海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20161230

この胸いっぱいの愛を
こんばんは。
明日は大晦日ですね。
フェリシティ檸檬です。

書きたいなと思っていた年末企画もう1本ですが、書けなさそうだなと半ば諦めておりました…しかし先程、アップできました!
先日お伝えしたある人物ではなく、そのときも実は友人との話に出ていたカイドカップル(カイドって言うか雰囲気がドカイですが、しかしエッチ的にはカイドなので…)を先に再び書いてみました。
クリスマス企画でセフンがこのふたりを覗いていましたね。
これを書いた際、ああ、きちんとカップルなこのふたりをもう少し書いてみたいものだなと思ったのでございます。
こんなにあの話と関連付けて書くつもりはなかったのですが、結局続きみたいになりました。
ぼんや~っと考えている際は、もう少し違う印象のものだった気がするのですが、いつも何故か私のカイは、ディオに対するとこんな感じになりますね。もじもじくんと言いますか。
つまり「人さらいの条件」にてもし相思相愛だったらばこんな感じ、というのに近いお話になるようです。
人さらいはディオ視点よりのお話だったので、そして前回はセフンの覗き見だったので、今回はカイ自身の視点でお話を描いてみたいなと思いました。
いかがでしたでしょうか?
わたくしの実感として、拙ブログにいらっしゃっている方、ひいてはEXOファンの方には、セフンファンがとても多い印象でして、カイドカップルの需要がどこまでなのか果たして?という思いでおります。
コメントを下さる読者様にはカイファンもディオファンもいらっしゃるのですが、人気投票やその方たち以外のコメントを見る限り、あまり需要がないような…、個人的な感想なのですが。
もしほんとうにそうなら、多くの方にごめんなさいという感じではあるのですが、私はディオが攻めてるようすを描くのがことのほか好きですので、大変楽しく書くことができました。
もし少しでもその思いが伝わっていればいいなあと思う次第です。

さて、今年、この「海の底、森の奥」を始めたわけですが、その年ももう終わります。
どれくらいの読者様がいらっしゃってくださるものなのか、何もかもさっぱり分からないまま手探りで始めたブログではございますが、嬉しいことに、日々チェックしてくださる方が少なからずいるようでございまして、それはもっともっと人気のブログ様に比べたらごく小規模ではございますが、わたくしにとっては大切なたくさんの読者様で、その方々には心からの感謝にたえない毎日です。
ここ最近更新頻度が落ちているにもかかわらず、それでも足を運んでくださっていて、ありがたく、申し訳なく、なんとか少しでも楽しんでいっていただけたらなと思い、こうして衝動に駆られた際お話を紡いでいる状態でございます。
殊にコメントを下さる方、投票をしてくださる方には、ほんとうに支えていただきました。
ありがとうございました。

もし、こんなブログではありますが、ちょっと声を掛けてみたい気もする、と思われた方は、どうぞお気軽にお話ししてみてくださいませ。
大した人間ではないわたくしでございますが、誠心誠意、お答えさせていただきます。

そんなわけで、今年最後になるであろう年末企画第二段でございました。
お正月、なるべく早く、お正月企画をいたしたいななんて思っております。
その際は、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、ほんとうに、皆様、今年はありがとうございました。
来年もご贔屓にしていただけたら、幸いでございます。
どうかご自愛くださいませ!
よいお年を。


冷え込みますね!
フェリシティ檸檬




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20161230

呪文のように囁いて(リアル短編・年末企画2)
暗雲の中で稲光が幾何学的な模様を描いているのを見ている人間は多くなかった。
今年分の暦がもうすぐ終わりを迎える。
雨だと思ったら雪に変わり、やんだと思ったら雷が厳かに鳴り出した頃、ジョンインは移動車の中でゆっくりと目を覚ました。
きちんと雪対応のタイヤに変えた車を、マネージャーは疲れから憔悴しきって無表情のままひとことも言葉を発さないながらも、彼と同じかそれ以上に疲労の蓄積したメンバーのほとんどが熟睡するのを邪魔しないよう、その運転技術を遺憾なく発揮し音を立てずに疾走させていた。
すっかり辺りは薄墨から漆黒に染まり、時折遠くに雷が落ちた。
目を半分ほど開け、もこもこの真っ黒いダウンコートに顔を埋めたジョンインは、窓の外にちらりと視線を走らせると、すぐ逆横にも同じようにした。そこにはギョンスがおり、ポータブルのゲーム機の灯りを顔に受け、緑の混じった白に顔を光らせていた。
ジョンインが見つめているのに気付き、ギョンスは目だけで彼を受け止めた。
おおかたが闇の中で、ギョンスの白い顔の上、白目が異様に浮き上がり、ジョンインはいっきに覚醒した。
マネージャーとふたり以外、起きている者はいないようだった。寝息が規則的にいくつも聞こえ、中には軽いいびきも混じる。
追い越していく外の灯りや、かすかな稲妻が、互いの顔を一瞬強く照らし出し、そのたびにどちらもが初対面かのようにはっとする、というのを少しの間繰り返した。くっきりとかたち作られたそれぞれの唇は力が抜かれ、隙間ができていた。ジョンインのそれはわずかにかさついてもいた。
先に口を開いたのはギョンスだった。
「起きたんだな」
 ゲーム機を止めたらしく、もうその顔は下からの光を浴びていなかった。歯と目だけが白くジョンインを射した。
「…うん。……起きてたの?」
 もぞもぞと座り直し、腕組みを深めてジョンインは答え、そして問うた。目は逸らしていた。ギョンスがまだ自分を見ているのは分かっていたが、見返すのが苦しかった。小さな飼い犬たちの胸に耳を当てたときのような音が身内からしていた。掌が湿る。
「ちょっと寝たけど。…うん、でも、起きてた」
 先程踊ったダンスが想像以上に堪えたらしく、腰を下ろしてからの記憶がなかった。隣り合って座れていたんだ。そう思いジョンインは唇を噛んだ。雷が強く鳴ればよかったのに。そしたらもっと早くに目が覚めていたかもしれない。そんな浅はかな考えを本気で抱くのがジョンインだった。
「起きるかなと思ったけど、ほんとに起きるとは思わなかったな」
 ギョンスが笑っただろうことをジョンインは見ずとも感じた。その言葉と表情のようすで、ジョンインはかっと顔に血が上った。自分を待ってくれていたのかも、この考えは自意識過剰ではないはずだ、耳の奥がじんじんしながら頭の中で思考が膨らみ続けるまま、ジョンインはむっつりと黙っていた。
窓際に座っているジョンインの横に、静かにギョンスは近付いた。
車が擦れ違うと、さーっ、さーっ、と、溶けた雪を弾く音がやけに響く、そんなことを思っているうちにギョンスがどんどんと接近していた。俯いて、自分の太ももをじっと見つめるだけしかジョンインにはできなかった。いつもそうだった。待っているだけ。そしてひたすらに怖くなった。歓喜と恐怖に我を忘れそうになり、押し黙り、熱を体内にこもらせた。
 肩と肩が触れた。
背の高さにずいぶんと差があるため、とは言っても顔の横に顔が来るという感じではなかった。膨らみを持ったコートがギョンスを弾いていた。なんでこんなものを着てきたんだろう、と毎日着ている、早朝着込んだ、ひどく気に入っている、ギョンスに似合うと言われたこともあるこのダウンコートを心の底から忌々しくジョンインは思った。ギョンスも厚手の黒いピーコートを着たままだった。もちろん車内は暖房が効いているが、今日の冷え込みは格別だ。何層もの衣類に邪魔をされ、ギョンスが遠い、とジョンインは悲しく、苛立った。みずからは何も行動を起こしていないのに、心の中ではとにかく暴れ回っていた。それを見透かしたかのように、ギョンスは言った。
「お前っておっかしいなあ」
 空気と笑いがこもったその言葉は囁きで、ジョンインは吐かれた息の熱さまで感じ、もう少しでうめくところだった。
 こっち向けよ、と続けられた。
ぎぎぎぎ、と油を差さなければならない機械が立てる音がするような動きで、ジョンインは首を回した。まぶたを伏せ、きょろきょろと黒目でギョンスを捉えると、十数センチの距離しかなかった。
思わずため息を漏らすと、ギョンスは柔らかく顔をほころばせた。
たまらなくなったジョンインは、心臓がきゅうきゅうと締め付けられるのをもじもじしながら我慢しつつ、兄さん、とだけ呟いた。
それは好きだ、と言うときとまったく同じ声色だった。
 ん?という返事のしかたまで、ジョンインを否応なく反応させた。
眉間に皺を刻み、唇を舐めていると、ギョンスがもっと距離を縮め、頬のすぐそばにその鼻と口を持ってきた。耳の穴に言葉を注ぎ込む。
「手、出せよ」
体が軽く震えている自覚がジョンインにはあった。それを恥ずかしく感じるため、なるべく隠そうと変に大きく動き、結果非常に不恰好な動作となってしまう。だがギョンスは何も言わない、からかいもしない。ただ微笑み、出された手を自分のそれできゅっと握った。
ああ、とジョンインは思う。
ひどく汗をかいた手に、乾いたギョンスの手は心地よかった。申し訳なさも同時に当然滲むが、圧倒的な幸福感に抵抗できるはずもない。決して優しくはない、その掴む強さ。それがほんとうに、痺れるほど嬉しかった。
体を交わらせているとき。そのときも、ギョンスはこうした強さでもってジョンインにしがみついてきた。さらさらとした皮膚が汗を軽く噴き、筋肉という筋肉が触って確かめられる。抱かれる際、ギョンスは生理的反応で薄く泣き続ける、それは性器も同様だった。塗れそぼるそこにジョンインはどうしても触れずにおれない。手で、口で。彼の中に入る頃には、もうこれが現実なのかなんなのか定かでなくなるほど、見境がなくなっている。全身の躍動と、締め付けてくる肉壁と、ギョンスの顔、体、声、息。ジョンインは後ろから突きながらギョンスの肩甲骨の盛り上がりを見つめていると、そのまま彼がどこかに飛んでいってしまうのではないかという妄想が頭で繰り広げられた。毎回だった。それはそれは優美な動きで、彼の背は鳥の翼にしか思えなくなるのだった。そう、ギョンスは力強い大きな鳥だった。今握られている手から伝わってくるようなすべてが、彼とのセックスを思い出させ、ジョンインは完全に勃起していた。
繋いだ手の首に、ギョンスのもう一方の手が触れた。
袖をめくり、そこにはめられた腕時計を指先がなぞる。
「…つけてんだな」
 ギョンスを見下ろすと、彼のまぶたとまつげが自分たちの手の方を向いているのが分かった。手首の骨や時計と肌の隙間をいじられ、くすぐったくて肩をすくめる。
「お前包装びりびり破くよなあ」
 思い出したようにギョンスはくすくすと笑いながら言い、やはり手を握ったまま、ジョンインの腕と時計を弄び続けた。
「…開かなかったから」
「鋏使うとかさあ」
「……ごめんなさい」
「怒ってないよ別に。お前らしいと思っただけ」
 空が光った。
光線が木の枝のように雲の上を這うとき、ジョンインとギョンスは双方の目を見合っていた。雷鳴が轟く。
「…兄さん、ゲーム何やってたの」
「…野球の」
「野球のって、なんの…」
「……黙れって」
 ドアにぐっとジョンインは押し付けられた。
そして襟首を掴み、ギョンスはジョンインの顔だけを自分に引き寄せた。マネージャーの完全な死角で、ギョンスはジョンインの唇を己のそれで捕らえた。
 キスしたいキスしたいキスしたい。
そう思っていたのがばれたのだろうかとジョンインは訝る。
眠りから覚め、緑の垂らされた白光の中のギョンスを目にした瞬間から、おまじないのようにそう唱えていたのだった。
 いろいろあったけど、と上唇と下唇で唇をつままれながらジョンインは考える。
こんなふうに終われるなら万事OKだ、と彼には一年のすべてが突如薔薇色に見えた。



おわり



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20161227

お気に入り2


このプログラムがほんとうに好き。
フィギュアスケートで表現できうる芸術のひとつの至高だと思う。
アボット、佐藤有香さん、カメレンゴ氏のセンスと才能の結実。
見ている間鳥肌と体の揺れが止まらない。


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20161227

挑戦する姿勢
こんにちは。
今日はとても暗く、雨降りですね、嫌いじゃないです。
フェリシティ檸檬です。

突然ですが、初めて、グループ混合の話を書いてみました。
これは私の、主に東方神起の、他にスーパージュニアやEXOの二次BLを書いているブログ主である友人との会話の結果なのですが、彼女のそういうものを読み、ちょっと書いてみようという気になったということなのでございます。
もちろん私などより彼女の方が、それこそスーパージュニア自体をよく分かってらっしゃるし、お話もうまいので、もっとよいものを書かれているので必要ないのではないかとも思われるですが、なんとなく、挑戦してみたいなという気持ちになったのをかたちにしないではおれなかったのです。
当ブログにいらっしゃっている方たちの、純粋なEXOファン率がどのようになっているのかが定かではないので、スーパージュニアのヒチョル氏を認識してらっしゃる方が多いのか少ないのかもよく分からない中、それでもとにかくチャレンジ、とばかりに、なかなか長めなものを結果したためた次第です。
ヒチョル氏、皆様ご存知ですか?
当然でしょ!!という方には、申し訳ございません。
全然です!!という方にも、申し訳ございません。
そもそも私がヒチョル氏の特別のファンかと言うと、そういうわけでもないんです。←
友人はヒチョル氏とスホ氏の素敵なお話を書いていまして…(読みたい!!という方は、ブログ村の私と同じカテゴリに属している方なので、お探しになってみてください)。
まだ彼女のクリスマス祭は絶賛開催中でございまして、私はいつアップされるかと今か今かと他の読者様たち同様に待ちわびているわけなのですが、このたびの祭でわたくしがつかまれましたのが上記のヒチョル×スホと、チャンミン×イェソンのお話でした。もちろんセフン×レイもよかったのですが。
これからのお話がまだありますので、半ばで感想を言うのももったいないと言うかなんと言うかな感じがいたしますが、言わずにおれなかったので言ってしまいました。
特にチャンミン×イェソンは、ものすごく切なくなりました…。
とにもかくにもそんなわけでして、わたくしの場合年末企画の一環ということでお出ししてみたわけですが、友人との話の中でまた別のメンバーが話題に出て来ておりましたので、それを書くか書かないか…まだ決めかねているところでございます。
皆様、このたびのグループを超えたお話、どうお感じになられましたでしょうか?
やっぱりグループ内で!!という方が大半なのではないかなとは思うのですが、わたくしは久しぶりに、なんと言うか、新鮮な気持ちになりました。なんと言っても初めて書く人物でありますし、スーパージュニア自体書いたことございませんでしたし。
結構試行錯誤な感じでございましたけれども、少しでもお楽しみいただければ幸いでございます。
私はスーパージュニアの曲では「sexy,free&single」と、「THIS IS LOVE」が好きです。

さて、先日フィギュアスケートの全日本選手権が行われたわけですが…。
やはり浅田真央氏の「リチュアルダンス」、特にショートプログラムはなかなかよくてしびれましたです。
わたくしがつれづれにて載せた動画はそれではなく、私個人が好きなプログラムを並べたのでした。
そもそも私はフィギュアスケートが好きと言うよりも、音楽と動きが高度に融合しているさまを見るのが好きなのでして、それがない演技にはあまり惹かれることがありません。
お話の演技、みたいなことも、そんなに興味がありません。
つまりバレエやオペラなどの、物語の筋立てを凝縮して語ったプログラムのことです。
これは完全に好みの問題でして、私は観念的なものや抽象的なものを描いたプログラムの方をより好みます。
真央氏の演技に完璧にやられたのは、動画を載せました2007-2008シーズンのショートプログラム「ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジア(通称「ラベンダー」)」です。
全日本でそのシーズン初めてノーミスを成し遂げたとき、私はほんとうに画面前で号泣しまして、載せた動画の世界選手権などはもう、個人的な完成度の点でも感動しすぎて、何度見たか分かりません。
フィギュアスケートの知識はそこそこですのに真央氏のことを語りだすとほんとうに長くなりますので、とりあえず今回お伝えしたいのは、彼女がこれまでよくメディアで語られてきたイメージはまずトリプルアクセルを含めたなんと言いますか、ジャンパーなそれが強かったと思うのですが、そもそも彼女はジャンプだけが魅力のスケーターではないということです。
確かに私は彼女の回転の速い、そして何故かふわりとしたジャンプがとんでもなく好きなんですけれども、それはそれとして、スケート好き、特に彼女のことを日本人のようには知らない外国の方であったなら、彼女は彼らに「非常にアート志向のプログラムを滑る芸術性の高いスケーターである」と認識されていると思います。
ロシアのタチアナ・タラソワ、カナダのローリー・ニコルに振付けられているという点だけでもそう言えるくらいですが、選ぶ音楽、舞っている振り付けをただ何も考えずに見れば、これまで、私たちがよくフィギュアスケートと思って見ていたそれとは一線を画していると思わずにいられないはずだろうと思います。
彼女がシニアに上がってから、これまで有名なオペラ・バレエ曲を使ったことは数えるほどしかありません。
ひどく挑戦的な選曲をし、挑戦的なプログラム(技術・表現両面で)を持ってくるのが浅田真央氏なのです。
私は幾度もここで語ってきている気がしますが、私が望むものとは、胸がざわめくような、音楽を介した肉体的な語らいでして、先程上げたラベンダーのストレートラインステップなど、音楽の緩急と彼女の動きがあいまって実際昇天しそうになります。
ああいうものがスケートでしかなしえない運動の芸術であると思いますし、私はそれをこそ望んで観賞しているのです。
バレエやオペラの代わり、ではなく、ほんとうにそれでしか表現し得ないものを作っていってほしいものだなと思う毎冬です。おこがましくはありますが。
まだまだ入り口しか彼女のことは語っていませんが…また続きは別の機会にということにいたします(誰も望んでいない気が…)。

人気投票へのご参加、ありがとうございます!!
はっ、と気付くと入れてくださっている方がいて、ありがたい限りです。
わたくしは幸せ者でございます。

もう今年もわずかとなりました。
皆様お体お気を付けくださいませ。


いきなりのグループミックスへの反応に対しどきどきしている
フェリシティ檸檬




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20161227

たゆたう境界と染まる男(リアル短編・年末企画・グループミックス)
鏡の中の自分と相対することは義務だと、ベッキョンは思っていた。
当然だ、と彼は己を見つめていつも自分に言い聞かせた。人から見られること、それが仕事なのだから。
メイクを済ませたあとにそうしてあちこち念入りにチェックしていると、なんだかおかしな気持ちにもなった。この世界に身を置くようになって(おふざけで化粧をしたことはないではなかったが、きちんと、社会に受け入れられようとする気概を持って)初めて、いかに魅力的に、短所も長所も活かして顔を作り上げるかということに苦心し始めると、女性の気持ちが少しだけ分かるような、ステージ上での振舞いや在り方もあいまって、自分の性別がふわふわとするような、妙な心地が彼を襲った。
目の周りはぼうっと灰と紫がにじんでいた。
その中身はごく小さい瞳が乗った、平凡なものだった。目の尻は、心持ち下を向いている。
はっきり言ってみずからをハンサムだと思ったことはなかった。昔番組でギョンスに最下位にされたときも、ほんとうのほんとうは確かにそうだ、と心の隅でひとりごちていた。自分の顔が嫌いだということではなかった。ただ、ベッキョンはひどく冷静に自己を客観視できた。自身のどこが秀でていて、どこが劣っているかを誰よりも自覚していた。
柔らかく、目頭に入った粉のかすを指で押さえる。
すると先の尖った、白く長く、美しい指が彼の顔を半ば隠した。
こういうふうに手を置けば、こういうふうな効果が出るのか、とベッキョンは微妙に顔と手の角度を変えながら、今日のステージに思いを馳せた。
年の瀬の大々的な音楽祭が、もうすぐ始まろうとしていた。


控え室を出、大型のテレビとソファが置かれた開けたスペースにベッキョンが来てみると、談笑している出演者たちがちらほらと目に付いた。
長椅子型の白いソファーのうちのひとつに、まぶたを下ろしたヒチョルが仰向けに横たわり、胸の上に拳銃を乗せ、ほのかに開いた唇の端から赤い液を垂らしていた。
一瞬、ほんの一瞬だけどきりとしたベッキョンは、目を見張り、上からヒチョルを見下ろしたまま立ち尽くした。
ぼこりと浮いた眼球の上の皮膚はただ白く、薄く、肉感的に膨れ上がった唇は桃色で、歯の白と血に似た赤が互いの色を強調していた。
「兄さん」
 言いながらベッキョンはヒチョルの拳銃を握った手の上にみずからのそれを置いた。
ヒチョルの今日の衣装は、おそらくソロパフォーマンス用のもので、なんと全身虹色のスーツだった。馬鹿げた代物だ、とベッキョンは思いながら、それでもソファに横たわったこの男の姿は、若手監督が撮ったキッチュな映画の中のひとコマに見えなくもない、と同時に感じていた。もう一度呼ぶ。兄さん。呼ぶと共に置いた手で軽く相手を揺らした。
ぱちりと大きな目が現れた。
ぎょろ、と自分をそれが捉えると、思わず後ずさりしそうな心境にベッキョンはなった。実はいつも、少しだけそうだった。ヒチョルの目は何か心をざわめかせるものがある。
「何やってんですか」
 苦笑してソファに回り込み、肘掛に浅く尻を置いた。
「やっと反応示してくれるやつが来た」
 よいせと起き上がり、たぶん三十分くらいずっとこうしてた、とヒチョルは呟いた。
俯いたため見えたうなじに視線を這わせ、まじで、と笑うと、半分くらい、いや大部分うとうとしてたけど、と返って来た。
「それどうしたんですか」
 ベッキョンはみずからの誇る手指に負けない、いやそれ以上かもしれないヒチョルのそれがいじくっている、真っ黒い銃を見下ろし尋ねた。ヒチョルは両手でかしゃかしゃとひっきりなしに人殺し道具もどきを触っていた。
「今日のステージの小道具。結構重い。効果的かどうかは微妙なとこだな」
 ほら、と掲げて007ばりにポージングするヒチョルを俯瞰すると、ベッキョンは率直に格好いいなと思った。誰がしたって間抜けになるだろう服装で、ギャグにしかならないかっこつけなのに、ヒチョルにはそれをスタイリッシュに見せるだけのルックスと魅力があった。長い髪を横分けにして片目で流し目を作るヒチョルは、ベッキョンにないものの塊だった。
「どうだ?」
「だっさい」
 本音を隠してくははははとベッキョンが笑うと、ヒチョルはベッキョンの腹めがけて銃口で突いてきた。うそ、うそ、とベッキョンが謝っても、ヒチョルは長い腕でベッキョンを絡め取り、自分の脚の間に抱え込んだ。
そのままヒチョルの体に後ろから抱きかかえられるようにして、ベッキョンはソファに座ると、再びほら、と声がした。
「持ってみるか?」
 すうっと長い指から零れるようにベッキョンの手に黒く光る偽物の銃が置かれた。ずしりとした重みに、両の手で水をすくうように持ちながら、まじまじと見つめていると、視線を感じた。ヒチョルがあの目で自分を見ている、そう思うと、ベッキョンはなんだかいたたまれない気持ちになった。そう、自分を自分で眺めているときのように、自分がいったいなんなのかが判別できなくなっていくような感覚だった。それこそ両性具有的な美しさと妖しさを併せ持つあらゆる意味で稀有な先輩は、後輩の中でもベッキョンにとりわけ優しく、さまざまなかたちで可愛がってくれた。彼といると---特に化粧などしていると---いったい俺たちはなんなんだろう、という疑問が湧いてきた。ヒチョルはほんとうに綺麗だ、とベッキョンは思っていた。ずっと昔から、今に至るまで。背の高い、ほとんどモデルのような体型に、小さな頭、長い髪、はっきりとした顔立ち。ヒチョルに見下ろされ、射すくめられ、マネキンのような手で触れられると、笑いながら、泣きたいような心持ちになった。そんな思いを抱くのはヒチョルに対してのみであった。
瞬きをしつつ、なんでもないようにヒチョルの視線を受け止めにこにこしながら銃を返すと、口元の血糊に改めて目が留まった。それに気付いたヒチョルがああこれ、と言う。
「新発売の液体状の口紅。結構いい赤だよな」
 中指の先でヒチョルは口の端を拭った。唇に色が付く。
きっとこの色もよく似合うだろう、とベッキョンは想像した。数限りなく行われたヒチョルの女装は、当然ベッキョンも見たことがあった。画面越しでも、直にでも。そのたびやはり驚いてはしまうのだが、しかしベッキョンはそういう、いわゆる女装というものよりも、こうした、ちょっとした彼の曰くいいがたい揺れのようなものを目にする方が動揺した。耳にかかった髪の毛の感じであるとか、横から見た唇の膨らみであるとか、目の端でこちらを見るときのまつげとまぶたの伏せ方であるとか。今、唇を一部彩った赤は、ベッキョンの目を釘付けにさせた。
「似合うか?」
 にやりと笑みを作るとヒチョルは紅を指で伸ばし、唇を赤く染めた。ベッキョンは図らずも息を呑んだ、頭の中の画がそのまま眼前に現れたためだった。はみ出しながらも赤く塗られた唇は、笑みのかたちのままだった。
目線を上げてヒチョルのそれと合わせると、なんとか唇の両端を上げて似合うよ、と答えた。
「あ」
 襟元を見たヒチョルが声を出すと、ベッキョンは体が跳ねた。
「な、何?」
「動くな」
 自分を振り向かせたまま、ヒチョルはベッキョンの首に顔を寄せた。ヒチョルの髪が顎をかすめ、香りが鼻を通った。何が何やらわけが分からず、体は強張ったまま、時が過ぎるのを待った。
「おっし」
 嬉しそうなヒチョルの声が間近で響く。
顔の前に顔が戻ってくると、それは満面の笑顔で、その横には繊細な指先でつままれた糸くずが垂れていた。白い糸はところどころ赤く汚れている。
「だいじょーぶ。シャツには付けなかった。俺、やるな」
 ぱしぱしと襟元を擦られながら、ベッキョンは呆気に取られていた。
「…ありがとございます」
「かたことかよ」
 唇の片端で笑うヒチョルは、やべ、もう行かなきゃだな、と言い立ち上がった。
「それ」
「あ?」
 振り向き見下ろしてくるヒチョルに対し、自分が真顔になっているのがベッキョンは分かった。だが構わないと、何故か思った。
「捨てとくんで」
 ヒチョルが手に持ったままだった糸くずを受け取るため、ベッキョンは自分の手を差し出した。
ああ、と漏らしたヒチョルが指を開くと、それぞれの造形の美を主張してやまない手と手の間で、白と赤に彩られた繊維の絡まりがふにふにと動いた。
じゃな、がんばれよ、と言って後輩の頬を優しく二度ほど叩くと、ヒチョルは大儀そうにぺたぺたと足音を鳴らして去っていった。一度向こうを向いたまま再び銃を持ったポーズを決めながら。
虹色の男の後ろ姿を見送りつつ、かっこいい兄さん!と声を掛けると、ひらひらと手を振られた。
ヒチョルが見えなくなると、手の上に置かれた糸にベッキョンは目を落とした。赤がくっきりと目に飛び込んでくる。先程あんなに近くにあったあの目。鼻。髪。指。---唇。
 付くわけもないと分かっていたが、ベッキョンはその糸の紅を、みずからの唇に押し付けずにはいられなかった。



おわり




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20161225

お気に入り1









うっ…。

素晴らしすぎる。






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20161223

プレゼント
こんばんは。
もうすぐクリスマスイヴになりますね。
フェリシティ檸檬です。

お久しぶりでございます!!
皆様お元気でお過ごしでしょうか。
そして、楽しい休日を満喫してらっしゃいますでしょうか。
わたくしは今朝、気になるニュースがあった上、マンションの工事中でスカパーが見られなくなったため、めずらしく地上波のテレビをつけましたら、皇室の特集が天皇誕生日ということで行われており、美智子妃のお洒落っぷりを堪能でき幸せでした。美智子妃は声も顔立ちも体つきも格好もほんとうにいつの時代も見甲斐のある方です。

わたくし少し前にある方から素敵な思いがけないプレゼントをいただきまして、心から幸せだったのですが、EXOからもプレゼントを皆様同様いただきました。いただきましたって言うかなんて言うかですが。
予想通りと言いますか、ティザーを見たときからこれは…と思っていた通り、シングルカットの「For Life」は、残念ながらまったく好みではありませんでした。一部分、好きなところもあるのですが、そもそもピアノを混ぜたオーケストレーションのポップスっていうのがあまり好みではないのです。
私が好きな曲…それは…読者の皆様ならお分かりでしょうか?
そうです(?)、「Falling For You」です。ダントツです。
出だしからいいです。
ああ、「For Life」、終わった!!嬉しい!!(ひどい)、となります。
好きな曲ってそもそもイントロから好きなものですよね。
その後の流れはかなりいいと思います。
なのでいつもほぼ1曲目を飛ばして聴いております。
昨年も、「sing for you」が苦手でして…。
しんみりしていて辛気臭い印象の曲というのも得意ではないのです(ひ、ひどい)。
これは私個人の意見・感想でございますので、そして音楽などの趣味・嗜好はほんとうに人それぞれでございますので、お気にされないくださいませ。

そう、お伝えしなければ。
さっぱり更新が途絶えておりましたのに、奇特な方々が人気投票に投票してくださり、着実に数が伸びていますのです。
まことにありがとうございます。嬉しすぎです。
今、実にキリのよい数字になっておりまして、これを機に何か企画をやってもいいくらいなのですが、どうしたものかなという感じでおります。
また考えましたら、お伝えしたいと存じます。

そして本日。
先程クリスマス企画の短編をあげてみました。
少し前から、クリスマス用に何か…と考えており、ちょうどひとりの時間が持てましたので、勢い込んで書いてみた次第です。
いかがでしたでしょうか?
久々の、メンバーの名前を出してのお話でした。
「人さらいの条件」から考えると、カイ、よかったね、と思わずにはいられないような内容であるなと自分で思いました。
人気投票ではまったく人気者とはいえない今作でございますが、わたくし的に非常に辛く、かつ楽しかった、思い出深い、そして私なりのエロスの充満した話でありまして、友人も大変好んでくれ、彼らの話を書くとなるといつまでもこの自作を思い出さずにはいられない私でございます。
今回、もう少し、三角関係っぽい話にしようかなと思っていたのですが、その予定とはちょっと趣が変わりました。
また何か別の話で、三角関係のお話は書いてみたいなと思います。

友人もクリスマス企画、それも壮大なものをやっており、きっと大変だろうと彼女が心配です。私としてはいろいろな話が読め、嬉しい限りなのですが。
わたくしリクエストのフンレイも読めるのです。やったあ!!
とっても楽しみです。

それでは、皆様、素敵なクリスマスをお過ごしくださいませ。


一方の猫が一方の猫の腹を枕にしているのを横目で見つつ
フェリシティ檸檬


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20161223

春を待つ(リアル短編・クリスマス企画)
薄く開いたドアの隙間から、ふたりが唇を合わせるのを見たのは昨夜のことだ。
ふたりというのはギョンス兄さんとジョンイン兄さんのことで、俺は別段覗き見するつもりがあったわけではなかった。
仕事を終え、なんとかイヴ中にマンションへ全員で戻ったあと、軽いパーティーのようになったリビングに、いつの間にか彼らの姿がなかった。
トイレに立った俺は、トイレにも洗面所にも、どちらもがいないことを認めると、寝てしまったのかと思い、ふたりの部屋の扉をそっと開けた。
リビングからはかなりの大音量で、チャニョル兄さん選曲のラップが鳴り響いており、相当静かにノブをひねったが、おそらくそんなことをせずとも、ベッドに向こうを向いて座ったふたりには、俺が背後から視線を投げていることを気付かれることはなかっただろう。
明かりはこうこうと点いていた。
ベッドの上、ジョンイン兄さんの周りに、プレゼントの包装と思われるものが散らばっていた。鈍い銀色の紙、リボン、細長い箱。
ジョンイン兄さん、なんかもらったんだ、と思い至った俺は、ずりーな、と反射的に思った。そう言えばベッドに付いた手の首に、見慣れぬ皮のバンドが覗いている。
身長差のあるふたりが並んで座ると、頭の高さはそれを表し、また、背中の大きさもかたやメンバーの中でも随一、かたやびりっけつという彼らであるため、まるで兄と弟、下手をすると親と子のような佇まいがあった。
ふたりとも俯いているようだった。
さびしそうに、まるで仲たがいをしているかのようにすらこちらには感じられた。
何してるの、と声を掛けようとかすかに口を開けたとき、ギョンス兄さんがジョンイン兄さんを向き、上目で相手を見た。その顔。俺は動きかけた舌が麻痺した。裸足の足の裏から(飲んでいたら暑くていつの間にか靴下を脱いでいた)、刈り込まれたうなじまで、よく分からない電気のようなものが駆け抜けていった。ほんとうに、ぴりぴりぴりりと、肌の上に何かが弱くうごめいた。瞬きも忘れた。がっしりとした、ジョンイン兄さんの男らしい肩の上に、ギョンス兄さんの手が音もなく置かれた。そんな触れ方を誰かにしている兄さんを、俺は見たことがなかった。撫でているような、掴んで離さないとでもいうような、ただ触っているだけとはとても言えない指と掌の道筋だった。特段ギョンス兄さんをきれいな手だとか、仕草が魅力的だとか、そんなことを思ったことはなかったのに、このとき、俺は自分の背と肩にそれが這ったかのような錯覚に陥り、それがまったく不快でないことを自覚した。顔が高潮しているということも、同時に悟った。
触られた瞬間、跳ねるように上に動いたジョンイン兄さんが、観念したように横を、つまり己を見つめるギョンス兄さんを振り向いた。
ギョンス兄さんの目は、眠たげな、それでいて完全に覚醒している、おかしなそれだった。白目と黒目がそれぞれ別の生き物のようにちらちら動きながららんらんとしていた。梅の花に似てるな、とつねづね思っていたその唇は、いち早く春を迎えたかのごとくほころんでいた。頬は薔薇色だ。俺はごくりと唾を飲んだ。その音が聞こえてしまうのではと危ぶんだが、もちろんそんなことはなかった。
視線を絡み合わせている間中、ひとこともふたりは口をきかなかった。
ただ柔らかく、気のせいかと思うほど儚く、ギョンス兄さんは微笑んだ。優しげとは言いがたいものだった。悪巧みをしているように俺の目には映った。
少しだけあったふたりの隙間を、ギョンス兄さんがなくした。
寄り添うようにして座り直すと、首をのけぞらせ、ギョンス兄さんは目を半ば閉じ、顔をジョンイン兄さんに寄せた。ジョンイン兄さんはまるでダンスなんかまったく踊れない人間みたいに、ぎくしゃくとみずからもギョンス兄さんに自分の顔を近付けた。
ひゅっ、と、俺は吸った息が喉を通る音を聴いた。
咲きかけた花の上に、よく太った虫が乗るように、唇と唇は出会った。
重ねられたそれらは、うごうごと、冬眠から目覚めた生き物さながら、切なく、喜びに震えている。
金縛りにあったかのごとく、全身が硬直していた俺であったが、濡れたギョンス兄さんの舌が一瞬見えた刹那、さっと体が後退した。そのまま、ドアを可能な限り音を立てず閉めた。
心臓のすさまじい鼓動が俺を圧倒していた。
そそくさとリビングに戻った俺は、そのあと、何を飲み、何を食べ、何を話したのか、さっぱり覚えていない。ただふたりが時間差で部屋に入ってきたとき、また狂ったように心臓が鳴ったことだけが鮮明な記憶だ。
今朝、クリスマスの朝を迎えたわけだが、当然ぎっしり仕事が詰まっていた。
すっかり集中力を欠いた俺が、のそのそと出掛ける支度をし、玄関に向かっていると、後ろから肩に腕が回った。
「元気ねえな」
 顔の横に、ジョンイン兄さんの顔があった。逆側の頬に何か冷たいものが当たる。視線を向けると、そこには輝く新品の腕時計だ。シンプルで、オーソドックスで、誰の贈り物かをあっという間に思い出させた。思わず目を逸らす。
「…眠くて」
「あー、俺も」
「…兄さんはいつもでしょ」
 よかった、軽口が言える。俺は自分の大人らしい対応に気をよくする。うるせえなあ、という言葉を残し、さっさと靴を履いた兄さんが先にドアの向こうに消えた。
俺が靴べらで靴に足を納めようとしていると、今度は膝の裏に何かが当たり、かくんと体が落ちた。
「うわっ」
 振り返ると、ギョンス兄さんだった。心からおかしそうな顔で、俺をまっすぐ見つめていた。
しかたなく俺も笑いながら目を合わせると、兄さんは笑うのをやめ、手を俺の顔に伸ばしてきた。
冷えた肌の上に、親指が乗った。
すぐ、目の下。
こするように、二度、動いた。
「隈、できてるぞ」
 そして手は離れた。
俺はバランスの悪い体勢のまま、イヴからクリスマスになったそのときと同様、再び毛穴という毛穴が開き、動けなくなった。
小首を傾げて兄さんは俺を眺めた。
梅の花はしっかりとしたつぼみのままだった。



おわり




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20161217

休日
2016121701

2016121702

2016121703

ブルーベリーとクランベリーのスコーン、バジルとブラックペッパーのスコーン。
肉まん。
肉まんのタネの残りのハンバーグ。




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20161213

生まれ持ったものとしか言えない
こんばんは。
マンションの改修工事というのは大変なものですね。
フェリシティ檸檬です。


お久しぶりです。
皆様お元気でらっしゃいますでしょうか。

私はこれを今、キリンジの「shootin‘ star」を聴きながら書いています。
先日のつれづれでもひとこと書きましたが、私はこの歌が大変好きです。
初めて聴いたとき、なんていい歌なんだ……いい歌……いい歌だ……素敵……とひとりごとを言いたいだけ言ったくらいです。
そして今日まで、いろいろと見るまで気付いていなかったんですが、この歌はマイケルに影響を受けた弟さんが作った歌だったのですね。
以前ここで触れた、「オフザウォール」というアルバムのよさに浸っていた頃の弟さんが、そのエッセンスを注入して作ったようです。
好きなはずだ……あったりまえじゃん……。
この曲、すごく弟さんの歌声がよくて、それが、なんだか誰かの歌声を思い出すなとそれもひとりごちながら考えていたんです。
山下達郎っぽさがあったりするな……などと思っていたんですが、そうですよ、この、ぐーっと繊細に声を伸ばし、後ろにビブラートを残しておく感じ!!そうよ、マイケルよ!!と鈍い私は、西寺郷太氏のラジオにゲスト出演したときの書き起こしであるとか(だいぶ昔に既読)、キキキリンジの書き起こし(読者様に教えていただいたもの)であるとかを読み、初めて電流が走るように思い至ったわけでした。
宇多田ヒカルもアルバム「ハートステーション」を作ったあたりでマイケルにはまってダッ!!とか曲に入れ込んでいましたが、弟さんのそういう声、お兄さんの言うとおりもっと入れてくれてもよかったのに、とか思ってしまいました。
しみじみ、キリンジはお兄さんのシニカルさやユーモア、弟さんのブルージーさとロマンティシズムの複合体であったのだなあと実感しました次第です。


水城せとなの漫画「窮鼠はチーズの夢を見る」、「俎上の鯉は二度跳ねる」を久しぶりに読み返し、そうそう!!これがBLよ!!と、ものすごく楽しめましたし萌えました。
結構前の作品になるのですが、この当時、そしてある意味今でも、BL漫画の枠内では個人的に、相当トップに位置する作品です。
彼女は少し前に月9ドラマになった「失恋ショコラティエ」や、映画化された「脳内ポイズンベリー」の原作漫画家であるのですが、是非ともまたBL、描いて欲しいですね。
私としては、上記の映像化された作品はそこまで好みではないのです。
これは漫画家ヤマシタトモコ氏とは逆で、水城氏は女性を前に押し出した漫画を描くと、ちょっとその頭でっかちさに辟易してしまうようなところが出てきてしまうのです。
ですので私は、水城氏は男性メイン、ヤマシタ氏は女性メインの話をより好む傾向があります。
これは、私自身の作品を見たり読まれたりした方も、きっと意見が分かれるはずで、人それぞれ、作り手に惹かれる部分が違うということがよく分かる事柄です。
もっと言うと、人が創作物の何に重きを置いてそれを鑑賞するかというのは、かなり個々人で異なるものでございますね。


肉まん、大変美味しくできました
フェリシティ檸檬



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  • ミス・レモン
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