりなしに痛む頭でどれだけ思い返してみても、ジョンインは答えを得られた記憶がないことに苛立った。
確か、聞いたはずだ。
思い込みじゃない。
やっと聞けたと思ってなんだか清々しい気さえしたのをはっきり覚えてる。
忘れたのか?
ああ、痛い。いてーよー。
あんなに飲むんじゃなかった。
痛い痛い痛い。
なんでだっけなんでだっけなんでだっけ。
痛い。せっかく聞いたのに。
「ねーなんで?」
ベッドに腰掛け、自分の分の水を飲み始めたチャニョルが思わず動きを止めるほど、やや大きな声でジョンインは言葉を放った。
「あ?」
広い白目の中、何色とにわかには言えない色のついた丸がジョンインに向けられる。
こめかみを指先で擦りながらまだ横たわったままのジョンインは、繰り返し言った。
「だから、それで、なんで、俺が好きなの」
チャニョルが奥歯をぐっと噛み締めた。残った水の通っていくのが喉の動きで分かる。
いっきに時間は12時間前に引き戻され、ふたりはトイレに立っていた。



つづく



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