海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20171008

みんなと一緒!
こんばんは。
こんな深夜なんて。
フェリシティ檸檬です。

ええ、そうです。
友人もね、言っていたんですけれどもね。
混じりたかったんですね←

チェンとレイの誕生日、把握していなかったんですよね。
なんと申しますか、忘れていた、というほど覚えていなかった、と申しますか…。
しかしroiniy様のものをはじめ記事でそのことを知り、おお!と思い、そうしましたらばharuyuki2様もみむ子様も、それぞれ記事をお上げになられていて(みむ子様はEXOTICA企画関連でございますが)。
少し考えてはいたんですが、夜になってぞくぞくと更新されたことで友人と話し、これは…と思い、結局取り掛かり、上げたのでございます。

読まれた方はお分かりかと思うのですがEXOTICAを匂わせたお話になっております。
βカロテン様のカップルを勝手に使って申し訳ありません。
レイ(+チェン)の誕生日と、EXOTICAを一緒にしたれと思いまして。
それぞれの書き手様のお話についていろいろと語りたい気持ちもあるのですが、今はもうそろそろ寝なければなりませんので、簡単に。

roiniy様、レイのレイらしさが感じられるシャープなお話で、大人の味わいに酔わせていただきました。

haruyuki2様、なんだか少し泣きそうになりました。私はharuyuki2様のちょっとした描写にはっとすることがよくあります。

みむ子様、シウミンの罪に言及してくださりありがとうございました。あのお話の罪とは、犯人、紳士、シウミンそれぞれのものを指しておりました。

私は絶賛カイチェン萌え中でございまして、その気持ちがよく表れたお話に今回のものはなっているのではないかと思います。
少しでもお読みになった方がお楽しみいただけるといいなと心から願っております。

いつも楽しませていただいてEXOの皆には感謝しかないのでございます。
今後ともいい音楽を届けていただきたいな、と切に祈る毎日です。
チェンもレイも、またカイも、よろしくお願いいたします。


仲間意識というのはすごいものでございます
フェリシティ檸檬



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20171008

うららかな彼ら(チェン、レイ誕生日企画・リアル短編)
 着込んできたのは間違いだったかもしれない。
寒さも厳しくなってきたと思い、出掛ける際防寒具をこれまでよりも身にまとい家を後にしたが、あちこちで仕事を片付けながら自分が結局ほとんどそれらを手に持ったままにしていることに当然だがイーシンは気付いていた。
これではただのお荷物だ。
判断を誤ったなと考えながら、それでも車を出るときやはりそれらを携えて事務所の練習室へと向かった。帰りに冷え込みが強まることに賭けたのだ。
どっさり衣類を脇に抱えたイーシンはむしろ軽く汗を噴いた体を馴染みの部屋の前に運んだ。そして足を止めずにドアを躊躇なく開いた。
誰もいないだろうと予想したのは、音が何も聞こえなかったからだ。
しかし、いた。
ふたり。
昼下がりの明るい部屋の中に、立っている男の影がふたつあった、ひとつかと見紛うようすで。
グランドピアノの前、黒く曲線を描くその木の波間に、ジョンデが背を預け、その進路を塞ぐようにしてひどく脚の長い長身の青年が、背を丸めて立っていた。
向こうを向く男がジョンインだというのはその体つきで分かった。その素晴らしく発達した肩の奥に、ジョンデの笑う顔が覗いた。イーシンが入ってきた瞬間にジョンデは彼と目を合わせ、魅入られるような笑顔をただ唇の端が上がっただけの表情へと変えていた。
扉は勝手に背後で閉まった。と同時にジョンインが自分を振り向いたのをイーシンは受けた。
「イーシン兄さん」
 意識して作ったと分かる笑顔を向け、ジョンデは遊戯の如く喉で転がすようにして出す例の声を用いイーシンを呼んだ。兄さん、とジョンインも続けて呟いた。後ずさりながら。
瞬きをしつつ、イーシンも頬を上げてえくぼの位置を確認するかのように歯を見せ、応じた。
「ごめん、使ってると思わなくて」
 足を前に進めるのが躊躇われたがそうしないわけにもいかず、のろのろと端に寄って化繊と毛の塊を床に置いた。そのまま鞄を、ほんとうは用もないのに漁った。
 そうしている間、ジョンデの声がイーシンを訪れた。
「いいんですよ、ジョンインが俺のダンスチェックしてくれてただけなんで」
 飲み物やタオルを引っ張り出しながら、ジョンインがジョンデから離れ、おそらく自分の荷物のところまで移動した音もイーシンは聞いていた。
「兄さん、俺もう行くよ」
 鞄を肩に掛けたジョンインがそう言うと、イーシンとジョンデは揃って彼の方を見た。
「ああ、悪かったな、すげー助かった」
「ううん。じゃあイーシン兄さん、あんま無理しないで」
 ジョンインはイーシンにその小さな、色の薄い瞳を一瞬だけ見せた。がすぐ下を向き、帽子で更にそれを完全に隠すと、うん、ありがとと答えるイーシンの横を通って、あっという間にふたりを残し、姿を消した。
 閉まった戸を見つめていると、ジョンデの声が鼓膜を揺らした。
「兄さん、俺このピアノ少し使いたいんですけど、いい?」
 首を捻るとジョンデが既に鍵盤前に佇んでいた。
手に持っていたペットボトルの蓋を開けつつ、イーシンは返した。
「うん、すごくかかる?」
 ぱかと木の覆いが開けられる音が鳴った。
「ううん、ちょっと生のピアノの音聴いときたいだけだから」
 ピアノの上に置かれた楽譜らしき白いばらばらの紙をジョンデは集めて鍵盤の前に並べ、椅子に腰を下ろした。
 ポーン、と、シの♭が宙に舞う。
 それを追って、ジョンデのシの♭も響いた。
 開け放った窓から風が入っていた。
冷気がイーシンの頬を打ち、カーテンがばたばたと身を震わせる。
中身を少し減らしたペットボトルの口をきゅっと強く締めると、イーシンは歩き出しながら尋ねた。
「窓閉めてもいい?」
 今度はファの♯。
「あ、ごめん。寒かったですね」
 声がすぐ、変化する。ファの♯はそれだけで歌であった。
 冷えた窓を引くと、密室になった室内にピアノとジョンデの音はこだました。顎を心持ち上げて喉を震わせるジョンデの後ろに、イーシンは立った。
 楽譜を覗く。あ、と思い口を開いた。
「これ知ってる」
「ほんとに?」
 さっと顔を見上げてくるジョンデに頷いてイーシンは答える。
「うん。多分弾けるよ」
「まじで、兄さん。もしかして…」
「いいよ。弾こうか?」
「やったー。お願いお願い」
 腰をずらして横に長い椅子にイーシンの場所を作ったジョンデは、にこにこしながら彼を待った。座ったイーシンは白く、ひんやりとした鍵盤に指の先を置いた。
ぱらぱらと音は散った。
まだ、雪は降っていない。
だが初雪の訪れのように、その部屋には冷ややかで儚く、甘い音の粒が積もるように落ちた。
ジョンデは雪の中で歌った。足元を埋める雪が溶けるような声で、口角を上げ、眉尻を下げて楽器として旋律を奏でた。
ほとんどつっかえることなく、イーシンはその音の迸りにただ酔った。終わるのが惜しいということだけを思っていた。
だが終わった。ジョンデの声は水面の揺れが凪いでいくように消えた。
「すごくいいね」
 イーシンは顔の中を崩すように笑って隣のジョンデを向いた。
照れを含んだ笑顔をジョンデも返し、応じる。
「ほんと?やった」
 や、まだまだだけどさ、と続けて。
イーシンはこうしたジョンデの貪欲さに触れると、いつも少しだけ肌の表面が粟立った。何か鏡を見ているかのような気にさせられ、どこか恐ろしいとどうしてか思った。
「だけどやっぱ兄さんはすごいですね。ほんと羨ましいですよ。練習したってわけじゃないんでしょう」
 楽譜を整えながらジョンデは聞いた。
「うん。でもこれはそんなに難しくないよ、ピアノは」
「そんなことないですよ。とにかくありがとう兄さん。すごく助かりました」
 口を突き出すようにして再び顔を向けたジョンデと、イーシンはすぐ目の前で相対していた。
「ううん。俺もすごい楽しかった。これなんかでやるの?」
「そう。仕事でね。上手くできるといいんですけど」
 手元の楽譜に目を落としたジョンデの長い睫毛にイーシンは見入った。音符を追うまなこのせいで、まぶたが痙攣しているかのようにぴくぴくと絶えず動いていた。
「ジョンインは」
 その名前を出した途端、ジョンデの体にさっと力が篭ったのに肉体に鋭敏なイーシンは気が付いていた。だがそれに無関心なさまで構わず問うた。
「最近元気なの?俺、あんま喋ってないんだけど」
 かまを掛けるようなことを言って、とイーシンはみずからをたしなめた。けれどもう口に出していた。笑みを広げながらもイーシンを向かずに白い紙に黒いインクの走っているのを見下ろしたまま、ジョンデは言った。
「兄さんは忙しいから誰ともほとんど喋ってないじゃん」ふざけた調子でそう言うと、付け足した。「元気ですよ。夏からちょっと変なとこあったけど、でもそれはみんなそうだったし。活動で疲れてたんだと思いますよ。今はもうだいぶ元に戻りました」
「そうなの?ほんとに平気?」
「はい。兄さん、俺らのこと心配するより自分のこと心配してくださいよ。仕事ぶりを聞くたびはらはらしてますよ、みんな」
 ようやくジョンデはイーシンをまっすぐに見た。その目尻の皺を見つめてイーシンは言った。
「ありがと。だけど大丈夫だよ」
「ほんとに気を付けてくださいね」
 紙のがさりがさりという音と共にジョンデは腰を上げた。
「じゃあ俺ももう行きます。邪魔してごめんね」
 仰いだイーシンはううん、と呆けた表情を呈し答えた。
 足音を鳴らして荷物をまとめにかかるジョンデの後ろ姿を、座った格好のままイーシンは眺めた。そしてジョンデの指にジョンインが自分のそれを絡めていたのを反芻した、彼の青年らしい、筋肉の乗った肩や腕や尻を見ながら。
 振り返ったジョンデと視線がかち合い、我知らずイーシンは慌てた。
 にやっと笑うとジョンデは言った。
「じゃあ兄さん、根詰めないでね」
 その靴の裏で高い音を残しながら部屋を横切り、家でねー、と告げたジョンデがドアの向こうへとその体を消した。
イーシンは今日、それほど疲労を感じていたわけではなかった。だが何故か立ち上がることもできず、ジョンデが横にいたときと同じように隣を空けたまま、しばらくピアノの前に腰掛けていた。
春を呼ぶようなあの歌声を、ただひとりのためだけに捧げることがきっとあるのだ。
イーシンはそれを聴きながら体を揺らす相手を思い、もう一度一足早く、部屋の中だけにたったひとりで雪を降らした。



おわり



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20171005

私はほんとに幸せ者(EXOTICA感想をいただいて)
こんにちは!
だいぶ寒くなってまいりましたね。
フェリシティ檸檬です。

そのせいか分かりませんが、なんだか風邪を引いたような気がします←
悪くならないといいなと思っているのですが、どうでしょう。
季節の変わり目、皆様どうぞお体お気を付けください。私に言われたくないというのが総意でございましょうけれども。

さて、みむ子様とroiniy様から素敵な素敵なコメントをいただきまして、なんか…体が変だよ?と自分に語りかけているさなか、癒されたのでございます。
ほんとうにありがとうございます。
お忙しいのに、あんなにも書いてくださり…感無量でございます。
この記事にてお返事をさせていただくことをお許しください。


みむ子様

みむ子様が私のお話を読まれて懐かしさをお感じになったのを大変嬉しく思いました。
みむ子様がそうお感じになるのはスチームパンク始めそういう要素を盛り込み私がそう書いているからでございまして、つまりそうお感じいただきたかったということでございますので、まったく失礼などということはございません。
みむ子様も過去と未来の融合をされていらっしゃいましたが、私もそういう世界観を目指しており、そういう意味でも私たちはシンクロしたかな、似ているのだなと思っていたのです。過去部分に郷愁めいたものを嗅ぎ取ってくださったのなら本望でございます。

また、紳士が犯人だと思っていたとのこと、そうだったのか!と驚きました!
私は紳士を確かに少し怪しげと言いますか、ようすや行動に不可解さや不気味さを持たせた部分がありましたし(どんどん憔悴して行ったり、シウミンが知らない彼の時間がありましたので)、きっとそういった部分を読まれても、みむ子様がそうした印象を深めたのではないかと思いました。
それは紳士が犯人に復讐していることの伏線の描写でございましたので(紳士はほぼ寝ずに復讐・見舞い・発明をしておりましたのです)、それが少し妙な感じを読まれた方に与える部分だったかと思うのですが、そこを紳士の性格や表情や振る舞いで、シウミンがこの男性に心を許したり頼ったり好きになったり、あまつさえ最後願いを聞き入れたりすることの要因として描いて払拭したつもりでおりまして、そこらへんでひいてはこの人が強姦殺人はしないということを感じ取っていただけるかなと思っておりました。
ですが私はみむ子様がそういうふうにお読みになっていたことでひどいなどとは思いませんですので、気にされないでくださいませ!私の書き方、つまりは力量の問題でございますので!
むしろみむ子様の人や物事の見方というものが知れて、ほんとうに興味深く思いました。
健全な人間などほんとうはいない、と申しますか、性悪説と申しますか、そうした姿勢を持ってらっしゃるのかなと考えた次第です。そしてやはりとても賢明な生き方をされてらっしゃるのだなと思いました。
私は「信じる」という言葉を聞くたびにぴんと来ないのですが、みむ子様はそうしたところ(人を信じるというのはある意味ナンセンスだという思いを抱かれているというところ)が特におありなのではないかなと申しますか。私はそんなみむ子様がとっても好きでございます(恥ずかしい…)。
私といたしましては、みむ子様もおっしゃってくださったように、紳士もまったく完全な人間などではないように書いておったつもりなのです。
それは、シウミンに女性を凍らせることをほとんど強いたことからもっとも見て取れるかと思います。
この方は大変に頭がよく、自分が優秀だという自覚もありますので、かなり高圧的に周囲に振る舞う部分がありまして、それはシウミン他警察官やさまざまな対象への端々への態度に出ております。
すごく好人物でもあるのですが、物事を自分自身ですべてなんとかしようとする、コントロールへの欲求が強い方なのですね。
そしてシウミンに頼みを言った際、シウミンに殺人を告白したのは不可抗力でもありましたが、彼の精神的に逼迫したり抑圧されたりすることでの能力の発動に気付いていた紳士は、あえて犯人の実情を語り、能力の効き目を上げ、なおかつ女性に対する同情を煽ったのです。
復讐自体もそうですが、まったく人として褒められたものではない行いをむしろここでしております。完全に、このときの紳士はエゴの塊だったのです。
可哀相なシウミンでありますが、シウミンも馬鹿ではないので、自分が何を求められているかという自覚はあり、しかし彼自身、女性の不幸を何かしらのかたちで救いたいというほんの少しの思いも手伝ってその願いを聞き入れるのですが、その違法性やなんやかやをさしおいても、女性があのままではいけないという考えは拭い去ることができず、それを最後告げたのでした。

みむ子様のおっしゃるように、私も意識的にこの紳士と女性の関係に含みを持って話を書いておりました。
最後凍らせて欲しいという紳士の願いも込みで、読んだ方がそういうニュアンスを感じてくださるのは考えていたことでございまして、しかしその点をあまり追求することは今回はやめました。
そこらへんをもっともっと書いてみたいような気もいたしましたけれども、話の焦点が少しぼけますし、いろいろなものが(時間など)なかったのでございますね。

今回こうして感想をお聴きし、やはりみむ子様の想像力は素晴らしいなあと感服いたした次第です。
申し訳なく思うことなど全然ございませんので!再読もしてくださったなんて、感激でございます、ほんとうに。
私も心から今回の企画は、ずっと大切な思い出として私の中に残るだろうことを確信しております。
また是非こうしたことでご一緒したいですね!

昨日ようやく企画前のシリーズを読ませていただきまして、とても楽しませていただきました。よかったです、特にカイとチェンの関係性がすごく、好きでした。
またコメントなどさせていただきに参りますので、よろしくお願いいたします!


roiniy様

シウミンのその点に言及してくださったことがまず何より嬉しいことでございました!
シウミンは若干ストックホルム症候群状態であったところもあったと思うのですが、それでもずっと正気を保って、まっとうな人間であったのですね。
私はシウミンのそういうところがとても好きでして、だからこそこういうお話を書いたとも言えます。
また傍観者であったという点もそうでございます。
このお話は言ってしまえば紳士と女性の話でございまして、そこにシウミンは巻き込まれたかたちであるわけでございます。
彼らの悲劇と復讐劇に取り込まれたシウミンが、ぐらぐらになりながら如何にサバイブするかがこのお話のテーマのひとつでありました。
だからほとんどの場合彼は受動的であり続けました。
そういうわけもあり、セフンが犯人でないということにも言えるのですが(笑)、そもそも私は二次創作において彼らに悪事を働かせるということはするつもりはないということがございまして、例えばシウミンが犯人をとっ捕まえたり、それを殺す手伝いを結果する羽目になったり(どんなに間接的にであっても)という展開にはすることはございませんでした。
今回犯罪が強姦殺人であり、しかも快楽殺人であると言えますので、みむ子様もおっしゃっていましたが、この犯人はサイコパスと申しますか、完全な異常者でございまして、そういう意味からも、このお話は所謂ミステリ的な犯人探しとはならず、身内の中に(EXOメンバー含め)犯人がいるということにもならなかったのでございます。
快楽殺人の犯人探しというのは限定された人間の中でとなりますととんでもなく重いテーマでございまして、基本的にミステリの中でも多くはなかろうと思います。
やはりこういう犯罪の犯人は追跡の対象なのでございますね。

roiniy様は、私の萌えがこれでもかと詰まっているとおっしゃってくださったのですが、実は私にとってこのお話に萌えは余りありません(笑)
けれどそれに私が気分を害しているなどと思わないでくださいませね!
私があとがきに書いたことをお読みになると、確かにそう受け取られるなあと思っておりますし、私は何を言われても特に怒ったり不機嫌になったりいたしませんので、どうぞお気軽にお捉えください。記事やもろもろで、私をとっつきにくくお感じになられるかもしれませんですが、私は小中高と通信簿に「温厚」と書かれ続けた人間ですので←
どうか懲りずに今後もお付き合いくだされば幸いです。roiniy様のコメント、大好きでございます。
どういうことかと申しますと、私があとがきに書きました要素についてですが、例えばですがホームズなどを見まして、私は彼に萌え!と思うとかではないのでございます。
厳密に言えば何か小さな部分で萌えを感じるとかはあると思いますが、ワトスンとのブロマンスに感じ入るとか、そういうところも皆無です。
私が物語に求めているのはリアリティーとカタルシスと真実でございまして、あとがきに並べましたものはそうしたものを得られる確率の高い、好ましいジャンルや何かであるということなのでございます。
私は萌えがあまり多くないということもそもそも言えるかもしれません。

先程みむ子様へのお返事にても触れたのですが、紳士と女性の関係性にはいろいろと思うところがございまして、それをお感じいただけたのがとても嬉しいです。
実際は、私は紳士が彼女を異性として愛していたというよりも、女性が紳士を愛していたのを彼が拒否したのではないかなと思っております。
紳士のほんとうの気持ち、というのは置いておきますけれども、私は彼が彼女を愛していた(これは家族的な意味で捉えてください)のはその容姿よりも性質でだと思っております。
シウミンも、彼女に対したときに驚き、またその後何度も振り返り、それが彼をして彼女をむしろ彼自身としても、もう少しだけこのままと思わせたのが、彼女の人格的な高潔さでございました。
私がこのお話のどこに萌えがあるかと申しましたらば、女性がシウミンに話しかけるところでございます。彼女の台詞は自分でもどれも好きでございます(照)。
彼女が如何に人を思いやれる人間であるのかというのをそこに出したつもりでございまして、だからこそシウミンも彼女のことをあんなにも思うのでございます。
私は利他的な、自己犠牲的な行動を取れる方を何よりも評価するところがございまして、これは私の仏教的観念の表れ(と言っても何かの宗教に属しているということではございません、仏教は哲学として大変好ましく思っているのです)なのでございますが、そういうところはおのずと人に伝わるものでございまして、だからこそ紳士は女性をあそこまで大切に思っており、従僕は立場を超えて悲しみ、シウミンは彼女をもう少しだけ生きながらえさせたいと思ったのでございます。

紳士の心の安寧を思ってくださり、ほんとうにありがたかったです。
私も作中で、仕事に対する欲求だけは彼に残しており、そこをよすがにして、なんとか彼に生きていって欲しいものだと思っております。

また是非何かの機会にご一緒できたらなと思っております。
お部屋にも伺わせていただきたいと思いますので、その際にはよろしくお願いいたします。
ほんとうに嬉しいお言葉でございました。書いた甲斐がございました!


なんだか長々とお返事してしまい、申し訳ないくらいでございます。
もういいよ…と思われたかもしれませんですね。
自分でも改めてこのお話について思いを馳せてしまいました。

読んでいただけることだけでも幸せなことなのに、こうした感想をいただけるというのはとんでもない果報者という他ございません。
どんなことをおっしゃっていただいても、そんな!などと思いませんで、ありがたいな、面白いな、楽しいな、と思うだけでもございますので、これからもお気軽に率直にお伝えいただけたらなと思います。
ふつつかでどうしようもない私でございますが、もしよろしければこれからもお付き合いくださいませ。

友人の感想もものすごく楽しみでございますね!
きっと素晴らしいものであるだろうと思います。
皆でわくわくとお待ちいたしましょう。


祭りは続く…
フェリシティ檸檬




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20171004

EXOTICAあとがきを読んで
こんばんは。
あとがきが出揃いましたね。
フェリシティ檸檬です。

皆様のあとがき、存分に楽しませていただきました!
私のを読み直しましたらばところどころあれな部分がありましたけれども←
出だし、30年とか書きましたけれども、言い過ぎでございましたね。20年ちょっとくらいが正しいでしょう。どんな水増しなのか。

さて、読ませていただきたいものだなあと夢見ておりました内容を正に読ませていただいた今日でございました。
友人の企画はそういう、内実を分かち合いたいと思わせるものでございましたものね。ものすごく皆様のお気持ち、よく分かります。

みむ子様のあとがきは、いつもそうなのですが、読むと非常に感心してしまうものでございました。
「虹を求めて」EXOTICAあとがき
みむ子様と私は、僭越ながら好きなものが似ていたりするところがあると思うのですが、みむ子様は私にない物語の作り手としての素質がたくさんあり、私は心からうらやましくなるのでございます。
今回あとがきで触れてくださった多くのさまざまなディテイルも、是非読ませていただきたいと思いました。きっと読んだ方が皆そう感じたのではないでしょうか。
顔だけ、容姿だけで人は恋をするわけではないという素晴らしいテーマを、ああいった軽やかな筆致で書いてくださり、お届けくださったことをほんとうにありがたく思いました。

roiniy(ooba)様のあとがきは、お人柄が大変よく表れていて、とっても面白く読ませていただきました!
「大帝男子」EXOTICAあとがき
作品それぞれへの一言が秀逸で、私のお話についてのお言葉も、ものすごく嬉しかったです。ああいう感想は、実はなかなかいただくことがないもので、新鮮で、なおかつまっさらな喜びをいただけるものでございました。ありがとうございました。そう、やっつけましたね!それが書きたかったのです。
触手というテーマは、皆様感じられた通り素晴らしかったと思います。
EXOの能力を二次創作の場で扱うのは、おっしゃる通りとても楽しいものですね。私もまたやりたいなと思いました。

haruyuki2様のあとがきには、ご感想と、続きのお話まで付いていて、なんとお得な!と嬉しいサプライズでございました。
「ソラノムコウ」EXOTICAあとがき
私、書かれていましたチャニョルのティーザーをまともに見たことがなく←、今回お教えくださったことで初めて拝見いたしました。とても素敵でございました。あのティーザーシリーズは、真正面から格好いいものを目指していて、感心してしまいましたね。女心や、少年の心を鷲掴みにしそうなものでございました。
また、haruyuki2様からあのような感想をいただきまして恐縮でございました。すごく嬉しかったです。皆様も同じ気持ちでいらっしゃるのは間違いございません。
私にないロマンティシズムを今回浴びるように感じられ、幸せでございました。

βカロテン様は、さすがでございましたね。βカロテン様節炸裂という感じでございました。
「緑黄色野菜」EXOTICAあとがき
前回とまったく異なる世界観を提示くださり、それを満喫できたことは私だけでなく皆の喜びであったことと思います。
ですがEXOの皆が世界を救う話も是非読んでみたかったなとものすごく思ってもおります。
その日が早く来るといいなという気持ちも抱かせていただき、嬉しいような、それを待つのが苦しいような、複雑な思いでおります。罪作りなβカロテン様です。
能力発動するお話、また共に書かせていただきたいものでございます。

睡魔夢子様のあとがきにても、彼女が如何にこの企画に取り組んだかと、そもそも創作にどう向き合うのかということを知れ、私も知らない彼女の一面に触れられてものすごく面白く、楽しく、勉強になりました。
「夢の続き」EXOTICAあとがき
彼女のマネージャーのファンである私でございますが、EXOの皆も彼がすごく好きでしょう。そういう男性を作り出してくれた友人に感謝でございます。
友人は私に直接、今回ほんとうに面白い話ばかりで楽しかったと何度も何度も言ってくれ、私も完全に同感なのですが、そんな彼女の尽力は正に圧巻でございました。
このような企画を立ち上げてもらえるということは、人生にそうそうないのでございます。皆様もそうお思いなのではないかと思いますが。
あらゆる要素がこの企画には盛り込まれており、これを超えるということはほぼ不可能なのではないかなと思うのですが、そんなイベントに参加でき、皆と記憶と作品を共有でき、光栄であり幸福であると言う他ありません。
「概念を打ち破る」という言葉はまこと素敵でございました。

皆様の創作へのアプローチをこれほどまでにお聞きすることができ、私は大満足でございます。
私のものがそうした欲求を持たれた方になるほどと少しでも思ってもらえるものになっていればいいのだがと願う今でございます。

また近々に皆様のお部屋にもお伺いさせていただければと思います。
友人の感想もほんとうに楽しみでございますね!

まだまだ私は企画が終わった気がしないのでございます。


是非また何か皆様と一緒に何かしたいのでありますよ
フェリシティ檸檬



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20171004

EXOTICA:黄の洞窟:あとがき「皆様はどう取り掛かられるのでしょうか?」
企画2

企画概要(↓クリックすると記事に飛びます)
ブログ『夢の続き』EXO小説企画「EXOTICA」

企画参加者様記事一覧(本日更新分↓クリックすると記事に飛びます)
「夢の続き」EXOTICA:黒の洞窟:あとがき「EXOTICA」
「虹を求めて」EXOTICA:白の洞窟:あとがき「異世界は異世界であるからして異世界なのだ」
「大帝男子」EXOTICA:緑の洞窟:あとがき「触手」
「ソラノムコウ」EXOTICA:赤の洞窟:あとがき「They Never Know 〜夏の終わり〜」
「緑黄色野菜」EXOTICA:青の洞窟:あとがき「記憶と人格の同一性(持続的な時間の中において、断続的事象が如何にしてパラダイムシフトに干渉するか)」


おはようございます。
企画が終了いたしましたね。
フェリシティ檸檬です。

これを書いているのは9月最後の日でございます。
友人の言う通りまだまだ暑さはありまして、私は今タンクトップです。
そしてふと考えましたら、このオレンジ色のタンクトップは祖母からもらってかれこれ30年くらい着ているのでございます。また、下に履いた赤いスカートは母からもらい、これも同じくらい履いております。
先日友人と話していて、私の趣味というものが昔から根本は変わっていないのだということを言われ、自分でも言い、それを如実に現した現実でございますね。
生まれ持った嗜好と与えられた環境という両輪で人は作られるのだと朝からしみじみ思いました。
この記事がアップされる頃もまだ、私はノースリーブを着ている気がいたしまして、それがいつまでなのか、と、このようにほんとうにこの企画と共に夏の終わりを思っているのでございました。

さて、この記事はEXOTICA:黄の洞窟のあとがきでございます。
読んでくださった皆様、「闇を駆ける罪」、お楽しみくださいましたでしょうか。
他の書き手様のお話の結末も、これを書きながらもものすごく気になっておりますのですが、とりあえず自作について思うところをお話ししたいと思います。
もしよろしければお付き合いくださいませ。

どこまで触れようかな、ということをなんとなくずっと考えておりましたのですが、思いつくままになんでも述べてしまおうかな、というのが今の気持ちでございます。
ですのでとりとめなく、それは知らなくてもよかったかも…などとも思われたりされるかもしれない代物になるかもしれませんですが、二次小説というものはそうした気楽なネタばらし的なことの共有もなかなか楽しいものなのではないかなと思いますので、欲求の赴くままに書いていこうと思います。

友人が企画内容を発表してくれましてから、だいぶ長い間頭の中で考えるだけであったのは以前もお伝えしたと思うのですが、そのときに私が意識しておりましたのは、やはりファンタジー色をきちんと強くしてみようということと、反対にBL色は弱めようということでございました。
そして私はシウミンの担当ということになりましたので、彼とファンタジー、ということと、私の今書きたいもの、ということとを混ぜて練り始めました。

少し前に私が「モンテ・クリスト伯」を読んだという話をさせていただいたのですが、それはアメリカのドラマに久しぶりにちょっとだけはまり、そのドラマがこの小説を原案として書かれているということからの再読でございました。
もともと私は復讐譚に類するものが好きでして、それもものすごく強い復讐者が標的をこてんぱんに叩きのめすというのが好みでございます。
二年ほど前に「イコライザー」というデンゼル・ワシントン主演の映画を観ましたのですが、これは復讐譚というのとは若干厳密に言えば違うのですが、大変、心底、楽しみまして、私のひとつの理想のエンターテインメントのありようでございました。
また「悪魔を見た」というチェ・ミンシクとイ・ビョンホン主演の映画も、いい復讐ものだったのでございます。私がここ数年で満足した映画の主たるものは復讐ものと言っても過言ではありません。
そう言えば「その女、アレックス」というフランス小説も、いい復讐ものでした。
そういったことから、そもそも「リベンジ」というまんまのタイトルのそのアメリカのドラマにも興味を抱き、見始めたわけであったのですが、そんな流れで私の中に復讐譚を書きたいという欲がいよいよ強くなっていたわけでありました。

この復讐譚、というジャンルと、シウミンとを掛け合わせたとき、シウミンの容姿が私に働きかけました。
拙ブログのお話をお読みになっている方だとお分かりかと思うのですが、私は彼の色の白さに言及することが多く、しかもそれはポジティブな指摘ではないことが多いです。
それは彼の生真面目な頑張り屋な性格とその色白さから、私は疲れてげっそりしたようすをしたその私生活の姿を思い浮かべることが多いためで、その気持ちが話の中に出てまいるのです。
そういう私の彼へのスタンスを、今回復讐譚と合わせ、彼が真っ青になって大きな目をゆらゆらさせながら走ったり惑ったりしているのを話の中で描写しようと思いました。

そしてファンタジーなるものですが、これは私にとってもっとも苦手とする分野と言ってよく、前回、自身の企画でSFを取り上げたときも似たようなことを申したのですが、はっきり申しましてそれ以上の不得手意識がございまして、ですがこのブログという場では、そういうチャレンジを自分の楽しみとしてしてみてもいいのではないかという気持ちは変わらずありまして、挑むことにしたのでした。
私がまだ好きだと思えるファンタジーの世界観は、あえて言えばスチームパンクっぽいものかな、ということを思いまして、これはむしろSFなんですけれども、その要素も取り入れるつもりでしたので、それならそういうのに類した感じにしよう、と思い、また、頭に浮かぶ所謂その世界観から、19世紀末のイギリスっぽさみたいなもの、それは大好物でございますので、そんな雰囲気に、と、案は進みました。
そう、その時代ならば、そして復讐譚ならば、シャーロック・ホームズ的世界観を表現できたらいいなあ、という大それた思いをそのまま抱きました。
私は何回か触れてきました通りジェレミー・ブレッド主演、露口茂吹き替えのグラナダ版「シャーロック・ホームズの冒険」の大ファンでございまして、これまでの人生において何度となく見てまいりました。ついさっきも見ておりましたし←
特に私は相棒のワトスンがエドワード・ハードウィックの、つまり後半のものが好きでして、その頃になると演出も大変凝っていて、ほんとうに見ごたえがあるのです。
というわけで、マントをまとった紳士たちの活劇的な世界を構築できたらと思いました。

それと共に、この世界観にしたいと思った理由はスチームパンクからの派生以外にもありまして、つまりそれはシウミンという人のたたずまいでございます。
期せずして、みむ子様のお話を読んで、おお、被った!と、またシンクロ!となりましたのが、シウミンに、あの映画出演時のキャラを持ってきたということでございまして、私はあの映画未見なのですが、CMなどで見るたびに、これはなんだかとっても似合っているなと思っておりましたその記憶が、私をしてホームズの使いっ走りの少年たち、もしくは明智小五郎の小林少年、更に言えば彼自身が扮したこともある名探偵コナン感を抱かせ、そういう役割を与えようと決めさせたのでありました。
顔面蒼白になった少年のようなシウミンが、非常に有能な大人の男性に付き従って異世界を生き抜く―――、そういう話のおおまかなかたちができあがってまいりました。

と、一応順々に申しているような感じになっておりますが、実はこんなふうにこうで、こうで、と考えているわけではなく、これらすべてを同時進行で頭の中でごちゃごちゃと混ぜて決めていきまして、それにまたある時点で(だいたいがものすごく早い段階ですが)画が頭に広がりますと、それを元にするということもございます。
ホームズがどうとかというのを思うよりも早いくらいにでありますが、シウミンが暗い部屋の中でベッド上の傷付けられた女性と犯人を見付けるという場面がそれでございます。
すべてはこれから始まっておりまして、これを描く、ということがモチベーションのひとつとなっているのでございます。
これは「輪舞曲」でもそうでして、ユノとチャンミンが宇宙の中でふたりきり、たたずんでいる画というのを書こうと思ってあれは取り掛かったのでありました。

私が好きなこのグラナダ版ホームズのシリーズを御存知の方なら、私がいろいろなオマージュをこの話に捧げているのにお気付きかと思います。
主にそれは「悪魔の足」と「ボール箱」というお話でございます。
紳士は、「悪魔の足」のあの博士をイメージしておりました。あの方まんまではございませんが、あれも復讐のお話ですし、とても悲しみに溢れたそれで、私は見ますととても胸打たれるのでございます。
「ボール箱」は耳のくだりでございますね。塩の中に詰まった片耳が事件の中心となるのですが、これはいたたまれなさや哀れさに身がよじれてしまいそうになるお話で、ホームズが最後「この不幸の連鎖に何の意味があるのだろう?」と言うのですが、この言葉は私が今回書いた話のひとつのテーマであるかとも思います。

過去の世界を引っ張ってきた点というのはこういったところなのですが、未来感を出すというときに、またこれもだいぶ初期に浮かびましたのですが、押井守の「功殻機動隊」、もっと言うと「イノセンス」を考えました。
私はまったく彼のファンではないのですが←、セクサロイドのルック自体は何か感じるものがありまして、セクサロイドではないのだけれども機械が体の一部になっている女性が陵辱されるということを描こうかなと思いました。
何故かと言えば、押井守がそれを扱いながらきちんと向き合わない題材を用いて、もっと真実と現実に即した私が読みたい(見たい)と思う話にしてみたいという気持ちが起こったからでした。
見ると何故こうなると歯をぎりぎりしてしまいますので。
またジャンルの関連として、どうしても手塚治虫の「鉄腕アトム」も思い出しまして、その中でよく表現される完璧な悲哀なども求めたいなという、これまた恐れ多いことを願いもいたしました。

これら要素の他に、ファンタジー色を追求するということからも、また二次創作であるということからも、シウミンの超能力設定を取り入れようと思いました。
氷の能力でございますが、それをどうするか、というときに、私は「星闘士星矢」が浮かんだのでございました。正しくは、能力を使わせるならば死体か脳死状態の体を冷凍保存させるということだなと思った際、そのさまがかの有名ジャンプ漫画を彷彿とさせたということでございます。
氷牙でございましたでしょうか、氷を操るセイントなのですが、彼の母親が、永久凍土か何かの中に若く美しいまま凍っているのでございます。
氷牙は母のその姿を見、涙するわけでございますが、シウミンの手により、もう少しだけ生を伸ばすかのようにその若さと美しさを保たせ、紳士に慰みを与えさせるということに結局いたしました。
この、紳士のエゴイスティックな望みは、まったく正しいものではございませんが、それでもシウミンは彼の願いを叶えてやらずにいられなかったほどに、彼女に起きたこと、ひいては紳士に起きたことはおぞましく、決して癒されるものではなかったということでございました。

また、実はこのお話は、設定したことをあまり中に描写として盛り込まなかったということも申し上げられます。
この異世界は、地殻変動のないもうひとつの地球、という場にしておりまして、つまり地上というものがすべて一続きになっているのですが、そのことから、人類が誕生してから、肌の色の濃い人種が基本となって血が続いた、航海というものをほとんどせずに国を渡ることができるため、少しずつその土地土地で異なる容姿が比較的容易に混ざり合った、言語が、方言があり大まかではあるけれどもひとつに統一された、といった状態であると決めておりました。
地球内部のエネルギーがプレート移動などで放出されないことが原因で、その力が生物に作用することで、作中紳士が言っていたような「特殊能力者」というような存在が生まれたということにしておりました。
シウミンが異世界の言葉を話せたり読めたり、また対象を凍らせられるようになったりしましたのもこのためで、時空の割れ目からこの世界に来たことで、そこのエネルギーにさらされ、いわゆる感応能力が異常に高まったとによってその能力も開花したということでございました。
対している人物・事象に精神的に寄り添うことにより、鋭敏にその本質を知覚でき、具体的に対象の状態を変化することもできるようになったのです。
というような説明を省いてお送りいたしましたのですが、それは、もしそこに触れてしまいますともっと長くなってしまい、労力も何倍も掛かるので、その時間やなんやかやがないということで、諦めたのでした。
しかし以前つれづれで触れましたように、ここらへんをお伝えしておいた方がよりお話を楽しんでいただけたのではないかなという思いもありまして、連載中複雑な心境でございました。
この設定自体、いろいろな点において練り込みが必要ございまして、だからこそ省略いたしましたので、入れなかったことに悔いはないのでございますが。

皆様がこれをお読みになったときにどうお感じになられるのかは大変興味があり、知りたいなと思うのでございますが、それよりも、やはり心配な気持ちが先に立ったりいたします。
心配すると申しましても、こういうものが書きたいと思い、完成度如何は置いておきまして、実際書けまして、それについては満足でございますので、あまり好きじゃなかったという方が多くいらっしゃっても、後悔するということはないのでございますけれども。
ただ、否定的なご意見をお持ちでらっしゃるかなと想像いたしますと、残念だな、としんみりするということでございます。

長々と書いてまいりましたが、この企画の後夜祭として少しでもお楽しみいただければ本望です。
そして友人とも話したものですが、こうした、話をどう作り出していくかということは、皆様それぞれ違うと思いますので、是非詳しくお聞きしてみたいものだなと思っております。私の場合は、今回こういうようでありました。

こんなふうなイベントに参加できたことを、重ねて友人に感謝いたします。
そして私を参加者として迎えてくださった書き手の皆様に。
また異様な世界と事件にシウミンを巻き込んでしまった話にお付き合いくださった読者様に。

今後感想の記事なども上げさせていただくことになるかと思いますし、友人の関連記事も上がるでしょうから、まだまだ企画、最後まで共に味わい尽くしましょう。

ほんとうに、ありがとうございました。


感謝しかありません
フェリシティ檸檬



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20171003

The Warは^^、The Power (of Music)は;;(EXOTICA完結!!)
こんにちは!
お話の最終日でございます。
フェリシティ檸檬です。

今朝、友人睡魔夢子さんのEXOTICAの最終話が更新されましたね。
まこと、感慨もひとしおでございます。
私はこれを書きながらEXOの二回目のドーム公演の模様を見ております。
何故なら今wowowさんで完全版が流されているからです。
私、これが完全版だと知らずに、気付いた瞬間青くなって録画ボタンを押しましたです。
まあそんなわけで、遅れました私が以前wowowさんでやられていたバージョンでは未公開だった部分を今回どれほど撮れるかは分かりませんですが、少しはと希望を捨ててはいない状態でございます。
machineとかやはりなかなかいいですね。
ついさっき突然スホが脱いでびっくりしましたが、このスホが脱いだ曲は確か前のバージョンにも入っていた気がするので私がいつも聞き流しているのですね、多分。←

お気付きの方も多いのではないかと思うのですが、私は興味がないものを摂取するのが好きではないので、極力飛ばすのですね。なんでもそうなのですが。
例えばセックスアンドザシティなど、私はたまに同居人の人と一緒に見るのですが、私が好きな話ばかり見ますので彼は見ていない回が結構ありまして、その不満を聞かされますが無視をいたします。←
それを友人が聞いて可哀相、と同居人に同情を寄せてくれたりしておりますが、そんな感じでなんでもかんでも好きなもの、好きなところを繰り返し繰り返し繰り返し見たり聞いたり読んだりします。

今回のEXOのアルバムも、私は

01. 前夜 (The Eve)
02. Power
03. Sweet Lies
04. Ko Ko Bop
05. What U do?
06. Forever
07. Boomerang      ↓ここから
08. Diamond
09. Touch It
10. Chill
11. Walk On Memories
12. Going Crazy

しか聴いておりません。 毎日何べんも聴いておりますが。
ほんとうは
03. Sweet Lies
04. Ko Ko Bop
05. What U do?
の並びも聴きたいのですが、
01. 前夜 (The Eve)
02. Power
06. Forever
これらが邪魔をいたしまして。
特にForeverはほんとうに苦手でして、始まると困りますね。
実のところPowerもかなりそうです。
タイトルがもう、よくないですね。ああ、よくないタイトルだな、と思って、聴いたらやっぱりよくないな、という感じで、心から残念になります。
このアルバムでだんとつで好きなのはTouch Itであることに変わりはなく、聴くたび、おお、すばらしいことよと感動いたします。
新しくアルバムに入った曲に、以前少しだけ触れましたけれども、Sweet LiesもBoomerangも好きでございます。特にBoomerangが好きでございますね。タイトルもいいと思います。
内容をまったく知りませんが、好奇心を持たせますし、いろいろ想像させますね。
毎度のことながら独断と偏見で語っておりますが、皆様はいかがでしょうか?
Power、Foreverがお好きな方には、どうも申し訳ございませんでした。
個々人の見解ですので、ご容赦を。

最初に触れました友人の手に成るお話は、マネージャーが主役で、入口、洞窟の外、出口と続いたわけですが、すっかり私は彼がEXOにほんとうに付いているような気になっております。
こんな方が付いているといいですね。そして素敵な女性が彼に現れないものかと願ってしまいます。

夢の続き(↓クリックすると記事に飛びます)
EXOTICA:「入口」
EXOTICA:洞窟の外「LA SIESTA」
EXOTICA:「出口」

そしてこのあと、それぞれのあとがきが残っております。
ものすごく!楽しみでございます。
こうしたものは企画であればこそ、より面白く感じられるわけでございますね。
お話を読み終え、さまざまな感情が去来しているのでございますが、そこにまた、まったく別の何かが加わる気がいたしまして、期待で胸がいっぱいです。

それでは皆様、また明日、あとがきを共に楽しみましょう!


帰ったら美味しいご飯を食べてください、というディオの言葉はいいですね
フェリシティ檸檬




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20171002

EXOTICA、洞窟からの脱出を全員が完了する日です!(所感など!+加筆しました)
こんにちは!
いよいよ明日は友人の最後の記事が上がりますね。
フェリシティ檸檬です。

今日で参加した書き手5人の話は終わりを迎えました。
皆様、お読みになられましたでしょうか?
私は読みましたですよ。
このような感慨に浸れるとは、ひと月ほど前まで予想もしておりませんでした!
私は今や、書き手様全員とは戦友のような気持ちでおります。
私も異世界に行って帰って参ったのです。EXOの皆と同様に。

では簡単に、それぞれのお話について感じたことなどを!
(ネタバレします!)


「虹を求めて」管理人みむ子様のお話 EXOTICA:白の洞窟 「identity crisis」
「虹を求めて」EXO企画カテゴリ

(※シウミンとキョンを混同しているかのように書いてしまいまして申し訳ございませんでした!異世界でのシウミンが、というような意味でございまして、一種のパラレルワールド的読み方をした上での書き方でございました。誤解を与えるといけませんのでカッコ内に説明を加えております。みむ子様、ほんとうにすみませんでした)
みむ子様と私でセフンとシウミンのカップルを分け、ひとりずつを書いたわけでございます。
セフンは異世界で、ある特殊な半猫人と瓜二つで、シウミンそっくりの若者に出会っておりました。
このシウミン似の登場人物の設定に関しましては、私のあとがきにて少し触れておりますので、よろしければそちらもお読みいただけると嬉しいなと思うのですが。この異世界の雰囲気も含め、やはり私とみむ子様は似たところがあるのだなと僭越ながら思ったのです。
ところでセフンは典型的な半獣人たちを気味悪がっておりましたが、私はお会いしてみたいと思いました!すごく素敵な方なら、「耳をすませば」のバロンみたいなんじゃないでしょうか。あの方はただ二足歩行しているだけだとは思いますが。
とても美しい半猫人・ヤンゴに恋しているキョン(シウミンにクリソツ)の描写がすごく可愛らしくて、その気持ち自体に胸キュンいたしました。猫に惚れるシウミンて、いいですね(見た目という意味です、恋しているのはキョンなので)。
またシウミン(のような見た目のキョン)がセフンといたしたいという気持ちは、攻めとしての願望であったというのが、非常にみむ子様らしくて、私はそこにみむ子様の作家性を大変感じました。
セフンがシウミンにされているのを想像しますとなかなか乙なものでございますね。いつか書きたいような気も。←
ヤンゴが一体こちらの世界でどういったふうに過ごしていたのか気になりました。シウミンには会えなかったわけですから、セフンよりもずっと心細かったことでしょう。猫たちにとっての危険もいっぱいですし。
ということはきっと人間の姿でヤンゴは過ごしていたのでしょうから、「きみはペット」状態になっていた可能性も高いですね。そもそもキョンもそんな感じでヤンゴをうちに連れて帰っていますし。
ルックスがいいというのは得ですね!うらやましい。←
コミカルな味わいと、恋愛感情の危うさや力の丁寧な描写と、虚構と現実をない交ぜにしたファンタジックな世界観を、みむ子様ならではの語り口で存分に楽しませてもらいました。
みむ子様とタッグを組め、心から嬉しかったですし、光栄でした!
またお部屋にも伺います!


「大帝男子」管理人roiniy(ooba)様のお話 EXOTICA:緑の洞窟 「触手」
「大帝男子」EXOTICAカテゴリ

「触手」というタイトルを一目見、これは、あの…!?と思いましたら、やはりそうだったのです!!
ディオに…触手が…。
それをチャニョルが目撃、という。
すごい画でございますよ!
その画を見せてもらえるならどこまで払えるかしら、自分、といった感じでございますね。←
ディオがひとりさくさくと頑張っているさまと、チャニョルがうわーんとなってしまうさまの対比がとても魅力的でございました。
チャニョルの火の能力というのは、私も話の中で使わせてみたいなと思ったことがありまして、そのようすを見られたのも嬉しかったです。
能力設定はどういうふうに割り振ったのだろうとときどきスタッフに対し思うのですが、私は個人的にチャニョルとシウミンとスホの能力は、彼らのルックスと雰囲気に結構合っているなと思っております。
他のメンバーも合ってないことないんですが、印象として残っているのが彼らなんですね。
roiniy様はニョルドがお好きということでございますが、その思いがとてもよく伝わってくる冒険譚でございました。
私もニョルドが好きなので、そのお気持ち分かります!と思いながら読了いたした次第です。
無駄のない文章と、ファンタジーらしいなかなか過酷な異世界と、ニョルドへの愛を味わえる一作をありがとうございました!
企画をご一緒でき、光栄でございました。


「ソラノムコウ」管理人haruyuki2様のお話 EXOTICA:赤の洞窟 「They Never Know」
「ソラノムコウ」EXO企画カテゴリ

ベッキョンとスホというあまりない組み合わせのカップルでございましたが、特にベッキョンのベッキョンらしさをものすごく堪能できるお話でございました。
ベッキョンがひとりサバイブするようすがとってもよかったですね~。
水浴びをしたり、蝶と交流を持ったりするところが特に好きでした。
私がもっとも胸キュンしましたのはベッキョンが蝶に優しく接するシーンです。
蝶が水に浸かって元気を回復する部分でも、目に見えるような画としての美しさと込められた深い慈愛に感じ入ってしまいました。
スホが水の中で眠っている画というのも、ロマンティックでございましたね。
先程能力の話をした際にも触れましたけれども、スホと水というモチーフはまこと合っておりますので、読んだ方皆に訴えかけたと思います。
しかし全体に、ホラーとまでは行かないまでも、不穏な雰囲気が絶えず漂い、最後までそれが拭われないところが、甘いだけでは済まさないというharuyuki2様のお気持ちが感じられ、そこも美点であるなあと考えた次第です。
私がこのふたりから感じるのは涼やかな端正さなのですが、それを非常に視覚的に表してくださったこうしたお話を読むことができ、ほんとうに嬉しかったです。
繊細な事実とキャラクターに寄り添った描写と、美しい自然の風景と、恐怖と官能がバランスよく配合された魅惑的なお話でございました。
今後とも、お付き合いいただければ幸いでございます。


「緑黄色野菜」管理人βカロテン様のお話 EXOTICA:青の洞窟 「cruel spiral arousal」
「緑黄色野菜」小説カテゴリ

拙企画でもご一緒いたしましたが、こうしてまた別の企画でもお付き合いを持てることとなり、大変嬉しく思いました。
そして前作とはまったく違う世界観を展開してくださり、心から楽しみました。
今回の企画が指向するようなファンタジックな世界ならば、βカロテン様のお手の物だろうとは思っておりましたのですが、こんな、精神的な、観念的なお話をお出しになるとは!舌を巻いた次第です。
カイとチェンという、これまたあまりない組み合わせでございますが、少し前に私自身このカップルを書いたとき、結構いいなと思った記憶が鮮明でございまして、そういう意味でも期待しておりました。
そうしましたらば、なんと切ないお話なのでしょう!
こんなに胸がずきずきするような恋愛関係を見せていただけるなんて、特にこの企画で、と、嬉しい驚きでいっぱいになりました。
チェンが記憶喪失になるというのが、また似合いますね。
「KOKOBOP」内での彼の印象が殊にそう思わせてくれます。
カイがこんな目に遭っているのを見ますと、あわわわわとなると言いますか、誰かなんとかしてやってくれと願わずにいられませんでした。
新鮮なカイで、そこもすごく素敵でした。
誰かとの取り引きと申しますか、そうした設定はSFやファンタジーでは定石でございますが、それを愛情問題や彼らの仕事と密接に絡め、またちょっとしたおかしみや可愛らしさも取り入れてくださり、複雑な味わいのお話にしてくださっていました。
カイチェンの化学反応と、企画へのユニークかつ素晴らしい取り組み方と、その人を成すものという哲学的テーマを入れ込まれた意欲的な物語を、どうもありがとうございました。
サプライズをくださることにかけては、βカロテン様の右に出る方はいらっしゃいません。
またどうぞ、よろしくお願いいたします。


勝手なことを書き散らかしまして申し訳ございません。
これまで思ってまいりましたことをつらつらと書いたわけでございますが、他の方の感想などもほんとうに気になりますので、お聞かせ願えればなあと思います。
(※リンクを貼らせていただきましたが、EXOTICA以外のものも混じっているリンクとなりましたので、もしご不満なら遠慮なくおっしゃってください!申し訳ございません、よろしくお願いいたします)

企画はもうすぐ終わりとなりますが、私の心はしばらくここに留まったままになりそうでございます。
それほど濃い数週間でございました。

また近々に記事を上げたり、お部屋へ伺ったりさせていただくかと思います。
その際はどうぞよろしくお願いいたします。


あとがきが楽しみです!
フェリシティ檸檬



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20171002

EXOTICA:黄の洞窟 「闇を駆ける罪 7・終」
企画2

企画概要(↓クリックすると記事に飛びます)
ブログ『夢の続き』EXO小説企画「EXOTICA」

企画参加者記事一覧(本日更新分↓クリックすると記事に飛びます)
「虹を求めて」EXOTICA:白の洞窟 「identity crisis・7」
「ソラノムコウ」EXOTICA:赤の洞窟 「They Never Know 7」
「緑黄色野菜」EXOTICA:青の洞窟 「cruel spiral arousal 《4》――完」


声が切羽詰った色を濃く示し、ミンソクは帰ることが出来るかもしれないという高揚に満ちた体に、不可解な緊張が湧いた。
「きみの能力に関してのことだ」
 意外な言葉に困惑していると、紳士は切なげに、必死に告げた。
「きみに、―――きみにあの子を、凍らせて欲しいんだ」
 涙の膜の張った紳士のまなこは、紫が乱反射してさまざまな色を内包していた。
「私が―――私が昨晩作った専用の装置に、あの可哀相な子を入れるから、その中であの子を全身くまなく冷凍して欲しい。―――あの子を、より生きていたときに近い状態でしばらく傍に置いておきたいんだ。ずっとではない―――私の気持ちが落ち着くまで、あの子が死んだということを受け入れられるまでの間だ。今から冷凍装置を備えた長期保存できる透明な箱を完璧に作るとなると、数日かかる。あの子の体はその前に状態が悪化する。だからきみの力を借り、今、凍らせておきたいんだ。無理を言っているのは分かる。だが後生だ。この私を哀れと思い、どうか頼みを聞いて欲しい」
 一瞬も目を逸らさず紳士は言い終えた。ミンソクも視線を外せなかった。驚きのあまり言葉を失い、黙りこくって身動きひとつしなかった。
「―――それは―――それは違法では―――?」
「きみが罪に問われることは金輪際ないと約束する」
「だけど―――」
「頼む、あの子がただ腐っていくのは堪えられない。少しの間でいいんだ。私の後悔が私の中にしっかりと根付くまで、あの子の傍にいさせて欲しいだけなんだ」
「でも―――そんなこと、―――やったことがないですし―――」
「これまできみの能力が発動するのをたびたび見てきたが、おそらく可能なはずだ。もしやってみて無理だったらそれは諦める。ただ、一度、やってみて欲しい」
「でも、でも―――」
 ミンソクは思わず立ち上がった。その際誤って机に爪先をぶつけ、上に置かれた小箱が床に落ちた。かっと鳴って衝撃で蓋が開く。
木製の簡素な箱の中から白い大量の粒―――そして土色の、曲線を描く部分と、ぎざぎざと切り口の粗い直線部分とで成った、肉―――そう、肉。
それは紛うことなき、人間の片耳だった。
裏返ったそれには、縦にふたつ、ほくろが並んでいた。
硬直したミンソクは数拍置いて、足元を見つめながらわあっと叫んだ。
後ずさって紳士を見遣ると、悲しげな、しかし怒りのこもった燃えた目の色をした彼がおり、途端ミンソクはすべてを悟った。
「これ―――これは―――」
「ああ。そう、犯人のだよ」
「まだ見付かってないのかと―――」
「私は一昨日のうちに居場所を探り出していたんだ」
「え?だって、一昨日は僕が警察に―――」
「きみには悪かったんだが、あのとき、私には既に犯人の目星が付いていたんだ」
「なんで―――だって―――」
「警察の非公開情報の中に入り込むなんてことは、私には簡単なことなんだ。そもそもあの管理体系自体作ったのは私であるし。きみを送り届ける前に調べは済んでいて、こいつだろうと踏んで警察署からその男の自宅に向かったんだよ。だが奴は逃げていた。だから一旦帰って奴の性格や家族や出身、知己や行動の型を予測装置に入力して算出し、一番高確率で今後向かう行き先を割り出してから夜、追ったんだ。私の車はきみも知っての通り、加速や自動運転、事故防止機能を通常の数十倍の性能に改造してある。逃げるなんて不可能だ。計算した通りの場所で奴を見付け―――車中で眠りこけていた―――、捕まえて人気のないところまで連れて行き、詰め寄った。怯えた奴は簡単に吐いた。あいつはあの子をある催しで見かけて以来、勝手に執着してしつこく付け回していたと言った。―――あの夜、あいつはあの子を幾度も刺し、犯し、止めを刺してからまた犯そうとしていたんだ。あいつは言った」
 ミンソクに見覚えのある、その紳士の目の紫は、憤怒から成る激情の色だった。
「あんたが作った体は素晴らしく綺麗だったよ、すごい腕だよ、あんた」
 鬼の目をした紳士は立ったミンソクを見上げていた。今耳にしたすべてが現実と思えず、ミンソクは体が揺れた。
「それをあいつは私へのお追従として言ったんだよ。命乞いをしていたんだ。私は切れ味のいい刃物と悪い刃物を持っていた。いい方で脅し、白状させたあと、縛り付けて悪い方であいつの耳と性器を切り落とした。ぎゃあぎゃあうるさいあいつの口の中に性器を詰めて、生きながらに火を点け、燃した。死体は完璧に処理したよ。決して見付かることはない。そしてこれだけ持ち帰った」
 そう言うと転がり出た耳に視線を投げた。
「殺した証拠としてね。あの子が不安に思うといけないから。目が覚めておびえたとき、役に立つ場合があるかもしれないと思ったんだ。こんなものを手元に置いておきたくはなかったが、あの子の為なら―――」
 紳士の両目に玉のような涙が乗った。顎はわななき、もう何もものを言うことは出来なくなった。
ミンソクはふらふらと出口に向かった。部屋を出て階段を上る。女性の部屋の前まで辿り着くと、ドアノブに手を掛けた。
足音を立てぬようベッド上の彼女に寄った。職人たちの技は見事で、普段の彼女はこうだったのだと、初めてミンソクにもよく分かった。
カフェオレのような色合いの肌に真っ白なドレスが映えていた。まるで花嫁姿のように、彼女は見えた。膨らんだまぶたはうっとりと瞳を隠し、なだらかな曲線を描く鼻梁の下に、鮮やかな紅の引かれたかたちのいい唇がある。茶色く、量の多い髪は顔の周りを取り囲み、艶を保って波打っていた。
ミンソクは無心で彼女を見下ろしていた。袖から覗いた紳士の手に成る腕や手指も、きちんと磨き込まれているのが輝きで分かった。
窓からは雲が割れて陽光が射していた。それがすべて女性に注ぎ、世界中でもっとも美しく幸福な娘として彼女が祝福されている光景のようにミンソクの目に映った。
すぐ後ろの床がきしんだ気がした。
はっきりとした音がせずとも紳士が立っているとミンソクには分かった。彼の体臭とコロンが、部屋に満ちていた。
「頼む」
ミンソクは目を閉じ、首をゆっくり前に倒した。


彼女をふたりで紳士の研究室まで運び込んだ。
そして紳士が先刻話していた容れ物に優しく寝かせると、紳士が彼女の髪や衣服を整え、額にくちづけたあと、彼の指示通りにミンソクが冷凍を開始した。
すっかり冷え切った彼の手は、触れたものを―――彼女のまず足の先から―――じわじわと固めていった。肉体の中心まで完全に冷凍されているか紳士が確かめながら、徐々に移動しつつミンソクは彼女の肌に満遍なく触れた。
女性が霜に覆われ、その味わい深い色味が失われるのがミンソクは悲しかった。眉間を寄せながら、雪のように白い顔を自身して、ミンソクは淡々と作業を続けた。
 生前も握った手を躊躇いがちに取ったとき、にわかに彼女の声が聞こえた気がして、ミンソクは思わずその顔を見た。
自分に惨劇が降り掛かっているさなか、女性はミンソクとまっとうな繋がりを持とうと、真っ先に彼の潔白を周囲に伝えようとしていた。
生きているときにそうしたように、ミンソクは泣きながらしっかりと手を掴み、彼女の目を見つめてすみません、すみません、と繰り返した。
そうして彼女は凍った。
厚く乗った雲が辺りを薄暗く、色を鈍く見せたまま、夜は舞い降りた。
女性はさながらお伽話の姫のように、冷えた棺の中で眠っているかの如く優美に横たえられていた。
すべてを終え、部屋を後にしようとしたミンソクに、紳士は両掌を上に向けた仕草をしながら、ありがとうと言った。
小さく頷くだけしかミンソクには出来ず、背を見せて後ろ手で扉を閉めた。
あてがわれている寝室に赴くと、綺麗に洗濯され、新品同様になった元着ていた服と靴と鞄が準備されていた。それを見下ろしていると、併設された洗面所から従僕が出て来てミンソクに穏やかに言った。
「お風呂にされては如何でしょうか」
 焦点の合わない目を、それでも従僕の方に向けながらミンソクは声を発さなかった。
「温まれると、ご気分がよくなるかもしれません」
 かすかに首と目を下に向けて従僕は言った。
「下の大浴場にお湯の準備は済んでおります」
 もしよろしければ、と付け足し、従僕は下がった。
ドアの閉まった音を背に受け、氷と化した両手をまじまじと見つめ、ミンソクはぼんやりと、風呂に入ろう、と思った。
言われた通り一階の浴場で、シャワーを浴びながら深呼吸を繰り返すと手の温度が少しずつ上昇してくるのを感じた。それから薬草の加えられた―――甘く儚い香りがした―――湯船に浸かり、揉み込んで時間を掛けてほぐし、なんとか平熱に近いところまで手を元の状態に戻した。
湯気の立つ体で浴室を出ると、懐かしい、華やかな柄の衣服に身を包み、血色の快復した顔でミンソクは鏡を見た。
この地獄のような、狂った状況からもうすぐ抜け出せるかもしれない。
皆の元に、戻れるかもしれない。
吊り上がった自身の目を見つめて、ミンソクは残りわずかになった身内の活力を掻き集めた。
部屋に戻り、帰るための準備を始めた。
荷物を移し変える程度しかすることはなく、すぐ終えて鞄を背に階段を下ると、従僕がお食事の時間です、と姿を見せた。
夜に備えしっかり食べなければと思い、ミンソクが食堂に向かうと、既に紳士がそこにいた。
「私と共に食事などしたくないかもしれないが」すまなそうに彼は言った。「もしよければ、最後になるかもしれないから、一緒に夕食を摂らせて欲しい」
 垂れた目の中で紫が垣間見えると、ミンソクはいやだなどとは言えなかった。
自分でも不可解なほど、どうしても彼のことを心底恐怖したり、嫌悪したりをミンソクはできなかった。人柄への好感と恩義と後悔がない交ぜになり、紳士のことも女性のことも、それこそ従僕のことも、とても他人などとは思えないところまで来ていた。ここでの濃密な体験が自身の内側をがんじがらめにしていることに彼は食事中懊悩した。ここから一刻も早く逃げ出し全部忘れてしまいたいという欲求と、一蓮托生だと腹を括って彼の手助けをしたいという願望が、火花を散らすようにして頭の中で弾け飛んでいた。
テーブルを囲んで言葉少なに食事をしながら、帰るんだ、帰るんだ、帰るんだ、とミンソクは自分に言い聞かせた。
仕事、仲間、家族、友達。
順に強くそれぞれを思い浮かべると、その全体を薄くセフンの笑顔が覆った。すると帰還に向けての自然な喜びがミンソクの中に弱く、だが確実に広がり始めた。
「うちのコーヒーはきみの舌を満足させるに足るものだったかな」
 食後出されたカップを啜りつつ、紳士が今にも消えそうな微笑みを作って問うた。
「とても美味しいです」
「そうか」
 笑うと風を受けた葉の茂みのように髭が盛り上がるのを見るのが好きだとミンソクは今更気付き、それにたじろぎ、視線を下ろした。
玄関ホールで身支度を済ませ待っていると、車に荷を積み込んだ従僕が扉を開けて出発の準備が整った旨伝えた。
見送りに立っている従僕に、汎用性があるのだろうと見様見真似で例の仕草をし、深い感謝の弁をミンソクが述べると、彼も同様の仕草を返し、その手を胸の前できゅっと握り合わせ、
「このご恩は忘れません。―――お気を付けて」
と瞬きながら表情をほぼ変えず、しかし感情のこもった声で呟いた。
そしてミンソクは、紳士と共に闇夜を発った。
立ち入りが禁じられているのは一目見て分かったが、閉め切られているだけで警備の者などはいなかったため、紳士の鍵によってなんの支障もなく女性の家の中に入った。
持参した灯りをかざして紳士が中を進み、ミンソクからここが最初に降り立った場所だと確認を取ると、その廊下の曲がり角を少し過ぎた箇所、道の中央にふたりは立ち止まった。
小さな荷車に乗せた装置を紳士が床に置き、ミンソクが出現した空間を照らすように、その照明機器のような道具の動力を入れた。
「これは時空の穴を作り出すことを目的に製作したものだ」
 調整する紳士の邪魔にならぬよう、ミンソクは端に避け、その機器から放たれた光が壁に向かって走るのを眺めた。
「磁場の関係があるのだと思う。きみが話してくれた件の洞窟の強力な磁力が作用して小さな歪みが生まれ、ごくわずかな時間そことここが繋がったのだと…」
 かちりと音がして光量が上がった。
丸く正面の壁が照らされていた。その円の中で女性を搬出する際に擦れた血の痕が、品のいい壁紙の上、存在を主張しているのがどちらにも分かった。ふたりは黙って目を逸らした。
 膝を付いていた紳士が腰を上げると、懐中時計を取り出し時刻を確かめた。
「そろそろではないかな」
「はい」
 紳士の傍に立って、さっき直視することをためらった女性の生きた証を今度はじっと見つめた。
「私の予測ではおそらく成功するのではないかと思うが、もしかしたら行った先がきみのいた時代ではない可能性や、場所自体違う可能性もある」
 紳士も前を向いて言った。
「行ってみて何かがおかしいと思ったら、急いで戻りなさい。もし戻れなかったら、また明日、同じ時間帯にそこを訪れるんだ」
 返事をし、ミンソクは肌寒さから身を守るために従僕から渡されていたマントを脱ぐと、礼を述べながら紳士に渡した。
確かに危険も感じたが、紳士に、彼のその飛び抜けた知能と実行力に、いつの間にか絶大な信頼をミンソクは置いていた。だから不安はそれほどなかった。主に武者震いと緊張がミンソクの体を支配していた。
並んだふたりは壁を睨むようにしてときが来るのを待っていた。と、その縦に伸ばされた円に浮かぶ強烈な赤が滲むようになったかと思うと、地の色である薄い土の色も紙が焦げるように消えていった。
目を丸くしたミンソクは、その変質を体がしびれたようになりながら凝視した。隣の紳士も紫を光のせいだけでなくらんらんとさせていた。
楕円状の、文字通りの穴が開いた。その中に見えるのは、あの洞窟の岩肌らしきものである。
ミンソクは声を上げた、すごいすごいと、飛び跳ねて紳士の体に触れた。
「私もさすがに驚いたよ」
 感嘆の表情を浮かべた紳士はミンソクの知らぬ彼で、ミンソクは彼の手に自身のそれをまっすぐ伸ばした。
「ほんとうにありがとうございます」
 感動から頬を高潮させ目を潤ませながら、ミンソクはしっかり紳士と見合った。
「どうか」
 突如激しい別離の悲しみがミンソクを襲った。表面張力で池のようになったミンソクの大きな瞳は、凪ぐことなくたゆたい、訴えた。
「どうか彼女を、土に還してください」
 思いが口からも零れ出た。
とうとう涙は耐え切れず落ち、ミンソクの肌を転がった。
紳士の磨き抜かれたような鮮やかな色の瞳は、目の前の青年の顔に絶えず置かれた。彼はまた震えていた。
「なるべく早くに。お願いです」
 眉根を寄せて懇願するミンソクは、だが手が冷えることはなかった。紳士の手とミンソクの手は、ひとつになったかのようにどちらも内で血がたぎり、固まったままかっかと燃えた。
眉尻を下に傾け、目を細めながら微笑し、紳士は言った。
「ああ、分かっているよ」
 そうしてぐっと手に力を込めると、すまなかった、と囁いた。
「さあ、行きなさい」
 手を離してミンソクの背を紳士は押した。
「急ぐんだ。戻る間があるように」
 振り返り振り返りしながらミンソクは足を速めた。
「気を付けるんだ!」
 紳士の声を浴び、髭に覆われた親しいその顔を最後に見遣ると、もう前だけを向き、迅速に穴へと駆けた。
 体を縮こめて輪を通り前方に目を凝らすと、数日前通った洞窟の岩肌にやはり違いないと思えた。首を回して後ろを確かめた。するとそこにはもう穴はなく、安っぽい蛍光の黄色に照らされたただの洞窟が続いていた。ぞっとすると同時に戻れたことへの期待を昂ぶらせ、躓きそうになりながらミンソクは走り、洞窟を出た。途端知った白い顔が、視界の中浮かび上がった。
セフンだ、と思うと同時にミンソクは彼に抱きついていた。






おわり





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trackback (0) | comment (1) | 闇を駆ける罪(企画・シウミン)

20171001

EXOTICA:黄の洞窟 「闇を駆ける罪 6」
企画2

企画概要(↓クリックすると記事に飛びます)
ブログ『夢の続き』EXO小説企画「EXOTICA」

企画参加者記事一覧(本日更新分↓クリックすると記事に飛びます)
「虹を求めて」EXOTICA:白の洞窟 「identity crisis・6」
「ソラノムコウ」EXOTICA:赤の洞窟 「They Never Know 6」


脱力して椅子に腰掛けた状態でいたミンソクに、突如ドア向こうで大きな音や声が響き出したのが届いた。
何事かと立って扉に向かうと、それが開き、血管が稲妻のように白に走った目がミンソク自身のものと対峙した。
「病院に行く」
 すぐさまミンソクは事態を察し、ひとことも発さずにただ彼に従った。
すさまじい速度で車は走った。そのあまりの速さと正確さから、これはこの車が購入時の状態ではなく、きっと紳士の改良が加えられているとミンソクは確信した。耳が詰まり、風景はにじんだ画として飛びすさぶ。しっかと取っ手を両手で握っていると、瞬間移動したようにもう目の前は病院だった。
走って女性の部屋へと向かった。あわや転びそうになる紳士に思わず腕を伸ばしながら、ミンソクは彼と共に一目散に駆け抜けた。
処置室では容態の急変した女性への対応に大勢の人間が追われていた。その部屋に入れるわけもなく、ガラス越しに彼女を見つめながら、紳士は息を荒くしてぶるぶると震えていた。大きな彼が振動すると、地震が起きているかのような錯覚がミンソクを襲い、緊張と不安も手伝い、強いめまいと吐き気を催した。
ミンソクにも覚えのある心肺蘇生と思しき処置が、医師たちの手により繰り返し行われていた。太い指と大きな掌を透明な戸に貼り付け、紳士は口を開けて大粒の涙をはたはたと零していた。ひー、ひー、という呼吸の音がミンソクの耳にこだました。増水した川の流れのような音が自身の胸から鳴り響き、目を閉じたままの女性の顔から目が離せなかった。あの大きな、豊潤な瞳がミンソクには見えていた。あのような薄いまぶたの皮膚ではなく、その奥の、枯れることのない湧き水のような魅惑的な輝きを持った双眸が。
短いような長いような時間が経った。
医師や看護師が全員ゆっくりと手を下ろした。
壁一枚を隔てたミンソクと紳士にも、その意味するところは伝わった。紳士は膝が揺れるのが抑えられないらしく、腰を曲げて壁面にしがみつくようになっていた。ミンソクは室内と彼に交互に視線を送り、息を荒げて立ち竦んだ。
出て来たうちのひとりから、紳士はぼそぼそと彼女の死を告げられた。顔中を自身から出た液体で濡らした彼は、こくこくとかすかに頷くことしかできなかった。部屋を片付け出て行こうとする人々の中、ふらつきながら入って行った紳士は女性の手を取り、顔を顔に寄せた。空いた手を額に置き、撫でるように何度も擦る。紳士の涙は溢れては毛を濡らし、唸るような声がその隙間から零れ落ちた。ミンソクは同じところに立ち尽くしていた。握り締めた手をまさしく氷にして、紳士に負けぬほど涙をひたすら流していた。
気を遣った看護師が、彼らに茶を淹れ、傍に置いておいてくれた。だがそのふたつの器の中身は、飲まれることなく冷えていった。
日が傾いてきた頃、なんとか女性から離れた紳士は、手続きを済ませると彼女をすぐに連れ帰ることにし、その手配をし始めた。
ミンソクは彼の行動を見つめるだけしかできなかったが、彼女が搬送のため呼んだ大型車に乗せられると、紳士の目はミンソクを探し、帰ろうと嗄れた声で囁かれた。
縦に並んだ車は夕日を浴びて静かに走った。
 なんでこんなときにこれほどまでに美しい夕焼けが見られるのだろうとミンソクはぼんやり思った。車窓の向こうは甘やかな色彩の洪水で、そこに向かって自分たちは旅に出ているかのようなおかしな感覚に陥っていた。
帰り着くと、葬儀社の人々の手により家の中へと女性は運び込まれた。
紳士もミンソクも、住んでいた頃使っていた部屋に彼女が戻り、そのベッドに横たえられるのをひたすらに見守っていた。
それから速やかに、女性に死に化粧が施され始めた。
その道の一流の人々が手早く、しかし丁寧に彼女の姿を整えていく間、紳士は座って瞬き少なくそのようすを見つめ続け、ミンソクは音も立てずに部屋を出た。
 階下に降りると、従僕が目を真っ赤に染め、顔を腫らして仕事に勤しむ姿が見えた。彼は食卓の準備をしていたが、そう言えば朝から何も食べていなかったとそれでミンソクは思い出した。まるで空腹を感じていなかったのだ。
書斎に入り、昼間座っていた椅子にまた腰を下ろし、生前の彼女の顔、声、言葉、ぬくもり、そして死に顔が脳内を揺らすのに任せた。膝の上で組んだ手は、血が流れているなどと到底信じられぬほど氷の塊と化していた。
〝冷たくて気持ちいい″
 彼女はこの手に触れそう言ったのだ。
ミンソクの頬を再び涙が伝った。
がんがんと頭痛のする頭を背凭れに預け、じっと時が過ぎるのを待った。
人が玄関を出て行く物音が静寂を破った。ミンソクは足に力を入れた。
ホールに向かうと従僕が葬儀社の車を見送ったところであった。
「終わったんですか」
「そうだよ」
 背後から声がし、どきりとしたミンソクは勢いよく振り向いた。
魂を吸い取られたようなうつろな顔をした紳士が、ミンソクと従僕に告げた。
「葬式は行わない」
 ふたりから返事が返る前に更に紳士は続けた。
「のちに追悼式はやろうと思う。だが通夜や葬式はしない」
「かしこまりました」
 従僕がそう答えると、紳士はミンソクの背に手を伸ばし、軽く押すようにして歩きながら優しく言った。
「今日は、ほんとうにすまなかった」
 顔を上げて目を合わせたミンソクに、紳士は小声で話した。
「きみにも、辛い思いをさせてしまった。ただでさえ、もう十分にそういう経験をさせていたのに…。私の態度もひどいものだった。いい歳をしてきみへの配慮がまったくなっていなかった。許して欲しい」
「いいえ」
「腹は空いているかな?」
「…それがまったく…」
「そうか。何か食べた方がいいんだが。スープだけでも飲んで、早く休みなさい。とにかく疲れを少しでも取るんだ」
「はい、ありがとうございます」
「礼などいいんだ、さあ…」
 食堂に促され、紳士がミンソクに何か温かい飲み物を出すように従僕に告げ、弱弱しい微笑みをこしらえてお休みを言って出て行くと、ミンソクは席について出されるものを大人しく待った。
従僕の出してくれたクリームスープは温かく、全身に染み渡った。
少しずつ飲み、器を空にすると、席を立って従僕に礼を言った。風呂を勧められたがそれを断り、昨日あてがわれた寝室に向かった。
支度をしてすぐにベッドに入ったが、なかなか寝付くことは叶わなかった。灯りの消えた部屋の中、やはりまた彼女の生きていた頃と死んでからの姿がミンソクを訪れ、そのことが絶え間なく彼の目を熱くし、手を冷やした。
 夜明けも近い時刻、ミンソクはようやく眠りに落ち、目を覚ましたのは朝がもう終わるという頃だった。
洗面所に付いている小さなシャワールームに入り簡単に体を洗うと、身支度を整えて部屋に戻った。そこには当たり前のように従僕の置いた着替えがあった。今日は暗緑色のスーツで、袖を通してみると胸元に四角い、黒のピンが刺してあるのをミンソクは認めた。これの意味するところを想像しながら下に降り、紳士を探して歩き回った。それを従僕に見られ、用向きを尋ねられて居場所を知りたい旨話しながら彼の胸にもミンソクの胸にあるものと同じものが光っていることから、自分の予想が当たっているらしいことを確かめていると、まず食事を済ませて、その後彼の元に従僕と共に来るようにと紳士が話していたという答えが返って来た。
変わらず食欲はなかったが、体力が落ちたら困ると常の如く懸命に食べた。従僕が気を使ってより消化によいものを作ってくれたことで、だいぶ楽に皿の上のものを胃の腑に収められ、従僕の思慮深さと気配りに改めて心を打たれた。
彼に思ったことを率直に伝えると、軽い照れ笑いのようなものを浮かべてあとに付いてくるようミンソクに告げた。紳士のところへ行くのだった。
窓から覗く空は雲の多いそれだった。
そのためこれまでの日中より邸内は薄暗く、屋敷全体が喪に服しているような沈んだ雰囲気があった。
通ったことのない通路を行くと、辿り着いたのは巨大な両開きの扉の付いた部屋だった。
ドアを控えめに従僕が叩くと、足音がして紳士が姿を現した。
生ける屍といった態の彼は、それでもミンソクを見ておはようと言いながら笑みを顔に乗せた。
部屋に招じ入れられると、そこは天井が遥か遠い、広大な場所であること、そしてあらゆる材質のあらゆる装置が所狭しと置かれた研究室かつ作業室であることが一目で分かった。何かを知らせる音が絶えずあちこちで鳴り渡り、大量の操作画面には数字や記号がひっきりなしにちらついている。
首を伸ばしてその空間に見入るミンソクに、紳士は眠れたかい?と尋ねた。
「はい、遅く起きてすみません」
「そんなことはないよ。朝食は摂ったんだね?」
「はい、ご馳走様でした」
 すべてのカーテンがしっかりと引かれ、部屋は室内光で照らされているのみであった。白に近いくっきりとした照明が天井全体を覆い、それがふたりに降り落ちる中、自身の机の傍に紳士はミンソクを呼んだ。
椅子に腰掛けた紳士は、ミンソクに近くの椅子を指して座るよう示した。
足を揃えて腰を下ろすと、光の鈍ったふたつの紫がミンソクの黒目と相対した。
「装置なんだがね」瞬きを挟み、紳士は言った。「完成したと思うんだよ。使ってみないと分からないが、理論上は使用可能であるはずだ」
 帰還という望みがほんとうに叶えられるなど、どこかで諦めかけていたミンソクは、顔の穴という穴を広げて紳士に向かった。
「失敗に終わる可能性も高いが、…実際きみは元の世界から来たのだから…」
 こう言いながら、知性と意欲をその紫色の中に瞬間生き生きと閃かせたのをミンソクは見逃さなかった。情熱の一片がまだ彼の中でくすぶっているという、幻のような真実だった。
「試したいです」
 喉に絡んだような頓狂な声が出たことを恥ずかしく感じながら、ミンソクは尋ねた。
「ああ、試そう」目を細めて小皺を作り、笑った紳士は言った。「たくさんの人がきみを待っているよ」
「ほんとうに…ありがとうございます」
 こんなときにという言葉は控えた。女性の不幸を仄めかす言葉を自分からは極力口にしたくないと思いながら、ミンソクは紳士の胸に刺さった追悼の意の印を見つめた。
「今夜早速使ってみよう」
 強いまなざしをミンソクに投げながら紳士は言った。
「あの子の家のきみが初めに訪れた場所で、同じ時刻に起動させよう」
「はい」
「決まりだ」
 そう言うと再び目尻を畳んで紳士は微笑み、視線を落とすと、両の手先を弄びながら迷うように黙った。
 ミンソクが訝しく思い小首をひねってしばし待つと、今度は先程の目の色とまた違うそれを現し紳士は真剣にミンソクに対した。
「頼みがあるんだ」



つづく



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