海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160721

しつけのしかた(スホ × セフン)
夕食を終え、それぞれがそれぞれの場所で束の間のゆったりとした時間を過ごす中、セフンとスホが一室でともにいた。
「お前、あの演出で俺を担ぎ出しすぎだぞ」
壁に寄りかかり、不細工な人形を膝に抱えながら少年漫画を読んでにやつくセフンに、ベッドに横になり、雑誌へ目をやりながらスホが投げつけるように言った。少し拗ねたような口調で。
「へ?あの演出?」
セフンは気の抜けた顔のまま、スホの寝転がったベッドに視線を送った。
「そうだよ」
起き上がってスホはセフンの顔を見た。
間の抜けた年下の表情に腹が立つやらどうでもよくなりそうになるやらで、スホはすでに負けた感覚になる。
「ライブのときのキス演出だよ。なんで俺ばっかり引っ張りだすんだよ」
セフンはやっと話の要点に頭が回ったようで、「ああ」と、宙に視線を向けてつぶやいた。ぱたんと本を閉じる。
「兄さんだけじゃないよ。ジョンデ兄さんもよく選んでるでしょ」
変な笑顔を口元に浮かべて反論するセフンに、
「いや、確かにそうかもだけど、それにしたってなんでなんだよ」
とスホは声をあげる。
「ジョンデ兄さんは優しいしあんまり強く嫌がったりしないしさあ。怒られないじゃん、あとから。兄さんはー」
セフンは多分に小馬鹿にしたニュアンスを込めて言った。
「なんかすごいへたそうなんだもん、キスとか」
もうあはは、と笑いが漏れてしまっている。本当に面白く思っている顔だと、スホは長い付き合いではっきり分かる。
セフンはまた先程の漫画に目を落としている。
と、セフンの上が翳った。顔を上げると、自分と灯りの間にスホが逆光を受けて突っ立っている。表情が暗くて読めない。
「何?暗いよー」
笑ってセフンは言ったが、多少の異常を感じていた。
スホはゆっくり腰を下げ、セフンのすぐそばに膝をついてしゃがんだ。
近くになってようやく把握できたスホは驚くほど真顔で、セフンは言葉が出なかった。
「お前な」
目を合わせたまましばらく時間が過ぎてようやくスホが口を開いた。セフンは軽口を後悔し、謝ろうと声を出す。
「兄さ」
とん、とスホが腕を壁についた。
え、とその音がした方に目をやった瞬間、セフンは唇に何かが当たったのを感じた。
それはスホの唇で、セフンが慌てて手をスホの肩に置き突き飛ばそうとした動きを、片腕で制した。ぐぐ、と壁に押し付けられ、セフンは驚きもあり力負けしてしまう。うわ、という声が頭に浮かんだときには口の中に舌があった。柔らかく肉厚なそれはセフンの上顎を舐めたあと、もう縦横無尽であった。セフンはスホの唾液の味に嫌悪感でたまらなくなりながら、その器用さにますます力が抜けた。舌がこんなに繊細な躍動をすることをセフンはまだ知らなかった。知らぬうちに自らの舌を完全に差し出す。目を閉じ、恍惚と苦難で支配されている間に、一切のことが遠くなる。
ぱ、とすべてが解放された。
目を開き、すでに立ち上がったスホの後ろ姿を見上げる。二重の意味で見下してスホは言った。
「これでもまだ下手って言えるのか?」
セフンは何度かこの目と口調を体験したことがあった。スホが本気で何かを訴えるときだった。まだ幼かった頃はしょっちゅうされたものだった。久しぶりに自らに与えられたそれらにセフンは何故か高揚と恐怖を遠い昔と同様かそれ以上に感じた。
ふん、と鼻から息を出してどすどすと足音うるさくスホは部屋を出て行った。あのようすからするとただただ頭に来てへそを曲げているだけだ、とセフンは安堵ともなんともつかない感情を抱いて、ため息をついた。体が微かに震えている。首を落とすと、目に入った股間に意識がいった。それはかなり反応していた。兄さんに気付かれただろうか。顔がどんどん赤くなるのが自分でも分かった。これからライブでは気を付けよう、セフンは心底思った。
スホの釘刺しは大変な効果であった。


おわり



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (0) | 短編〈リアル〉

20160721

冬の夜 (? × カイ)
眠っているとき寒いなと感じると、人のベッドに潜り込んで暖をとる癖がカイにはあった。
決して小さいとは言えない図体をしている彼を歓迎する者などいるわけがない。だいたい女ならいざ知らず男に抱きつかれるようにくっつかれるなどごめんこうむりたいと皆が思っていた。
しかし誰しも人肌恋しいときがある。
恋人と別れたとき。
仕事でミスをしたとき。
家族からあまり良くない報告が入ったとき。
そういうときとカイの癖が発動されるタイミングが合致したとき、お互いの願望が叶えられ、ぴったりと寄り添って眠っているふたりを他のメンバーが目撃することがある。
基本的に冬場しか発生しない季節行事のようなこの一種の奇跡は、当の本人たち以外は苦笑するしかないイベントで、exoの顔としていの一番に表に出ざるを得ないカイを少し甘やかしたいという気持ちが皆の中にあったということも間違いではなかった。
そんなイベントが今まさにまた始まらんとしていた。
カイは足の冷たさから深夜をだいぶ回った頃、人知れず目を覚ました。
ほとんど夢遊病患者のようにベッドから起き出し、本能の嗅覚に導かれ、ある者のベッドにさっと滑り込んだ。
自分より小さな兄貴分の後ろから腕を回し、その体温を全身で感じようとする。冷え切ったつまさきを相手の体の上下に納める。生き物のぬくみにより安心感と満足感に包まれ、再び眠りの世界に落ちなんとしたそのとき、カイの方に相手の顔がぐるりと向けられた。
濃い眉毛の下のすべてのパーツに丸みを持つ、官能的と言っていい顔立ちが、カイの顔のすぐ前にあった。
寝ぼけたカイも、寝息が顔にかかり薄目を開けようとした。
「んー……んで……」
言葉なのかなんなのかも判別不能な音を相手が唇から漏らしたとカイが認識した瞬間、その体に腕が回された。
頭を引き寄せられ、そのままくちづけられる。
さすがに驚き、回らない頭ながらもカイが体を離そうとすると、すぐそのぷっくりとした唇は外され、ぎゅっと体を抱きしめられ、首のところに頭を擦りつけてきた。そしてカイが腕枕をした格好のまま、深い眠りへと落ちていった。
ぽかんと呆けたカイは、抱きついてくる相手をそのままにするしかなかった。
黒い髪の毛がカイの顎をつつき、慣れ親しんだはずの香水の香りがカイの鼻腔をくすぐった。
その日カイが再び眠ることができたのかどうかは、誰も知らない。



おわり



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (0) | 短編〈リアル〉

20160721

次の魔法まで(シウミン)
コーヒーの湯気が窓から差し込む朝日を受け、光を帯びてまるで魔法のあとの名残のようだ。
シウミンは静かな時間が好きだ。朝も。もちろん言うまでもなくコーヒーも。
自分のようなタイプの人間が、大人になっても大人数でこのような暮らしをしているなんて不思議だ、とテーブルの上に頬杖をつき、シウミンは何度繰り返したか分からないこの現状への率直な感想をまた自分だけに語り掛けた。
不満があるなどというそんな簡単で安直な事柄ではなかった。
ただ、不思議だった。
東方神起のようになりたいという漠然とした夢らしい夢を幼い時分に抱いたことが、結果ここまで彼を運んで来た。現実味を帯びるたびに本当のことなのか、と疑い、確からしい、と喜び、受け入れる、それの繰り返しであった。
さまざまなことがあった。
さまざまの内容をあまり深く考えると真剣な哀しみややるせなさに全身が潜ってしまうため、シウミンはその海の上を漂うくらいしか、常から自分に許さなかった。
今は立ち止まるときではない、とシウミンは考えていた。
まだまだ新人と言っていい位置であり、特に自分には取り立てたところがないと強く思っているため、何でもトライし、実力や自信を付けなければならないと信じていた。
ただ年長であるだけで、他の皆よりも劣っているところばかりだ。
本気でシウミンはそう思う。
自分がexoであるなんて奇跡としか思えない。それも含めての不思議であった。
コーヒーを口に運びながら、今後の仕事の予定をおおまかに頭に浮かべる。やらなければならないことが文字通り山のようにある。そんな中プライベートとかっこして呼びたいようなイベントは思いつく限りないようだ。思わずシウミンはひとりで笑みを浮かべた。
もともとの生真面目な努力家の性格から、仕事に没頭することが彼にはまったく苦ではなかった。しかし皆から苦笑しながらの心配の声をよく掛けられた。
もっと遊びなよ、兄さん。
仕事しすぎじゃないか?
ミンソク、恋愛しないの?
気持ちはありがたかったが、まったく余裕がないので、とても恋人などできそうもなかった。誰かと知り合ったりじっくり話し込んだりするにも、出会いの場が多いようで限られているため、機会自体が少なかった。シウミンはその性質により一目惚れをしたりなんとなく付き合ったりなどが難しく、必然的に友人に近い関係から恋愛関係に発展するしかないのだ。なのにエンターテインメントに身を置く女性と会話をしたとしてもその相手に惹かれること自体が彼にとって希少なようだと本人も薄々気付き始めていた。これではほぼ八方ふさがりだ。夢想しているうち、気に病むのが馬鹿馬鹿しくなってまたシウミンは笑った。残ったコーヒーを喉に落とす。
そのうち何か、タイミングが合えば。
シウミンはそういう意味ではのんびりしていた。
自分のことよりメンバーのことの方が気になるくらいだった。
恋人がいる者もそうでない者も、あまり辛い思いをしていないといいとシウミンは心底願っていた。仕事での苦難は充分なのだから。
誰かがベッドから起き上がったような音が聞こえる。シウミンはそちらに目を向けた。
静かな時間はいったんお預け。
諦念を含んだ穏やかな微笑みを浮かべ、シウミンはドアが開くのを待つ。



おわり



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (0) | 短編〈リアル〉

20160731

ジゴロ(ルハン × チェン)
一度だけ、髪をくしゃくしゃとされて、そのまま頭か額か判別しにくいところに、口を付けられたことがある。
ルハン兄さんの話だ。
なんのときだったろう。
何かの受賞の折?
いや、違うような気がする。
もっと普段の、なにげないときの、忘れてしまうような日常の中のできごとだった。
俺はひどく驚いた。
兄さんは俺にそういうことを、あまりしないものだから。
俺を慰めてくれようとしたんだろうか。
本当に、その行為までの経緯をすっかり、忘れてしまった。
シチュエーションがぼんやりと浮かぶだけだ。
ソファか何かにふたりで並んで座っている。
他には誰もいない。
話をしていた。
内容はやはり、覚えていない。
楽しい話ではなかったはずだ。
兄さんの、ぱあっと花の咲くような、圧倒的なあの笑顔が、この記憶ではセットになっていないから。
俺に何か相談していたのかもしれない。
そんな重大ではないけれど、本人にとっては気にかかり、誰かにちょっと聞いてもらいたいような、小さな悩みごと。
兄さんの雰囲気から、俺も笑ったりせず、ただ話を受け止めて、思うところを伝えたはずだ。
横に座った俺は、兄さんのくっきりとしたふたえが影を落とすのを黙って見ていた。
兄さんはどの角度から見ても可愛らしい作りの顔で、俺は相対するたび、感心した。
女の子たちが彼に夢中になるのは心からよく分かった。
俺も女の子だったら、こんな人を見て、なんとも思わないなんて無理だろう、といつも思った。
そんなことを考えながら、じっと兄さんを見ていると、ふいにこちらを、その光を集める瞳が向いた。
「そうだな。ありがと、ジョンデ」
あの、高くも低くもない、おそろしく魅惑的な声の色で、そんな言葉を聞いた気がする。
そして、ああされた。
はっきり唇を皮膚に感じたわけじゃない。
髪の毛の上に、弾力を得た程度だ。
だけど俺は固まった。一瞬。
少しだけ困惑の色を込めて、兄さんの目を見たと思う。
だが兄さんはごく自然だった。
真顔で俺の頭をもう一度、わしゃわしゃと乱した。
そして大きく息を吐くと、立ち上がってどこかに消えた。
あっけに取られたまま、しばらくの間、俺はひとりで座っていた。
それから、長い時間が過ぎて、兄さんが家からいなくなって、二度と帰ってこなくなってしまっても、俺はこうしてよく、あの仕草を思い出す。
ルハン兄さんは俺にとって、何よりもあのときの、あの、なんとも言えない、人を惑わせる青年だ。
女の子だったら。
そう、俺は仮定する。
女の子でなくて、よかった。
同時にそう、俺は胸をなで下ろす。いつだって。




おわり




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (2) | 短編〈リアル〉

20160806

彼は知らない(D.O. × スホ)
ある飲みの席で、酔っ払った勢いからジュンミョンが、俺セックスってちょっと苦手、と笑いながら言ったら、ギョンスに真顔で、ばっかじゃないの、と言われた。
他のメンバーもほぼ全員いた会だったが、その会話を聞いた者はいなかった。
言い放ったあとギョンスはぐびぐびビールを干した。
珍しく赤い顔をして、ぷはー、と息をつくその顔を眺め、ジュンミョンはまた笑った。
「よく飲むなあ」
ジュンミョンとギョンスは斜向かいに座っていた。
いわゆるお誕生日席にリーダーだからと肩を上から押されて座り、その右手にギョンスが陣取っていた。
「何へらへらしてんですか」
睨むように横目でギョンスはジュンミョンを見た。
多少充血した白目が貴重で、ジュンミョンはギョンスの言葉そっちのけで、ほのかに唇を笑みのかたちにしたまま、まじまじとその目玉を見返した。
焦点が合ってるんだか合ってないんだかよく分からないリーダーのまなこを、ギョンスは軽蔑したように眉をひそめて更に見た。
「なんですか」
ん?と、老人のような風情で反応を示すと、
「目、赤いなって」
と、ほうけたようすでジュンミョンは言う。
はあ、と嘆息し、ギョンスは視線を落とす。
みずからの杯に目をやり、ジュンミョンの手の中のものも確認すると、
「兄さん次、何飲むんですか。もう、やめときます?」
と問うた。
指で掴んだままのグラスの中が空になっていたことを、ジュンミョンは忘れていた。
何も入っていないその中を見下ろし、あ、と呟いてジュンミョンはギョンスを見る。
「お前、まだ飲むんだろ?」
何もかも見透かしてくるようなギョンスの目線を受けながら、ジュンミョンはまた微笑んだ。
「飲みますよ」
まったく抑揚なく、低く深い声でギョンスは答える。
「じゃあ、俺もそれ」
えへへ、と付け足してジュンミョンは言う。
瞬きもせずギョンスは視線を外し、すいません、と大きな声で手を挙げた。
「ビールふたつ」
店員が応答すると、ギョンスはサラダの残骸に手を伸ばし、皿の上をきれいに食べ始めた。
ジュンミョンはそばにある漬物を口に入れ、ぽり、ぽり、と噛んでいる。
目も上げずに、ギョンスがジュンミョンに尋ねた。
「なんで苦手なんですか」
何を言われたか分からないジュンミョンは、へ、とおかしな声を出し、ギョンスを見上げる。酔いからどんどん体をテーブルに近付け、屈み込むような姿勢になっていた。
「……セックスですよ」
少しだけ声を落として、ギョンスはまだジュンミョンを見ずに続ける。
記憶の戻ってきたジュンミョンは、ああ、と目を若干開く。
はは、と笑って、そうだなあ、と言ったあと、少しの間、んー、と眉を寄せ、唇を引き結んでから、開いた。
「なんか、緊張する」
そう言うとまた、はは、と笑った。
お待たせしましたーという声とともに、ふたりのもとにグラスがふたつやって来た。
どうも、と言って軽く頷き、ギョンスがどちらも受け取ると、片方をジュンミョンの前に置く。
白い泡がちょうどよいところでその下を黄色く染めている。
ギョンスはためらいなくその美しいうたかたを唇の間に滑り込ませ、喉仏を上下させた。
4分の1ほど減らして口を離すと、上唇の上の白い髭を、舌で舐めとる。
目の前で展開される動きをスローモーションのように感じながら、ぎこちなく、ジュンミョンもグラスの下を指で挟む。
黄金色の液体の中を小さな気泡が昇っていくのが、とてもきれいだ、とジュンミョンは思う。
ジュンミョンが口元までグラスを運んだとき、ギョンスが声を発した。
「セックスって」
泡が唇を包む。どこまでも優しいキスのように。
上目遣いで、ジュンミョンはギョンスを見た。
ギョンスは横目でその視線を受け、唇の片端を上げた笑みをこしらえ、言う。
「すっごく、いいのに」
くぴ、とひとくち、喉に落ちて行ったのをジュンミョンが感じたのとその言葉は同時だった。
ギョンスの目は変わらず色付き、その端は心持ち下に垂れ、ジュンミョンの目には一瞬、まったく知らぬ者のように、見知った弟分は映った。
グラスを口から解放すると、ギョンスが「ああ」と言いながらジュンミョンに手を伸ばす。
顔に近付く指にジュンミョンはびくりとするが、酔いで緩慢になった動きは、反射としては遅いにもほどがあった。
鼻の下を彩る白を、ギョンスは親指を横に動かし、ていねいに拭き取った。
ぷる、と動く口の上を意識しながら、ジュンミョンはギョンスを見ていた。
ギョンスはジュンミョンの口だけを見ている。
手を離すと、ギョンスはそれを自分の口に持って行き、そのまま含んだ。
音を立てて指を舐めると、再びグラスに口を付け、気持ちよさそうにビールを飲む。
ジュンミョンは手の甲で口を拭う。
は、と息を抜いたギョンスの方を、なかなか見ることはできなかった。




おわり




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (0) | 短編〈リアル〉

20160806

窮地に立つ(セフン × スホ)前編
こんな眼差しを俺に向けたことはなかったと思う。これまで。
どんなに一緒にいて、たとえひとつの布団に入って眠っていたとしても、こういう、何かに飢えたような瞳で俺を見たことはなかった。
怖い、と思った。
初めてセフンが、怖かった。
それなのに俺のペニスはもう、パンツを濡らしていた。
股間全体が熱くて、特に尖った先はそれがすごくて、穴からどろどろと液体が伝っているのがよく分かった。
セフンが俺に被さるように、ベッドの上に乗ってくる。
一瞬だって俺から目を、離さない。
俺は脚の間が恥ずかしく、両膝を立てなるべく見られぬように試みた。悪あがきにしか過ぎないと、分かってはいたけれど。
近寄ってくるセフンから逃げるように、俺は背後にずっていた。
もう、ほとんど余地はない。
月明かりもない暗い部屋の中、街灯のほのかな光だけが、俺たちの目に像を結ばせる。
青く浮かび上がるセフンは息を呑むほど美しく、そして、恐ろしかった。
「兄さん」
顔の前でセフンの口が動いた。
両手をついて、セフンは俺との距離をなくす。まったく、1ミリも、なくしていく。
そうして、俺は初めてセフンに、唇を奪われた。


俺たちはお互いのことをそういう意味で好きなのか、本当のところ分からなかった。
ただ、体は反応していた。少なくとも俺は。ずっと前から。
くっついて寝ていたりすると、セフンのすべすべした肌に手を擦り付けて、気付くと勃起していることがよくあった。
そのまま夢精することも。
はじめは羞恥に本気で悩んだ。
だが、そのうち慣れた。
俺たちはだいたいが、世間とまったく違う世界に隔絶されて生きていた。
いつでも誰かがそばにいるけれど、自由とは縁遠い。
恋愛なんか、あらゆる意味でリスクが大きく、俺にとっては面倒臭く危険な行為の極致だった。
だからなのかなんなのか、自分でも明言できないが、そういう、少しおかしな自分にもあっという間に免疫がついた。
セフンの目に止まらなければいい、くらいに思っていた。
しかし止まっていたらしい。
ある日セフンはこう言った。
‘兄さん、俺触って立ってるでしょ’
さすがに俺は赤面した。
もうゆでだこみたいに赤くなった。
穴があったら入りたいと言うけれど、穴どころか火山口にだって、そのときの俺は飛び込めた。
顔を歪めて微かに笑い、なんとか、「何言ってんだよ、そんなことないよ」と反論した。
セフンは笑った。
‘嘘つきだなあ’
くすくすくすくす、セフンは笑った。
‘いいんだよ’
口に手を当てて笑うセフンが、舌足らずに言った。
‘俺も触られて、立ってるもん’
聞いた瞬間、何を言われたか分からなかった。
俺は顎が外れたみたいに、ただ口を開けていた。
声を出して笑うのをやめ、目だけ笑みのかたちにしたまま、セフンは告げた。
‘してみよっか?’
何を、と、思わず聞いてしまいそうになった。
セフンが俺の手を取って、指3本をきゅっと握った。


なんでOKしたんだろう?
これだって普通の恋愛と同じくらい、リスキーだ。
確かにセフンにあれしたい、と言われると、断れないのが俺だった。
それに、その誘惑の強さが、俺をどこまでも圧倒した。
女みたいに滑らかなその肌を、ほとんどすべて、俺は触ったことがあった。
ないのは、ぶらぶらしているあそこくらいだ。
そこに興味がないと言ったら、嘘になった。
俺と同じようなものだと分かっているけれど、でも、きっと違いはあるし。
セフンが感じてそこを大きく変形させたら、なんだかとても可愛いだろうという気がした。
それだけで俺も感じた。
俺は相当‘きてる’と思った。
そんなふうにして、今に至った。



つづく



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (0) | 短編〈リアル〉

20160807

窮地に立つ(セフン × スホ)後編
俺、男とやるの初めてだから、とキスの合間に俺が言うと、セフンは笑った。
俺もだよ。
そう言うと、セフンは俺の腹から、服の中に手を入れた。
久しぶりの人の手の愛撫は、想像以上に俺を揺らした。
もう股間は痛くてしかたなかった。
触られたくてたまらない。
気を抜くと自分でそこに手を伸ばしそうになる。
セフンは俺に手伝わせながら服を脱がせ、ゆるいパンツも取り去り、俺は下着だけになった。
自らもさっさと服を脱ぎ捨て、同じ格好になり、また俺を覆ってくる。
体じゅうを触られる。
セフンの指が俺のいたるところを這う。
俺も知らぬうち、セフンの体に触れていた。
やはり、触ると気持ちよかった。
慣れ親しんだ肌だった。
薄闇に紛れ、セフンのペニスが上を向いているのが目に映る。
それが俺の腹をつついたり、こすったり、あまつさえ俺自身とぶつかったりする。
感じたことのない快感に、俺は包まれた。
硬い感触が、その興奮の度をダイレクトに伝え、えも言われぬ恍惚が襲った。
セックスって、こんな感じだったっけ。
遠い記憶を引っ張り出そうと試みる。
そうしていたら急に、パンツの中に手を入れられ、俺のぐちゃぐちゃな性器をセフンはしっかと握っていた。


「はは、すごいね」
そう笑うと、セフンは手でしごいたり、口に含んだり、した。
俺はそのたび抵抗した。
それは、と思った。
しかし言葉にはならず、俺はひたすら声を漏らした。
自分でも自分から聞いたことのない、粘度の強い、声だった。
俺はもう達しそうだった。
セフンはその小さな口で、俺のペニスをしつこく舐めた。
「こんな匂いがするんだね」
とか言って、俺をからかいながら。
俺は地獄の業火に焼かれているような、一種独特な心境だった。
こんな快楽、味わったらいけない。
そう思えた。
セフンは俺からパンツを取っ払う。
そして自分のパンツも、下ろした。


自分の人生で、尻の穴にこんなものをこんなふうに入れる羽目になるなんて。
俺はひいひい言っていた。
比喩ではない。
本当に、文字通り、ひい、ひい、と声が出た。
セフンはぐるぐる俺の中で指を回した。
俺たちふたりの先走りで濡らした、指を。
俺はセフンの手元を見下ろしながら、口をひしゃげ、呼吸を荒げて、いや、いたい、ひぃ、やめろ、と言い続けた。
「うるさいなあ」
こともなげにセフンは言う。顔は笑って。
そうしながらまたペニスを口の中に入れ込んだ。
「うああぁぁ」
叫ぶみたいな唸るみたいな音を出し、俺は宙を仰ぐ。天井の柄を見る。こんな柄だったっけ?
「うるさいよぅ」
糸を引いて唇を離すセフンを見、俺は自分の目に涙が浮かんでいるのが分かる。
セフンの顔がぼやけている。
指は絶えずぐるぐる広げて入ってくる。
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ、音がする。


俺はベッドに四つん這いになり、その上にぴったり重なり、セフンが乗っていた。
ぐちぐち、ぐちぐち、と、ふたりをつないだ部分から、間断なく音が鳴った。
俺はぼろぼろ泣いていた。
恥も外聞もなく、泣いていた。
恥も外聞も、こんな場合にあるはずもなかった。
あう、あう、あう、と、嗚咽を漏らし、俺は泣いた。
セフンは汗をかいた顔を俺の首周りにもたせかけ、嗚咽に合わせて頬にくちづけた。
ベッドが静かな悲鳴を上げる中、俺たちの肌は汗で互いを貼り合わせた。
汁がしたたる俺のペニスを、おもむろにセフンは掴んだ。
素早い動きで俺を高めながら、セフンは自分の腰のスピードも上げた。
「いあっ、あっ、ぁっ、あ、あぁっ」
よだれを垂らして俺は喘いだ。
腰回りが全部、ひりひりと熱い。
セフンの細い腰が俺にぶつかる。数え切れないほど、ぶつかる。
それはやってくる。
俺は、そこからびゅるびゅる吐き出し、いった。
信じられないくらい、いった。
出したあとも、セフンがいくまでしごかれ続け、目を回すみたいになって、うああー、うああー、と俺は呻いて枕に顔を押し付けた。
体がびくびく、ずっと、していた。
「あぁ……あっ」
セフンは俺の背中に手をついて、俺の中に射精した。
にゅるにゅるとしたものが、俺の内を犯す。熱い。
俺は股がめちゃくちゃだった。
ずるずるとセフンが自分を引き出すと、ようやく俺は息がつけた。
深呼吸を繰り返す。
顔と脚の付け根を液まみれにして横向きに寝た俺に、セフンが屈み込むようにして、顔を近付ける。
「兄さん、ジュンミョン兄さん」
二の腕に手を置いて、俺を覗き込むセフンに、俺は横目で問い掛ける。
「やってるときの兄さん、いいよ」
そう言って、隣に寝転び、後ろから俺を抱く。
そして耳元でこしょこしょと言う。
「もっかい、する?」
冗談言うな。
俺は思うが、声が出ない。
また、セフンは少し笑った。
こんなことを続けていたら。
俺は再び、怖くなる。
面倒臭いし、危険すぎる。
涙に濡れた目をしばたかせて、俺は結局、窮地に立った。




おわり




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (4) | 短編〈リアル〉

20160807

幕間の告白(チェン × シウミン)
ダンス練習の合間、休憩が入り、ミンソクとジョンデはふたりそろって外に出た。
汗だくだったが、天気のよい日で、キャップだけ被ったふたりは、コンビニに行って昼ご飯と飲み物を買い込むと、いちばん近くの比較的大きな公園へ向かった。
平日真っ昼間、いるのは子供やその親がちらほらくらいで、空いたテーブル付きのベンチに向かい合い、青年たちは腰掛けた。
緑が多く、静かで、ふたりは大変、この公園を気に入っていた。
基本的に口数の多くないミンソクは、静謐というものと非常に仲がよかったし、一緒にいる者の性質を尊重するたちのジョンデとも仲がよかった。
菓子パンとサラダとアイスコーヒーをミンソクは買い、パスタと惣菜パンとプリンとアイスティーをジョンデは買った。
それらをテーブルに広げ、昼下がりの柔らかい陽光を木の葉の間から浴びながら、それぞれは食べ始めた。
風と光が快く、キャップを目深に被っていたミンソクは、きょろきょろと周囲を見てから、ツバを後ろにして被り直した。
すっぴんの、疲れと水分不足から頬のこけた、あちこちムダ毛の生え気味な生のままの顔を晒し、口いっぱいに食べ物を詰めて頬を動かすミンソクを見て、パスタを口に吸い込みながら、ジョンデは唇の端を更に上げ、眉尻を下げた。ふふ、と鼻から笑いを零す。
もぐもぐしたままミンソクは顔を上げ、ジョンデを見る。コーヒーのストローをくわえ、ずーと吸うと、なんだ?と聞いた。
口の中のものを飲み込み、ジョンデは「いや」と言って目を合わせる。
「やっぱり兄さんは、げっ歯類みたい」
漢字の八を描いた眉と細くなった両目を恥ずかしげに睨み、
「そうかよ」
とミンソクは言う。
「悪口じゃないよ」
手と口を止めずにジョンデは言う。どんどん食べ物は消えていく。
「分かってるよ」
片方の口角を上に向けてミンソクは答える。
「前言ったじゃん」
パンにかぶりついたジョンデは、肉のない頬を口に入れたものそのもののかたちにして視線を落としている。
黒目だけを上にしてジョンデを見ながら、サラダを口に運ぶミンソクは聞き返す。
「何を?」
「みんなを初めて見たとき、兄さんがいちばん目にとまったって。そんくらいかっこいいと思ってるって」
しゃりしょりレタスや大根を咀嚼するミンソクは、その動きのスピードをかすかに緩める。
「今もそう思った」
パスタとパンを平らげると、紅茶を勢いよく吸ったジョンデは、プリンの蓋を開けながら言う。
「やっぱりいちばん、かっこいいなって」
スプーンでプリンの大きなかけらをすくい、横に長い唇の間に入れ、ジョンデはミンソクを目に映す。
その顔は別に笑っておらず、ミンソクは口をぽかんと開けて少しの間ジョンデを見つめた。
ツバの陰になった目元はどんな思惑を潜めているのか、ミンソクからは窺えなかった。
絶えずジョンデはスプーンを口に入れる。その繰り返しのさなか、
「ハムスターに似てるけど」
と言って、再びにかっと、音のするような笑顔を広げた。
「結局それかよ」
気の抜けたミンソクは、思わず声を出してちょっと笑う。
ジョンデも笑い、あー、もうない、と言って、カップの底をかしかし突ついた。
ふたりの頬を、絹のような風が撫でた。




おわり



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (0) | 短編〈リアル〉

20160811

体は正直(チェン × ベッキョン)
「いい加減ちょっと黙れよ」
えへへへへへと笑いながら話していたベッキョンは、ベッドに並んで座っているジョンデの真顔にたじろいだ。
ジョンデはいつものように、眉で八を描いてはいなかった。
「聞こえたろ?」
そう言って唇を結んだジョンデの顔は、何かを我慢しているみたいな、少し苦しそうな感じで、ベッキョンは息が詰まり、口を開けて呼吸した。
意を決したように、自分の右手をベッキョンの左手の上に置き、そのままくっと力を込めると、ジョンデはベッキョンの目を捉えながら、胸を大きく上下させていた。唇を少し噛んで。
もちろん、聞こえた。
ベッキョンは胸から首、首から顔へと、血が上ってくるのを耳の奥の鼓動の音とともに、時間が止まったかのごとく、すべてをくっきりと感じていた。
なにからなにまで輪郭が彩られたように、目に飛び込んできた。
ジョンデの切れ長の目のかたちとか。
しっかりした顎のラインとか。
首の男らしい太さとか。
かちっとした肩の四角は、何もせずとも筋肉質な体質のなせる技で、ベッキョンはこっそりうらやましく思っていた。
今着ている服の濃い青が、ベッキョンの目の奥で深海のように映った。
自分の音しか聞こえない。
目に映るものに、真剣にしか向き合えない。
お前が俺を好きだって、ずっと、知ってた。
だからなんだか今更だ、とベッキョンはどこかで思った。
時折見せる眼差しや、いつからか触れるとき一瞬ためらうようすとか、何か言いたそうに開きかける口の端の上がった唇は、饒舌にベッキョンに語り続けてきた。
そんなのやめろよ。
ベッキョンは見ないふりをした。
変わらずべたべた触ったし、顔を近付けて馬鹿な話やまじな話を持ち掛けた。
ジョンデみたいなやつはなかなかいない、と、ベッキョンはその勘のいい頭で思っていた。
この友人を失くすなんて、ありえなかった。
だけれど、ジョンデがこちらを見ているかどうか、ベッキョンはいつの間にか、こそこそ確かめるようになった。
切なげに眉を下ろした表情などを横目で伺い、何故だか少し動悸がした。
ぷくりと突き出た喉仏や、広い背中を見るにつけ、女だったら、いいなと思うだろうな、などと考え、また何故か脈は上がった。
いやいやいやいや。
俺は女じゃないし。
あいつも女じゃない。
そう打ち消しては、一緒にいた。
一生懸命エロ動画を見た。
しかし夢に見るのは、ジョンデがこちらを向いて、途中まで何か言いかけるさまだった。
いつもジョンデは何も言わぬまま、夢は終わった。
彼が何を言いたいかは、ベッキョンには分かりきっていたけれど。
そして、現実は夢を追い抜いた。
さっきジョンデはとうとうベッキョンに、呼び出した自分の部屋で、隣にベッキョンを座らせ、「お前が好きだ」と言い放った。
ジョンデは少し震えていた。
今もまだ、震えている。
ベッキョンはなんとか穏便に済まそうと、冗談めかして話し掛けた。
もちろんそんなの、通用しない。
どうする。
胸の中は先刻と同様、うるさい。
恥ずかしいくらい、顔は色を持っている。
まるで俺が告白したみたいじゃんか。
ベッキョンは混乱しながら、そんなことを思う。
「ベッキョン」
重ねられたままの手に、より、力が込められる。
気のせいなのか、ジョンデの顔が、大きくなる。
気のせいではない。
ベッキョンの顔の間近に、ジョンデの顔が、やって来る。
「……キス、したい」
ほのかに角度のついた眉で、ジョンデはベッキョンの10センチ先で、鈴の鳴るような声で、そう、言った。
いやだよ。
唇がわなわな動く。
掌いっぱいに汗をかいて。
体を後ろに傾けたい。
なのに金縛りにあったみたいに、動けない。
「………しちゃうよ?」
息が届く。
鼻と唇を風がかすめる。
「ぁ」
やっと、声が出た。
その瞬間、唇は音を出せなくなった。
ジョンデは目をつむり、ベッキョンは見開いた。
唇の厚さを確かめるためだけみたいな、キスだった。
すぐ、口は離された。
顔は至近距離のまま。
ジョンデの目には、水分が揺らめいていた。
「……もっかい、するよ?」
ためらいがちに、ジョンデは言った。
震えている。
今度はベッキョンが。
開いた口から、浅い呼吸は繰り返される。
体が全部心臓みたいだ。ベッキョンは自身を疑う。
「………いいの?」
もう、最後は囁きだった。
鼻と鼻が出会った。
よくねーよ、ベッキョンは思う。
唇が、渇いていく。
いいよ、と呟くベッキョンを、ジョンデは言葉ごと、ぱくりと食べた。




おわり




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (0) | 短編〈リアル〉

20160820

カウントダウン(セフン × ルハン)
限界だ。
いつもそう、セフンは思った。
それが、セフンにとっての夜だった。
夜というのは残酷だった。
何もかも隠すくせに、何もかもつまびらかにした。
日に強く当てるよりも、よりいっそう、真実が濃く姿を現し、セフンを翻弄し続けた。
セフンはリビングの、横に長いソファの上に、ひとり、座っていた。
そのすぐ前には、カーペットに足を伸ばして座る、ルハンがいた。
ふたりでよくするように、映画を見ていた。
これも勉強だ、と、ルハンはにっこりしながら言った。
照明をすべて消して、テレビの明かりのみで、夜な夜ないくつも映画を見た。
年代は多岐に渡った。
セフンにとっては、退屈なものも多かった。
しかし決して寝なかった。
自分の裸足の足のすぐ先に、ルハンのふわふわとした髪の毛があった。
膝を抱えるようにして、セフンがソファに座っていると、指先がそこに触れそうになった。
触れるか触れないか、のところで、足をいつも固定した。
そしてじっと、耳やエラ、襟足からうなじが描く繊細な線を、話が一向に見えない映画の最中、好きなだけ見た。
襟の空いた服をルハンが着ていると、もうたまらなかった。
首と肩というのはこういうものだったろうか、と、セフンは不思議な気持ちになった。
広い肩のかたちは、それでも華奢さも残していて、いったいどうなっているのか噛んで確かめたくなった。
当たり前だが我慢した。
頭によぎるすべてのことを、我慢していた。
闇の中、こうこうと光る長方形を見つめるルハンは、本当にすぐそこにいるのに、セフンは手も足も出ない。
自然眉間に皺が寄った。
いつまで耐えればいいのだろう。
どうしてこんなことになったのか、セフンはしきりに考えた。
なぜ、映画を見てるんだろう?
なぜ、夜、ふたりで過ごすんだろう?
なぜ、俺は兄さんを。
そこから先を頭の中でしっかりと言葉にするのは、いつもやめた。
ふたりでいるのは幸福だった。
常にそれを願っていた。
だが、同時に不幸だった。
殺さない程度に生かしておく、という罰を与えられているようだった。
いっそ。
セフンはあらぬことを考え、毎回何も、しなかった。
けれどいつか、それをしてしまうかも。
それは、今日かも。
だって俺は。
セフンは思う。
こんなに空気の中に充満している何かをずっと、感じてる。
兄さんが、何も気付かないなんてあるか?
俺の爪先がどれだけしびれたみたいになっているか。
俺の目がどれだけ兄さんの首をなぞったか。
俺の眉がどれだけ日々皺を濃くしているか。
つん、と針でつついたら、ぱん!と音を立てて破裂する風船みたいなものの中に、ふたりはいた。
暗い暗いその中は、テレビだけが光っている。
セフンは膝に置いた腕を、おもむろに解いた。
と。
「終わったー」
そう言って、ルハンは振り向いた。
目を垂らして、どこまでも甘い笑顔を見せる。
テレビの後光で見えるだけでも、それはセフンの胸を締め付けるに充分だった。
「薔薇のつぼみって、なんなんだろうな」
「え?」
ルハンはぐうっと伸びをしながら、理解していないセフンを気が抜けたように笑い、見返す。
「寝てたのかよ」
はは、と甘い声で笑い、セフンの足の甲に手を置く。
「ケーンが言った、謎の言葉だよ」
上目で見上げてくる瞳は、少ない光を照り返し、ぬらぬらと光っていた。
セフンは口を開け、そこをただ凝視する。
「一生の秘密って、なんだと思う?」
歌声みたいな声で問い掛けてくるルハンを前に、セフンは体が固まった。
足の上の掌は、しっとりと温かい。
一生の秘密。
それを今、俺に聞くなよ。
夜はセフンを、容赦なく襲う。
そして進退、極まらせた。




おわり





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ EXO RANKING ⊿⊿
FC2BLOGRANKING
( korea boys rank ) Kiss&Hug.
にほんブログ村テーマ BLラブへ
BLラブ
trackback (0) | comment (2) | 短編〈リアル〉
  • ミス・レモン
ようこそお越しくださいました。
EXOのメンバーを登場人物にした二次創作BL小説や、オリジナルのBL小説、好き勝手なことを綴った雑記などを置くブログでございます。
内容を読んでのコメント、メッセージなど、いつでも心よりお待ちしております。
よろしくお願い致します。

最新記事

人気投票 1

人気投票 2

人気投票 3

人気投票 4

人気投票 5

ブログ村

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 韓流二次BL小説へ

人気ブログランキング

アクセスカウンター

有料アダルト動画月額アダルト動画裏DVD美人フェラポルノ動画フェラ動画美人フェラ無修正アダルト動画フェラチオ動画無修正フェラ
アクセスカウンター高画質アダルト動画無修正フェラ動画アダルト動画無修正アニメ動画海外アダルト動画
無料カウンター無修正DVDクレジットカード
無料アクセスカウンターウォーターサーバーアダルトグッズランジェリー無修正盗撮動画AV女優名教えて
ブログカウンター