海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20190212

甘い罰(リアル短編・バレンタイン企画)
鍵を下ろした部屋の中で、時計の秒を刻む針の前へ前へと進む音が、妙にきりりと鼓膜を打った。そのような夜に不規則に染み込む、唇を合わせる音の間隙に、ジョンデは淡く言葉を混ぜた。
「落ち着けよ」
 音量とは対照的に、それは甘さに欠けた、強い口調のものだった。だからセフンは出そうとしかけた舌の先を歯の奥へと引っ込めると、ぶっきらぼうにひとこと返した。
「何」
 押すようにしてベッドに座らせ、潰れた羽毛布団の上で向かい合い、キスをし始めたばかりだった。パーカーを着たジョンデは、眉を下げ、中途半端に開けた目でセフンの視線を受け止めながら、しかし口を閉じている。
「何」
 繰り返すとジョンデは嘆息し、顔を背けて、発情しすぎ、と呟いた。
 一瞬意味を解せず、セフンは瞳を泳がせた。ジョンデの不機嫌そうな顔を俯瞰しながら、投げられた不満は脳に浸透し、血の沸き立ったセフンは考える前に声が出た。
「なんだよそれ」
首の後ろを掻くジョンデは、視線の鋭くなった相手と目を合わせ、言ったとおりだよ、と答えた。
「お前やることしか考えてないだろ」
 呆れたような表情で、声で、そう言われたセフンは悪寒に似たものが背中を駆け上るのを感じ、それでも引かない感情の波とプライドから、もつれそうになる舌で応じた。
「若いんだよ」
「それは否定しないよ」
 諦念を滲ませ、間髪入れずにそう返すと、ジョンデは横顔を相手に向け、遠い目をした。
「お前、俺以外ともしてそうだよ」
 まぶたで半分隠した瞳が、どこを見据えているのか判断のつかないことに気を取られ、また放られた言葉を受け止めそこねたセフンは、無表情のまま絶句した。
「誰にも彼にもしっぽ振るみたいにまとわりついてくよな、お前は」
 言うとジョンデは薄く笑った。普段決して人には見せない嘲りを含んだ笑みは、セフンの体を煮立たせ、同時に凍らせた。
 しばらくどちらも口を利かなかった。
細長の針が規則的に耳慣れた音を変わらず立てていた。けれど馴染みある部屋の中はまるで澱んだ沼のようで、セフンはうまく息ができなかった。それに驚き、意識的に深い呼吸を繰り返しながら、負けん気から、そしてこのまま朝が訪れることへの恐れから突然言った。
「人のことよく言えるよな」
 彫像のように骨張った横顔を見せた格好だったジョンデが、冷えた目でセフンを振り向いた。
「俺が?」
「そうだよ。自分だって、俺以外への態度どうなんだよ。俺が傍から見てていい気するとでも思ってんの?」
「言い掛かりすぎんだよ」
「こっちのセリフだよ」
「さかったお前見てりゃ、そう思うのは当然だろ。我慢できてる気がしないよ」
「よくそんなこと言えるな。やってるときの自分分かってる?だいたい女とやりたくなる可能性が高いのはそっちだろ」
「お前」
 ジョンデの手がセフンの襟を強く掴んだ。
言い過ぎたかもしれない、そう思ったときにはもう、トレーナーの襟ぐりはきつく握りしめられており、セフンは眉間に皺を寄せたジョンデに睨めつけられた。
ずっとひどい風邪のような感覚に侵されていた。死にたいような心地であるのに、滾った血の巡ったセフンは、燃えた首の皮膚の奥、喉底から、がさついた声を出した。
「やらせろよ」
 赤らんだ肌のジョンデが、虚を突かれた顔でベッドに膝を付き己を見下ろしてくるのを仰いで、セフンはもう一度言った。
「やらせろよ」
「あ?」
 腕に被せるようにしてより長い腕を伸ばし、ジョンデの盛り上がった肩を押さえつけた。
「何言ってんのか分かってんのか」
 すべては言わせなかった。
振りほどこうともがくジョンデの体を抱え込んで唇を塞いだ。ベッドが鳴り、布団は乱れる。
「や、め、ろ」
 口の中で喚かせたあと、舌を抜いて荒い息を唇に吐いた。潤んだ目の中を、今度はセフンが睨むように覗き込む。
「やめたくなんかないだろ」
 耳の後ろの髪の中に両手を滑り込ませ、額をぶつけ、言った。半目になった目のまつげが震えながら、セフンのまぶたをくすぐる。
 遠く秒針の音。被る長い呼吸音。
 パーカーの下から手を入れた。
「時間がないんだ」
 自分が言ったのかジョンデが言ったのか、セフンにはもう分からなかった。
罪があるのかないのかはもはや関係なく、ふたりの体は互いを罰し、針はただくるくる回った。




おわり





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (0) | 短編〈リアル〉
あとがき「甘い罰」、潤い求む | うちの可愛い担当

comment

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback

この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
  • ミス・レモン
ようこそお越しくださいました。
EXOのメンバーを登場人物にした二次創作BL小説や、オリジナルのBL小説、好き勝手なことを綴った雑記などを置くブログでございます。
内容を読んでのコメント、メッセージなど、いつでも心よりお待ちしております。
よろしくお願い致します。

最新記事

人気投票 1

人気投票 2

人気投票 3

人気投票 4

人気投票 5

ブログ村

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 韓流二次BL小説へ

人気ブログランキング

アクセスカウンター

有料アダルト動画月額アダルト動画裏DVD美人フェラポルノ動画フェラ動画美人フェラ無修正アダルト動画フェラチオ動画無修正フェラ
アクセスカウンター高画質アダルト動画無修正フェラ動画アダルト動画無修正アニメ動画海外アダルト動画
無料カウンター無修正DVDクレジットカード
無料アクセスカウンターウォーターサーバーアダルトグッズランジェリー無修正盗撮動画AV女優名教えて
ブログカウンター