海の底、森の奥

- EXOの二次創作とオリジナルのBL小説を中心としたブログです。R18表現あり。お気軽にどうぞ。

20160716

シング シング シング 1
ハミングが聴こえる。
フランク・シナトラだ、とつぶやきながら、眠りから引きずり出されるようにチェンは目を開けた。
カーテン全体が発光するようなまばゆい朝の光の中、綺麗に刈りあがったうなじ、真っ黒いシャツ、ボタンをつけているらしい華奢な背中が見える。柔らかい歌声が覚醒とともによりくっきりと耳に届く。
カチャ、コッ、コト、と、キッチンの方から音がする。香りでわかる、ミンソク兄さんがコーヒーを淹れている。チェンの口はもうあの香ばしさで溢れる。
「それ、なんて曲だっけ」
羽毛布団をずり下げながら、後ろ姿に話しかける。
ギョンスがくるりと、独特な繊細さとぞんざいさで振り返り、またそっぽを向いて、
「おはよう。うるさかった?」
と着替えを続ける。チェンのベッドに腰掛け、黒い靴下を履いている。見なくても、黒だ。絶対。チェンはおもわず微笑んでしまう。
「うるさくないよ。続けて」
「やだ」
立ち上がってギョンスはすたすた出て行った。
ベッドに起き上がったチェンは、ギョンスの座ったベッドの凹みをぼんやり眺め、二の腕をひっかいている。

朝のキッチンはいつもシウミンの香りでいっぱいだ。
コーヒーはとてもミンソク兄さんに相応しい、とチェンは毎朝繰り返し目覚めとともに考える。あの深い焦げ茶色も、味の苦味も、脳を占領するような匂いも。力強さと誠実さがある、とチェンはまだ夢見心地でシウミンの顔を見、コーヒーを口に運ぶ。毎朝。
「おはよう。コーヒー飲むか?」
シウミンがテーブルについたギョンスにコーヒーの入ったマグカップを出しながら、入り口に立った チェンに気付き問うた。
「おはよう。うん、欲しい。ありがと」
ギョンスは向こうを向いており、再び白く細い首しか肌は見えない。しかし、コーヒーを飲もうとうつむいたほほが、柔らかな丸みを帯びているのが歩きながら目に入った。チェンはギョンスの斜め向かいに腰を下ろした。
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20160716

シング シング シング 2
食卓にはベーコン、目玉焼き、茹でたブロッコリー、トマトの櫛切りが食べた人数分減って並んでいた。バター、苺とマーマレードのジャム、ピーナッツバター、牛乳のパックも。パン屑が朝日を受けてちらちらしている。
「玉ねぎのスープがある。あとは食パン。焼くか?」
シウミンがコーヒーをチェンの前に置いて、尋ねる。
「いいよ、自分でやるよ。大丈夫」
シウミンに向かってチェンのもともと上がった口角がまた少しだけ上がる。シウミンは「オッケ、スープだけ火、入れとく」と笑顔で返し、チチチ、とコンロのつまみをひねり、自らのコーヒーを飲み干してシンクで食器を片付け始めた。
ジャー、カショ、カシャ、ココッ。シウミンの手つきは穏やかで、立てる音は眠りに誘うようなところがある。
子守唄を聴きながら、チェンは両手でマグカップを包み込む。彼のそれは底に向かってカーブを描いて細くなるフォルムで、ミッドナイトブルーに染められている。濃い青から漂う湯気が視界を遮り、はす向かいに座るギョンスを一瞥したチェンの目は、ギョンスを白い靄とともに捉えた。チェンの口から女性のような歌声が漏れる。
「ふん、ふん、ふ、ふふ、ふふふふーんふーん…」
「なんだよ突然。genieって」
「いや、好きなんだよ、この歌」
チェンらしい笑顔で、ギョンスを見ずにカップに牛乳をどぷりと注ぐ。すると怪訝な顔のギョンスはたちまち湯気が消えたカップの向こうに輪郭を見せる。ああ、もう願いごとはできない。一瞬だけのランプの精。悔悟の反面、安堵もわきあがる。
「パン、焼こうか?」
カップを持ったままチェンはキッチンに向かい、ギョンスに問い掛けた。シウミンは既にバスルームに消えている。
「あ、うん。ありがと」
「何枚?」
「2枚」
「了解」
ゴールデンレトリーバーの毛色のようになったコーヒーをごくごく飲みながら、ギョンスがベーコンや卵を口に運ぶのをそれとなく眺める。
ベーコンの油、卵の黄身の黄色がその唇を通り過ぎる。舌が唇の上を動いて綺麗にするさまがミルクの混じったコーヒーの味と渾然一体となりチェンの体を下っていく。体のうちから支配されるのをつま先まで感じる。
チン!
我に返り、薄く焦げ目のついたパンを皿に乗せ、トースターに自分の分を入れ替える。パンの皿とスープをもったカップをギョンスの前に置くと、チェンを見上げ、まん丸な黒目とどこまでも白い白目のコントラストで相手の目を捉え、「ん、ありがと」と心持ち光る唇を動かした。すぐにギョンスはパンに目を落とすと、それをむしっとちぎって半分にする。チェンは思わず目を逸らした。
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20160716

シング シング シング 3
車はとても暖かい。暖房と、チャニョルとギョンスの体温に挟まれて、チェンは眠気が自分を侵食していくのを味わっていた。外は真っ暗で、時折灯りが過ぎ去る中、雨粒が風と踊って窓に模様を描いている。
「ねみい…」
チャニョルがあくびをして低音のつぶやきを響かせる。彼の耳にはイヤホンが収まり、かすかな音がチェンにも届く。今日は何を聴いているのだろう、というぼんやりした考えとともに眠りに入ろうとしたそのとき、脇腹を突つかれた。首を左に向けると、それとなく チャニョルに寄りかかり気味になっていたチェンを黒い眉と丸い目が迎えた。チェンは顔がびりびりする感覚を覚えながら平静を装い、「何だよ」とつっけんどんに言った。
「まずい」
「は?」
「まずいんだよ」
「何が」
訳がわからずどんどんチャニョルを窓に押し付けるようにのけぞるチェンに、ギョンスは舌を出した。
ぷっくり膨らんだ唇から突き出た桜色の舌の先に、白色透明の丸い玉が乗っていた。大きさからしてついさっき舐め始めたばかりの、薄荷味だろう飴だ。
「薄荷苦手だろ。何で舐めたんだよ」
心臓が縮こまるような思いをしながら、チェンはギョンスの立体的な口元から目が離せない。
「行けるかと思ったんだよ。ちょっと喉痛かったから、どうしても舐めたくて」
からからからから歯と飴を鳴らせて肩頬を膨らませたギョンスの顔を凝視して、チェンは自分の声が遠くから聞こえる。
「だ、せば。しかたないから」
「なんかもったいないだろ。嫌なんだよ、出して捨てるの」
「どうしろっていうんだよ」
「あげるから舐めて」
「は!?」
「好きだろ、薄荷」
「好きだけどさ」
「じゃあいいじゃん」
「おまえ嫌じゃないのかよ、舐めた飴舐められるの」
「嫌じゃない」
飴玉を口に含んだ飴玉のような目をした青年に10センチの距離で飴の匂いを嗅がせられて、チェンは先程からどうしようもなく勃起していた。それは痛いほどで、皆がいる車中でこんな状態になっている羞恥心とともにチェンを圧倒した。
瞬きを繰り返すチェンを尻目に、前に向き直ったギョンスは不貞腐れている。
「じゃあ…じゃあ」
「そんなに嫌かよ」
「いや…」
「じゃあもういいよ」
「そうじゃない…」
窓の方に顔を寄せてギョンスが飴と格闘している様子から顔を背け、腕を組んだチェンは、高鳴った心臓と熱くなった下半身を鎮めようと深く息を吐いた。眠気など二度と戻って来そうになかった。
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20160716

シング シング シング 4
「さみーなー」
カイが体を縮こまらせて手を擦り合わせながらバスルームに向かった。すぐバスタブにお湯の溜まる音が聞こえてくる。 上着を脱ぎながらセフンが「先入りたいー」とバスルームに向かって叫ぶ。もちろんささいな言い争いがそこで始まる。だがもちろん、ギョンスはそれを放っておく。
先程ようやく口の中の薄荷飴を全て喉の奥へと溶かし落としたギョンスは、その拭いがたい後味を退けるために、歯を磨いてそのままベッドに入るか、何か飲んで少し起きているか、真っ黒い部屋着のトレーナーに着替えながら思案していた。
「ふざけんな、俺が準備したんだから後で入れ」
「年下に譲ってやろうっていう優しさはないのかよ」
「でかい図体して何言ってんだよ」
「でかくても弟は弟だろ」
どうしようもない口論を後にして、ギョンスはキッチンに向かった。
変なデザインと色合わせの部屋着に着替えたスホが冷蔵庫を開け、中からプリンを取り出していた。表面がパリッと焼かれているタイプのそれと、牛乳のパックを持ち、食器棚からグラスとスプーンを物色している。ギョンスは聞いた。
「それ、何個あるの」
「人数分あるはずだよ」
「ほんと?」
「うーん、もとはそうだったはずだよ」
「今、何個あるの」
「たぶん、あと3個」
テーブルについたスホの後ろを通り、ギョンスが冷蔵庫を開けると、確かに同じものが3つ、並んでいた。バン、と扉を閉め、食べ始めたスホに振り返り、「おいしい?」と尋ねる。
「うん、うまいよ」
「ほんと?それ、微妙じゃない?」
「何でそんなこと言うんだよ、食べてるのにー」
「俺が作ったプリンの方がうまいでしょ」
「…そりゃそうだけど、これはこれでうまいよ」
「ふーん」
食べる手を止め、ギョンスに振り返り、「なんだよ、お前がいつも作るわけにいかないんだからさ、しかたないだろー」と笑みを含んだ声でスホは言う「これくらいので我慢するんだよ」。
再び食べ始めたスホの横から牛乳を取り、ミルクパンを出して、ギョンスは牛乳を温め始めた。シナモンは切れていたっけか、調味料の引き出しを探る。あった、ギョンスはほっとしてミルクパンにスティックを放り込む。
「腹減ったー」
チャニョルと風呂上がりのカイがキッチンに入ってくるなり、ほぼ同時にそう口にした。するとスホを見て、当然ながら、
「なんだよひとりで食べてんのかよ」
「ずりーな」
「まだあんのそれ」
と一斉攻撃が始まる。そんな必要もないのにしどろもどろになりながらスホは、「あるよ、あるある」と冷蔵庫を指す。
ふたりで冷蔵庫を覗き込み、プリンをふたつ取り出しながら、「実は俺もう食べた、朝」「俺も」とにやにやして言い合い、チャニョルがギョンスに向かって「いいよね?」と上目遣いで確認を取る。ギョンスは溜め息を吐いて、しかし裏腹に口元に微笑を浮かべて頷く。ふたりはスプーンを出して椅子に座った。ギョンスは温まり始めたシナモンの浮いた牛乳をじっと見つめている。膜の張る直前に火を止めなければ。そんな思いとそれ以外のぼんやりした考えがギョンスの頭を占領する。
スホは牛乳を飲み干し、「じゃあ俺もう寝る。おやすみ」と声を掛け、スプーンとグラスを洗ってキッチンを去った。
「あっずるい。俺も食べる!」
頭から湯気を立ててキッチンの入り口に立ったセフンが、どすどすと冷蔵庫に向かい、残ったひとつを取り出した。
「お前朝食っただろ」
「ふたりも食べてたじゃん」
セフンもテーブルにつき、ぱくぱくとプリンを食べながら、三人は談笑を始めた。
ギョンスは大きく真っ白な、寸胴型の自らのマグカップに牛乳を落とした。ふわふわと登る湯気の向こうに、体の大きな男三人が顔を寄せ合いプリンを手に笑顔を見せているさまは、どこか胸の締め付けられるものがあり、ギョンスは思わず笑みを浮かべた。髪の濡れたカイとセフンの毛先から落ちそうな水滴や、帽子のせいで髪がぺったんこになったチャニョルの頭が、本当に愛おしいものだとギョンスは思う。口の中を牛乳とシナモンが彼の心を表すように甘やかな温かみで満たしていった。
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20160716

シング シング シング 5
ギョンスが俺を上目遣いで見つめている。何故か雨に打たれたようでその体は少し湿っている。顔に微かに水滴が付いている。短く刈られた髪の毛先に水の玉が膨らんでくる。ギョンスは瞬きもせずに俺の目だけを捉えて離さない。おもむろに口を開く。舌先には飴玉が乗っている。さっと舌を引っ込め口を閉じこちらに向かって口角を上げる。一歩こちらに近付く。もう俺たちの間に隙間はない。俺は自分の耳の奥から心臓の鼓動が聞こえる。どくどくどくどくどくどく。ギョンスの目の中に俺がいる。「ジョンデ」からりという音と俺の名が膨らんだ唇から漏れる。鼻先に漂う甘くすっとする匂いに俺はまた自分のペニスが硬くなっていることを意識する。ギョンスに気付かれる。そう考えるほどますますそれは硬さを増す。ギョンスが俺に顔を近付ける。目を見開いたまま俺の顔に顔を寄せてくる。俺は微動だにできない。俺の唇に何かが触れる。口角の部分からなぞるように触れられていく。ギョンスの舌先が俺の唇を舐めている。下唇から上唇へと円を描くように辿られる。俺は少し口が開いてしまう。舐め始めた場所へ戻ると舌をしまい唇を俺のそれの上に置く。ふわりとした感覚が俺の全てになる。頭の中が泡立つような感覚に襲われる。すぐにギョンスは俺の口の隙間に舌を侵入させてくる。口の中に薄荷味の唾液が広がる。その舌を自分のそれで受け止めたいと思った瞬間何かまた別のものが入ってくる。どろりとした甘く清涼な玉。薄荷飴だ。
「え?」
ベッドの端に腰掛けたギョンスがチェンを見下ろしている。唇の端を上げ、今にも笑い出しそうな様子で、見つめている。チェンが再び声を出そうとすると、口の中に異物感がある。からり。
「飴…?」
途端にギョンスは笑い出す。
「好きだろ?」
そう言い残しさっさと部屋を出て行く。
チェンは目をぱちぱち瞬きながらも今これが現実なのかどうか確信を持てず、とりあえず起き上がってみた。
朝の光線がベッドの上に絵を描き、ギョンスが座っていたところはそのかたちを残している。チェンはその窪みに手を置いた。そのほのかな温かみに現実であることを教えられ、ふーっと溜め息を吐く。夢の中と同じようにチェンのペニスは上を向いており、硬さは常を上回っている。昨晩も帰宅してすぐ処理したのに、とチェンは頭をぼりぼり掻く。朝食の前にシャワーを浴びて、また鎮めておこう。チェンの口腔は夢の名残がうごめいている。
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20160716

シング シング シング 6
蛇口をひねる。立ったチェンの頭に水の玉が降りかかる。俯いたチェンの右手は屹立した自分の性器を握っている。目を閉じたチェンはそのまま手を上下に動かす。思わず口を開け、シャワーの水が口の中に入り込んでくるのを感じ、チェンはまだそこに収まったままの飴玉を意識した。
もうずっと、スマートフォンの画像や映像を見なくとも、チェンはマスターベーションに困ることはなくなっていた。
もちろんメンバーたちは大量のデータをそれぞれの端末に持っているし、雑誌だってあちこちにストックしている。お下がりが全てそこに集まってくるため、部屋に一番溜まっているのはセフンで、たまに他のメンバーが勝手に拝借していくこともある。AVをみんなで見るという習慣はだいぶ以前のことになった。お気に入りの女優が被っている者同士仕事で疲れていても若さで夜中真剣にテレビ画面を見つめていた。何人かの大きくなったペニスを目にしたことも、それを自分で触っているところを見たことすらある。だがギョンスのはなかった。ギョンスがだいたいそういうことを誰かと行うことを全く好まないため、絶対にひとりで処理をするのだった。部屋にこもり、鍵すらかける。それを見てみんなでひっそり笑ったものだった。昔は。
チェンは今、ギョンスの顔から、裸の胸のあたりの、その白さに赤みが刺していくさまを頭に描くだけでどんな女のあられもない姿態より興奮した。
自分たちのミュージックビデオや出演番組のパフォーマンスで腰を振って画面のこちらを見つめるギョンスの姿を自慰の道具にすることもあった。
黒いしっかりとした眉の下に覗く人を射抜くような視線の目が、その黒い中心が、太い鼻梁が、存在感のある唇の隙間が、その唇が人を小馬鹿にしたように歪む様子が、細く折れそうな首が、刈り上げたうなじの髪が、小さな肩が、表情豊かな腰が、その全てがどうしようもなくチェンの性衝動を引き起こした。
口の中で存在を主張する丸い砂糖のかたまりを、チェンは空いた左手の指を突っ込み人差し指と中指で舌に押し付けた。そして飴と指をむちゃくちゃにしゃぶりながら右手のスピードを上げた。果てそうになった瞬間指を口から引き出し、「あ」とひとこと声を漏らす。白濁した液体はシャワーにあっという間に流され、チェンは荒くなった息づかいと飴玉とともに取り残された。
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20160716

シング シング シング 7
「あれ?これ何?」
冷蔵庫の中のホーローのパットに並んだカップを視線の先に置いて、チェンは呟いた。
シャワーを済ませキッチンへ行くと、夢の中もシャワー中も一緒だったギョンスの実物しかおらず、チェンは少なからず狼狽した。先程飴玉を噛み砕いたばかりなのに。チェンは幸福とも不幸ともつかない感情でとりあえず冷蔵庫を開いてみたのだった。
向こうを向いてテーブルにつき、コーヒーを飲みながら、ギョンスは言う。
「プリン」
「プリン?」
「うん」
「昨日市販のがあったのは覚えてるけど、これ、手作りじゃない?」
「変身したんじゃない」
ラップをめくり、その中のひとつを取り出しながら、
「作ったの?」
とチェンはギョンスを見た。
プリンはカップの中で艶やかなクリーム色に照り、その上にうっすらと淡い琥珀色のカラメルソースが乗っている。ほのかにバニラの香りがする。
ギョンスはチェンを振り返らず、
「まずいプリン食べたくなかったから」
と再びコーヒーを啜る。
「市販の食べたの?」
「要らないからチャニョルたちにあげた」
「じゃあもうないの?」
「うん」
「俺食べなかったなあ」
ギョンスは立ち上がり、コーヒーカップを手にチェンの方に歩いて来た。シンクに向かうために冷蔵庫とチェンの前を通り過ぎるそのときふいに立ち止まり、チェンの顔を一瞥し、
「それあるからいいだろ」
と、チェンの手にあるカップに視線を一度落として、どこか不満げに言い放った。すぐにシンクへと歩を進め、カップを洗うギョンスの姿を目で追いながら、
「うん、嬉しい」
とチェンはその満面としか言いようのない、眉が下がり、口角の上がった笑顔で言った。
ギョンスはちらりとチェンのその顔を見て、「そりゃよかった」とぽつりと呟く。
スプーンとカップを手にチェンは椅子に座った。
「朝ご飯食べる前に食べちゃお」
つ、と処女のような風情をしたプリンにスプーンを入れる。チェンは口の中でかすかにバニラと牛乳の混じった卵の味、それと絡む砂糖と水を少しだけ焦がした大人のようなつもりのカラメルの味を転がした。久しぶりにギョンスの作ったプリンを食べた、とチェンの胸中は名状しがたい何かで溢れそうになる。
気付くとギョンスはカウンターの端に寄りかかっており、チェンがプリンを食べる様子を手を前で組んで眺めていた。
チェンは多少どぎまぎしながら「すごくうまい」とギョンスを一瞬見て言い、食べ続ける。
「みんなは?全員は出掛けてないだろ?今日の予定だと…」
なんとなく気まずい雰囲気にチェンは焦った気持ちを隠しつつ尋ねた。
「出掛けたのと、まだ寝てるのがいる」
答えながら、ギョンスはカウンターのすぐ手前の、先程まで自分が座っていた席に座った。そのすぐ横にチェンが座っているため、ふたりは並んでテーブルについた格好になる。
ギョンスは頬杖をついてチェンを見、チェンは前を向いたまま底をついてきたカップの中でスプーンをかちかち鳴らす。
「飴に続いてプリンと、お前俺に餌付けされてるな」
振り向かなくとも、その声のトーンで、ギョンスが嘲笑のような笑みで見つめているのが分かる。餌付け、という言葉の、ギョンスの放つ低く深みのある響きで、チェンは首からどんどん血が登っていくのを感じ、狼狽えた。
「なんだよ」
声が詰まり、囁いたようになってしまったので、チェンは咳払いを挟んだ。耳、赤くなるな、と念じながら、
「朝、お前指で突っ込んだのかよ、飴」
必死に笑って冗談めかしてギョンスを見た。
するとギョンスは瞬きひとつせずその視線を受け止めて、
「どうだと思う?」
と何の感情もこもらない声音で頬杖をついたまま言った。目を離さずに。
途端にどんどん鼓動が加速してきたチェンは、口がわずかに震えるのを抑えることができない。
「どうって…なんだよ、それ以外に何があるんだよー」
もうひと掬いも残っていないカップの中を更に搔き回す手元に目を落とし、チェンは混乱する頭を平静に戻そうと胸を上下させて息をした。
どうしようもなく期待が頭をもたげそうになるが、ギョンスは考えが完全には読めないタイプの人間で、だからこそチェンは彼に惹かれたのであるが、どうこの事態を捉えればいいか本当に分からなかった。試されているのかという考えがよぎる。自分の態度の何かから彼への思慕に気付き、それが真実かどうか確かめるためにこういったことをしているのではないか。そして確信を持ったら、なんらかのかたちで釘を刺すか、避けるようになるのではないか。
「ひどいぞ、寝てる人間の口に何かを押し込むなんてー」
可能な限り明るくそう言い、チェンはギョンスを見た。
ギョンスは顎を引き、口元に指が来るかたちで顔を支え、心持ち上目遣いでチェンを見返していた。
ギョンスが口を開いた。
「あっずりー!!何食べてんの!?それ何!?」
セフンがキッチンの入り口で叫んだ。
ふたりとも揃って声の主に向き直る。
「プリンだよ」
吐き捨てるようにギョンスがいい、「俺も食べるー!!」と破顔の笑顔で冷蔵庫にセフンが走る。
動悸がおさまらないチェンは、再びテーブルに視線を落とした。
「手作りじゃん〜!兄さん作ったの?」
にこにこしてセフンはギョンスに話しかけ、「そうだよ」と答えるギョンスは、席を立った。
「昨日もふたつ食べたなー!まだいっぱいあるね!」
プリンを手に元気いっぱいのセフンに、その腹めがけ拳をぶつけ、ギョンスは、
「お前はもうそれで終わり。ひとつ以上食ったら殺すぞ」
と言い捨て、キッチンを出て行った。
こえー!と言いながら笑うセフンの顔を見ることができず、口だけはは、と笑うふりをするチェンは、希望と絶望の狭間でその深淵を見下ろしていた。
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20160716

シング シング シング 8
練習場の前にあるベンチに、大きな体を投げ出すように座っている男がいた。ペットボトルに入った栄養ドリンクを汗の浮いた肌と焦点の合わない目をして飲んでいる。
「チャニョル」
声を掛けると、被ったキャップのつばの下からその大きな目を輝かせ、相手を見、「ギョンスー」と低い大きな声で言う。
縦にひょろ長い体の横に、比べると格段に小さく華奢に映る体を寄せ、ギョンスは腰を下ろした。
チャニョルが口を開く。
「めっちゃ疲れたよー。前の仕事、今終わり?」
前に倒れてうー、と唸るチャニョルの折れ曲がった体を見て、微笑みながら、
「うん。ちょっと押した。お前は?ダンス練習?」
と返す。
「そー。むずい」
思わず声を立てて笑ってしまうギョンスをチャニョルはじろっとにらみ、しかしすぐ自らもあははと笑って、「笑うなよー」と叩く真似をする。
「あー。彼女と約束あんのになー」
と、宙を仰ぐチャニョルがまた視点の定まらない顔をする。ギョンスは彼特有の片眉だけを動かす表情を作り、言う。
「行けよ。悪いだろ」
「だってまだノルマ終わってないんだもん」
「明日に持ち越せよ」
「えー。……うーん。ギョンスならどうすんの、こういうとき」
「そこまで切羽詰まってないなら、持ち越す。約束優先」
チャニョルがギョンスに振り向き、見つめられるとまるまるすっぽりと見返す自分の姿が映る黒目で、ギョンスのそれを覗き込んだ。
「ギョンス彼女つくんないの」
「なんだよ」
「いたことあるじゃん。でもここ最近ずっといなくない?」
「いいだろ別に」
「いいけどさ。忙しいだろうけど、それこそ撮影でいろんな子と会うでしょ。いいなって思った子いないの?」
「そりゃ、いないことないよ」
「じゃあアタックすれば?」
「簡単にはいかないよ」
「そう?ギョンスならうまくいくと思うよ」
「お前みたいに社交的じゃないからさ」
「でも女ならお前みたいな男と付き合いたいと思うよ」
ギョンスは視線を落とし、その印象的な横顔をチャニョルに向けた。ギョンスの瞳はどの角度からも見えて、しかしどこからもしっかりとは捉えられないような、本当に不思議な目だなとチャニョルは思う。
「そうだな。やっぱり会いに行くか」
勢いよく立ち上がり、伸びをし、チャニョルはギョンスを見下ろした。帽子をかぶり、真珠色の白目に取り囲まれた黒目を上に上げ、ちょこんと椅子に座るその姿は、いつもチャニョルに幼い少年を見守っているかのような心配を含んだ感情を湧き起こさせる。
「それがいいよ。彼女によろしく」
「ちゃんと会ってみたいって言ってるよ、いつも」
笑いだけで返し、ギョンスは立ち去るチャニョルの後ろ姿を見送った。
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20160716

シング シング シング 9
夜は優しい、とチェンは安堵の溜め息を漏らしながら思う。
太陽のある間何もかもくっきりとものごとが見え、様々な問題が波の寄せるように迫ってくる辛さから逃れるために、日常に曖昧さを戻してくれる日没を近頃特に待ち遠しく感じるようになっていた。
ベッドに仰向けになり、灯りのついたまま目を閉じ、心身に溜まり続ける疲労を意識した。少し喉を使いすぎたかもしれない。軽く咳払いをし、どこからともなく漂ってくるような不安を取り除けようとする。喉飴でも舐めるか。途端に今朝のことがフラッシュバックした。
どうだと思う?
チェンはぱちりと目を開け、枕に顔を押し付ける。あうーと呻きをあげて顔をそのままぐりぐり擦りあげた。
ギョンスに会ったらどう振る舞えばいいのだろう。もしもよそよそしい態度を取られたら。チェンは自らの欲求に気付いてから今日までずっと潜在的に抱えていた恐怖を今もって指先まで体感していた。
コッコッ。
ノックの音に、チェンはびくりと体を震わせた。
はい、と答えると、俺、と決して大きくはない姿に似つかわしくない低音の、間違えようもない声が聞こえてきた。内心ほとんどパニックになりながら、放置するわけにもいかず急いでドアに向かう。
扉を開けると、チェンの悩みそのものがかたちを得て目の前に実在していた。思わず言葉に詰まるが、勇気を持って言葉を発する。
「何?」
ギョンスは手に持ったカップふたつに目を落とし、再び視線を戻して、「これ」と言う。
「俺に?」
視線を外さずこくりと頷き、
「さっきの仕事で、声出し過ぎただろ」
と、片方を差し出した。それはチェンのカップで、ギョンスの白い手の中で深い青が鈍く光っている。柔らかい湯気が絶えず立ち上っており、その向こうでギョンスが目を伏せているのをチェンの目が捉えた。
「熱いから、床に置く」
チェンが了承する間もなく彼の横をすり抜けてギョンスが部屋の中に入った。
コト、ト、とふたつともカップを床に直起きし、そのままギョンス自身も床に座る。白と青のフォルムの違うマグカップがふたつ、微妙な距離で並んで湯気を立てている。ほとんどこの世のものとは思えないようなそっとした雰囲気で、ギョンスが背筋を伸ばして胡座をかいている後ろ姿を見下ろし、チェンは混乱の極みに達しながらも、ぎくしゃくとギョンスの向かい側に回り、腰を下ろした。
上目遣いで、ギョンスを伺う。彼は微動だにせずカップとセットになったかのような白い靄を見つめている。チェンも目を伏せる。
「これ、何?」
やっとの思いで問いかける。
ギョンスは顔を上げず、答える。
「生姜とハチミツお湯で割ったの」
そう言えば、スパイシーさと甘さが混じった香りがする、とチェンは思い、ギョンスの気遣いの細やかさに胸を打たれた。
「飲んだらマスクもしろよ」
そっけなくギョンスは言う。
うん、とチェンは返事をしながら、涙が溢れそうになるのを必死にこらえ、並んだふたつのカップを見つめる。
「なあ」
「ん?」
「iPodかけてもいい?」
ギョンスは真っ黒いスウェットのポケットからiPodを取り出す。
「踊るシーンがあるんだよ、今度」
iPodをいじりながら言葉を続ける。
「いいよ」
チェンは促し、小さな精密機器が静かに設置された。
「どんなダンス?」
少し落ち着いたチェンは、ギョンスの方を見て尋ねることができた。柔らかなイントロが流れてくる。ジャズだ。
「なんて言うか…チークダンス」
言葉を言い終えると同時にギョンスが視線をチェンと絡ませた。
「この…曲が使われるのか?」
視線を外せないままチェンは問う。
「いや、これは…ただ俺が好きなだけ」
「これ…ダイアナ・クラール?」
「そう。The look of love」
瞬間チェンは体中に電流が走ったのを感じ、低く甘いハスキーな歌声がぐるぐる周りを回り始めた。
「最近ジャズ好きで」
ギョンスはその眼差しをチェンの上に置いたまま、立ち上がる。そしておもむろにドアに向かうと、かちゃりという音がその体の向こうからした。
見上げるチェンと視線を合わせ、
「練習しなきゃ」
とこともなげに言う。
ギョンスの言葉の意味が全く脳に入ってこないチェンに向かい、更に彼は続ける。
「来いよ」
ダイアナ・クラールの歌声がふたりの体を通って宙に舞っている。

The look of love is saying so much more than just word could ever say
And what my heart has heard well it takes my breath away
I can hardly want to hold you
Feel my arms around you
How long I have waited …
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20160716

シング シング シング 10
立ち上がったチェンの少し離れたところに、ギョンスが扉を背にして相手を瞬きもせず注視し、立っている。
ピアノの旋律と伸びがあるが儚げでもあるダイアナ・クラールの声がふたりの間を漂い、足元には冷めてきたであろう中身の溢れそうなマグカップがふたつ、あった。
す、とギョンスが掌を上にして手をチェンに差し出した。
「手、出せよ」
ギョンスの顔と差し出された手を交互に見、チェンはおずおずと自分の手を相手のそれに重ねた。そのまま有無を言わせない様子でギョンスはその手を引っ張り、自らの背に回す。胸と胸が触れ合う。ギョンスの手がチェンの背中に伸びる。はずみでチェンがびくりとする。お互い日頃の修練で筋肉質な体をしていることを改めて感じあう。肩甲骨のかたちを確認するように、ギョンスは硬い背中に手を這わせる。チェンは頭が沸騰するような心地でそのまま棒立ちになった。ギョンスがゆっくり音楽に合わせて動き出す。曲はリピート設定らしく、永遠のように甘く豊穣な"The look of love"が繰り返される。相手の動きとともに、チェンもぼんやりながらリズムに体を揺らす。頭をチェンの肩にもたせかけたギョンスから、かすかな歌声が流れてくる。耳のすぐ近くでギョンスの豊かな低音が響く。曲と一緒に口ずさむ彼の、love 、の膨らみを持ったビブラートがチェンの鼓膜を揺らす。
「お前も歌えよ」
ギョンスが囁く。
催眠術にかかったように、言われるがままチェンは震える唇を開く。その高く混じり気のない歌声で、消え入るように口ずさむ。ああ、今まで何のために歌を歌ってきたのか、こんなときにこんな声しか出ない。自分に苛立つチェンにお構いなく、ギョンスが、歌うチェンの肩に顔を擦り付ける。チェンの手はじっとりと汗ばみ、顔は色を塗ったように赤い。これが本当に現実なのか、昨夜のような夢ではないのか、疑念ばかりが頭を駆け巡る。
穏やかに踊り、しかし体内では渦巻くような欲情が駆け巡るふたつの動物が動き回るうち、チェンの膝の裏がベッドに当たった。あ、と思った瞬間、ふたりはベッドに倒れ込んだ。
チェンが両肘をつき、その体の上にギョンスが乗っかる格好になった。胸のあたりにあるギョンスの顔を見下ろし、チェンは目が回るような感覚で、口をぱくぱく動かす。何を言えばいいかわからない。と、さっと体を起こし、ギョンスは
「喉渇いたな」
とベッドを降りた。あっけに取られるチェンを尻目に、ギョンスは体を屈めて先程の生姜ハチミツを取り、ごくごくと喉を潤す。視線を戻してチェンに向かってやって来る。ベッドに肘をついて腰掛けた状態のチェンを、膝をベッドについてギョンスは見下ろす。そのまま両手をベッドに置き、ゆっくり顔をチェンに寄せてきた。目が、とチェンは思う。俺だけを見ている。獣が俺を食おうとしている。獲物になったチェンはもう何もなすすべがなかった。ただ目と口を開けてギョンスを待った。
口と口が出会った。
ギョンスもチェンも、目を閉じることはなく、現実では初めてのくちづけをそのとき交わした。
チェンが猛獣に噛み砕かれるような錯覚に陥っているうちに、デジャヴが襲った。口の中に何か入ってくる。温かく、甘く、少し刺激のあるとろりとした液体。ギョンスの唾液の混じった生姜ハチミツだ、気が遠くなりながらチェンは気付く。ごく、ごくと喉が鳴る。
ギョンスが視線を外さず、光る唇を離し、
「うまい?」
と尋ねる。声が出ず、チェンはただ頷く。
「前は飴だったな」
チェンはもう反応もできない。
「あれ、どうやって入れたか、まだわかんない?」
ギョンスの顔がチェンの顔の3センチほど前で静止している。瞳は意地悪く輝き、唇は得意げに笑みをかたちづくっている。
「ジョンデ」
真顔になったギョンスが起き上がり、膨らんだチェンの股間の上に跨った。
「起きろよ」
言われるまま上半身を起こすチェンの顔を睨みつけるようにして、ギョンスは言う。
「俺がずっと何したかったか、わかるか?」
ペニスがますます充血していくのを感じ、チェンは恥ずかしさで顔にももっと血が上る。
ギョンスはにやりと笑みを浮かべ、
「お前の口」
瞬きして言葉の続きを待つチェンに、顔を再度近付けながら、
「お前の口の両端の上がったとこに、舌を突っ込むことばっかり考えてたんだよ」
言い終えるか終えないかのうちに、両腕を相手の肩にかけ、本人の左側の口角に自身の舌をじわじわ入れ込んだ。チェンはとうとう目を閉じ、口の端に侵入してくる初めての舌の感触を味わった。右側の口角はギョンスの人差し指がいじる。そのまま指で口を開き、スライドした舌が口腔に入ってきた。チェンの舌の上にギョンスの舌は蠢いた。チェンは再び目を開けた。その両腕をギョンスの体に回し、力を込める。我慢できず、チェンはギョンスの舌を無我夢中で求めた。お互いの頭を抱えるようにして、口の中を侵食しあう。ギョンスの舌はどこまでも甘く、溶けてなくなるのではないかとチェンを不安にさせた。目を閉じることはできない。この目が俺を見つめるのを見つめないわけにいかない、断末魔を叫びながらチェンは死の床で思う。
長い間舌を貪ったあと、息を切らし体が火照ったギョンスは体を離し、スウェットの上着とズボンを脱いだ。ボクサーパンツの前にシミができるほど膨らんでいるのを視認し、チェンはめまいを起こしそうになる。
「脱げよ」
もたもたと、チェンもパーカーのジッパーを下ろす。上半身が裸となり、ズボンを引き下ろすと、ギョンスと変わらない状態の股間が現れた。
チェンは羞恥とギョンスの白い肢体に打ちのめされた。ずっと想像の中だけで繰り返し見てきたあの上気した肌が、現実として目の前にある。その体、肌が直接チェンのそれに重なった。恍惚感で溢れ、訳が分からなくなるのを必死で食い止めながら、チェンはギョンスが自分の首筋に舌を這わせ、耳たぶを舐め尽くし、鎖骨を弄んで乳首をおもちゃにするのを受け止めた。その間ギョンスの手はパンツの上からチェンのペニスを優しくしごく。とうとう固く締まった腹部を通り、唇が布地の前に来た。ギョンスはパンツに手をかけ、一気に脱がせる。跳ねるように性器が現れ、途端にそれはギョンスの口の中に収まった。ぬめぬめとした感触に包まれ、久しぶりのそれは脳が溶けるかと思うほどの快楽でチェンを襲った。声が漏れてしまうが、部屋の外に聞こえてはまずいと自ら手で口をふさぐ。しばらく口で吸われたあと、ギョンスがペンダントライトを消し、枕元の灯りのみにして、自分のパンツを引き下ろした。
露わになったギョンスの恥部。
口を開けたまま、チェンはギョンスのそれがこれ以上ないほど上を向いているのを信じられない思いで見つめた。
ギョンスはそんなチェンのさまを一向気にする様子もなく、ベッドに乗ってくる。馬鹿にしたようにチェンに向かって笑い、
「舐めたいか?」
と聞いた。
眉毛を八の字にして、チェンは答える。
「いいの?」
嘲笑の度合いを深め、ギョンスは言う。
「ほら」
ベッドに膝をついて腰を差し出すギョンスに、チェンは放心した態で屈み込む。躊躇いながらも、そそり立つギョンスの性器を根元まで咥えた。
「あ」
ギョンスが漏らした声を聴き、より興奮を深めたチェンは、先走りを味わいながら舌を可能な限り満遍なく、求め続けたものに絡めた。チェンの髪の中に指を潜らせ、めちゃくちゃにしながらギョンスは体が前に屈みがちになる。吐息に甘さを増すさまに安堵と情動を感じながらチェンの速さが上がる。と、チェンの髪がぐっと強く掴まれる。チェンが口を離すと、「もう、いい」とギョンスが眉を寄せて見下ろしている。
ベッドに腰を下ろすチェンに、息の荒いギョンスは言う。
「お前、ローション持ってる?」
「う、ううん…」
「使ったこと、あんの?」
「ない。男とだって、初めてだし」
「そう。俺も」
えも言われぬような喜びがチェンを包んだ。もしかしたらこの感覚はギョンスもかもしれない、とチェンはほのかなオレンジ色の灯りに照らされた彼を見て思い、そうだったらいい、と強く願った。本当は大したことなんかでないのはわかっていたが、お互いが同性の初めてだと思うことで、特別なものがそこに存在する気がした。
「ちょっと待ってろ」
ギョンスはベッドを降りズボンだけ履き、注意深く部屋を出て行った。チェンが心配する間もなくギョンスはすぐ戻り、
「しかたないからな」
手にはオリーブオイルの瓶が握られている。
「これエキストラバージンオリーブオイルだぞ」
と半ば本気でもったいなく思っているのがわかる様子でつぶやく。思わずチェンはあははと笑ってしまう。これが幸福というのだろうかと目の前の情人を眺め、泣き笑いのような顔で思った。
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