海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20170628

夏の虫 1(SHINee・リアル短編)
チャイムの音でもう彼だと判る気がする。
 キボムはそんなことを思いながらインターホンのモニターをオンにした。横長の画面に映るそっぽを向いている顔。やはりだ。
玄関まで行くと鍵を外しドアを開けた。
まだ明後日を見ていた相手がキボムをようやく向いた。あれ、いたの、というような表情で。
「よお」
「…来る前に連絡くださいよ」
「え、なんで」
「なんでって」
 会話しつつジンギは勝手に足を部屋の中へと進めた。目尻も唇も笑みを作っている。キボムは前を通る兄貴分にスペースを開け、彼の鼻歌と体が自分の城を侵すのを見つめた。
リビングのソファに当然のように陣取るジンギに、なんか飲みますか、とキボムは尋ねた。
「お前メシは?」
「これからですよ」
「どうするつもりだったんだよ」
「食べに行こうか作ろうか買って来ようか頼もうか、どれにするか検討中でした」
「あそ。じゃあこれ作って」
 先刻からがさがさとうるさかったビニールの袋を手を伸ばしてキボムに差し出す。
 しぶしぶ受け取るキボムは中を覗いてげえ、という顔をした。
「ラーメンですか」
「うん。作れよ」
「これ作らせに来たんですか」
「腹減ってさ」
 白いごつごつした顔を、何も表情を浮かべずキボムに見せる。はあ、と嘆息してキボムは言った。
「これだけでいいんですか」
「他になんか作ってくれんの」
「だってお腹空くでしょこれだけじゃ。栄養も足りないし」
「じゃあ作ってよ」
 言いながらソファに仰向けになる。ラックから雑誌を取ってかざし、ぱらぱらとめくった。
 キッチンとリビングはひと続きになっている。はめていた指輪をすべて外し、カウンターキッチンで羽根のようなピアスを揺らして手を洗い、準備をしながらキボムは声を張って問うた。
「今日何してたんですか、オフだったでしょ」
「ダーツしに行って、そんでビリヤードちょっとやった」
「へえー。楽しかったですか」
「まあまあ」
「誰と行ったんですか」
「え、ひとりで」
「え、また?」
「うん」
 冷蔵庫を開け、中身を物色し、献立を考えて食材を取り出した。
「大したもんは作れませんよ」
「うん、いいよ、ラーメン食えれば」
「それだけにはしませんけど、まあ、あんまり期待はしないでください」
 部屋はキボムのまな板の上で包丁を使う音、湯を沸かす音、野菜を洗う音、そんな音しかしなかった。ジンギは何も言わない。音も立てない。いるのを忘れてしまいそうになるほど、植物がただ生えているかのようにそこにいた。



つづく


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20170629

夏の虫 2(SHINee・リアル短編)
まだエアコンは付けていなかった。喉のためにも極力我慢するのが常だ。開いた窓から、カーテンを揺らす風が時折吹いた。ちらりと目をやるとジンギの髪がそよそよとそれを受けていた。横に長い切れ目を入れたような目は相変わらず宙を向き、キボムの愛読しているファッション誌が彼の顔を灰色に染めている。
 ジンギがこうして突然訪問するのは珍しいことではなかった。
たいてい夜、やって来た。食事は済ませてあったり持って来たり今夜のように作るよう言って来たりとさまざまだった。自身の仕事のあるなしは関係なく、ただキボムが家にいるということを確認して何も言わずここまで来た。
キボムは出掛けていることが多いのに、ジンギにほとんどの場合捕まることが大変に不思議だった。野生の嗅覚というものかとひとり首を傾げることが多々あった。そして捕獲されたからにはもうどうしようもないとあっさりと諦めた。
食事はせずとも、必ず酒は呑んだ。
ビールや焼酎のストックをキボムは切らすことがなかった。彼が来ればたいていそれを減らされる羽目になる。ジンギが自分で買ってくることもままあったが、酒ある?と聞かれ、そのまま供するというパターンが圧倒的に多かった。
無言のままキボムは調理し、ジンギは雑誌に飽きたのか目を閉じていた。寝るかもしれないとキボムは思った。ジンギは気付くとすやすやと眠っていることがよくあった。何をするにも彼には前触れというものがない。それでたいそう驚かされ、だがそういう人だと状況を速やかに受け入れる癖がいつの間にやらか付いていた。
間接照明に照らされたジンギの顔は黄色味を帯びていた。どこから見ても同国人のそれであるのに、その色によって少し異国の青年のように目に映り、食卓の支度を済ませたキボムはしばらくじいっと瞳を隠した顔を見下ろした。
「メシできたの」
 唇だけが動いてそう質問し、キボムは小さな目をばっと開いた。
「起きてたの」
「寝てねーよ」
「あ、そうだったの」
 ぱちりとまぶたを上げたジンギの目の中は、白と茶にくっきりと分かれていた。一重の目元は、見る者にそこから思惑を読み取らせない。ただでさえ思考の流れが把握しにくい人であるのに、これのせいでもっと難しいとキボムは心中げっそりした。



つづく



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20170630

夏の虫 3(SHINee・リアル短編)
「腹減ったよ」
「食べましょう」
 青梗菜と卵の乗ったインスタントラーメンと、鶏肉のキムチ炒めと豆腐にごま油を垂らし海苔をまぶしたものがローテーブルに並んでいた。
「酒は?」
「ビールでいいですか」
「うん」
 冷蔵庫で冷やしておいたものを取って踵を返す。既に置いておいたグラスに泡が綺麗に乗るように注いだ。
「乾杯」
 兄らしくジンギは先に杯を上げた。キボムもそれに続く。
飛び出た喉仏を上下に動かし、音を鳴らしてジンギはグラスを縦になるほどあおった。ほとんどを呑み干し、たん、とテーブルに置く。
「飲みますね」
「喉乾いた」
 早速ジンギは箸を取り、ラーメンを食べ始めた。
そのさまを目の端に入れながらキボムも口に料理を運ぶ。どれもまあ合格だな、と思える味で、こくこく頷きながら箸を進めた。
やはり静かだった。カーテンが緩やかに踊る。食器が小さく鳴る。ふたりが食べ、飲む音が浮かぶように空間にはある。
ジンギは缶を数本空けた。キボムもそれほどではないが呑んだ。
肌に色のない双方は照るように中から色付いた。
ひと通り食べ尽くしてもジンギは酒を呑むことはやめなかった。どこか一点を見つめ何も言わずグラスに唇をたびたび付ける。
キボムは膝を抱えて同じくグラスを持っていた。片付けをしようか、と考えていた。
夜気から、夏を感じた。背後には夜の黒い空がどこまでも続いていることだろう。たとえ灯りが下で瞬いていても、夜空は夜空だ。うっとりするような闇が背中を覆うような気がした。
いつの間にかジンギがキボムを向いていた。視線がぶつかり、キボムは唇を結ぶ。
この兄は酔うとしらふのとき以上に次の行動が読めなくなった。だがこのときキボムは何が起こるかを知っていた。


つづく


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20170701

夏の虫 4(SHINee・リアル短編)
手首を掴まれた。
キボムの腕は細い。ぐるりと指が回ったそこを強く握られ、引かれた。そこを俯瞰しながら、目はずっとみずからの顔の上に置かれているのを感じていた。
「来いよ」
 ソファ前に座ったジンギの横に無理矢理に引っ張られる。膝をずってそこまで行くと、また更に腕を取られ、今度は二の腕を捕らえられた。
首に腕の関節が回される。
頭を抱え込むようにくちづけられた。
思わずキボムは目を瞑る。いつも、こんなことを見てはいられない。
ビールのにおい。インスタントラーメンの安っぽい味。キムチも少し。
ジンギは食事をするようにキスをした。どこかそれは獰猛だった。
こうなる前からも、こうなってからもっと、キボムはこの人はほんとうに人間なのかと訝った。自分とまったく違いすぎる。普通こんなふうにキスはしない。何かを食い尽くそうとするかのように、乱暴に。だいたい、自分は男であるのに、そんなことはどうだっていいかのように、ジンギは振舞う。彼女だって何人もいた。知っている者だっている。なのに、何故。
舌を取られるのから逃れられない。吐息が濡れているのを耳が聴く。もうずっと、キスだけであった。それ以上ということはなかった。だからキボムも許していた。部屋に上げることを拒否しなかった。酒のせいでの戯れだと片付けられた。
だが今夜は。
キボムはソファに背を押し付けられ、わずかに倒されるようになっていた。つぶらに光る目をいつからかジンギの前でさらしていた。白目を広げ、何が起こるのかとそれを震わせながら。
「にい、さん」
 声もどこか弱弱しかった。こんな声を出したのは仕事をし始めたばかりの頃が最後ではなかったかとキボムはどこまでも愕然とした。子供のように心もとない気持ちが身内に溢れた。
鋭いとも言えるまなこが何も訴えずキボムのそれを捉えた。整った唇は言葉をかたちづくらない。顔のすぐ上にある顔は、うっすらと赤みを帯びて、ひたすらにキボムを侵犯していた。



つづく


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20170702

夏の虫 5・終(SHINee・リアル短編)
顔中にキスを受けた。ピアスのいくつも並んだ耳たぶも、肌理の細かい首筋も。緩いTシャツの下に熱い手が入り込む。ひっと、喉から声が漏れた。
「キボム」
 ようやっと言葉がキボムに聞こえた。そう、俺はキボムで、男で、兄さんの弟分だと、言いたかった。だがぱくぱくとはかなく口は動くだけで何も発さない。
白いところが少し充血しているとキボムは思った。その中心はただこちらだけを映し、そうしながら結局何も伝えない。
「俺、ラーメン食いに来たわけじゃないから」
 こんなに低い声でこの人は話したっけかとキボムは記憶を辿った。もう、今目の前にいるジンギだけしかキボムにはなく、ジンギがかつてどうであったかなど忘れてしまった。
剥がされるように服を脱がされた。薄い上半身がスタンドライトの灯りを受けてぼんやりと光る。かちゃかちゃとデニムのボタンが穴から取られようとしていることを知り、キボムはソファに頭を乗せたまま意識が軽く遠のいた。
「…なんで」
 囁くように声は出た。
下着の中の尻に指を滑らせるようにして入れながら、ジンギは不思議そうに言った。
「なんでって」
 丸みの少ない臀部に男の指が這う。背骨を反らせてキボムは感触の違和感に堪えた。
「俺のもお前のも、こんなだよ?」
 体を重ねられた。固まったふたつの部分がぶつかり合って存在を主張する。
「ちが、」
「違わねーよ」
 キスだけだと思っていたのに。
ジンギが帰って行ったりそのまま泊まったりしたあと、キボムはひとり自慰をした。最初の頃はまだ平気だった。回を重ねるごとにそうせざるを得なくなった。
裸の体が空気に慣れず、キボムは腕をきゅっと自身に沿わせた。はは、という笑いが聴こえて目を上げる。
「可愛い仕草してんな」
 かっと顔に血が上った。視線を下に下ろして奥歯を噛み締めていると、顎を指で戻された。
「こっち見ろって」
 有無を言わさぬ声音だった。目と目を絡めながらジンギは己の服も取り去った。
「うまくはできないかもしんねーけど」
 前の張った下着姿を見せつけジンギは言う。
「とにかくなんとかしないと」
 なんだその言い草、とキボムは呆れ、笑いそうにすらなった。トライアンドエラー。いつかはきっと。
「まあなんとかなるさ」
 心の中を見透かされていたかのようにそう告げられ、キボムは再び、ジンギに降って来られた。
皮膚をじかに触れられる。女の柔らかなそれとは違う、どこか硬い掌、指の腹で。
熱い息を吐くジンギは、アクセサリーの付いていない耳たぶの穴を舌で通ろうとするかのように舐めながら、この蝶のピアスいいな、と、耳の中に吹き込んだ。




おわり


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  • ミス・レモン
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