海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20170628

夏の虫 1(SHINee・リアル短編)
チャイムの音でもう彼だと判る気がする。
 キボムはそんなことを思いながらインターホンのモニターをオンにした。横長の画面に映るそっぽを向いている顔。やはりだ。
玄関まで行くと鍵を外しドアを開けた。
まだ明後日を見ていた相手がキボムをようやく向いた。あれ、いたの、というような表情で。
「よお」
「…来る前に連絡くださいよ」
「え、なんで」
「なんでって」
 会話しつつジンギは勝手に足を部屋の中へと進めた。目尻も唇も笑みを作っている。キボムは前を通る兄貴分にスペースを開け、彼の鼻歌と体が自分の城を侵すのを見つめた。
リビングのソファに当然のように陣取るジンギに、なんか飲みますか、とキボムは尋ねた。
「お前メシは?」
「これからですよ」
「どうするつもりだったんだよ」
「食べに行こうか作ろうか買って来ようか頼もうか、どれにするか検討中でした」
「あそ。じゃあこれ作って」
 先刻からがさがさとうるさかったビニールの袋を手を伸ばしてキボムに差し出す。
 しぶしぶ受け取るキボムは中を覗いてげえ、という顔をした。
「ラーメンですか」
「うん。作れよ」
「これ作らせに来たんですか」
「腹減ってさ」
 白いごつごつした顔を、何も表情を浮かべずキボムに見せる。はあ、と嘆息してキボムは言った。
「これだけでいいんですか」
「他になんか作ってくれんの」
「だってお腹空くでしょこれだけじゃ。栄養も足りないし」
「じゃあ作ってよ」
 言いながらソファに仰向けになる。ラックから雑誌を取ってかざし、ぱらぱらとめくった。
 キッチンとリビングはひと続きになっている。はめていた指輪をすべて外し、カウンターキッチンで羽根のようなピアスを揺らして手を洗い、準備をしながらキボムは声を張って問うた。
「今日何してたんですか、オフだったでしょ」
「ダーツしに行って、そんでビリヤードちょっとやった」
「へえー。楽しかったですか」
「まあまあ」
「誰と行ったんですか」
「え、ひとりで」
「え、また?」
「うん」
 冷蔵庫を開け、中身を物色し、献立を考えて食材を取り出した。
「大したもんは作れませんよ」
「うん、いいよ、ラーメン食えれば」
「それだけにはしませんけど、まあ、あんまり期待はしないでください」
 部屋はキボムのまな板の上で包丁を使う音、湯を沸かす音、野菜を洗う音、そんな音しかしなかった。ジンギは何も言わない。音も立てない。いるのを忘れてしまいそうになるほど、植物がただ生えているかのようにそこにいた。



つづく


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20170628

明星によせて 42(東方神起・パラレル長編)
数日後、シフトが重なった日、くだんの後輩が休憩で外に出、喫煙所にいるところのユンホを捕まえた。
何かを訴えかける表情をしているのはあまり敏感でないユンホであっても感じていた。シフト引継ぎの集まりのとき、やたら視線を送ってきた。感情の出やすいタイプの子で、丸い目と丸い口を持ち、さらさらとした長い茶色の髪をして、なかなか男好きする雰囲気をまとっていた。髪や肌の管理、化粧に手抜かりはない。男性入居者の間で人気があり、まだ職場内において恋愛ごとの噂を流したことはない彼女であったが、時間の問題であろうというのが先輩女史の所見であった。
実際、ユンホはかなり可愛い娘だなと初めて見たときから思っていた。恋愛感情の混じった好意に近いものを抱きそうにもたびたびなったが、いかんせんあまり性格は合わなかった。ユンホは高い声でのべつまくなし喋る感じの子と相性がよくなかった。口が達者とは言えないユンホは、そうした子と過ごすことをあまり楽しいとは感じなかった。
ルーティンの、星の確認と喫煙を緩んだ顔で行っていると、たたたた、と軽い足音を立てて彼女は訪れた。
「先輩」
 きらきらと瞳を輝かせてまっすぐ、低いところから後輩はユンホを見た。
たじろぎながらユンホは返した。
「な、何」
「あの、ですね。…シムさんと、まだ、交流、あるんですか」
「…え」
「あの、できたらなんですけど、…私を、シムさんに、紹介してもらえませんか」
 それまでよりもっと白目を見せ、黒目に光を乗せ、後輩は爪先立ちせんばかりにユンホに迫った。
距離が縮まったことでユンホは慌てた。女性にこうしたふうに近付かれるのはたいそう久しぶりだった。
「しょう、かい?」
「はい。あの、…この間シムさんいらしたとき、帰り際おじいさまのお薬のことで相談されたんです。今のでなくこちらの方がいいかもとメモを渡されまして。次回の通院で、担当のお医者様にお伝えするようにと、祖父にも言ったし書いたものを置いて来たけれども一応念のためにスタッフの方にもお話ししておきますということで。あ、伝達事項欄に注意事項として記入もしてあります。それで、そのときちょっと…やっぱり素敵だなと思いまして」
 背の低い彼女に顔を寄せて話すチャンミンがユンホの脳に浮かぶ。指の間の煙草が先をどんどん燃していた。
「前から、シムさんと、あ、おじいさまと話す感じも、いいなと、思ってて…。先輩がお友達付き合いされてるって知って、なんかぐっと身近に感じられて、もう我慢できなくなっちゃって」
 話す間制服の裾をいじくり明後日を見ていた彼女が、再びユンホを向いた。
「駄目ですか?彼女、今いないんですよね?面倒なこととは分かってるんですけど、なんとかお願いします、先輩」
 手が空いた方のユンホの手に乗った。びくっと体を揺らし、ユンホは進退窮まった。
「あー…」
「お願いします」
 眉を切なげにひそめる後輩はそれは男の心をそそるものがあった。いやだと言える男はあまりいないだろうとユンホにも思えた。たとえそれが他の男に自分をアピールしてくれという頼みであっても。
ただ、それだけでなく、同僚であるという事実がユンホを捕えた。今後もずっと共に働いていく仲間である。こんなに懸命に頼んでくる、それもそこまで、ある種深刻とは言えない願いをむげに断るというのは、思いの外気が咎めた。結婚しろと迫れというのではない。ただ、会う機会を作ればいいだけ。厄介だし、何かすごく引っかかる、気の乗らないことではあったが、承諾するしかないとユンホは腹を決めた。
「分かったよ」
「ほんとですか!?」
 目のきらめきはいっそう増した。唇が丸く円を描き、ユンホの手の上の手はふたつになり、力が加えられる。
「うん」
 苦笑するユンホに対し、やったあ~ありがとうございます~と軽く飛び跳ねるようにして後輩は言った。
「シムさんに、あ、チャンミンさんに聞いてみるよ。彼が乗り気じゃなかったら、諦めてな」
「分かってます!!ありがとうございます」
「まあ、聞いたら教えるよ」
「分かりました!待ってます!」
「うん」
 再度口元に棒を持っていこうとすると、もうそれにほとんど吸うところは残っていなかった。
すみません、休憩中失礼しました!と言い残し、駆けて後輩は去っていった。
灰皿に火を押し付け、ユンホはあーあと唸り、天を仰いだ。



つづく



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20170627

call my name 2(リアル短編)
帰宅したクリスは、ウォークインクローゼットで丁寧に服を片付け、部屋着に着替えてから持ち帰った品を紙袋から出した。
梱包を注意深く取り除くと、そこにはごつごつとした、だが光る、主に直線で構成された掌大の石があった。それは黒色をしていた。光を反射し白く見える部分も、当然黒い。どこもかしこも、漆黒だった。
「トルマリンの結晶です」
店員はにこやかにそう説明した。
目を覆うサングラスを取ってクリスはいっときそれを凝視した。あちこち張り出すように棒を突き出しているその形状のたたずまいを簡単には形容できない。白く下世話とも言える蛍光灯の下、鷹揚に、そして粛然としてそれは輝いていた。
綺麗だね、と言ってはいるが、大して興味もなさそうな女は放っておいた。ちょっと待っててとひとこと告げ、店員の話を促し、それを聞き終えると買うことを決めた。ほんとうは聞かずともそうするつもりだった。クリスは自分の求めるものに非常に素直で自覚的なたちだった。
食事のあと、クラブに顔も出さずそのまま帰った。女の不機嫌そうな、不可解そうな態度は確かにわずかにすまないという気持ちを起こさせはしたが、だからと言って彼女と夜を過ごすつもりはもうなかった。可愛げのある、そして敏感な人間をクリスは愛した。過去も現在も、そして未来も必ずそうだった。そうでない相手に自分の時間を割くのはただただ苦痛でしかなかった。
 ベッドに横たわり、胸の前にその石を置いた。シーツに耳を付け、己とそれがまるで見つめ合うかのようにじっと視線を投げ掛ける。これは懐かしい何かを呼び起こすものだとクリスは思った。見つめることで、傍に置くことで、心沸き立つような、むしろ逆に落ち着くような、昔得た感覚がある。そういう人間が、過去にいた。

いっしょに暮らしていた頃、その弟分と性的な接触を持っていた。クリスは年長者として、そしてリーダーとしてこのことをどう自分の中で消化したものかと実は常に煩悶した。誰にも言えない。そうしたこと自体あまりしないが、言えるわけもなく、そしてそれが辛かった。と同時に甘美であった。真実クリスは彼を愛した。女性の方がずっとその対象となったが、感情と衝動が伴えばあまり性別は関係なかった。


つづく


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20170627

ふたりの会話7(東方神起・リアルショートショート)
「天気わりーな」
「そうですね」
「明日の撮影ロケだろ」
「はい」
「これ続いたら延期かな」
「どうでしょう。今日中にやむって朝予報で聞きましたよ。それにスケジュール的に延ばさないんじゃないですか」
「そっか」
「休みたいんですか」
「雨天延期なら、それはそれで嬉しいからな」
「でも食事制限も長引きますよ」
「まあ、そうだけど」
「今だって食べたいもの兄さんかなり我慢してるってのに」
「お前はそんな俺の前でも遠慮せずに好きなもん食うしな」
「なんで兄さんに遠慮しなきゃなんないんですか」
「肉食いすぎなんだよ」
「そんなことないです。いつもより減らしてますよ。撮影は俺だってあるんですからね」
「まあそうか。お前いつももっと食うか」
「そうですよ。まあしかたないですね、仕事ですから」
「確かに我慢する期間は延びるけど、明日休みならなあ。そうなったらお前何する」
「なんでしょうねえ。食べに行くのはよしときたいですからうちでごろごろしますかね」
「出掛けねーのかよ」
「出掛けたら腹減って旨いもん食いたくなりますから。そんで呑みたくなりますから」
「お前は揺るがないな」
「人生における楽しみでしょ」
「まあそうだなあ。お前の言うとおりだな。でも俺は遊びに行きてーよ。食いもんは堪えて、なんだろな、泳ぎにとか」
「プールですか」
「ウォーターパークとかいいなあ」
「ばれますよね」
「でも平日だし、ゴーグル付けてりゃさあ」
「友達とっすか」
「おー。なんとか捕まえられるやつ見っけてさ」
「会員制のとこ行きゃいーんじゃないですか」
「スライダーとかねーじゃん」
「はあ」
「あー行きてーな。お前そんなふうなことしたくない?」
「そんなには。泳ぐならジムで泳ぎますし」
「彼女とか連れてったことねーの」
「そんな暇と環境がどこにあったんですか。俺何歳からこの世界いると思ってんですか」
「そ、…だな。ごめん」
「まったくですよ。自分はそうして遊んだ十代だったかもしれませんけどね」
「悪かったよ」
「まあ別にそんなにうらやましいとは思いませんけども、兄さんの青春を」
「なんでだよ」
「兄さんのように俺は生きてませんからねえ」
「どういう意味だよ」
「夢追い人って言いますかね、兄さんは」
「…まあ、夢は大事だからな」
「彼女たちも大変でしたでしょうね」
「…そうだなあ、まあ、あんまり胸を張れた付き合いではなかったかもなあ」
「そんな自分をでも好きでしょ、兄さんは」
「はあ?」
「兄さんは彼女たちより仕事って言うか、ダンスだからな」
「…それは」
「図星でしょ」
「そんなこと…」
「やっぱもう一皿頼もうかな」
「お前話の途中だろ」
「あ、すいません。これもうひとつ。え、なんか言いました?」
「…いや、いいよ」
「まあそんな人もいますよね。と言うか男はある程度の割合そうだと思いますよ」
「……そうかな」
「はい。あんまりいいことではありませんけどね。反省しなきゃいけないと思いますよ。でも特殊な職業でもありますからね、俺たち。必死こかねーとやってけませんからねえ」
「まあな」
「いつも俺働きづめなんで、だからもし明日休みになったら休みたいってわけですよ」
「そうだなあ」
「窓びっしょびしょですね。ほんとにやむのかこれ」
「やまなかったら…」
「兄さんの過去なんか全然うらやましくないですけど」
「あ?」
「今兄さんは俺だけしかいないって分かってるのは結構優越感ありますよ。微妙な気持ちもありますけど、相当」
「な、なんだよ」
「一応アイドル様ですからねえ。U-Know、ですか」
「お前な」
「俺最初最強って名前付けられたときどうしようかと思いましたよ」
「いいじゃねーか最強」
「どこがですか。馬鹿丸出しでしょ」
「今だったらはっきり拒否するだろうなあ、お前」
「その頃の俺にはそんなこと不可能でしたよ。そのおかげでいまだに俺は最強・チャンミン様ですよ」
「ははは、ぴったりだな」
「水ぶっ掛けますよ。ユノユノ様」
「やめろ」
「本気でいやそうな顔しましたね」
「仕事じゃねーんだぞ、今は」
「そうですね。今は俺のユンホさんですよ」
「なっ」
「色黒なのに赤くなるのって分かるもんですね」
「赤くなってなんかねーよ」
「中学生みたいな反応しますね相変わらず」
「いい加減にしろ」
「あ、来た来た。ありがとうございます」
「…うまそうだな」
「はい。兄さんは駄目です」
「わあってるよ」
「明日休みだといいですねえ」
「だな」
「もしそうなったら」
「ん?」
「うちに来てくださいよ」
「…え」
「雨降り眺めながらユンホさんの今を俺がいただきますんで」



おわり




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20170627

明星によせて 41(東方神起・パラレル長編)
その日、まず出向いた格好を見られたひとりに、あれ、今日なんか雰囲気違うね、と言われた。
更衣室に向かっていたところで、や、別に、と答えてそそくさとその場を去った。
ユンホの借りたチャンミンの服は、彼の趣味を表し、まったくもっていつものユンホのスタイルと違った。五分丈のグレーのカットソーに、踝が覗く黒いパンツ。靴下は下ろしてくれた足だけを覆うタイプのグレーと黒の細かな千鳥格子柄で、濃紺に細い白ストライプの下着にしてもそうだったが、使うのが気が引けた。買って返さなければと思う。チャンミンは気にしないかもしれないけれどと、素早く制服に着替えながらユンホは考えた。
仕事をしている最中も、ふたりほどから昨日シムさん来たでしょ?あの人とまだ遊んだりしてるの?という質問が投げられた。
だいたい昨日もチャンミンが帰ってから、あれ、今日もいっしょに飲むの?と数人から興味深々で聞かれていた。しかたなく、はあ、とあいまいな雰囲気を醸し出すことを心掛けてしかし嘘はつかずに適当に応じ、避けるようにして仕事に取り掛かった。さすがにそこまでしつこく食い下がる同僚もおらず、チョンは胸を撫で下ろした。
だからまたそういった態度に徹した。ただ、ひとり、何かずっと言いたそうにしているなと感じる後輩がいた。チャンミンによく見惚れている例の女性の同僚だった。
しかしその日は何事もないまま、ユンホはチャンミンの服に袖を通して逃げるように家に帰った。服の入った紙袋を携えるのを忘れずに。
アパートは常のごとく散乱していたが、ユンホは我が家とひと息をついた。
煙草を呑んで冷蔵庫の缶チューハイを開けた。帰りしなに購入したキンパと苺のロールケーキを頬張る。通常ならたいそうな満足がユンホを包むのだが、今はそうはならなかった。
昨夜から今朝にかけての記憶が、昼間同様夜もユンホを捕えて離さなかった。
食べ終えて、もう一服してから服を洗おうと考えた。汚さぬようにと、既に服を脱いで下着姿でテーブルに向かっていた。
脱衣所にある洗濯機に紙袋の中を放り込んでいると、たまった埃のせいか盛大なくしゃみがひとつ出た。その勢いで片足が半歩後ろにずれる。するとかかとが部屋の隅に着き、そこでかさりと音がした。見ると、いつかの紙切れ。そしてユンホははたと気付いた。
絡まるようにして円筒の中落ちた私服のパンツの、尻ポケットに手を入れた。するっとした、紙の感触。
たいていの人よりも長い指に挟まれ、ユンホの視線の先にはチャンミンの名前と、会社と、連絡先の表記された小さな紙片が元のかたちのまま、あった。間一髪。ほおーと大きく、息が漏れた。
洗濯機が業務終了を告げると、ベッドに寝転がり名刺を眺めていたユンホは体を起こした。そして財布の中にそっと紙を滑り込ませ、ベランダに出て洗濯物を次々に干した。
借りた服一式は念入りに皺を伸ばした。下着や靴下はどうするかな、と再び考えが巡った。いつもならベランダで星を仰いでまた一本吸うのだが、においが付くことを避けて中に入った。
これでいつでも会える。会う口実もある。
なんとも言えぬほどの幸福感がユンホに満ちた。ひとり頬を緩ませるほど、それは圧倒的なものだった。


つづく



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20170626

call my name 1(リアル短編)
クリスはサングラスを好んだ。
顔を隠すためや日光を遮るためというよりも、そのファッション性から、そうだった。曇っていたり、雨が降っていたりしてもよく掛けた。
今、彼はフェイクファーのロングコートを買うか否かで悩んでいた。サングラスを外し、唇の間に柄の先を持って行きながら。グレーとパープルを淡く混ぜた色合いのそれは、毛足が長く、たいていの人間に着ることを尻込みさせる代物だった。だがクリスにとってそれはただの魅惑的なコートでしかない。
「どう思うこれ」
 連れ立っていた女性に尋ねた。付き合っているわけではない。寝てもいない。だがそうなってもいいという最低限の条件はクリアしている。クリスは性的な関係を持つことに焦るタイプではまったくなかった。そうしたことに焦ったのは今までたったの一度だけだ。
 小首をかしげ、ショートパンツから出た脚の右を左に絡めるようにして彼女は言った。
「どうかな」
「似合わないか?」
「ちょっとあれっぽい。あの、アニメの」
「アニメ?」
「モンスターの」
 クリスの頭にはすぐその像は浮かばなかった。monster?その語感は少し前にテレビやラジオや街中のあらゆる場所で耳にした記憶があった。慣れ親しんだ顔が複雑で至難な振り付けを縦横無尽に行っているのを時折目にもした。衣装の感じは割と好みだと思いながら、曲をすべて聴くことはいつもなかった。
「これだよ」
 液晶に出した画像を女が見せた。ペパーミントグリーンにラベンダーのぶち模様の入った怪物。
 思わずクリスは笑った。小さい口から歯茎と並んだ白い歯が露出する。
「あー、なるほどな」
「ね」
 くすくす赤い唇を揺らすさまを見て、やっぱり今日この娘とセックスしてもいいかもなと一瞬クリスは思う。その光景を想像する。あまりに簡単に頭に描かれ、そのせいで逆に妙にその気が失せる。
「確かにそれっぽさはあるな」
 目を元のハンガーラックへと戻す。だが俺ならこういうぼってりしたラインにはならないから、全然印象が違うだろうなと考えながら、購入についてまだ迷った。
「さすがに今買うって早過ぎない?」
「何言ってんだ」
 意味が分からないという顔で連れを振り返る。ぽかんとした表情の相手。唇の端が力なくだらりと下がっているのをクリスの黒い目が捉える。突如悟る。ああ、駄目だな。寝ないでおこう。付き合うのなんて話にならない。
触れていた毛の感触を少しだけ名残惜しく感じながら、クリスは行こう、と乾いた声で言った。サングラスを掛け、女の方を見もせずに。



つづく


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20170626

ふたりの会話6(東方神起・リアルショートショート)
「ねみー」
「どしたんだよ」
「朝まで飲んでたんです」
「まじかよ。わけーな」
「今日休みだからってちょっとやっちゃいましたね」
「誰と飲んでたんだよ」
「いろいろですよ。知ってるのや知らないのと」
「へえ。男だけか?」
「いいえ、女の子いましたよ」
「可愛かったか?」
「結構可愛かったっす。キュヒョン目がらんらんとしてましたし」
「まじかよ。あいつもやるな」
「ミノがいつもどおりいちばん可愛いのと話し込んでましたけど」
「ああ。そうか」
「やっぱあんだけ呑んで寝ないと堪えるな。兄さんなんでうちいるんですっけ」
「約束してただろ!」
「そうでしたっけ」
「そうだよ!むしろお前が言いだしっぺだよ!」
「そーだったかな。こんな早くに?」
「早かねーだろ。今三時だぞ」
「だってメシでしょ。約束って多分。夜の」
「映画観に行くって話だろーが」
「これから?」
「そうだよ。まじで忘れてんのかよお前」
「ああ、あれか、流行ってるあれ観に行くのか」
「そうだよ。情報収集のためにも行っとかないと兄さんってお前が言ったんだぞ」
「そーでしたねえ」
「だからもう行かねーとやべーぞ」
「分かりましたよ。着替えます」
「早くしろよ」
「兄さんにせかされるとムカつくな」
「お前が悪いんだろ!」
「はいはい。すいません」
「…ここで脱ぐのかよ」
「自分ちのどこで脱いだって俺の勝手でしょ」
「……チャンミン」
「はい」
「お前首の付け根のとこ……」
「なんですか」
「…それ…」
「え?」
「き、………すまー、くじゃね?」
「は?キスマーク?」
「……うん」
「見えないからなあ。付いてますかそんなの」
「うん。……多分そうだと思う」
「まじですか。そうか」
「うん」
「……兄さんどうしたんですか。着替えましたよ、行きますよ」
「…お前、なんも言わねーのな」
「何をっすか」
「さっきの……あれだよ」
「あれ?」
「……キスマーク」
「ああ。誰が付けたかって?」
「………うん」
「だって覚えがないんですから。説明しようがないですよ」
「き、のうのって…ことか?」
「そうじゃないですかねえ。途中からちょっと記憶があいまいなんですよ」
「なんか、そういう、感じになった子……いたのか?」
「結構来る子がいたんですけど、あんまりタイプじゃなかったんで放っといたんですよね。でも気付くと近くにいたからその子かもな」
「……へえ」
「それくらいですよ言えるのは」
「…お前そんなの付けられてるってことは、他にもなんか、…したんじゃねーか」
「覚えてないっすけど可能性はありますね。でもどうでもいいですよ、顔すらもう定かじゃないし」
「気を、付けねーと…いろいろ……」
「そうっすね。まあもうあんな感じで飲むこともないですよ。さすがに年齢的にきついっす」
「そっか…」
「はい」
「…じゃあ」
「兄さん」
「なんだ」
「やきもち焼いてんですか」
「やっ…いてねーよ別に。心配しただけだよ、写真だのなんだのさ」
「まあ確かにそれは困りますけど向こうも仕事柄多分平気ですよ。焼いてんですねえ」
「ちげーって」
「キスとかしたかもしれないですもんね」
「知らねーよ」
「舌とか入れちゃったかも」
「知らねーって」
「兄さん初めて俺とキスしたときのこと覚えてます?」
「なっ……」
「あれいつでしたっけ?子供みたいなときでしたよねえ。兄さんだけじゃなくてみんなに一度ずつはされてっかな」
「ごめんって。若かったからさ。それにお前が可愛かったから」
「ほんとなぶり者にされましたね」
「いや、それほどじゃないだろ。でも悪かったよほんとに」
「それなのに俺が知らないうちにキスマーク付けられてただけでそんなに怒るんですね…。俺だって好みでもなんでもない女からこんなことされてきもいってのに…」
「悪かった。怒ってなんかねーよ。心配しただけだって」
「俺といつもやってるようなこと想像しちゃったんですか」
「…チャンミン、俺後ろドアだから」
「そうなんですか?あんなふうに触ったり、舐めたりしたのかなって?」
「背中にドアノブ当たってるから」
「どうなんですか?」
「ああっ、したって!!これでいーか!?いてーんだよ、背中!!」
「そうですか」
「…なんなんだよその笑顔」
「映画やめにしますか今日」
「え」
「まだ日も暮れてないですけど、少しは若さの残ってるうち、昼日中から盛りましょうか」



おわり



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20170626

明星によせて 40(東方神起・パラレル長編)
「…じゃあ、お願いします」
「いーえ」
 決まったかと思うと、それまで以上に睡眠へのいざないがユンホの中で沸き起こる。
「眠いんですね」
 膨らみしぼむような音の強弱が回る部屋で、目の閉じかけているユンホを向き、笑ったチャンミンは言った。
「明日も朝からなんでしょう。もう寝ましょう」
 肩をぽぽんと叩かれる。そこにさっと熱がこもった。
「歯、磨いてください」
 言われるままに立って洗面台に向かった。
用も足し、ふらふらと戻ると、ベッドを指された。
「いいですよ、使って」
「いや、いいよ。俺ソファで寝る」
「こないだ使ったじゃないですか」
「俺のが背、低いし」
「いいんですよ」
「いや、じゃないと、帰る」
 そこは譲れないと思った。本気で帰る気で、そう言った。
 気の抜けたように顔をほころばせてチャンミンは応じた。
「分かりました。お言葉に甘えます」
 そうしてユンホはブランケットを受け取り、ソファに横になった。すぐに視界がぼやけてくる。
「すごいですね」
 覗き込んでいるチャンミンの影と声がユンホに降った。慈愛に溢れ、優しいそれら。
 まだぷわっ、ぷわわっと、ドラムの静かな粒のようにまぶされる音に尻尾を翻すような奏でをまとわせる吹奏楽は続く。だが、どんどんと遠くなる。
「おやすみなさい」
 音すべては子守唄になり、ユンホは眠った。


「起きてください」
 携帯のアラームの音と、男の声がした。
まぶたに白い光が落ち、ふにふにと目を開けた。
そこはあまり覚えのない部屋。しかし脳が自身に教える。ここはチャンミンが住む、あの家。
 そしてにおい。コーヒー。パン。オイル。果物。
ぼさぼさの頭でユンホは起き上がった。後ろから鳥の鳴き声がする。雀らしい。
「すぐできますから、シャワー浴びてください」
 キッチンに立つチャンミン。まるでまぼろしのようだとユンホは思う。
「早く」
 強めに言われはっとし、立ち上がっておはようと言いながら脇を通った。
「おはようございます」
 洗濯機の上に剃刀と着替えが置いてあった。下着は新品のそれだ。
手早く体を洗って出、服を身に付ける。チャンミンの着ている服だと思うと、触れている皮膚の産毛がぴんと張る感じがした。さりさりと腹の上を撫でさする。
脱衣所から戻ると、トーストと卵とベーコンとトマトとキウイがユンホを迎えた。
礼を言って食べ始めれば、コーヒーに牛乳を混ぜられ渡された。どれもどこまでも正しい味で、ユンホは不思議なほど活力が湧いた。
「野菜不足なんで」
 うちのサプリです、と言うチャンミンからカプセルを渡される。水で飲み下すと、歯を磨こうと立ち上がった。
「脱いだ服これに入れてください」
 鏡に相対したユンホに、チャンミンは声を掛け、足元に紙袋を置いた。
「忘れないように」
 ごそごそと適当にたたんだ衣類を入れ、腕時計をはめるとじゃあ、とチャンミンに対した。
「頑張ってください」
 朝靄の中、チャンミンは眉頭を引き上げ、鼻にかかった声で告げる。
「うん。また。…ほんとさんきゅー。いつも」
 手に紙袋を持ち、玄関を出た。



つづく




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20170625

梅雨真っ只中
17062501

17062502

この紫の素晴らしいこと。



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20170625

スマッシュ 4・終(リアル短編)
木々が鳴いた。窓を抜ける風がふたりを型抜くかのように過ぎていく。
汗臭いな俺、と思いミンソクは途端顔を赤らめた。それほどイーシンとの距離は近く、彼のようすは真摯だった。
「…俺も卓球してーな」
 座り直して正面を向きながらミンソクは言った。太腿を両手で擦る。
「兄さん卓球したことあるの?」
 イーシンの声音が、きっとおそらく目の中も、いつものそれらに戻っていることにミンソクは安堵した。
「あるよそりゃ。学校でやったよ」
「そうなんですねえ。韓国もやるんだね」
「上手くないけど、練習すればお前と少しぐらいはやり合えるよ、多分」
「俺だって別に上手くないですよー」
「お前はそういうこと言いながらめちゃくちゃえぐいスマッシュ打つタイプだ」
 ふにゃふにゃ笑ってイーシンは返す。
「なんですかそれえ」
「そーなんだよ。おまえはそーゆーやつだ」
「やめてよー」
 体を前屈みにして広い肩を縮込めるようにしながらイーシンはくすくす笑った。ミンソクは自分とまったく違う、もう正反対と言っていいようなその顔の中身や表情の感じ、声や話し方、体つきと性格を全身に浴びた。こんなに違うのに、育った国すら異なるのに、同じことを同じように苦心して行っている。ミンソクは自分でも持て余すほどの親愛の情が身内に溢れた。
「…行けるといーなー、いつか。そういうとこ」
 風に溶けるような、囁きに似た声でミンソクは言った。
ぴぴぴぴ、という鳥の囀りに重ねてイーシンは答えた。
「行けるよー。十年位あとかもしんないですけどー」
 やはり笑っている。でもまったく冗談なんかではなく、ただそうだろうという単なる予想を言っているだけなのだ。それがミンソクにはよく分かる。
「十年できくのか?」
 ミンソクはからかいを混ぜて言った。
「うーん。どうだろう。でも」
 風は凪ぎ、少しだけ日が傾いた。もうすぐ練習が始まる。イーシンが時折見せる射るような視線を再びミンソクに投げた。
「温泉とかすぐには行けなくても、それまでずっと、俺は兄さんといっしょにいたいですよ。それだけで今は十分」
 音が消えた。
目をしばたく。イーシンと見つめ合いながらミンソクは、カン、と、あの硬く小さな球が板の上で跳ね返る音が体のうちからした。角を、絶対取れないスピードで打ち抜かれる。なすすべなどない。
「…お前はほんとに」
 少し声が震えているかもしれない。こめかみや頬の熱さをまた感じて、ミンソクは風を乞うた。すいと顔を前に戻し、俯く。
「え、兄さんは違うの?」
 ほやほやとした発音でそんなことを言うイーシンに、ミンソクはうるせー、ほら行くぞと言い、立ち上がった。



おわり




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