海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160716

シング シング シング 10
立ち上がったチェンの少し離れたところに、ギョンスが扉を背にして相手を瞬きもせず注視し、立っている。
ピアノの旋律と伸びがあるが儚げでもあるダイアナ・クラールの声がふたりの間を漂い、足元には冷めてきたであろう中身の溢れそうなマグカップがふたつ、あった。
す、とギョンスが掌を上にして手をチェンに差し出した。
「手、出せよ」
ギョンスの顔と差し出された手を交互に見、チェンはおずおずと自分の手を相手のそれに重ねた。そのまま有無を言わせない様子でギョンスはその手を引っ張り、自らの背に回す。胸と胸が触れ合う。ギョンスの手がチェンの背中に伸びる。はずみでチェンがびくりとする。お互い日頃の修練で筋肉質な体をしていることを改めて感じあう。肩甲骨のかたちを確認するように、ギョンスは硬い背中に手を這わせる。チェンは頭が沸騰するような心地でそのまま棒立ちになった。ギョンスがゆっくり音楽に合わせて動き出す。曲はリピート設定らしく、永遠のように甘く豊穣な"The look of love"が繰り返される。相手の動きとともに、チェンもぼんやりながらリズムに体を揺らす。頭をチェンの肩にもたせかけたギョンスから、かすかな歌声が流れてくる。耳のすぐ近くでギョンスの豊かな低音が響く。曲と一緒に口ずさむ彼の、love 、の膨らみを持ったビブラートがチェンの鼓膜を揺らす。
「お前も歌えよ」
ギョンスが囁く。
催眠術にかかったように、言われるがままチェンは震える唇を開く。その高く混じり気のない歌声で、消え入るように口ずさむ。ああ、今まで何のために歌を歌ってきたのか、こんなときにこんな声しか出ない。自分に苛立つチェンにお構いなく、ギョンスが、歌うチェンの肩に顔を擦り付ける。チェンの手はじっとりと汗ばみ、顔は色を塗ったように赤い。これが本当に現実なのか、昨夜のような夢ではないのか、疑念ばかりが頭を駆け巡る。
穏やかに踊り、しかし体内では渦巻くような欲情が駆け巡るふたつの動物が動き回るうち、チェンの膝の裏がベッドに当たった。あ、と思った瞬間、ふたりはベッドに倒れ込んだ。
チェンが両肘をつき、その体の上にギョンスが乗っかる格好になった。胸のあたりにあるギョンスの顔を見下ろし、チェンは目が回るような感覚で、口をぱくぱく動かす。何を言えばいいかわからない。と、さっと体を起こし、ギョンスは
「喉渇いたな」
とベッドを降りた。あっけに取られるチェンを尻目に、ギョンスは体を屈めて先程の生姜ハチミツを取り、ごくごくと喉を潤す。視線を戻してチェンに向かってやって来る。ベッドに肘をついて腰掛けた状態のチェンを、膝をベッドについてギョンスは見下ろす。そのまま両手をベッドに置き、ゆっくり顔をチェンに寄せてきた。目が、とチェンは思う。俺だけを見ている。獣が俺を食おうとしている。獲物になったチェンはもう何もなすすべがなかった。ただ目と口を開けてギョンスを待った。
口と口が出会った。
ギョンスもチェンも、目を閉じることはなく、現実では初めてのくちづけをそのとき交わした。
チェンが猛獣に噛み砕かれるような錯覚に陥っているうちに、デジャヴが襲った。口の中に何か入ってくる。温かく、甘く、少し刺激のあるとろりとした液体。ギョンスの唾液の混じった生姜ハチミツだ、気が遠くなりながらチェンは気付く。ごく、ごくと喉が鳴る。
ギョンスが視線を外さず、光る唇を離し、
「うまい?」
と尋ねる。声が出ず、チェンはただ頷く。
「前は飴だったな」
チェンはもう反応もできない。
「あれ、どうやって入れたか、まだわかんない?」
ギョンスの顔がチェンの顔の3センチほど前で静止している。瞳は意地悪く輝き、唇は得意げに笑みをかたちづくっている。
「ジョンデ」
真顔になったギョンスが起き上がり、膨らんだチェンの股間の上に跨った。
「起きろよ」
言われるまま上半身を起こすチェンの顔を睨みつけるようにして、ギョンスは言う。
「俺がずっと何したかったか、わかるか?」
ペニスがますます充血していくのを感じ、チェンは恥ずかしさで顔にももっと血が上る。
ギョンスはにやりと笑みを浮かべ、
「お前の口」
瞬きして言葉の続きを待つチェンに、顔を再度近付けながら、
「お前の口の両端の上がったとこに、舌を突っ込むことばっかり考えてたんだよ」
言い終えるか終えないかのうちに、両腕を相手の肩にかけ、本人の左側の口角に自身の舌をじわじわ入れ込んだ。チェンはとうとう目を閉じ、口の端に侵入してくる初めての舌の感触を味わった。右側の口角はギョンスの人差し指がいじる。そのまま指で口を開き、スライドした舌が口腔に入ってきた。チェンの舌の上にギョンスの舌は蠢いた。チェンは再び目を開けた。その両腕をギョンスの体に回し、力を込める。我慢できず、チェンはギョンスの舌を無我夢中で求めた。お互いの頭を抱えるようにして、口の中を侵食しあう。ギョンスの舌はどこまでも甘く、溶けてなくなるのではないかとチェンを不安にさせた。目を閉じることはできない。この目が俺を見つめるのを見つめないわけにいかない、断末魔を叫びながらチェンは死の床で思う。
長い間舌を貪ったあと、息を切らし体が火照ったギョンスは体を離し、スウェットの上着とズボンを脱いだ。ボクサーパンツの前にシミができるほど膨らんでいるのを視認し、チェンはめまいを起こしそうになる。
「脱げよ」
もたもたと、チェンもパーカーのジッパーを下ろす。上半身が裸となり、ズボンを引き下ろすと、ギョンスと変わらない状態の股間が現れた。
チェンは羞恥とギョンスの白い肢体に打ちのめされた。ずっと想像の中だけで繰り返し見てきたあの上気した肌が、現実として目の前にある。その体、肌が直接チェンのそれに重なった。恍惚感で溢れ、訳が分からなくなるのを必死で食い止めながら、チェンはギョンスが自分の首筋に舌を這わせ、耳たぶを舐め尽くし、鎖骨を弄んで乳首をおもちゃにするのを受け止めた。その間ギョンスの手はパンツの上からチェンのペニスを優しくしごく。とうとう固く締まった腹部を通り、唇が布地の前に来た。ギョンスはパンツに手をかけ、一気に脱がせる。跳ねるように性器が現れ、途端にそれはギョンスの口の中に収まった。ぬめぬめとした感触に包まれ、久しぶりのそれは脳が溶けるかと思うほどの快楽でチェンを襲った。声が漏れてしまうが、部屋の外に聞こえてはまずいと自ら手で口をふさぐ。しばらく口で吸われたあと、ギョンスがペンダントライトを消し、枕元の灯りのみにして、自分のパンツを引き下ろした。
露わになったギョンスの恥部。
口を開けたまま、チェンはギョンスのそれがこれ以上ないほど上を向いているのを信じられない思いで見つめた。
ギョンスはそんなチェンのさまを一向気にする様子もなく、ベッドに乗ってくる。馬鹿にしたようにチェンに向かって笑い、
「舐めたいか?」
と聞いた。
眉毛を八の字にして、チェンは答える。
「いいの?」
嘲笑の度合いを深め、ギョンスは言う。
「ほら」
ベッドに膝をついて腰を差し出すギョンスに、チェンは放心した態で屈み込む。躊躇いながらも、そそり立つギョンスの性器を根元まで咥えた。
「あ」
ギョンスが漏らした声を聴き、より興奮を深めたチェンは、先走りを味わいながら舌を可能な限り満遍なく、求め続けたものに絡めた。チェンの髪の中に指を潜らせ、めちゃくちゃにしながらギョンスは体が前に屈みがちになる。吐息に甘さを増すさまに安堵と情動を感じながらチェンの速さが上がる。と、チェンの髪がぐっと強く掴まれる。チェンが口を離すと、「もう、いい」とギョンスが眉を寄せて見下ろしている。
ベッドに腰を下ろすチェンに、息の荒いギョンスは言う。
「お前、ローション持ってる?」
「う、ううん…」
「使ったこと、あんの?」
「ない。男とだって、初めてだし」
「そう。俺も」
えも言われぬような喜びがチェンを包んだ。もしかしたらこの感覚はギョンスもかもしれない、とチェンはほのかなオレンジ色の灯りに照らされた彼を見て思い、そうだったらいい、と強く願った。本当は大したことなんかでないのはわかっていたが、お互いが同性の初めてだと思うことで、特別なものがそこに存在する気がした。
「ちょっと待ってろ」
ギョンスはベッドを降りズボンだけ履き、注意深く部屋を出て行った。チェンが心配する間もなくギョンスはすぐ戻り、
「しかたないからな」
手にはオリーブオイルの瓶が握られている。
「これエキストラバージンオリーブオイルだぞ」
と半ば本気でもったいなく思っているのがわかる様子でつぶやく。思わずチェンはあははと笑ってしまう。これが幸福というのだろうかと目の前の情人を眺め、泣き笑いのような顔で思った。
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